管理者は、要件の変更に応じて、セットアップ時の組織のニーズと構造に対応し、新しい機能を活用できるように ArcGIS Online を構成する責任があります。 同様に、メンバー、アイテム、およびグループを定期的に管理し、組織のデータを整理して、メンバーに最適な状態で使いやすくすることも重要です。 これらの管理作業を実施することで、監視での使用を含め、ArcGIS Online から最大限の価値を引き出すことができます。
ヒント:
必要に応じて、管理作業に役立てるために、アプリに関して ArcGIS Marketplace でパートナー ソリューションを検索します。
メンバーの管理方法
組織のメンバーは、時間の経過とともに変化する可能性があります。 一般的なメンバー管理タスクの実行方法を次に示します。
メンバーの招待
ArcGIS Online へのアクセスを新しいメンバーまたはメンバーのグループに展開または拡大するときに、メンバーの招待ワークフローを使用する必要があります。 招待およびユーザー設定の構成は、個別に実行することも、.csv ファイルをアップロードしてまとめて実行することもできます。
メンバーを招待および追加する際には、次の作業を行います。
- メンバーを招待する前に、新しいメンバーのデフォルトを構成し、新しいメンバーに割り当てるユーザー タイプ、メンバー ロール、グループ、メンバー カテゴリなどのメンバー プロパティを指定します。
たとえば、組織のクレジット使用制限が有効になっている場合は、すべての新しいメンバーにデフォルトのクレジット割り当てを指定することで時間を節約できます。 これによって、各ユーザーのクレジットを個別に管理することなく、いくらかの最初のクレジットを新しいユーザーに提供します。 必要に応じて、特定のメンバーのデフォルト クレジットを調整することもできます。 また、新しいメンバーが要求することなく、関連コンテンツに迅速にアクセスできるよう、ベースライン グループのセットを構成することもお勧めします。
組織で部門、場所、専門知識などの特性に応じてメンバーを整理するためのカテゴリが設定されている場合、すべての新しいメンバーに割り当てるデフォルトのメンバー カテゴリを指定できます。 メンバー カテゴリを使用すると、組織内のメンバーを簡単に検索および管理できます。
- 招待プロセスの間に、関連する機能へのアクセスをメンバーに提供する権限を持つロールを割り当てます。 たとえば、メンバーがコンテンツを作成する必要がある場合、必ずそれらのメンバーが作成機能を所有するようにします。
ヒント:
電子メールを介してメンバーを招待した場合は、そのメンバーが招待を受理するまで、そのメンバーの名前が [保留中のメンバー] の下に表示されます。 必要に応じて、リマインダーとして招待を再送信することができます。
メンバーの削除
組織のメンバーが脱退する場合は、そのメンバーのアカウントを削除し、そのメンバーが所有しているアドオン アプリ ライセンス、コンテンツ、またはグループをどのように処理するかを決定する必要があります。 メンバー アカウントを削除すると、そのメンバーのライセンス、アイテム、およびグループは、指定した別のメンバーに転送されます。
組織固有のログインへの移行
組み込みアカウントの初期設定後に、組織固有のログイン (SAML ログインまたは OpenID Connect ログイン) を使用することを組織が決定した場合、元のアカウントから新しい組織固有のアカウントへ、メンバーのアイテムおよびグループを移行する必要があります。
アイテムの管理方法
組織のアイテムは、時間の経過とともに変化します。 アイテムの情報、ステータス、および流通は、そのライフサイクルを通して更新される必要がある場合があります。 一般的なアイテム管理タスクの実行方法を次に示します。
- 古いアイテムまたは未使用のアイテムの識別
- 大きいホスト フィーチャ レイヤーの検索
- Web マップ内のサービス URL の更新
- サービスまたはアプリ アイテムの URL の更新
- アカウント間でのアイテムの移行
古いアイテムまたは未使用のアイテムの識別
古いアイテムまたは未使用のアイテムは、格納領域を消費し、検索結果を乱雑にする可能性があります。 定期的にアイテムを確認することをお勧めします。 未使用のアイテムおよび不要なアイテムを、組織から削除することができます。 まだ関連性のある古いアイテムは、非推奨に指定することができます。
コンテンツ、グループ、および組織内で最も古いアイテム、変更される頻度が最も低いアイテム、表示される回数が最も少ないアイテムを特定するには、[コンテンツ] ページの各タブでアイテムの並べ替えまたはフィルタリングを行います。 また、組織内のすべてのアイテムを表示するアイテム レポートを作成し、[Date Modified] または [Date Last Viewed] でレポートを並べ替えることもできます。
