空隙解析

空隙解析では、見込みサイトの商圏 (解析エリア) を解析し、類似する参照エリアと比較して指定の目標物やサービスのギャップを特定できます。 たとえば、あるエリアに会社を設立した経営者が、同様の見込み市場だと思われる別のエリアに事業を拡大することを検討しているとします。 現在のエリアを空隙解析の参照エリアとして指定すると、そのエリアを解析エリアに対して比較し、市場に進出している企業の業種にギャップがあるかどうかを評価できます。

空隙解析ワークフローの手順を次に示します。

あなたは、不動産開発業者として、ネバダ州スプリング バレーと隣町であるネバダ州ヘンダーソンを比べて、スプリング バレーに小売業とサービスのカテゴリにギャップが生じているかどうかを把握したいと思っています。 空隙解析を開始する前に、区画の選択ワークフローを実施して、ネバダ州スプリング バレーとヘンダーソンの 2 つのサイトを作成します。

エリア マップ

  1. [マップ] > [分析の実行] > [空隙解析] の順にクリックし、ワークフローを開始します。
    空間解析ワークフロー

    概要画面には、ワークフローの 3 つのフェーズが示されます。 今後、この画面を表示しない場合は、[今後、こちらを表示しない] チェックボックスをオンにします。

    このボタンをクリックして開始

  2. [開始] をクリックします。

    [空隙解析] パネルが表示されます。

  3. [解析エリアを選択] をクリックします。

    [解析エリアを選択] ダイアログ ボックスが開きます。

    現在マップ上にあるレイヤー
    解析エリアとは、ギャップが存在するかどうかを特定する解析対象のエリアです。 先ほどスプリング バレーのサイトを作成し、マップで開いています。これは [現在のマップ上] タブにあります。 また、[最近] タブにもあります。 [プロジェクトから] タブでも、すべてのサイトを参照できます。 複数のサイトと隣接区画を選択し、解析エリアとして構成できます。

  4. スプリング バレー サイトを選択し、[適用] をクリックします。

    これで、指定した解析エリアが [空隙解析] パネルに一覧表示されます。

    [参照エリアを選択] をクリック
    次に、参照エリアを設定します。参照エリアとは、ギャップを特定するために解析エリアの比較対象となるエリアです。

    参照エリアを設定するには 2 つのオプションがあります。

    • [参照エリアを選択] をクリックし、参照エリアを構成するサイトと隣接区画を選択します。
    • [解析エリアを拡大して参照エリアとして使用] をクリックして、解析エリア周辺にバッファーを適用し、それを参照エリアとして使用します。
      解析エリアの拡大

  5. 最初のオプションを使用し、[参照エリアを選択] をクリックします。

    [参照エリアを選択] ダイアログ ボックスが開きます。

    [参照エリアを選択] ダイアログ ボックス

  6. ネバダ州ヘンダーソンのサイトを選択し、[適用] をクリックします。

    これで、[解析エリア][参照エリア][空隙解析] パネルで設定されます。

    解析エリアと参照エリア

  7. [次へ] をクリックします。

    表示される [空隙解析] パネルで、目標物データを使用してギャップを特定します。

    [カテゴリ別] を選択
    ギャップを特定する場合、空隙解析のデータを選択する方法が 3 つあります。
    • [カテゴリ別]: 解析に使用する、Esri 提供のビジネス データを選択します。 キーワードで検索して、一致する目標物を特定します。 [オプション] ボタン オプション をクリックして、[完全一致] オプションと [フィールドの照合] オプションを表示します。 検索結果をカテゴリに絞り込むには、[カテゴリ] ドロップダウン メニューを展開し、目的のカテゴリをすべて選択します。 [その他のオプション] をクリックして、ビューを展開し、別の検索タイプとして [コードで検索] (NAICS または SIC) を選択するか、[すべての目標物を表示] を選択します。 [その他のオプションを非表示] をクリックして、ビューを折りたたみます。
      注意:

      最大 5,000 の結果が返されますが、一部の目標物が含まれない場合があります。 選択したデータ ソースの検索結果がすべて含まれるようにするには、検索基準または検索範囲を変更します。

