空隙解析の参考情報—ArcGIS Business Analyst ヘルプ

空隙解析ワークフローでは、選択したエリア (解析エリア) を解析し、別のエリア (参照エリア) と比較して、指定の目標物やサービスの空隙とギャップを検出します。

例

ある非営利組織は、特定のエリアのフードバンクシステムにギャップがあるかどうかを、フードバンクシステムが有効に機能している別のエリアと比較して判断したいと思っています。フードバンクシステムが機能している地域内に参照エリアを作成し、提案された新しいサイトの周囲に解析エリアを作成すると、非営利組織は 2 つのエリア間のギャップを評価することができます。

使用上の注意

デフォルトで、参照エリアは解析エリアの 2 倍のサイズに設定されます。

次のオプションから選択します。

[係数による解析エリアの拡大] - 指定した係数でエリアを拡大します。デフォルト係数は 2 です。ポイント位置サイトの解析エリアの場合、半径に係数が乗算されます。たとえば、ポイント位置周辺に 5 マイルのリングがある場合、10 マイルのリングに拡大します。ポリゴンまたは標準区画の解析エリアについては、エリアは係数サイズで拡大されます。たとえば、係数 2 で拡大したポリゴンは、エリアを元のサイズの約 2 倍に増やすバッファーによって拡大されます。
[一定の距離または時間による解析エリアの拡大] - 指定した値でエリアの単位 (マイル、キロメートル、分) を拡大します。デフォルトは 5 です。
[最近接の標準区画を使用] - ドロップダウンメニューを使用して、区画レベルを選択します。このワークフローでは、選択した区画のうち、該当する解析エリアと交差している部分が追加されます。
[手動でエリアを選択] - [参照エリアを選択] ウィンドウを使用して、2 つ目のサイトを参照エリアとして選択します。

結果

[空隙解析] ワークフローウィンドウに、解析の結果が表示されます。すべての結果テーブルとその高度なビューを展開して、解析結果をさらに詳しく表示することもできます。

導入ページのオン/オフの切り替え、参照エリアの設定の選択、スタイルオプションの設定など、初期設定を指定するには、「空隙解析の実行」をご参照ください。

ワークフローウィンドウまたは結果テーブルで結果を絞り込むには、[フィルター] をクリックします。次のフィルタリングオプションを使用します。

[結果数] - [カテゴリあたりの結果の最大数] を選択し、表示する結果の数を指定します。
[属性によるフィルター] - [基本] オプションで、[カテゴリによるフィルター] ドロップダウンメニューからカテゴリを選択します。 [詳細] オプションで、[属性の選択] ドロップダウンメニューから属性を選択し、フィルター設定を指定します。たとえば、[売上高] を選択すると、売上高の最大値と最小値を示すスライダーが開きます。複数の属性フィルターを設定できます。
[カテゴリによるフィルター] - ドロップダウンメニューを使用して、カテゴリを選択します。
[差異タイプでフィルター処理] - [空隙のみ表示] チェックボックスをオンにすると、空隙のみ結果に表示されます。このオプションは、すべての結果テーブルを表示すると自動的に有効になり、空隙だけが表示されます。

空隙解析ワークフローウィンドウ

[空隙解析] ワークフローウィンドウには、解析の結果の概要が表示されます。この結果は [結果] タブに表示され、マップ上にシンボルとしても表示されます。 [マップスタイル] タブには、マップ上で解析結果をスタイル設定できるオプションがあります。

ワークフローウィンドウの [結果] タブには、次の情報とオプションが表示されます。


1	解析エリアの空隙	この数値は、参照エリアには存在するが、解析エリアには存在しない目標物の数を表します。結果は、参照エリア内の目標物の数を、解析エリア内の目標物の数から減算することで求められます。
2	解析エリアの位置	この数値は、解析エリア内の目標物の合計数を表します。
3	参照エリアの位置	この数値は、参照エリア内の目標物の合計数を表します。
4	参照エリア内のみの位置	参照エリアには存在するが、解析エリアには存在しない目標物の位置。デフォルトでは、これらの位置は、マップ上にピンシンボルでシンボル表示されます。
5	両方のエリア内の位置	参照エリアにも解析エリアにも存在する目標物の位置。デフォルトでは、これらの位置は、マップ上にポイントシンボルでシンボル表示されます。
6	フィルター	属性、カテゴリ、または差分タイプ別に結果を表示するオプションを含むフィルターウィンドウにアクセスします。
7	リストの表示	検索済みのカテゴリ、データソース、空隙の特定に使用されるフィールドを表示します。