大きいホスト フィーチャ レイヤーの検索
ArcGIS Online は、格納されたフィーチャ データの量に基づいて、ストレージ クレジットを消費します。 管理者として、格納されたコンテンツを監視し、ストレージが効果的に使用されているかどうかを確認する必要があります。
組織のホスト フィーチャ レイヤーのリストをサイズ別に表示するには、次の手順を実行します。
- 組織の [ステータス] ページを開きます。
- ページの上部にある [レポート] をクリックします。
- [レポートの作成] をクリックし、[単一レポート] をクリックします。
- 「レポートの作成」の手順に従って、アイテム レポートを作成します。
- レポートをダウンロードして開き、[Item Type] 列をフィルター処理して [Feature Service] アイテムのみを表示し、[Feature Storage Size] 順に並べ替えます。
注意:
サイズはメガバイト単位で表示されます。
Web マップ内のサービス URL の更新
ライブ Web マップに含まれている Web サービス URL は、時間とともに変化する場合があります。 サーバーの移行中に、サーバー名が変更されることがあります。 HTTPS が Web の標準になるため、サーバーは HTTPS に移行されます。 Web マップ レイヤーで参照される URL を更新するには、マップのアイテム ページの [設定] タブにある [参照の更新] ユーティリティを使用します。
注意:
GIS サーバー コンピューターの正規名 (CNAME) を使用すると、Web マップ内のサービス URL を更新する手間を回避できます。 CNAME はサーバー名のエイリアスであり、IT 部門が DNS に追加します (例: myGISserver.m.com の場合、50.12.234.12)。 サーバーを新しいハードウェアに移行する際、CNAME 参照が新しいサーバーを示すように更新するだけで済み、サービス URL を一切変更する必要がないため、Web マップやその他のサービス参照を更新する必要はありません。
サービスまたはアプリ アイテムの URL の更新
ArcGIS Server でホストされているサービスおよびローカルにホストされている Web アプリの URL は、サーバーが廃止された場合、またはサーバー名が変更された場合に、変更されることがあります。 レイヤー アイテムおよび Web アプリ アイテムへの URL 参照を更新するには、アイテム ページの [設定] タブにある [データ ソース] ユーティリティで URL を更新します。
アカウント間でのアイテムの移行
多くのユーザーは、複数の ArcGIS アカウントを使用する必要はありません。 ただし、管理者はアカウント間でマップやその他のアイテムをコピーする必要がある場合があります。
[所有者の変更] を使用して、アカウント間で既存のアイテムを転送したり、グループの所有権を調整したりすることができます。 アイテムは同じ組織に残り続けます。このため、レイヤー、マップ、およびアプリ間のすべての参照とリンクは保持され、正常に機能し続けます。 所属グループも調整できます。
ヒント:
多数のフォルダーまたはグループを持つアカウントを移行する場合、ArcGIS API for Python を使用して [マイ コンテンツ] のフォルダー構造を円滑化および維持することもできます。 サンプル スクリプトをダウンロードします。
グループの管理方法
グループを使用して注目のコンテンツを管理し、組織の注目のグループとして一連のグループを宣伝します。 (可能な場合は、この作業を他のスタッフに割り当ててください。) 組織がデフォルトの Esri ベースマップ以外のベースマップを使用する場合は、ベースマップ ギャラリー用のグループを作成および管理します。
グループはクレジットを消費しませんが、グループのクリーンアップは、ストレージ クレジットを消費する古いコンテンツ アイテムのクリーンアップにも役立ちます。
使用されなくなったグループ、特にパブリック グループや組織グループを特定します。
- [グループ] > [所属している組織のグループ] の順にクリックして組織のグループを表示し、並べ替え順を逆にして、一番古いグループが先頭に来るようにします。
- 各グループの [コンテンツ] タブを表示して、直近に変更されたアイテムを決定します。
- グループ コンテンツのアイテム ページを開き、[使用量] タブを表示して、アクティビティ統計を確認します。
