2024 年 6 月のアップデートには、削除したアイテムのためのゴミ箱、ユーザー タイプの更新、ArcGIS Web Editor の実装のほか、ArcGIS Online Web サイト全体にわたるその他の機能拡張および新機能が含まれています。 以下では、主な新機能について説明します。 詳細については、「ArcGIS Online の新機能」のブログ記事をご参照ください。
ゴミ箱
組織向けの新しい設定を使用すると、管理者は、サポート対象の削除済みアイテムを組織サイトから完全に削除する前に、ゴミ箱に 14 日間 (336 時間) 保持するかどうかを制御できるようになりました。 このゴミ箱によって、アイテムの所有者や管理者には、誤って削除された可能性のあるアイテムにアクセスして復元するための時間的猶予が与えられます。 さらに、管理者は拡張されたアイテム レポートを使用して、ゴミ箱内のアイテムを記録しておくことができます。
マップ
- ArcGIS Online の最新のデータ編集アプリケーションである ArcGIS Web Editor で、マップを開いて編集できるようになりました。
- ホスト フィーチャ レイヤーまたはホスト テーブル レイヤーのテーブルから Map Viewer でフィールド値を計算できるようになりました。
- Map Viewer で作業しているときに、[フィールド] ウィンドウからフィールドを追加および削除できるようになりました。
- テーブルから [編集] ウィンドウにアクセスして、フィーチャとレコードを追加、更新、削除できるようになりました。
- あるレイヤーに関連付けられたレコードがある場合は、属性テーブルでこれらを確認できます。
- Map Viewer でカタログ レイヤーを操作できます。 カタログ レイヤーは、さまざまなアイテムとサービスを参照し、効率良く配布およびアクセスできるすべてのデータの一元的な参照ポイントとなります。
- Map Viewer でレイヤーをスタイル設定するときに新しい参照サイズ テーマを使用すると、参照用の境界アウトラインを使用して値を相互に関連付けて視覚化できます。
- ラベルをカスタマイズするときに、ラベルの位置をラインに沿って調整できるようになりました。 ラベル背景の透過表示や背景のアウトラインの色とサイズも設定できます。
- 日時フィールドの構成、時刻のみのフィールドのフィルター、日付のみのフィールドに対する相対日付条件の適用など、時刻ベースのフィールドに対しフィルター適用のためのサポートの幅が広がりました。 相対日付条件をホスト フィーチャ レイヤーだけでなく、ArcGIS Server フィーチャ レイヤー (バージョン 10.9.1 以降) にも適用できるようになりました。
- データをクラスタリングおよびビニングするとき、フィールド追加時にカスタム Arcade 式を作成できるようになりました。 これを使用することで、集約データのスタイル設定、ラベル、フィルターを行えます。
- Map Viewer での印刷時のユーザー エクスペリエンスが向上しました。 印刷されるマップの範囲をプレビューできるようになりました。 これにより、印刷したいマップの領域をエクスポート対象のマップまたはレイアウトに含めやすくなりました。
- アイテムとして ArcGIS Online に公開されたカスタム印刷レイアウト テンプレートを、印刷サービスを構成せずにレイアウト テンプレート グループ (ベータ版) と共有できます。 これらのテンプレートを使用して、Map Viewer でマップを印刷できます。
- 系列内の箱ひげ図で、系列が [分割] フィールドを使用している場合に平均ラインがサポートされるようになりました。
- Map Viewer では、多次元イメージ レイヤーのサポートが改善されています。 非時間ディメンションが複数ある多次元イメージ レイヤーを構成できるようになりました。 さらに、ディメンション スライダーを使用して、それぞれの非時間ディメンションに沿ってすべてのスライスを 1 つずつアニメーション表示することもできます。
- [リサンプリング タイプ] を選択することで、画像レイヤーをリサンプリングできるようになりました。 これにより、画像レイヤーがマップ上でどのように視覚化されるかを調整できます。
シーン
- タイム スライダーを使用して、時間対応 2D や 3D レイヤーを探索および視覚化します。
- レイヤーの表示期間を設定して、さまざまなデータセットを 1 つの連続したタイム ストーリーに結合します。
- 3D モデルのアップロードはベータ版でなくなり、編集中の座標入力も可能になりました。
- フィーチャの属性と Arcade 式を使用して、データに正しい標高を付与します。
- Scene Viewer から直接 3D ダッシュボードを作成します。
- 新しいカタログ レイヤーを使用して、大規模なレイヤー コレクションを参照します。
- 既存のメディア レイヤーをシーンに追加します。
- 陰影処理を通じた 3D メッシュ レイヤー (シーンおよび 3D タイル) の照明と全体的な外観が改善しました。
共有とコラボレーション
- 分散コラボレーションでコンテンツがコラボレーション参加者と共有されると、アイテムとサブレイヤーのメタデータも共有されます。 メタデータを編集できるのは送信元の組織だけであり、これらの編集内容はコラボレーション参加者とのみ共有できます。
アプリの構成
- ArcGIS Experience Builder で、ビルディング エクスプローラー、フィーチャ レポート、計測、現在地 (ベータ版) という 4 つの新しいウィジェットが使用できるようになりました。 その他の改善点としては、マップ ウィジェットの差し込みロケーター マップ ツール、ラスター データのサポート、関連レコードの表示のサポートなどがあります。 また、Experience Builder アプリを Google Analytics に接続できるようになりました。 詳細については、「Experience Builder の新機能」をご参照ください。
