空隙解析ワークフローでは、選択したエリア (解析エリア) を分析し、別のエリア (参照エリア) と比較して、指定の目標物やサービスの空隙とギャップを検出します。 空隙とは、目標物または目標物タイプが参照エリア内に存在するものの、解析エリアには存在しないことを意味します。また、ギャップとは、解析エリア内の目標物の数が参照エリアよりも少ないことを指します。 解析するエリアを特定し、評価する目標物カテゴリを選択し、該当する目標物の空隙とギャップの詳細を解析結果で確認します。
ライセンス:
空隙解析ワークフローは、Business Analyst Web App Advanced ライセンスを持つユーザーが利用できます。 Business Analyst のライセンス タイプの詳細については、「ライセンス」をご参照ください。
空隙解析とは、解析エリアの選択、目標物カテゴリの選択、結果の表示と保存といったステップを順番に行うガイド付きワークフローです。
空隙解析を実行するには、次の手順に従います。
- [マップ] タブで [分析の実行] をクリックし、[空隙解析] を選択します。
[空隙解析] パネルが表示されます。
- [開始] をクリックします。 必要に応じて、[今後、こちらを表示しない] チェックボックスをオンにして、ワークフローを次に実行するときに開始パネルをバイパスします。
- [解析エリアを選択] をクリックします。
[解析エリアを選択] ウィンドウが開きます。
解析エリアとは、空隙とギャップが存在するかどうかを特定する解析対象のエリアです。 複数のサイトと隣接区画を選択し、解析エリアとして構成できます。
- [最近]、[現在のマップ上]、[プロジェクトから] タブからサイトを選択し、[適用] をクリックします。
指定した解析エリアは [空隙解析] ウィンドウにリストされます。 デフォルトでは、解析エリアの周辺にバッファーが作成され、参照エリアとして設定されます。
- 必要に応じ、[参照エリアを変更] をクリックします。 [参照エリアを設定] ウィンドウで参照エリアを選択し、[OK] をクリックします。
次のオプションから選択します。
- [係数による解析エリアの拡大] - 指定した係数でエリアを拡大します。 デフォルト係数は 2 です。 ポイント位置サイトの解析エリアの場合、半径に係数が乗算されます。 たとえば、ポイント位置周辺に 5 マイルのリングがある場合、10 マイルのリングに拡大します。 ポリゴンまたは標準区画の解析エリアについては、エリアは係数サイズで拡大されます。 たとえば、係数 2 で拡大したポリゴンは、エリアを元のサイズの約 2 倍に増やすバッファーによって拡大されます。
- [一定の距離または時間による解析エリアの拡大] - エリアの単位 (マイル、キロメートル、分) は、入力した値で拡大されます。 デフォルトは 5 です。
- [最近接の標準区画を使用] - ドロップダウン メニューを使用し、解析エリアと交差する区画を選択します。
- [手動でエリアを選択] - [参照エリアを選択] ウィンドウを使用し、参照エリアとして 2 つ目のサイトを選択します。
- [次へ] をクリックします。
目標物カテゴリが表示されます。 目標物データは、解析エリアの過剰とギャップを決定するために使用されます。 解析は、1 つの目標物 (スターバックスなど)、目標物カテゴリ (ペット サービスなど)、またはグループ化されたカテゴリ (住宅など) で実行できます。
- [一般的なリスト] または [マイ リスト] タブから変数リストを選択します。 あるいは、[カスタム リストを作成] をクリックし、カスタム リストを作成します。 リスト内のカテゴリとデータ ソースを表示するには、[リストの表示]
をクリックします。
リストを選択すると、解析が自動的に実行され、結果はワークフロー ウィンドウとマップに表示されます。 解析結果を探索するためのガイダンスについては、「解析結果の解釈」をご参照ください。
- 必要に応じ、解析結果をエクスポートするには、[すべての結果] ボタンをクリックし、[エクスポート] をクリックします。
注意:
- PDF にエクスポートする際、レポートには結果テーブルの現在のビューに表示されている場所のみが含まれます。 最大 3,000 件の個々の目標物の位置を PDF にエクスポートできます。 解析結果に 3,000 を超える位置が含まれる場合、エクスポートされた位置は、各カテゴリの結果数に比例して縮小されます。
