draw と annotate のパレット

draw または annotate 表示設定の画像の質問を使用すると、空白のキャンバス上でスケッチを描画したり、マップの画像またはスナップショットにアノテーションを追加したりすることができます。 ArcGIS Survey123 フィールド アプリには、矢印、汎用マーカー シンボル、テキスト ラベルなど、8 つのツールからなるデフォルトの描画ツール パレットが付属しています。 デフォルト パレットの詳細については、「描画モード」をご参照ください。

デフォルトの描画ツールのほかに、描画ツールやアノテーション ツールを構成するためにカスタム パレットを作成することができます。 たとえば、公益サービスの組織では、電気工事やガス工事に関連する特定のシンボルやラインのスタイルが考えられます。

注意:

カスタム パレットは、ArcGIS Survey123 Web アプリではサポートされていません。

カスタム パレットを作成するには、次の手順を実行します。

  • Python 環境を ArcGIS Survey123 Connect で構成して、[新しい XLSPalette テンプレート] ツールと [XLSPalette の変換] ツールを実行できるようにします。
  • XLSPalette の仕様を使用して、カスタム パレットを準備します。
  • XLSPalette テンプレートと関連ファイルが調査のメディア フォルダーにあることを確認します。
  • Survey123 Connect[メディア] タブで [XLSPalette の変換] ツールを実行して、XLSPalette テンプレートを .palette ファイルに変換します。
  • 調査の XLSForm で、draw または annotate 表示設定の画像の質問の [body::esri:style] 列に「palette=<パレット名>」を指定することで、デフォルト パレットの代わりにカスタム パレットを使用するように設定します。

まず、カスタム パレットを XLSPalette テンプレートで構成します。 次に、XLSPalette テンプレートを調査に追加できるように .palette ファイルに変換します。 XLSPalette テンプレートを変換するには、Survey123 Connect[メディア] タブにあるツールを使用します。

カスタム パレットの準備

カスタム パレットは XLSPalette で構成されます。これは、複数のワークシートを含む .xlsx ファイルで、調査に使用できる .palette ファイルに変換されます。

カスタム パレットの設計を開始するには、XLSPalette テンプレートが必要です。 空白のテンプレートを作成するための [新しい XLSPalette テンプレート] ツールが Survey123 Connect には用意されています。 ツールを実行するには、Python 環境を Survey123 Connect で構成する必要があります。 詳細については、「Python の構成」をご参照ください。

Survey123 Connect で調査を開きます。 XLSPalette テンプレートを作成するには、[ツール][新しい XLSPalette テンプレート] の順にクリックします。 myXLSPalette1.xlsx という名前のメディア フォルダーにテンプレート ファイルが作成されます。 Survey123 XLSPalette テンプレートのコピーを ArcGIS Online からダウンロードすることもできます。

XLSPalette テンプレート内の各ワークシートは、カスタム パレット内のツールセット (ツールのグループ) です。 各ツールセット ワークシートの行は、そのツールセットのアノテーション ツールを定義します。 次の例は、ガス パイプライン検査用の 3 つのアノテーション ツール (2 つのライン ツールとマーカー ツール) がある XLSPalette の構成を示しています。

タイプラベルtoolシンボルtextSymbol

ライン

Gas Line (New)

ライン

color=Blue&size=5&style=dash

color=MediumBlue&size=14&anchor=bottom&italic

ライン

Gas Line (Existing)

ライン

color=Yellow&size=5&outline.color=Black&outline.size=1

color=#FFFFE0&size=14&anchor=bottom

marker

Meter (New)

meter.svg

カスタム パレットの設計に使用できる構文とパラメーターの詳細については、「XLSPalette の仕様」をご参照ください。 完全な構文の説明については、XLSPalette テンプレートの [Reference] ワークシートをご参照ください。

XLSPalette テンプレートとパレットが使用する画像ファイル (SVG マーカー シンボルやツールセット アイコンなど) が調査のメディア フォルダーにあることを確認します。 次に、XLSPalette テンプレートを調査に追加できるように .palette ファイルに変換する必要があります。

パレットの変換

[XLSPalette の変換] ツールを実行するには、Python 環境を Survey123 Connect で構成する必要があります。 詳細については、「Python の構成」をご参照ください。

Survey123 Connect で調査を開いて、[メディア] タブを参照します。 [メディア] タブでは、調査のメディア フォルダーの内容が一覧表示されます。 変換ボタンは .xlsx ファイルの横にあります。 変換ボタンをクリックして [XLSPalette の変換] ツールを実行し、調査で使用できる .palette ファイルに XLSPalette テンプレートを変換します。

メディア タブでの XLSPalette テンプレートの変換

変換が完了すると、.palette ファイルがメディア フォルダーに保存され、[メディア] タブで表示されます。

ヒント:

.palette ファイルの名前は、ソースの .xlsx ファイルと同じです。 この名前は XLSForm パラメーターとして使用されるため、ファイル名にスペースが含まれていないことを確認します。

調査へのパレットの追加

カスタム パレットの作成と変換が完了したら、XLSForm に追加できます。 調査には、任意の数のカスタム パレットを追加できます。ただし、draw または annotate の各質問に使用できるパレットは 1 つだけです。

draw または annotate 表示設定の画像の質問で、[body::esri:style] 列に「palette=<パレット名>」と入力します。<パレット名> は、.palette 拡張子を除いたパレット ファイルの名前です (例: palette=Electrical)。

