アカウント

ユーザーの権限とアカウントまたはロールのタイプによって、利用できる機能が異なります。 次のセクションでは、Microsoft 365 ライセンスと ArcGIS アカウントのさまざまなタイプと、ArcGIS for Microsoft 365 を最大限に活用する方法について説明します。

Microsoft 365 ライセンス

Microsoft 365 ライセンスには、権限を管理する管理者が存在します。

ArcGIS for Microsoft 365 コンポーネントに関連付けられた機能を実行するには、Microsoft 365 システム管理者が Microsoft 365 ライセンスに正しいユーザー タイプとロール権限を付与する必要があります。

Microsoft 365 コンポーネントには、次のロールがあります。

  • Microsoft Excel - Administrator、User、ライセンスのないユーザー
  • Microsoft Power BI - Administrator、Contributors、Viewer
  • Microsoft SharePoint - Administrator、Contributor、Reader

このヘルプ ドキュメントでは、これらの Microsoft ロールを Administrator、Contributor、Viewer と呼びます。 Contributor には、ArcGIS for Microsoft 365 でマップを作成するなどの編集権限があります。Viewer はこれらのマップを表示できます。

各ワークフロー トピックに、これらのワークフローを実行するための Microsoft のライセンス要件が記されています (該当する場合)。 管理者ワークフローの詳細については、「組織サイトの設定」トピックをご参照ください。

ArcGIS アカウント

ArcGIS アカウントは、組織の ArcGIS コンテンツと、Esri、地方自治体、世界中の機関などの GIS コミュニティで公開された、パブリックに共有されているコンテンツ (管理者によって有効化されている場合) にアクセスするために使用されます。

このヘルプ ドキュメント内で言及する ArcGIS アカウントには、次の 2 つのタイプがあります。

  • Standard ユーザー - ライセンス付与された Microsoft 365 ユーザーは、ArcGIS にサイン インしなくても ArcGIS for Microsoft 365 製品 (ArcGIS for ExcelArcGIS for Power BIArcGIS for SharePointArcGIS for Teams) にアクセスできます。 これが標準的な構成です。
  • ArcGIS アカウント - 追加機能にアクセスするには、ArcGIS アカウント認証情報を使用してサイン インします。 使用可能な ArcGIS の機能はユーザー タイプとロールによって異なります。これは、ArcGIS 組織の管理者によって設定されます。 ArcGIS Online無料トライアル サブスクリプションにサイン アップできます。 ArcGIS へのアクセスに使用される認証方法は、ArcGIS 管理者によって適切に構成されています。 個人向けプランの ArcGIS アカウントは使用できません。

各ワークフロー トピックに、ワークフローの手順を実行するために必要な ArcGIS アカウント タイプが記されています。

ArcGIS のサービスと権限 (ArcGIS for Power BI)

ArcGIS で ArcGIS for Power BI を使用するには、次のサービスにアクセスできるよう、システム管理者が ArcGIS アカウントを構成する必要があります。

ArcGIS ユーザー アカウントには、ArcGIS Online 組織またはオンプレミスの ArcGIS Enterprise 配置でコンテンツとグループを表示する権限を含む必要があります。 個人向けプランの ArcGIS アカウントは使用できません。

[一般的な権限] にある次のアカウント権限を構成する必要があります。

  • メンバー → 表示
  • グループ → 組織のグループへの加入
  • グループ → ポータルで共有するグループの表示
  • コンテンツ → ポータルで共有するコンテンツの表示
  • コンテンツ → コンテンツと解析 → ジオコーディング、GeoEnrichment、ネットワーク解析

これらのサービスまたは権限の 1 つ以上が確立されていない場合、一部の ArcGIS for Power BI 機能が制限されます。 サービスまたは権限が確立されていないか、利用できない場合に予期されることを、次の例で説明します。

サービスまたは権限説明

ジオコーディング

  • ArcGIS World Geocoding Service が利用できない場合、住所データを使用してマップに場所を追加することはできません。 緯度および経度の座標を使用するか、標準の行政区画を使用してデータをマッピングします。

近傍検索

  • Network Analyst サービスが利用できない場合、バッファー/到達圏機能は制限されます。 リング バッファーは作成できますが、到達圏や距離は解析できません。