- Excel にエクスポートする場合、レポートにはすべての空隙、ギャップ、過剰の位置が含まれます。
- [次へ] をクリックします。
- ワークフローを完了するために、次のオプションがあります。
- [結果の表示/エクスポート] - ワークフローの結果に戻ります。
- [新しい空隙解析] - ワークフローの最初の段階に戻り、新しい空隙解析を開始します。
- [完了] - 空隙解析ワークフローを閉じます。
解析結果のスタイル設定
空隙解析ワークフロー ウィンドウの [マップ スタイル] タブで、マップに表示される結果の外観をカスタマイズできます。
- デフォルトでは、近傍のポイント クラスターは、マップ上では単一シンボルで表されます。 すべてのポイントを表示するには、[ポイントのクラスタリング] チェックボックスをオフにします。
- [解析エリア] と [参照エリア] を展開すると、エリアの塗りつぶしと枠線のタイプ、色、透過表示を変更できます。 マップ上の異なる目標物カテゴリに対し、異なるシンボルを設定できます。
- [参照エリア内の位置のみ] と [両方のエリア内の位置] を展開すると、該当する位置のシンボルと、その色とサイズを変更できます。 [すべて] ドロップダウン メニューを使用し、カテゴリを選択すると、カテゴリ固有のシンボルを作成できます。
解析結果の解釈
空隙解析のワークフロー ウィンドウに、解析の結果が表示されます。 解析結果をさらに詳しく表示するには、[すべての結果] テーブルと、その高度なビューを展開します。
ワークフロー ウィンドウまたは結果テーブルで結果を絞り込むには、[フィルター] をクリックします。 結果に適用したフィルターは、[フィルターの適用] アイコン
で確認できます。 次のフィルタリング オプションを使用します。
- [差異タイプでフィルター処理] - [空隙のみ表示] チェックボックスをオンにすると、空隙のみ結果に表示されます。
- [結果の数] - [カテゴリあたりの結果の最大数] を選択し、表示する結果の数を入力します。
- [属性でレイヤーをフィルター] -[属性の選択] ドロップダウン メニューで属性を選択し、フィルター設定を指定します。 たとえば、[売上高] を選択すると、売上高の最大値と最小値を示すスライダーが開きます。 複数の属性フィルターを設定できます。
空隙解析ワークフロー ウィンドウ
空隙解析のワークフロー ウィンドウに、解析の結果の概要が表示されます。 結果は [結果] タブに表示されるとともに、マップ上にシンボルとして表示されます。 [マップ スタイル] タブには、マップ上の解析結果をスタイル設定するためのオプションがあります。
ワークフロー ウィンドウの [結果] タブには、次の情報とオプションが表示されます。
- [すべて] ドロップダウン メニューを使用し、リストから個々のカテゴリを選択し、その結果を表示します。
- [解析エリアの空隙] - この数は、参照エリアには存在するが、解析エリアには存在しない目標物を表します。 結果は、参照エリア内の目標物の数を、解析エリア内の目標物の数から減算することで求められます。
- [解析エリアの位置] - この数は、解析エリア内の目標物の合計を表します。
- [参照エリアの位置] - この数は、参照エリア内の目標物の合計を表します。
- [参照エリア内のみの位置] - 参照エリアにはあるが、解析エリアにはない目標物の位置。 デフォルトでは、これらの位置は、マップ上では中心に穴が開いたピン
で表されます。
- [両方のエリア内の位置] - 参照エリアにも解析エリアにも存在する目標物の位置。 デフォルトでは、これらの位置は、マップ上では塗りつぶされたポイント
で表されます。
- [データ ソース] - 解析で使用される目標物データ ソース。
[すべての結果] テーブル
空隙解析ワークフロー ウィンドウで [すべての結果] をクリックすると、詳細の解析結果を含む、展開されたテーブルが表示されます。 個々の目標物の結果を表示できます。または、[カテゴリのみを表示] チェックボックスをオンにすると、カテゴリ別に結果を表示できます。 これをオンにすると、解析エリアの各カテゴリの空隙の合計と、参照エリアの位置がテーブルに表示されます。 [テーブルの最小化] をクリックすると、ワークフロー ウィンドウに戻ります。
