適合性解析の参考情報

適合性解析ワークフローでは、定義した条件を満たしているサイトを特定します。 条件には、人口密度、世帯収入、年間の 1 日当たりの平均交通量などの変数をデータ ブラウザーから挿入できます。 各変数を標準化したり、重み付けしたりすることができます。 また、独自のデータを追加するか、カスタム データを設定して、さまざまな地理的境界やカスタム適合性条件を使用することもできます。 適合性解析の結果、各サイトにスコアが付けられ、その結果が [結果] ウィンドウとマップ レイヤーに表示されます。 サイト ランキング スコアは、マップ上にカラー コード シンボルとして表現されます。

クリーニング施設の中小企業経営者は、新しい市場への展開に関心を持っています。 解析の結果、中小企業経営者は、駐車スペースがある店舗、賃貸住宅の割合が高い地域、人口密度が比較的高い地域など、施設の成功に貢献した要因を特定しました。 中小企業経営者は、これらの条件を使用して、ウィスコンシン州デーン郡のブロック グループを対象に適合性解析を実行します。 これらのサイトの適合性スコアは 2 か所に返されます。つまり、マップ上に色分けされたブロック グループとして表示され、[結果] ウィンドウ内にも表示されます。

適合性解析の例

このサンプルを自分自身で作成するには、「小規模ビジネスの拡大」チュートリアルをご参照ください。

結果

解析の結果はマップ レイヤーとして、および [結果] ウィンドウで表示できます。このウィンドウには、[サマリー] サマリー[ヒストグラム] ヒストグラム[バブル チャート] 散布図[テーブル] テーブル が含まれています。 適合性解析の [結果] ウィンドウの詳細については、「適合性解析の [結果] ウィンドウ」をご参照ください。 マップ上の各サイトは、適合性解析スコアを表すために色分けされます。

導入ページのオン/オフの切り替え、デフォルト色の設定、ポイント レイヤーの影響を正にするか負にするかの調整などの初期設定を指定するには、「適合性解析の実行」をご参照ください。

計算

各変数のスコア計算を示す設定は、[適合性解析] ワークフロー ウィンドウにあります。 [適合性解析] ワークフロー ウィンドウには、計算を変更するための 3 つのセクション ([解析条件][スコアリング方法][加重]) があります。

解析条件セクションでの条件の絞り込み

[解析条件] セクションには、計算タイプ、影響度、最小値と最大値の範囲の変更など、条件を変更するためのオプションが用意されています。

ワークフロー ウィンドウの

1

[計算] タイプ

変数で使用できる計算タイプが複数ある場合、[計算] ドロップダウン メニューを使用して、その変数の計算タイプを選択します。 計算タイプには、数値、割合、インデックス値、または平均値を指定できます。

2

影響度

正、負、または目標値のいずれかのオプションで条件の影響度が表示されます。 デフォルトでは、各適合性条件の影響度が正に設定されます。

3

フィルター

条件の閾値が値の範囲で表示されます。 スライダーのハンドルを調整し、解析に含まれる最小値と最大値を指定するか、値を手動で入力します。

4

[フィルターの表示]/[フィルターの非表示]

[フィルターの表示] をクリックすると、[フィルター] スライダーが展開されます。 [フィルター] スライダーを折りたたむには、[フィルターの非表示] をクリックします。

5

条件の追加

このオプションを選択すると、適合性条件を解析にすばやく追加できます。 さらに変数を選択するには、条件リストを選択するか、データ ブラウザーから変数を追加するか、サイトからの属性指定を追加するか、ポイント レイヤーを追加します。

6

リストの保存

[リストの保存] をクリックして、条件リストを保存します。

8

[オプション] ボタン オプション

一時的に [変数の無効化] を行うか、解析から [変数の削除] を行うには、条件の [オプション] ボタン オプション をクリックします。

条件の影響度は、[適合性解析] ワークフロー ウィンドウの [解析条件] セクションで変更することができます。 影響度は、正、負、または目標値に設定できます。条件の影響度の基本的な統計の概念については、以下で詳しく説明します。

正の影響度

正の影響度とは、変数の値が大きいほど、最終スコアへの影響が大きくなることです。 これは、サイトの変数値からその変数の最小値を引いた値を、値の範囲で除算することで求められます。 このスコアに、解析において変数に割り当てられた加重を乗算します。 式は以下のとおりです。

