クレジットの概要

クレジットは、ArcGIS 全体で使用される通貨のようなもので、フィーチャの保存、解析の実行、プレミアム コンテンツの使用などの特定の処理や保存のタイプに対して消費されます。 ArcGIS Online と連携する ArcGIS ソフトウェア (ArcGIS EnterpriseArcGIS ProArcGIS Field Maps など) は、クレジットを使用する場合があります。 詳細については、その他のクレジット情報をご参照ください。

たとえば、ArcGIS Living Atlas のベースマップおよび画像の使用、データのエクスポート、住所または場所の検索を実行することなど、ArcGIS Online のほとんどの機能はクレジットを消費しません。 多くの場合、クレジットを消費する操作は比較的低コストです。 たとえば、125 件の住所をジオコーディングしたり、2 GB のマップ タイル データを保存したり、人口および収入データの 4 つの変数を含んだミシガン州デトロイト市の郵便番号境界のデータを付加したりするときにかかるコストは 5 クレジット未満です。

所有するクレジット数は、サブスクリプションのユーザー タイプによって決まります。 必要に応じて、いつでも追加のクレジットを購入できます。

クレジットの管理と監視

クレジット消費を管理することは、組織を管理するうえで重要です。 ArcGIS Online では、管理者に対して、クレジットの割当量を管理するために複数のツールを提供しています。 クレジットの割当量を管理する 1 つの方法は、メンバーが必要とする、クレジットを消費するツールにアクセスするために適切な権限のみを持つカスタム ロールを構成して割り当てることです。

クレジットを管理するもう 1 つの方法は、クレジット使用制限を有効化して、特定数のクレジットを組織の一部またはすべてのメンバーに割り当てるか、新しいメンバーにデフォルトの割り当てを設定します。 クレジット使用制限は、GeoEnrichment や空間解析などのトランザクションベースのサービスおよびツールに適用されます。 クレジット使用制限は、ユーザーが全体または 1 つのジョブで使用できるクレジットの閾値を設定し、誤って大量のクレジットを一度に消費することがないようにします。

組織のクレジットが少なくなっているとき、またはクレジット使用制限が有効でユーザーのクレジットが少なくなっている場合、クレジットを消費する特定のアクティビティの使用がブロックされることがあります。

特定の処理の実行やデータの保存に必要なクレジット数を見積もるには、以下の「機能別のクレジット」セクションをご参照ください。

管理者は、ステータス ページを通じてクレジット使用量を監視できます。 ステータス ページでは、時系列によるクレジット使用状況およびクレジットを使用したメンバーの内訳が対話的に表示されるため、使用されていないコンテンツを削除したり、メンバー ロールを更新したりして、プラットフォーム全体の管理アクセスを計画的に調整し、向上させることができます。 公共料金の月間請求書を確認するのと同じように、クレジット使用量の監視は、ソフトウェアがどのように使用されているかを把握したり、時間の経過に伴う必要なクレジット数を予測したりする方法の 1 つです。

注意:

ArcGIS Online は、使用状況データを過去 2 年分のみ保存します。

クレジットとツール

ジオコーディング、GeoEnrichment、画像解析、空間解析などのトランザクションベースのツールでは、レコード数と生成される出力に基づいてクレジットが消費されます。 たとえば、GeoEnrichment を使用すると、データセットに追加する属性の数に基づいてクレジットが消費されます。 移動エリア (到達圏エリアともいう) を生成するには、生成した移動エリアごとにクレジットが消費されます。そのため、8 つの位置に対して 3 つの移動エリア (2、5、10 マイル) を生成する場合、24 の移動エリア分のクレジットが消費されます。 解析ツールを使用する際のクレジット消費の詳細については、「空間解析のクレジットの概要」をご参照ください。

組織がクレジット使用制限を有効化しており、予想されるクレジット数が割り当て済みのクレジット数を超える場合、エラー メッセージが表示され、ジョブが送信できないようになります。

注意:

Map ViewerMap Viewer Classic で解析ツールを実行するために必要なクレジット数を推定できます。 一部の解析ツールはクレジットを消費しません。 詳細については、「空間解析のクレジットの概要」をご参照ください。

画像解析を実行する権限がある場合は、Map Viewer Classic のラスター関数を使用してイメージ レイヤーを処理することもできます。 次のラスター関数が ArcGIS Online で実行された場合、クレジットは消費されません。

  • 属性のラスター化
  • 属性テーブル
  • ラスター情報
  • キー メタデータ

クレジットとストレージ

クレジットを消費するストレージには、フィーチャ ストレージ、画像ストレージ、ファイル ストレージの 3 種類があります。 フィーチャ ストレージは、ArcGIS Online でホスト フィーチャ レイヤーに固有です。一方、ファイル ストレージには、ホスト フィーチャ レイヤー内の添付ファイルなど、他の種類のレイヤーとファイルが含まれます。 画像ストレージは、ArcGIS Online でホスト イメージ レイヤー専用です。 それぞれの種類のストレージを構成する要素の例や、クレジットの消費率については、以下の「機能別のクレジット」セクションをご参照ください。 [同期の有効化][データの変更を記録] などの編集アクセスを制御する設定を含む一部のフィーチャ レイヤーの設定では、時間の経過に伴い、フィーチャの保存容量が増大する可能性があります。 最適化されたホスト フィーチャ レイヤーは、さらにストレージ領域を使用します。

