六角形の参照

六角形は 6 つの辺を持つポリゴンであり、GIS でマップに均一なグリッドを適用するために使用されます。 ArcGIS Business Analyst Web App では、六角形はスマート マップ サーチカラーコード マップ、および適合性解析ワークフローの区画オプションとして使用できます。

H3 六角形では、GIS で一般的に使用されているオープンソースの階層的空間インデックス システムである H3 を使用します。 GIS で六角形を使用することで、地域によってサイズが異なる行政区画を使用する場合とは異なり、地域全体で一定サイズのグリッドが提供されます。 また、六角形の境界は、ブロック グループや郵便番号などの行政区画とは異なり、時間の経過に伴う変化がありません。

一般的な手法としてグリッド (またはフィッシュネット グリッド) に四角形が使用されますが、四角形の線形性がデータに内在するパターンの認識を阻害する可能性があるため、必ずしも適切とは言えません。 六角形は、データのパターン内の曲線や、接続性または移動パスの要素がある曲線を四角形よりも自然に視覚的に表現します。 また、六角形グリッドでは、地球の曲率による歪みが小さくなります。

ある都市計画機関は、人口密度と人口増加の国全体の傾向を解析しています。 この機関は、都市開発が最も進んでいる地域を解析するため、2 つの異なる解像度を持つカラーコード マップで六角形を使用しています。 カラーコード マップは、[リレーションシップ] スタイルを使用してスタイル設定され、2 つの数値変数の関係を示しています。 暗い紫色は、2023 年の人口密度が高い地域と、2028 年に人口増加が予測される地域の両方を示しています。

凡例の例

六角形のサイズ (または解像度) は、0 (最大) から 15 (最小) までさまざまです。 国全体の解析で、組織は解像度 3 の六角形を使用しています。 この小さな解像度サイズは、広い地域をカバーする六角形を生成し、データの幅広い視覚化を行うことができるため、国全体の解析に適用されます。

解像度 3 の六角形を使用した例

イリノイ州では人口密度が高く、人口増加が予測されており、この組織では詳細に評価したいと考えています。 シカゴ地域を拡大表示し、六角形を解像度 6 に変更、区画エリア ラベルを追加して、人口密度と人口増加の両方が高いリレーションシップを持つ都市圏の地域を確認します。 この大きな解像度の六角形は、六角形あたりの面積が小さく、データをより具体的に視覚化できるため、ローカル解析に適用できます。

解像度 6 の六角形を使用した例

六角形の解像度の詳細については、「六角形の解像度」をご参照ください。

結果

六角形はスマート マップ サーチ、カラーコード マップ、および適合性解析の区画オプションとして使用できます。 これらのワークフローでは、解析の結果がマップ レイヤーと [結果] ウィンドウに表示されます。 これらのワークフローの結果の詳細については、以下をご参照ください。

計算

六角形は、テッセレーション形状の 6 つの辺によるポリゴンです。 テッセレーションとは、各単位がギャップまたは重複が存在することなく隣接する単位と適合するパターンでポリゴンが繰り返されることです。 この連続的なパターンにより、マップ上のグリッドで四角形を使用する場合とは異なり、データの曲率が途切れなくなります。

六角形のテッセレーションと四角形のグリッド

六角形の形状は、データ解析と視覚化で独自のメリットがあります。 たとえば、円は六角形に内接させることができます。 円は周長と面積の比率が最も低く、サンプリング バイアスは低下しますが、連続的にテッセレーション化することはできません (円の繰り返しパターンは、ギャップまたは重複が存在し、解析には有効ではありません)。ただし、六角形は、周長と面積の比率は低いものの、テッセレーション化することができます。

六角形のテッセレーションと円のグリッド

六角形に内接する円の半径は、辺心距離と呼ばれます。 六角形の辺の長さは、すべての辺で等しくなります。 六角形の辺心距離と辺の長さは必ずしも等しくありません。

六角形の内側に円があり、辺心距離と辺の長さがラベル付けされている

六角形内の任意のポイントは、六角形の内角が鈍角であるため、六角形の重心 (または中心) に近くなります。 鈍角とは 90 度より大きい角度のことで、鋭角 (三角形の内角など) は 90 度より小さい角度のことです。 鋭角が多いポリゴン内のポイントは重心から離れています。 GIS では、重心を使用して、ポリゴンなどの区画単位をポイントに変換します。 六角形内のポイントが重心に近いほど、より正確な近似値を計算してポリゴン間の距離を推定することができます。

注意:

H3 六角形に関するよくある質問については、「六角形」をご参照ください。

六角形の解像度

六角形のサイズは、0 (最大) から 15 (最小) までさまざまです。 六角形のサイズは解像度と呼ばれます。 解像度の小さい六角形 (解像度 1 など) を使用すると、国全体の解析など、より広い区画エリアの解析に役立ちます。 解像度の大きい六角形 (解像度 15 など) は、六角形あたりの平均面積が小さく、同じ面積をカバーする六角形の数が多くなります。 たとえば、解像度 1 の六角形のサイズはアイオワ州に近い幅であるのに対して、解像度 7 の六角形のサイズはラガーディア空港に近い幅です。

H3 解像度と対応するセル数、平均面積、平均の辺長については、以下の表をご参照ください。

解像度六角形の平均面積六角形の平均的な辺長内接する円の平均的な半径 (辺心距離)

0

4,357,449.4 km²

1,682,420.6 平方マイル

1,281.3 km

796.1 マイル

1,109.60 km

689.47 マイル

1

609,788.4 km²

235,440.6 平方マイル

483.1 km

300.2 マイル

418.34 km

259.94 マイル

2

86,801.8 km²

33,514.4 平方マイル

182.5 km

113.4 マイル

158.06 km

98.21 マイル

3

12,393.4 km²

4,785.1 平方マイル

69.0 km

42.9 マイル

59.74 km

37.12 マイル

4

1,770.3 km²

683.5 平方マイル

26.1 km

16.2 マイル

22.58 km

14.03 マイル

5

252.9 km²

97.6 平方マイル

9.9 km

6.1 マイル

8.53 km

5.30 マイル

6

36.1 km²

13.9 平方マイル

3.7 km

2.3 マイル

3.23 km

2.00 マイル

7

5.2 km²

2.0 平方マイル

1.4 km

0.9 マイル

1.22 km

0.76 マイル

制限事項

六角形の使用には、次のような制限事項があります。

  • ArcGIS Business Analyst Web App は、次のワークフローでのみ区画オプションとして六角形を提供します。
  • 六角形は、米国のデータ ソースと、ヨーロッパ (ベータ版) のデータ ソースでのみ使用可能です。
  • H3 解像度 2 〜 7 は、マップの範囲のズームごとに使用できます。
  • 六角形がどの国勢調査区とも交差していない場合は、その区にデータは割り当てられません。
  • 適合性解析ワークフローでのみ、六角形を使用した表形式の結果を Excel にエクスポートできます。

クレジット

六角形を使用すると、1,000 マップ リクエスト (表示、画面移動、ズーム) につき 10 クレジットが消費されます。

ArcGIS Business Analyst Web App でのクレジット消費の詳細については、「クレジット」をご参照ください。

ライセンス要件

六角形は、Business Analyst Web App Advanced ライセンスを持つユーザーが使用できます。 Business Analyst のライセンス タイプの詳細については、「ライセンス」をご参照ください。

リソース

六角形および ArcGIS Business Analyst Web App での六角形の使用については、以下をご参照ください。