正の影響度のスコア計算

たとえば、Total Population 変数を適合性解析に追加したとします。 サイトの人口は 332,525 人で、すべてのサイトの人口範囲は 153,957 ~ 727,103 です。 変数の加重は、合計適合性スコアの 25 パーセントです。 計算は次のとおりです。

スコアの計算例

負の影響度

負の影響度とは、変数の値が小さいほど、スコアへの影響が大きくなることです。 マイナスの影響度とも呼ばれます。 これは、変数の最大値からサイトの変数値を引いた値を、値の範囲で除算することで求められます。 このスコアに、解析において変数に割り当てられた加重を乗算します。 式は以下のとおりです。

負の影響度のスコア計算

たとえば、Total Population 変数を適合性解析に追加したとします。 サイトの人口は 332,525 人で、すべてのサイトの人口範囲は 153,957 ~ 727,103 です。 変数の加重は、合計適合性スコアの 25 パーセントです。 計算は次のように行われます。

値を入れた式の例

目標値の影響度

目標値の影響度は、変数の目標値を定義します。 変数の値が指定した目標値に近いほど、スコアへの影響が大きくなります。 これは、変数の目標値からサイトの変数値を引いた値を、目標値と最小値の差か、目標値と最大値の差 (どちらか大きい方) で除算することで求められます。 このスコアに、解析において変数に割り当てられた加重を乗算します。 式は以下のとおりです。

目標値の影響度のスコア計算

たとえば、Total Population 変数を適合性解析に追加したとします。 変数の目標値は 500,000 に設定されています。 サイトの人口は 332,525 人で、すべてのサイトの人口範囲は 153,957 ~ 727,103 です。 変数の加重は、合計適合性スコアの 25 パーセントです。 計算は次のように行われます。

値を入れた式の例

スコアリング方法セクションでの計算のカスタマイズ

適合性スコアは、事前処理、結合、最終スコアのスケール処理の 3 つのパートから構成されるプロセスの方法を使用して計算されます。 事前処理では、変数を共通のスケールに標準化します。 結合では、変数を 1 つの値に結合します。 Business Analyst Web App では、共通の事前設定による処理方法またはカスタム選択として、事前処理および結合方法を使用できます。 適合性解析の計算の最後のパートは、最終スコアのスケール処理です。このパートでは、結合されたスコアを意味のある最終スコア値に変換します。

適合性スコアの計算プロセス

事前設定による方法の使用

[事前設定による方法] ドロップダウン メニューには、3 つのオプションがあります。

  • [値の結合 (デフォルト)] オプションは、条件のスケール処理された値を合計し、各条件が最終スコアに同様に寄与します。 事前処理では、[最小値-最大値] による方法を使用します。 結合では、[合計] による方法を使用します。 この事前設定による方法は、すべての条件を結合した効果を評価するのに役立ちますが、外れ値の影響を受けやすくなります。 極値は、最終スコアに過度な影響を与える可能性があります。
  • [複合の差分] オプションでは、スケール処理済みの値の幾何学的平均値を使用します。 事前処理では、[最小値-最大値] による方法を使用します。 結合では、[幾何学的平均値] による方法を使用します。 この事前設定による方法は、条件の単位またはスケールが異なり、値間の相対的差異を強調する場合に役立ちます。 外れ値の影響を受けにくいため、条件に割合や比率が含まれている場合に役立ちます。 スコアが高くなるのは、複数の条件に高い値が存在する場合のみです。 その結果、単一の条件における極値が、スコアに過度な影響を与えることはありません。
  • [カスタム] オプションでは、事前処理と結合方法を選択できます。これらについては、以下で詳しく説明します。

カスタム選択の使用: 事前処理による方法

[事前設定による方法] ドロップダウン メニューで [カスタム] オプションを選択した場合は、[事前処理による方法] ドロップダウン メニューからオプションを選択します。 [事前処理による方法] には、次のオプションがあります。