- ArcGIS Instant Apps に新しいアプリ テンプレートが追加され、いくつかの更新が加えられました。 新しいレポーター テンプレートでは、エンド ユーザーがインシデントの報告、フィードバックの収集、既存レポートの操作を行うことができます。 他のアプリ (ArcGIS StoryMaps など) でマップを開く地図帳の機能などの新しい機能も追加されました。 詳細については、「Instant Apps の新機能」をご参照ください。
- ArcGIS Dashboards には、いくつかの更新が含まれています。 ダッシュボード作成者がダッシュボード内のフィーチャの属性を更新できるようになりました。 レイヤーで編集 (更新) が有効になっており、ユーザーにフィーチャの編集権限がある場合、ユーザーは、テーブルの行またはポップアップの見出しの「編集」をクリックできます。 作成者が新しいテーマを選択したり、ダッシュボードのデザイン用の新しい色とスタイル調整オプションを使用して独自のテーマを作成したりできるようなりました。 また、作成者が Web シーンから対話形式でフィーチャを選択し、フィーチャをクリックしてアクションをトリガーできるようになりました。 詳細については、「ArcGIS Dashboards の新機能」をご参照ください。
コンテンツ管理
- Web マップの設定が改善され、オフラインで使用するマップとコンテンツを適切に構成しやすくなりました。 [互換性の確認] ウィンドウでは、オフライン ワークフローでマップとレイヤーが使用できない問題を特定して修正するのに役立つメッセージが表示されます。
- ホスト フィーチャ レイヤーにトゥルー カーブ フィーチャを保存できるようになりました。 これらのフィーチャが編集可能かどうか、編集可能な場合は、トゥルー カーブではないフィーチャで上書きせずに編集できるクライアントのみに編集を制限するかどうかを制御できます。 これらの設定の詳細については、「ホスト フィーチャ レイヤーの編集の管理」をご参照ください。
- Microsoft Excel、カンマ区切り値 (CSV)、GeoJSON のファイルからホスト フィーチャ レイヤーを公開、追加、更新するときに、日付のみ、時刻のみ、タイムスタンプ オフセットのフィールド タイプが認識されるようになりました。 それぞれでサポートされている形式については、「ArcGIS Online の日時フィールド」をご参照ください。 これらのファイル タイプを使用してホスト フィーチャ レイヤーを公開、追加、更新するときに、フィールド値が -2147483648 ~ 2147483647 の範囲外である場合は、Big integer フィールド タイプも認識されます。
- Creator ユーザー タイプが割り当てられ、コンテンツの作成およびホスト イメージ レイヤーの公開権限を持つロールのメンバーであるメンバーは、ArcGIS Online でホスト イメージ レイヤーを作成できるようになりました。
- ホスト イメージ レイヤーのアイテムに、イメージ レイヤーにコレクションまたは多次元タイプの属性が含まれているかどうかを示すテキストが追加されました。
- 開発者の認証情報が付与されたアプリを組織に追加すると、追加の認証情報オプション (API キー) を使用できます。
Notebooks
- Web ツールの公開権限を持つノートブック作成者が、ノートブックを Web ツールとして公開できるようになりました。
- 新しいバージョンの ArcGIS API for Python、ArcPy、Python ライブラリがノートブック ランタイムで使用できるようになりました。
空間解析
- カスタム Web ツールが、Map Viewer で使用可能になりました。 カスタム Web ツールは、ArcGIS Notebooks で公開され、ArcGIS Online でツール アイテムとしてホストされているジオプロセシング ワークフローです。 カスタム Web ツールは、Map Viewer [解析] ウィンドウからアクセスできます。
- 既存のラスター関数テンプレートを作成または変更するために、[解析] ウィンドウで [ラスター関数テンプレート] タブが使用できるようになりました。
- フィーチャの結合の [複数一致レコード] パラメーターに [個数のみを計算] オプションが追加されました。 [複数一致レコード] パラメーターは、1 対 1 の結合で返されるレコードまたは統計を決定します。
- レイヤーへの情報付加に、[入力フィーチャの描画] ボタンが追加されました。これを使用すると、入力レイヤーを対話形式で作成できます。 入力フィーチャを描画するとスケッチ レイヤーが作成され、Web マップに保存できます。 [入力フィーチャの描画] ボタンは、以前のリリースで他の複数の解析ツールに導入されました。
- ゾーン統計の [統計の種類] パラメーターに 4 つの新しいオプションが追加されました: [最頻値の数]、[最頻値の割合]、[最少頻値の数]、[最少頻値の割合]。
- ゾーン統計をテーブルに出力の [統計の種類] パラメーターに 6 つの新しいオプションが追加されました: [最頻値の数]、[最頻値の割合]、[最頻値、数、割合]、[最少頻値の数]、[最少頻値の割合]、[最少頻値、数、割合]。
- 距離累積と距離アロケーションの [鉛直方向ファクター] パラメーターに 2 つの新しいオプションが追加されました: [ハイキング時間] および [双方向ハイキング時間]。 [距離の方法] パラメーターの値が [測地線] であるか、[鉛直方向ファクター] または [水平方向ファクター] パラメーターが設定されている場合のこれらのツールのパフォーマンスが向上しました。
アカウントと管理
- ユーザー タイプは、ArcGIS Online の機能、アプリ、コンテンツへのアクセスを拡大するために変更されています。 更新されたユーザー タイプの詳細については、「ユーザー タイプの概要」ページをご参照ください。
- クレジット レポートに、ストレージのクレジット使用量、画像解析のクレジット使用量、登録済みアプリの使用量に関する情報が追加されました。
- 画像のホスティングおよび解析の機能のライセンス オプションが変更されました。 Creator、Professional、Professional Plus ユーザー タイプでは、ホスト イメージ レイヤーを作成できます。 Professional と Professional Plus ユーザー タイプでは、画像解析を行えます。