    • [カスタム レイヤー]: Web マップおよびレイヤーまたはファイルのインポート ワークフローでインポートした独自のカスタム ビジネス データ レイヤーを使用できます。 [カスタム レイヤー] の詳細については、こちらをご参照ください。
    • [保存された設定を使用]: [保存された設定] ダイアログ ボックスを開き、保存された検索およびスタイル設定にポインターを合わせ、[設定を使用] をクリックし、解析を適用して実行します。
      保存された設定

  8. [カテゴリ別] タブをクリックし、[カテゴリ] ドロップダウン メニューをクリックします。

    1 つ以上のカテゴリを選択できます。

  9. [Entertainment] カテゴリをクリックし、[Theaters - Movie] を選択します。 [Food & Restaurants] をクリックし、[Bars][Coffee Shops] を選択します。
    目標物カテゴリ名

    上記のシナリオでは、複数の目標物カテゴリや NAICS/SIC コードを選択した場合、または必要に応じてカスタム ビジネス データをグループ化した場合、空隙解析の結果にすべての目標物の合計ギャップまたは過剰、および選択した各カテゴリのギャップまたは過剰が表示されます。

  10. [完了] をクリックします。

    選択した目標物カテゴリは [空隙解析] パネルに表示されます。

    選択した目標物カテゴリの解析
    [空隙を特定するフィールド] ドロップダウン メニューで、空隙またはギャップを特定するために、解析エリアと参照エリアを比較するフィールドを選択します。

    注意:

    米国が選択された国の場合は、Data Axle または SafeGraph をデータ ソースとして選択できます。 Data Axle はデフォルトで選択されています ([初期設定] → [一般] → [設定] の順に選択して変更できます)。 [データ ソース] ドロップダウン メニューを展開し、[適用] をクリックして、別のオプションに切り替えます。 データ ソースの説明を表示するには、[詳細の表示] をクリックします。

    データ ソースの選択

  11. [名称] を選択し、[分析の実行] をクリックします。
    結果が [結果] パネルの [サマリー] とマップに表示されます。
    注意:

    マップに表示されるデフォルト シンボルは、[初期設定] > [マップ タブ] > [空隙解析] で選択できます。

    マップに目標物カテゴリを表示
    結果は、[参照] エリアの目標物数を [ターゲット] エリアの目標物数から減算することで算出されます。 結果は、以下のいずれかの状態を表します。
    • [ギャップ]: 解析エリア内の目標物の数が参照エリアよりも少ない状態です。これは、[目標物の数が少ない] シンボルで表されます。 解析エリア内の目標物の数が少ない状態です。 たとえば、解析エリア内の Starbucks の店舗数にギャップがあることが結果で示されます。
    • [空隙]: 解析エリアには目標物が存在しないが、参照エリアには目標物が存在します。これは、[目標物がない] シンボルで表されます。 解析エリア内に目標物がありません。 たとえば、解析エリア内の Village Pub および A Taste Of Coffee の店舗数に空隙が存在することが結果で示されます。
    • [過剰]: 解析エリア内の目標物の数が参照エリアよりも多い状態です。これは、[目標物の数が多い] シンボルで表されます。 解析エリア内の目標物の数が多い状態です。
    • [バランス]: 解析エリアと参照エリアに同じ数の目標物があります。
    ギャップ値「-12」は、合計ギャップを表します。つまり、解析エリア内の目標物の合計数が参照エリアよりも少ないことを意味します。 [上位 3 つのギャップ] には、最大のギャップがある目標物 (Starbucks、Village Pub、Taste Of Coffee) がリストされます。
  12. [すべて] ドロップダウン メニューをクリックしてカテゴリを選択し、そのカテゴリの結果を表示します。
    個々のカテゴリの結果
  13. 詳細なテーブルを表示するには、[テーブルの最大化] をクリックします。

    [詳細ビュー][結果] テーブルが表示されます。 デフォルトでは、テーブルは [ギャップ] の最小値から最大値に並べられています。 列見出しの横にある矢印を使用すると、並べ替え順と変数を変更できます。 また、テーブルの任意の行をクリックすると、関連する詳細情報を表示できます。

    詳細ビュー
    右上の切り替えボタンを使用すると、[カテゴリ ビュー] に切り替えることができます。
    カテゴリ ビュー
    [カテゴリ ビュー] では、2 つのエリアのバーとコーヒー ショップの軒数には大差はないが、映画館の数には大きな差があることがわかります。