これで、画像の質問にデフォルト パレットではなくカスタム パレットが使用されるようになります。

カスタム パレットを更新するには、.xlsx ファイルに必要な変更を加えて、[メディア] タブから [XLSPalette の変換] ツールをもう一度実行します。 これにより、メディア フォルダー内の .palette ファイルが置き換えられて、フォームのプレビューを更新すると、Survey123 Connect に変更内容が表示されます。 調査を再公開して、Survey123 フィールド アプリで変更内容を確認します。

XLSPalette の仕様

XLSPalette の仕様は、Survey123 の描画およびアノテーション ツールを作成するために専用に設計されています。 カスタム パレットは、.xlsx ファイルで XLSPalette 構文を使用して構成されます。 XLSPalette テンプレートは、以下で構成されています。

  • 1 つ以上のツールセット ワークシート。ワークシートには、[type][tool][symbol][textSymbol] の各列が含まれています。 ツールセットは、パレット内のツールのグループです。 パレットには、必要な数のツールセットを含めることができます。 各ツールセット ワークシートの名前は、Survey123 フィールド アプリで、カスタム パレット内の各ツールセット タブの名前として表示されます。
  • [Reference] ワークシート。パレットの設計に使用できる構文とパラメーターのガイドを提供します。
  • [Version] ワークシート。XLSPalette テンプレートが最後に更新された時間に関する情報を提供します。
  • [Lists] ワークシート。ツールセット ワークシートでデータの整合チェックを行うためのルックアップ テーブルが含まれています。 このワークシートの内容は変更しないでください。

ツールセット ワークシートは、必要に応じて追加または削除できます。 新しいツールセット ワークシートを追加するには、既存のツールセット ワークシートのコピーを作成して、書式設定とデータの整合チェックが維持されるようにします。 ヘッダー行以外の行がないツールセット ワークシートは、XLSPalette を .palette ファイルに変換するときに無視されます。

ツールのプロパティを操作するときは、以下を考慮してください。

  • ほとんどのシンボル プロパティは name=value のペアとして指定され、アンパサンドで区切られます。
  • 色は、標準の HTML の色名または 16 進数の色コードで指定できます。 8 文字の 16 進数の色コードを使用して不透明度を設定できます。
  • 幅とサイズの単位はピクセルです。
  • ライン シンボルはカスタムの破線パターンをサポートしています。
  • ツールのタイプがテキストである場合、[textSymbol] 列の入力は必須です。 その他すべてのタイプでは、[textSymbol] の値はオプションです。

タイプとツール

パレットには、ツール タイプの任意の組み合わせを含めることができます。 サポートされているタイプは、ライン、エリア、マーカー、テキストです。これらは、各ツールセット ワークシートの [type] 列に入力する必要があります。

ライン、エリア、テキスト タイプは、そのタイプの描画スタイルを確定するさまざまなツールをサポートしています。 各ツールセット ワークシートの [tool] 列でツールを指定できます。 マーカーとテキスト タイプのツールを指定する必要はありません。

サポートされているツールの完全なリストについては、XLSPalette テンプレートの [Reference] ワークシートをご参照ください。

シンボル

各ツールは、さまざまなシンボル プロパティをサポートしています。これらは、各ツールセット ワークシートの [symbol] 列で指定できます。

ラインの場合、1 つ以上の実線とスペースのペアを [n,n...] という形式で使用して、カスタムの破線パターンを指定できます。n は相対セグメント長です (例: [4,3,2,3])。

マーカー シンボルの場合、最初の値には Esri のシンプルなマーカー シンボルの名前または画像ファイル名 (ファイル拡張子付き) を使用できます。 サポートされている画像形式は、SVG、PNG、JPG です。 シンプルなマーカー シンボルは、円形、十字形、菱形、正方形、三角形、X です。

サポートされているシンボルとプロパティの完全なリストについては、XLSPalette テンプレートの [Reference] ワークシートをご参照ください。

テキスト

各ツールには、テキスト ラベルを添付することができます。 また、テキスト タイプを使用して独自のラベルを指定することもできます。 テキストの書式設定は、各ツールセット ワークシートの [textSymbol] で指定します。

alignment プロパティの場合、複数の配置の値をカンマで区切って指定できます (例: alignment=left,middle)。

anchor プロパティは、ライン、エリア、マーカー タイプのみに適用されます。これは、グラフィックス エレメントに対するテキスト ラベルの相対位置を指定します。

サポートされているスタイルとプロパティの完全なリストについては、XLSPalette テンプレートの [Reference] ワークシートをご参照ください。

ツールセット アイコン

ツールセット アイコンは、パレット内でツールセット名とともに表示されます。 デフォルトでは、ツールセット内のすべてのツールは同じツールを使用します。アイコンは、そのツールに合わせて自動的に設定されます。 ツールセットのアイコンを指定するには、ワークシート名に &icon= を追加し、その後に Esri カルサイト UI アイコンのライブラリにあるアイコンの名前またはメディア フォルダーに保存した画像ファイルを指定します。 サポートされている画像形式は、SVG、PNG、JPG です。

ヒント:

最適な結果を得るには、ツールセット アイコンに透過表示された背景で単一色を使用します。 ツールセット アイコンは、パレット内でグレースケールでレンダリングされます。

ワークシート名は 31 文字までに制限され、スペースも使用できます (例: New Works&icon=electric.svg)。