ロケーション タイプ

  • ArcGIS World Geocoding Service および GeoEnrichment Service が利用できない場合、位置情報の種類機能も利用できません。

インフォグラフィックス

  • GeoEnrichment Service が利用できない場合、インフォグラフィックス機能も利用できません。
  • GeoEnrichment Service は利用できるが Network Analyst サービスは利用できない場合、インフォグラフィックス機能は制限されます。つまり、インフォグラフィックス カードの分析範囲のみ作成できます。
ArcGIS Living Atlas
  • この機能は、管理者が明示的に有効にする必要があります。 ArcGIS 配置で ArcGIS Living Atlas of the World が有効になっていない場合、ArcGIS for Power BI では利用できません。

ArcGIS の操作と権限 (ArcGIS Connectors for Power Automate)

ArcGIS で実行できる操作で ArcGIS Connectors for Power Automate を使用するには、システム管理者が ArcGIS アカウントに次の権限を構成する必要があります。

ArcGIS Connectors for Power Automate を使用するには、Microsoft Power Automate (Microsoft 365) アカウント、適切なライセンス、および ArcGIS 組織 アカウントか ArcGIS API キーのいずれかも必要です。

ArcGIS アカウントの取得

ArcGIS Online 組織のメンバーであれば、ArcGIS アカウントの作成、組織への加入、ArcGIS Connectors for Power Automate または ArcGIS Connectors for Power Automate PaaS コネクタのアクションへのアクセスが可能です。

ArcGIS Online 組織のメンバーではない場合、無料トライアル アカウントにサイン アップできます。

ArcGIS API キーの取得

開発者用ダッシュボードにアクセスしたり、API キーを管理したりするには、ArcGIS Developer アカウントか、ArcGIS Online アカウント (作成者以上のユーザー タイプ) のいずれかが必要です。 ArcGIS Enterprise アカウント タイプは使用できません。 詳細については、「既知の制限事項」をご参照ください。

ArcGIS API キーを取得するには、ArcGIS Developers の「API キーの作成と管理」チュートリアルの手順を実行してください。

機能の比較

ArcGIS アカウントがない場合、Standard ユーザーは ArcGIS for Microsoft 365 の基本的な機能を使用でき、一部の高度な機能は使用できません。

ArcGIS for Excel

ArcGIS for Excel の Standard ユーザーは、ArcGIS パブリック コンテンツおよび ArcGIS Living Atlas of the World のレイヤーのサブセットを表示および使用できます。 Excel からマップに x,y ポイントを追加したり、マップを移動およびズームできるだけでなく、ポップアップを表示することもできます。 プライベート レイヤーや、解析ツールなどの一部のマップ ツールを利用できません。

次の表に、ArcGIS for Excel Standard ユーザーと Microsoft 365 アカウント保有者の機能を、ユーザー タイプ別に比較します。

機能Standard ユーザーMicrosoft ViewerMicrosoft Contributor

ベースマップの表示

4 つの基本的なベースマップ セット

Yes

Yes

ArcGIS パブリック コンテンツ

Yes

Yes

Yes

x,y ポイント

Yes

Yes

Yes

ArcGIS Living Atlas コンテンツ

厳選されたコンテンツ サブセット

Yes

Yes

境界マッチング

No

Yes

Yes

ジオコーディング

No

Yes

Yes

バッファー/到達圏解析

No

No

Yes

インフォグラフィックス カード

No

No

Yes

ArcGIS への公開

No

No

Yes

ArcGIS for Power BI

次の表に、ArcGIS for Power BI Standard ユーザーと ArcGIS アカウント保有者の機能と制限事項を比較します。

機能Standard ユーザーArcGIS Online または ArcGIS Enterprise アカウント

ベースマップ

  • 4 つの基本的なベースマップ
  • すべての Esri ベースマップ、組織のベースマップ、カスタム ベースマップへのアクセス

ジオコーディング

  • マップあたり 3,500 件の位置
  • 1 か月あたり 10,000 件の位置
  • マップあたり 10,000 件の位置
  • 月間の制限なし

ポリゴン (境界)