    デフォルトでは、空隙を表す値が赤色の行で示されています。 テーブル設定 をクリックして、[結果テーブルの設定] ダイアログ ボックスを開き、ギャップ、過剰、およびバランスの値を表す行の色を有効にします。 色のサムネイルをクリックして、色を変更することができます。

    結果テーブルの設定

  14. 結果をフィルター をクリックして、結果を絞り込みます。

    [結果のフィルタリング] ダイアログ ボックスが開きます。

    [結果のフィルタリング]
    ダイアログ ボックス[カテゴリあたりの結果の最大数] オプションを選択し、1 つのカテゴリに対して返す結果の最大数を設定します。 空隙がある結果だけをテーブルに表示するには、[空隙のみ表示] チェックボックスをオンにします。 [属性でレイヤーをフィルター] ドロップダウン メニューで属性を選択し、フィルター設定を指定することで、目的の属性値で目標物データ レイヤーを絞り込むことができます。

    複数の属性フィルターを設定できます。 詳細

    [マップ スタイル] で、マップに表示される結果の外観をカスタマイズできます。

    マップ スタイル ビュー
    デフォルトでは近傍のポイント クラスターは、マップ上では単一シンボルで表されます。 デフォルトを変更するには、[ポイントのクラスタリング] チェックボックスをオフにします。 [解析エリア][参照エリア] を展開すると、各エリアの塗りつぶしと枠線のタイプ、色、透過表示を変更できます。 マップ上の異なる目標物カテゴリに対し、異なるシンボルを設定できます。 [すべて] ドロップダウン メニューを展開すると、カテゴリとシンボルを選択し、サイズと色を設定できます。

  15. [設定の保存] をクリックして、[設定の保存] ダイアログ ボックスを開きます。

    保存された設定名を入力

  16. テキスト ボックスに名前を入力して [保存] をクリックし、現在の検索条件、マップ マーカー、およびエリアのスタイル設定を保存します。

    今後の解析でこれらの設定を使用するには、[保存された設定を使用] ダイアログ ボックスから選択します。

  17. [結果を正規化する基準] ドロップダウン リストでは、[なし] がデフォルトで選択されています。この場合、結果は、解析エリアと参照エリアとの市場規模の差を考慮しません。
  18. 正規化変数を追加するには、ドロップダウン リストを展開し、リストに表示されている変数のいずれかを選択するか、[変数の参照] をクリックして [データ ブラウザー] から別の変数を選択します。

    結果を正規化する基準
    正規化変数を追加すると、解析エリアと参照エリアの間に実際にギャップが存在するか、単に解析エリアが参照エリアよりも、規模が小さいか人口が少ないことが理由であるかを判断する追加コンテキストが提供されます。 たとえば、参照エリアには、コーヒー ショップが多数存在し、これらのコーヒー ショップを利用する人も多く住んでいる一方で、解析エリアには、コーヒー ショップの数が少なく、人もあまり住んでいないということもあります。 このことが当てはまるかどうかを判断するには、[総人口] を正規化変数として選択します。 テーブル内の結果が更新されます。
    正規化変数の結果
    この場合のギャップは -5 です。これは、[解析エリア] 内のコーヒー ショップの数が [参照エリア] よりも 5 件少ないことを意味しています。ここでは、人口の差を考慮していません。 総人口を基準に正規化されたギャップを理解するために、上記のテーブル内の他の値を確認してみましょう。

    [参照エリアの密度]10,137 であり、参照エリアには、人口 10,137 人につき 1 件のコーヒー ショップが存在することを意味しています。 テーブル ヘッダーにある値にポインターを合わせて、その値の算出方法を示すツールチップを表示できます。

    参照エリアの密度

    [解析エリアの密度] は 8,321 人につき 1 件のコーヒー ショップです。 したがって、コーヒー ショップの密度は解析エリアの方が高く、[密度の差異] の値は -1,816 です。