組織がストレージに使用しているクレジット数を判定するには、組織ページの [ステータス] タブで、クレジット利用状況チャート[ストレージ] をクリックします。 各ストレージ タイプ (たとえば、フィーチャ ストレージまたはファイル ストレージ) を選択して、組織がそのストレージ タイプに消費しているクレジット数の内訳を表示できます。

フィーチャ ストレージ レポートで、組織のすべてのホスト フィーチャ レイヤーにおける特定のストレージを表示するには、レポートの [ストレージ タイプ] の下で [Standard Feature Data Store] を選択してから、[アイテム詳細の表示] をクリックします。 これにより、各フィーチャ レイヤーが使用しているストレージ量が 1 つのビューに表示されます。

画像ストレージ レポートで、組織のすべてのイメージ レイヤーのストレージ詳細を表示するには、レポートの [レイヤー タイプ] の下で [タイル イメージ レイヤー] を選択してから、[アイテム詳細の表示] をクリックします。 これにより、イメージ レイヤーごとのストレージ クレジット使用量で使用される画像ファイルのサイズが表示されます。

追加のクレジットの取得

組織の管理担当者は、クレジットの 75 パーセントおよび 100 パーセントが使用されたり、メンバーがクレジット割り当て制限の 100 パーセントを使用したりすると、通知を受け取ります。 組織がすべてのクレジットを使用した場合、サブスクリプションは制限されたステータスになったり、残りのクレジットがマイナスになったりする場合があります。

組織がすべてのクレジットを使用すると、サブスクリプションは制限状態に移行します。 制限状態のサブスクリプションでは、一部のアイテムやワークフローへのアクセスがブロックされます。 サブスクリプションは引き続き使用できるため、組織の管理やコンテンツを使用する一部の操作は実行できます。 次のアクティビティは制限状態のサブスクリプションで許可されています。

  • デフォルトの管理者は管理レポートの実行を含め、すべてのメンバーとコンテンツの管理アクティビティを実行できます。
  • デフォルトの管理者は組織の設定とポリシーを変更して保存できます。
  • デフォルトの管理者はメンバーを招待して、ライセンスを割り当てることができます。
  • メンバーは組織内で既存のコンテンツを開いて、表示、共有、変更できます。
  • メンバーはパブリック コンテンツと他のメンバーが所有する共有コンテンツを開くことができます。
  • メンバーはライセンスが付与されたソフトウェアを使用できます。
  • メンバーは既存のレイヤーにデータを追加できます。

制限状態のサブスクリプションには次の制限が適用されます。

  • メンバーは新しいコンテンツを作成できません。
  • メンバーはタイプを問わず新しいレイヤーを公開できません。
  • メンバーはあらゆるクレジット消費ツールにアクセスできません。

ArcGIS Online サブスクリプションが制限状態であることを示すメッセージが表示された場合は、追加のクレジットを購入するか、サポートが必要な場合は Esri テクニカル サポートにお問い合わせください。

注意:

年間サブスクリプションに含まれる未使用のクレジットは、サブスクリプション期間の終了時に有効期限が切れます。 追加購入したクレジットは 2 年後に有効期限が切れます。

機能別のクレジット

以下の表を使用して、特定のトランザクションを実行したりデータを保存したりするために必要なクレジット数を見積もります。

機能使用例クレジット使用量

フィーチャ ストレージ (フィーチャの添付ファイル、フィーチャ コレクション位置情報の共有に関連付けられているフィーチャ、ホスト フィーチャ レイヤー ビューを除く)。

ホスト フィーチャ レイヤーの保存

1 GB の保存で月 240 クレジット (1 時間単位の計算)

注意:

[同期の有効化][作成および更新されたフィーチャを記録] などのフィーチャ レイヤーの設定によっては、時間の経過に伴ってストレージ サイズが増大する可能性があります。

画像ストレージ

ホスト イメージ レイヤーの保存

タイル イメージの場合、ストレージ コストは 1 GB の保存で月 1.2 クレジット (1 時間単位の計算) です。

注意:

タイル イメージ ストレージのクレジットは、保存される画像のサイズに基づいて計算されます。

ダイナミック イメージの場合、ストレージ コストは画像のサイズと数に基づいて計算されます。 画像サイズのクレジットは 1 GB の保存で月 1.2 クレジット (1 時間単位の計算) で、画像の合計サイズに基づいて計算されます。 画像の総数については、クレジット コストは次のようになります。