  • マップあたり 10,000 件のポリゴン
  • マップあたり 15,000 件のポリゴン

参照レイヤー

  • 米国の人口統計を含む 10 の参照レイヤー
  • 1 つの参照レイヤーを追加
  • ArcGIS でパブリックに共有されたフィーチャ レイヤー
  • ArcGIS 組織のすべての Web マップおよびレイヤーへのアクセス
  • 複数の参照レイヤーの追加
  • ArcGIS でパブリックに共有されたフィーチャ レイヤー
  • ArcGIS Living Atlas of the World のマップおよびレイヤーへのアクセス (フィーチャ サービス)

バッファー/到達圏解析

  • マップあたり 5 件のリクエスト
  • マップあたり 10 件のリクエスト

インフォグラフィックス

  • 米国の人口統計変数の管理されたギャラリー (7 カテゴリ)
  • マップあたり最大 2 枚のカード
  • 米国に加えて、それ以外の国々に関するグローバルの人口統計変数を提供する、ArcGIS GeoEnrichment データ ブラウザーへのフル アクセス
  • マップあたり最大 5 枚のカード

使用可能なコンテンツ

マップまたは共有コンテンツを作成するときは、対象ユーザーを検討してください。 サブスクリプション未登録のユーザーは、ArcGIS 組織のプレミアム コンテンツを使用できないことがあります。 以下の表は、ユーザーが使用できるコンテンツのタイプを示しています。

コンテンツ タイプユーザー

ArcGIS for Microsoft 365 に付属するコンテンツ

すべてのユーザー

パブリックに共有された ArcGIS コンテンツ

すべてのユーザー

ArcGIS 組織のプライベート コンテンツ

有効かつ確立されたユーザー認証情報と権限を持つ、組織内の ArcGIS ユーザー (サイン インが必要となることがあります)

注意:
ArcGIS for Power BI ユーザーの場合、プレミアムまたはプライベート ArcGIS コンテンツを含むマップとデータは、適切なユーザー タイプと権限を持つ ArcGIS アカウントでサイン インした場合にのみアクセスできます。 ArcGIS for Power BI にサイン インしていない場合、該当するセキュリティ保護コンテンツをブロックするメッセージが表示されます。 セキュリティ保護されたプライベートコンテンツや、プレミアム ArcGIS コンテンツを表示するには、サイン インする必要があります。

ArcGIS の認証

ArcGIS for Microsoft 365 は、ArcGIS Online 組織か ArcGIS Enterprise インスタンスと直接連携できます。 ArcGIS にサイン インしていないユーザーでも ArcGIS for Microsoft 365 を使用できますが、一部の機能は制限されます。 ArcGIS にサイン インすると、Microsoft 製品が ArcGIS 組織に接続され、すべての機能が有効になります。 たとえば、以前マップの作成に使用されたデータセットへの変更はすべてポップアップに反映され、場合によってはマップの表示にも反映されます。

サイン インに使用される認証方法は、ArcGIS Online または ArcGIS Enterprise 組織管理者が設定したセキュリティ機能によって決定されます。 ArcGIS 認証の詳細とセキュリティ設定を正しく実装する方法については、ArcGIS Online または ArcGIS Enterprise に関するセキュリティ ドキュメントをご参照ください。

ArcGIS 接続 (SharePoint および Excel)

ArcGIS for SharePoint は、ArcGIS に接続するために以下の認証方法をサポートしています。

  • 組み込みアカウント - ユーザーは ArcGIS Online の認証情報を入力します。 これによって、OAuth 2.0 を使用したトークン ベース認証が使用されます。
  • エンタープライズ ログイン - エンタープライズ ログインは、Security Assertion Markup Language (SAML) 2.0 を使用してサポートされます。 詳細については、「エンタープライズ アカウントの構成」をご参照ください。

ArcGIS for Excel は、次のバージョンで ArcGIS Enterprise との互換性をサポートしています。

10.910.9.111.011.1

ArcGIS for Excel 2022.2

Yes

Yes

Yes

Yes

ArcGIS 認証情報の更新 (SharePoint)

ArcGIS for SharePoint バージョン 5.0 以降では、セキュアなアクセス トークンの生成にアプリ ID とリフレッシュ トークンを利用する、サーバー側のユーザー ログイン ソリューションを使用しています。 アクセス トークンは ArcGIS の認証情報を表し、ArcGIS for SharePoint の使用時にセキュアなトランザクションを確保するために使用されます。 ほとんどの場合、リフレッシュ トークンの有効期限は切れませんが、有効期限が切れるように構成することができます。