デフォルトでは、空隙を表す値が赤色の行で示されます。 [テーブル設定] ボタン をクリックすると、ギャップ、空隙、過剰、バランスの値を表す色を変更できます。 正規化変数を選択した場合、[高度なビューで密度列を表示] チェックボックスをオンにすると、密度列をテーブルに追加できます。
[すべての結果] テーブルには、次の情報とオプションが表示されます。
- 目標物名またはカテゴリ名 - 各エントリを展開すると、目標物と位置に関する追加情報が表示されます。 行をクリックすると、エントリを展開または折りたたむことができます。
- 解析エリアの空隙 - 空隙シンボルは、解析エリアにはこの目標物がないことを示します。 このビューのすべてのシンボルは空隙 (Ø Void) です。
- 最近接の位置 - 参照エリアの目標物の位置から、解析エリアの重心までの距離。
- 参照エリア内のみの位置 - 参照エリアに存在する目標物の位置の数。
[すべての結果] ウィンドウ: 高度なビュー
結果テーブルの高度なビューには、解析結果の詳細が表示されます。 [高度なビュー] 切り替えボタンを使用し、このビューを開きます。 解析エリアと参照エリアの市場規模の違いは、[正規化されたギャップ] 列と [解析エリアで予測] 列に表示されます。
ヒント:
正規化変数は、解析エリアと参照エリアの間に実際にギャップが存在するか、空隙が存在する理由が、単に解析エリアが参照エリアよりも規模が小さいか人口が少ないことであるかを判断する追加コンテキストが提供されます。 たとえば、参照エリアには解析エリアよりも多くのネイル サロンが存在し、それらのネイル サロンを利用する人も多い一方で、解析エリアには住民数もネイル サロンも少ないために、[正規化ギャップ] が [ギャップ] よりも少なくなることがあります。
デフォルトでは、空隙を表す値が赤色の行で示されます。 [テーブル設定] ボタン をクリックすると、ギャップ、空隙、過剰、バランスの値を表す色を変更できます。 正規化変数を選択した場合、[高度なビューで密度列を表示] チェックボックスをオンにすると、密度列をテーブルに追加できます。
テーブルは [ギャップ] の最小値から最大値に並べられています。 列見出しの横にある矢印を使用すると、並べ替え順と変数を変更できます。 テーブル内の任意の行をクリックすると、関連する詳細を表示できます。 個々の目標物の結果を表示できます。または、[カテゴリのみを表示] チェックボックスをオンにすると、カテゴリ別に結果を表示できます。 これをオンにすると、解析エリアの各カテゴリのギャップの合計と、参照エリアの位置がテーブルに表示されます。
[すべての結果] テーブルの高度なビューには、次の情報とオプションが表示されます。
- [ギャップ] - 解析エリア内の目標物の数が参照エリアよりも少ない状態です。これは、[目標物の数が少ない] シンボル
で表されます。 たとえば、ギャップ値「-12」は、合計ギャップを表します。つまり、解析エリア内の目標物の合計数が参照エリアよりも少ないことを意味します。
- [空隙] - 解析エリアには目標物がないが、参照エリアには存在することを意味します。[目標物がない] シンボル
で表されます。
- [過剰] - 解析エリア内の目標物の数が、参照エリアよりも多いことを意味します。[目標物の数が多い] シンボル
シンボルで表されます。
- [バランス] - 解析エリアと参照エリアに同じ数の目標物があることを意味します。
[結果を正規化する基準] ドロップダウン メニューを使用すると、正規化変数を変更できます。 リストされている変数の中から選択するか、[変数の参照] をクリックし、データ ブラウザーで別の変数を選択します。
カスタム リストの作成
空隙解析ワークフローで、解析用のカスタム リストを作成できます。 上記のワークフローのステップ 7 で、次の手順を実行して独自のリストを作成します。
- [カスタム リストを作成] ボタンをクリックします。
[カスタム リストを作成] ウィンドウが開きます。
- [標準データを使用] タブで、[カテゴリ] ドロップダウン メニューを使用して目標物カテゴリを選択するか、[その他のオプション] をクリックして NAICS/SIC コードを検索します。 カスタム ビジネス データをグループ化した場合、空隙解析の結果にすべての目標物の合計ギャップまたは過剰、および選択した各カテゴリのギャップまたは過剰が表示されます。