  • [最小値-最大値] オプションを使用すると、変数が各変数の最小値と最大値を使用して 0 から 1 の間でスケール処理されます。 この方法では、分布の形状が維持されます。 ただし、データの外れ値はスコアに影響します。
  • [割合] オプションを使用して、データ値のランクをスケール処理することで、変数が 0 〜 1 のパーセンタイルに変換されます。 この方法は、データ値間の絶対差を無視する場合に役立ちます。 その結果、外れ値または傾斜分布はスコアに影響しません。
  • [Z スコア] オプションを使用して、平均値を減算して標準偏差 (または Z スコア) で割ることで、各条件が標準化されます。 Z スコアは、平均値を上回るまたは下回る標準偏差の数です。 この方法は、異なる単位を使用するデータを正規化することで、共通のスケールを作成する場合に役立ちます。 平均値を上回る値には正の Z スコアが付与され、平均値を下回る値には負の Z スコアが付与されます。
  • 変数の元の値を使用するには、[生の値] オプションを使用します。 事前処理は適用されないため、データは入力条件のスケールを維持します。 この方法は、条件が割合値などの比較可能なスケールである場合や、条件が他のツールを使用してすでに事前処理されている場合に役立ちます。

カスタム選択の使用: 結合方法

[事前設定による方法] ドロップダウン メニューで [カスタム] オプションを選択した場合は、[結合方法] ドロップダウン メニューからオプションを選択します。 [結合方法] には、次のオプションがあります。

  • 変数の合計値を使用するには、[合計] オプションを使用します。
  • 変数の平均値を使用するには、[平均] オプションを使用します。
  • 変数の乗算値を使用するには、[乗算] オプションを使用します。
  • 変数の幾何学的平均値を使用するには、[幾何学的平均値] オプションを使用します。

注意:
Z スコアは常に負の値を含むため、変数が Z スコアを使用してスケール処理されている場合、[乗算] オプションと [幾何学的平均値] オプションは使用できません。

最終スコアのスケール処理

最終スコアのスケール処理では、最終スコア値の分布範囲を設定します。 [最終スコアのスケール処理] には、次のオプションがあります。

  • [0 〜 1] オプションを使用すると、最低値が 0、最高値が 1 の最終スコアが計算されます。 0 〜 1 の範囲内で、他のすべての値は比率を維持したままスケール処理されます。
  • [0 〜 100] オプションを使用すると、最低値が 0、最高値が 100 の最終スコアが計算されます。 0 〜 100 の範囲内で、他のすべての値は比率を維持したままスケール処理されます。
  • [なし] オプションを使用すると、データのスケール処理を行わず、元のデータを保ちます。 このオプションは、結合された値の分布を保持する場合に役立ちます。

加重セクションでの条件の重みの変更

[加重] セクションには、解析内の条件とその重みが表示されます。 重みとは、各条件が最終スコアに寄与する際に、その相対的な重要度を表します。

デフォルトでは、選択した条件は等しく加重されています。 小数を使用して、合計に対する割合として重みを設定できます。 すべての条件の加重は、合計で 100% になる必要があります。 このため、条件の加重を増減すると、それに合わせて残りの各条件の加重が自動的に増減されます。 結合方法は、重みの適用方法に影響を与えます。 [合計][平均] による結合方法を使用すると、条件にそれぞれの重みを乗算することで重みが適用されます。 [乗算][幾何学的平均値] による結合方法を使用すると、各条件をそれぞれの重みで累乗することで重みが適用されます。

条件の重みを変更することは、結果に大きな影響を与え、解析の主観的な部分となります。 条件の重みを変更する場合は、専門知識と文書化された正当な理由に基づいて行ってください。

制限事項

最大で 5,000 の既存サイトを選択できます。 また、マップ上の最大 1,000 のフィーチャ (たとえば、目標物検索またはファイルのインポートによってマップに追加されたフィーチャ) を選択することもできます。

クレジット

このワークフローでは、クレジットが消費されます。 結果を Excel にエクスポートすると、推定で 1,000 レコードにつき 10 クレジットがかかります。

Business Analyst Web App でのクレジット消費の詳細については、「クレジット」をご参照ください。

ライセンス要件

適合性解析ワークフローは、Business Analyst Web App の Advanced ライセンスを持つユーザーが利用できます。 Business Analyst のライセンス タイプの詳細については、「ライセンス」をご参照ください。

リソース

適合性解析の詳細については、次のリソースをご参照ください。