アクティビティの監視とレポート
また、組織のユーザーとコンテンツのメトリクスを監視することも重要です。 組織の活動を監視および管理する方法のいくつかを次に示します。
注意:
ArcGIS Online は、使用状況データを過去 2 年分のみ保存します。
システムの使用状況
管理者は、次の基本的な統計を監視することが有用です。
- メンバー、グループ、およびアイテムの数 (合計および新規)
- 最もアクティブなユーザー、および最も多く閲覧されているアイテム
- 最も多くのアイテムを保有しているユーザーおよびグループ
組織の [ステータス] ページの [ダッシュボード] セクションにあるアクティビティ ベースの指標をご参照ください。 [レポート] セクションから詳細なシステムの使用状況情報をダウンロードします。 アイテム レポートには、ユーザーによる地理コンテンツの作成、使用、および共有の状況が表示されます。 メンバー レポートには、ユーザーが組織に貢献している状況が表示されます。
ストレージ使用量
組織のストレージおよびデータベース リソースのニーズは、時間の経過に伴い変化することがあります。 組織のストレージの使用量および制限に関する情報を得るには、組織の [概要] ページを開いて、[フィーチャ データ ストア] をクリックします。 さらに、[ステータス] ページの [レポート] セクションから詳細なストレージ情報を含めてアイテム レポートを作成することもできます。
作業負荷の集中するクエリや編集の期間中は、プレミアム フィーチャ データ ストアにアップグレードして、組織の専用のデータベース リソースと増量されたストレージにアクセスすることもできます。 価格設定、パフォーマンス情報、および購入の詳細については、Esri ストアをご覧ください。
クレジット使用量
各組織によって、クラウド リソースの使用が異なるため、使用するクレジット数も異なります。 クラウド サービスを大量に使用しても、最高の価値を提供できる場合も多くあります。 大量にクレジットを使用するすべてのインスタンスを過剰であるとして対象にするのではなく、使用の理由を慎重に評価します。 たとえば、重複する作業、冗長なデータ、ローカルでも使用できるサービスまたはデータの使用を識別します。
- 毎週または毎月のクレジット使用状況を監視します。 [ステータス] ページで、[レポート] セクションに移動し、クレジット レポートを生成します。 レポートのスケジュールを設定して、毎週または毎月自動的に実行することもできます。
- 追加のクレジットが必要なタイミングを決定します。 クレジット使用制限の管理方法については、「ArcGIS Online でのクレジットの理解と管理」をご参照ください。
意図されていないクレジットの使用を識別して調査し、次に示す例のような代替案を提案します。
- 不必要に生成されたタイル サービス - タイルがビューアーに最初に表示されたときにだけタイルを生成するように、タイルを自動的に生成するオプションを使用します。これにより、要求されたタイルを生成する場合にのみ、クレジットが消費されるようになります。 独自のタイルを生成することが好ましい場合は、ArcGIS Pro または ArcMap でタイル キャッシュを (タイル パッケージとして) 構築してから、ArcGIS Online でそのタイル パッケージをアップロードして公開します。
- 大きいホスト フィーチャ サービス - ジオメトリを単純化するか、属性の数を減らすか、またはタイル サービスを使用して、格納されるホスト データの量を減らします。 独自のインフラストラクチャ上で大きいデータセットをサポートできる場合は、フィーチャ データを ArcGIS Enterprise の配置で公開することを検討してください。
- レイヤーの複製 - 公開する前にレイヤーを検索して、そのレイヤーがすでに利用できる状態になっていないか確認します。 ホスト フィーチャ レイヤー ビューを使用して、データの異なるビュー (より少ないフィールド、特定のフィーチャ) を提供します。重複するデータ セットを ArcGIS Online に格納する必要はありません。
- 同じ組織内の大量または反復的なジオコーディング、ルート検索、またはジオエンリッチメントのジョブ - 同じデータを再ジオコーディングしないようにします。 データセットが ArcGIS Online ツールから作成されている場合、重複するジョブを実行する代わりに、データを共有するようにユーザーに促します。 反復的なジョブの場合に、ArcGIS Server で実行されるロケーターを使用することを促すこともできます。 よく使用されるレイヤーをシステムに公開し、周知します。