[カスタム レイヤーから] タブを使用し、Web サービスなどからデータを取り込む方法については、「カスタム レイヤーの使用」をご参照ください。
- [空隙を特定するフィールド] ドロップダウン メニューで、解析エリアと参照エリアを比較するためのフィールドを選択します。
- リストのカテゴリの選択が完了したら、リストを保存して解析を実行できるようになります。
- [分析の実行] をクリックすると、作成したリストを使用した解析がすぐに実行されます。この場合、リストは今後の使用のために保存されません。
- [リストの保存] をクリックし、リストの名前とアイコンを選択します。 保存されたリストは、[マイ リスト] に表示され、今後の空隙解析に使用できます。 完了したら、[保存して分析を実行] をクリックして解析をすぐに実行します。
カスタム レイヤーの使用
空隙解析ワークフローで、解析エリアのギャップを特定するために、Esri が提供した目標物データが使用されます。 あるいは、カスタム レイヤーを目標物データとして選択できます。 Web マップおよびレイヤーを追加する手順に従います。 上記のワークフローのステップ 7 で、次の手順を実行して、追加したレイヤーを選択します。
- [カスタム リストを作成] ボタンをクリックします。
[カスタム リストを作成] ウィンドウが開きます。
- [カスタム レイヤーから] タブをクリックし、[カスタム レイヤーの追加] をクリックします。
[カスタム レイヤーの選択] ウィンドウが開きます。
- 使用したい Web マップを参照して展開し、レイヤーを表示して選択します。
このレイヤーが、空隙解析のギャップを特定するための目標物データとして選択されます。 次のドロップダウン メニューが有効になります。
- [空隙を特定するフィールド] - 目標物にギャップがあるか、空隙があるかを判断するために使用されるレイヤーのフィールド。
- [結果をグループ化するフィールド] - [カテゴリ別] オプションで選択されるカテゴリのように、結果を異なるカテゴリにグループ化するために使用するフィールド。
注意:
[結果をグループ化するフィールド] ドロップダウン メニューに選択肢がない場合は、結果は 1 つのカテゴリ (ここでは [すべて]) として表示されます。
- [分析の実行] をクリックします。結果がワークフロー ウィンドウの [結果] タブとマップに表示されます。
初期設定の設定
アプリケーションの初期設定で Business Analyst Web App の初期設定を設定できます。 空隙解析ワークフローでは、概要ページのオン/オフを切り替えたり、参照エリアの設定を選択したり、スタイル オプションを設定したりできます。 管理者は、組織全体に対して初期設定を設定 できます。
ワークフローの初期設定を設定するには、次の手順を実行します。
- 上部リボンの [初期設定]
をクリックします。
[初期設定] ウィンドウが開きます。
- [マップ] セクションを展開し、[分析の実行] セクションを展開して、[空隙解析] をクリックします。
- 次の初期設定を設定できます。
-
[空隙解析の導入ページの表示] チェックボックスをオフにすると、解析を実行するときにワークフローの概要ページをスキップします。
[参照エリアの設定] で、次のいずれかのオプションを選択します。
- 係数による解析エリアの拡大 デフォルトの設定です。
- 一定の距離または時間による解析エリアの拡大
- 最近接の標準区画を使用
- 手動でエリアを選択
-
[マップ スタイル] セクションを展開し、次の初期設定を指定します。
- ドロップダウン メニューを使用し、参照エリア内の位置のみ、および両方のエリアの位置のシンボルのスタイルを設定できます。
- 解析エリアと参照エリアの[塗りつぶし] と [枠線] 設定を設定します。
-
- デフォルト設定に戻すには、[デフォルトに戻す] をクリックします。
- 変更内容を保存するには、[保存] をクリックするか、必要に応じて [保存して閉じる] をクリックして [初期設定] ウィンドウを閉じます。 変更内容を表示するには、アプリを更新します。