すべての結果テーブル

[空隙解析] ワークフローウィンドウで [すべての結果] をクリックすると、展開されたテーブルが表示され、詳細な解析結果が示されます。

すべての結果テーブルには、次の情報とオプションが表示されます。


1	目標物名またはカテゴリ名	各エントリを展開して、目標物と位置に関する追加情報を表示します。また、行をクリックして、エントリを展開したり折りたたんだりすることもできます。
2	解析エリア内の空隙	空隙シンボルは、解析エリア内に該当する目標物が存在しないことを示します。
3	最近接の位置	参照エリア内の目標物の位置から解析エリアの重心までの距離。
4	参照エリア内のみの位置	参照エリア内に存在する目標物の位置の数。
5	フィルター	属性、カテゴリ、または差分タイプ別に結果を表示するオプションを含むフィルターウィンドウにアクセスします。
6	テーブル設定	カテゴリだけを表示するか、位置情報が含まれていないカテゴリを非表示にするように結果を制限します。ギャップ、空隙、過剰、バランスの値を表す色を変更します。
7	エクスポート	結果を Excel または PDF でエクスポートします。

すべての結果: 高度なビュー

結果テーブルの高度なビューには、解析結果の詳細が表示されます。 [高度なビュー] 切り替えボタンをオンにして、このビューを開きます。高度なビューで使用可能な計算については、「計算」をご参照ください。

すべての結果テーブルの高度なビューには、次の情報とオプションが表示されます。


1	比較インジケーター	次のインジケーターが用意されています。 [ギャップ] - 解析エリア内の目標物の数が参照エリアよりも少ない状態です。これは、[目標物の数が少ない] シンボルで表されます。たとえば、ギャップ値 -12 は、合計ギャップを表します。つまり、解析エリア内の目標物の合計数が参照エリアよりも少ないことを意味します。 [空隙] - 解析エリアには目標物が存在しないが、参照エリアには目標物が存在する状態です。これは、[目標物がない] シンボルで表されます。 [過剰] - 解析エリア内の目標物の数が参照エリアよりも多い状態です。これは、[目標物の数が多い] シンボルで表されます。 [バランス] - 解析エリアと参照エリアに同じ数の目標物が存在する状態です。
2	結果を正規化する基準	正規化変数を変更します。リストに表示されている変数のいずれかを選択するか、[変数の参照] をクリックして、データブラウザーで別の変数を選択します。正規化変数は、解析エリアと参照エリアの間に実際にギャップが存在するか、空隙が存在する理由が、単に解析エリアが参照エリアよりも規模が小さいか人口が少ないことであるかを判断する追加コンテキストが提供されます。
3	正規化されたギャップ	この数値は、解析エリア内の目標物の実際の数と、選択した正規化変数 (人口など) に基づいて予測された数との差異を示します。
4	解析エリアで予測	この数値は、参照エリアの密度に基づいて予測された目標物の数を示します。
5	高度なビュー	すべての結果テーブルと高度なビューを切り替えます。
6	フィルター	属性、カテゴリ、または差分タイプ別に結果を表示するオプションを含むフィルターウィンドウにアクセスします。
7	テーブル設定	ギャップ、空隙、過剰、バランスの値を表す色を変更します。デフォルトでは、空隙を表す値が赤色の行で示されます。正規化変数を選択した場合は、[高度なビューで密度列を表示] チェックボックスをオンにして、密度列をテーブルに追加することができます。
8	エクスポート	結果を Excel または PDF でエクスポートします。