    解析エリアの密度

    参照エリア内のコーヒー ショップの密度をベースラインとして使用し、解析エリアに適用すると、解析エリア内のコーヒー ショップの数はちょうど 21 件になると予測されます ([解析エリアで予測] 値)。 実際には、予測よりも 5 件多い 26 件のコーヒー ショップが存在します ([予測値からの差異] 値)。 [予測値からの差異] 値が正の数値であるため、選択した変数 ([総人口]) で正規化された場合、解析エリアは、参照エリアと比べてコーヒー ショップの数が過剰であると言えます。 この例は、目標物の数の絶対差のみを考慮した場合にギャップが存在するシナリオですが、選択した変数で正規化すると、過剰であることが判明し、より現実的な解析結果となります。

  19. [エクスポート] をクリックして、結果をエクスポートします。

    [結果のエクスポート] ダイアログ ボックスが開きます。

    [結果のエクスポート] ダイアログ ボックス
    [Excel にエクスポート][PDF にエクスポート] のオプションから選択できます。 両方のオプションで、エクスポートした結果に [個々の目標物の位置を含める] ことができます。

    [PDF にエクスポート] には、解析エリアのマップ、参照エリアのマップ、またはその両方のマップを含めるためのオプションもあります。

    注意:

    エクスポートに個々の目標物を含める場合、クレジットを使用します。

カスタム レイヤーの使用

上記の空隙解析手順のステップ 7 で、ギャップを特定するために使用したビジネス データを選択しました。 アプリケーション内にある Esri 提供のビジネス データのカテゴリを選択できます。 あるいは、カスタム レイヤーをビジネス データとして選択することもできます。その手順は次のとおりです。

前提条件:

まず、[Web マップおよびレイヤー] ワークフローで、サンプル ビジネス データを追加します。https://services8.arcgis.com/cOQY5d2zYaXw1BYI/arcgis/rest/services/Void_analysis_sample/FeatureServer/

  1. [データの追加] > [Web マップおよびレイヤー] をクリックし、[検索] テキスト ボックスに上記の URL をコピーして貼り付けます。
    検索ボックスにサンプル レイヤーを入力

    [検索] テキスト ボックス をクリックするか、Enter キーを押します。 サンプル データが、[Web マップおよびレイヤー] セクションの現在のプロジェクトに追加されます。 マップ上のレイヤーを表示するには、[Web マップにズーム] オプションを使用します。

    Web マップにズーム
    これで、カスタム レイヤーを空隙解析で使用できるようになりました。 空隙解析の手順のステップ 7 まで従います。
    注意:

    上記の手順では、ネバダ州のスプリング バレーが [ターゲット] エリア、ヘンダーソンが [参照] エリアとしてそれぞれ選択されています。 ただし、このカスタム レイヤーを使用する場合は、[ターゲット] エリアにはアリゾナ州スコッツデール、[参照] エリアにはアリゾナ州メサを選択することをお勧めします。

  2. [分析するビジネス データを選択] ステップで [カスタム レイヤー] オプションを使用し、先ほど追加したレイヤーを選択します。
    カスタム レイヤーのリンクをクリック
    [カスタム レイヤーの選択] をクリックします。

    [目標物レイヤーの追加] ダイアログが開きます。

    レイヤーの追加

  3. 現在のプロジェクトの [Web マップおよびレイヤー] セクションで、追加したレイヤーを選択して [閉じる] をクリックします。

    このレイヤーが、空隙解析のギャップを特定するためのビジネス データとして選択されます。 次のドロップダウン メニューが有効になります。

    • [空隙を特定するフィールド]: 目標物にギャップがあるか、空隙があるかを判断するために使用されるレイヤーのフィールド。 [Business Name] を選択します。
    • [(オプション) 結果をグループ化するフィールドを選択]: [カテゴリ別] オプションで選択されるカテゴリのように、結果を異なるカテゴリにグループ化するために使用するフィールド。 たとえば、ここでは [Industry Description] が選択されています。その場合、結果はデータ レイヤーの [業種の説明] フィールド値、すなわち [Pizza][Auto][Bank] にグループ化されます。
    メニュー オプション

  4. [分析の実行] をクリックします。
    結果が [結果] パネルの [サマリー] とマップに表示されます。 詳細については、前のセクションの手順をご参照ください。
    結果
    注意:

    [(オプション) 結果をグループ化するフィールドを選択] ドロップダウン メニューに選択肢がない場合は、結果は 1 つのカテゴリ (ここでは [すべて]) として表示されます。


このトピックの内容
  1. カスタム レイヤーの使用