  • 1 ~ 10 の画像: 1 日につき 10 クレジット
  • 11 ~ 100 の画像: 1 日につき 20 クレジット
  • 101 ~ 1,000 の画像: 1 日につき 40 クレジット
  • 1,001 ~ 10,000 の画像: 1 日につき 80 クレジット
  • 10,001 ~ 100,000 の画像: 1 日につき 160 クレジット
  • 100,000 を超える画像: 1 日につき 320 クレジット
注意:

ダイナミック イメージ レイヤー内の画像は、単一の画像、画像コレクション内のアイテム、または多次元データセットのスライスとして見なされます。 ダイナミック イメージ レイヤーの画像の総数は、レイヤーの公開時に計算されます。 ダイナミック イメージ レイヤー内の画像またはスライスの数は、レイヤーのアイテム ページで確認できます。

ホスト フィーチャ レイヤー (このテーブルの上部に示す) を除くすべてのコンテンツの保存

Web マップの保存

PDF ファイル、画像、Microsoft Office ドキュメント、サービス定義ファイル、タイル パッケージ、シーン レイヤー パッケージ、その他の追加したアイテムなどのファイルの保存

フィーチャ コレクションの保存

ホスト フィーチャ レイヤーの添付ファイルの保存

ArcGIS Pro から公開されたベクター タイル レイヤーの保存

シーン レイヤーのキャッシュの保存

3D Tiles レイヤーのキャッシュの保存

事前に準備されたオフライン マップ エリア用にパッケージ化されたデータの保存

1 GB の保存で月 1.2 クレジット (1 時間単位の計算)

ジオコーディング

ArcGIS World Geocoding Service またはこのロケーターのビューを使用してホスト フィーチャ レイヤーとしてスプレッドシート (.csvExcel ファイルなど) を公開したときの住所の一致

ジオコード 1,000 件につき 40 クレジット

フィーチャ解析

Map Viewer または Map Viewer Classicフィーチャ解析ツールを使用したフィーチャ解析の実行

クレジット使用量はツールによって異なります。 詳細については、「空間解析のクレジットの概要」をご参照ください。

画像解析

ラスター解析ツールまたはラスター関数を使用した画像解析の実行

画像解析のクレジット使用量は、処理されるピクセルまたはフィーチャの数によって異なります。ピクセルまたはフィーチャの数は、マルチバンド画像のバンド数と多次元データのスライス数を含みます。

複数の複雑なラスター関数を連結したカスタム ラスター関数テンプレートを使用すると、クレジット使用量が増える可能性があります。

単純ルート

Map Viewerルート案内の取得

単純ルート 1 件につき 0.005 クレジット

最適ルート

Map Viewer でのルート案内の取得か、Map Viewer Classicルートの最適化の使用

最適ルート 1 件につき 0.5 クレジット

移動 (起点から終点) コスト マトリックスの生成

移動コストの計算 (Map Viewer Classic では起点から終点に接続)

入力された起点および終点 1 組につき 0.0005 クレジット

最寄り施設の検索

直線距離モードまたは移動モードを使用した Map Viewer での最近接フィーチャの検索 (Map Viewer Classic では最寄りの検索)

最寄り施設ルート 1 件につき 0.5 クレジット

ロケーション-アロケーション

最適な施設の選択による ArcGIS Online での周辺地域からの需要のサポート

割り当て済み需要地点 1 件につき 0.1 クレジット

車両の経路指定

Map Viewer[ルートの計画] を使用した、複数車両が最短時間で一連の訪問先を訪問できるルートの決定

配車ルート 1 件につき 1 クレジット

到達圏エリア、移動エリア、または運転時間エリアの生成

移動エリアの生成による Map Viewer での指定した移動時間または距離を使用したエリアの計算 (Map Viewer Classic では到達圏レイヤーの作成)

エリア 1 件につき 0.5 クレジット

人口統計マップおよびレイヤー

マップでの United Kingdom Purchasing Power per Capita の画面移動

1,000 マップ リクエストにつき 10 クレジット (画面移動、ズーム、属性表示)

インフォグラフィックス

ArcGIS ProBusiness Analyst Web AppArcGIS Community AnalystArcGIS Web AppBuilderArcGIS Experience Builder など、サポートされているアプリでのインフォグラフィックスの表示

PDF、Excel、HTML へのインフォグラフィックスのエクスポート

1,000 ビューにつき 10 クレジット

1 回のエクスポートにつき 10 クレジット

タイル生成

ArcGIS Online を使用したタイル キャッシュの作成

10,000 タイルの生成に 1 クレジット

フィーチャからのシーン レイヤーの生成

ホスト フィーチャ レイヤーからホスト シーン レイヤーを公開

ArcGIS Pro での関連付けられたフィーチャ レイヤーを使用するシーン レイヤーの公開

1,000 マルチパッチ フィーチャ (テクスチャ付き) につき 1 クレジット

5,000 マルチパッチ フィーチャ (テクスチャなし) またはポイント フィーチャにつき 1 クレジット

その他のクレジット情報

以下のアプリと製品では、ArcGIS Online でアクセスするツールとサービスについて、固有のクレジット使用量の情報があります。