エンタープライズ ログインの構成

組織の管理者は、企業組織メンバー用に ArcGIS 接続のリストを構成できます。

URL 文字列とタイトルを含む PowerShell 関数を使用し、1 つ以上の ArcGISConnectionInfo 接続を構成できます。 これらは、ライセンスを持つ組織メンバーがサイン イン時に使用します。 URL 文字列によって、ArcGIS と統合された Microsoft 365 製品でマップを作成する際にユーザーが ArcGIS Online または ArcGIS Enterprise インスタンスのどちらに接続されるかが決まります。

組織メンバーは、ArcGIS のサインイン プロンプトの接続リストから ArcGIS 接続を 1 つ選択できます。 詳細については、「ArcGIS アカウントへのサイン イン」をご参照ください。

設定は、テナント管理者が行う一度限りのプロセスです。 ArcGISConnectionInfo に関連するすべての PowerShell 関数は Microsoft.Graph モジュールに依存しています。

エンタープライズ接続のインストールと構成

エンタープライズ接続をインストールして構成するには、次の手順を実行します。

  1. Microsoft.Graph モジュールがインストールされていることを確認します。

    Microsoft.Graph モジュールを使用すると、MSGraph API を呼び出して、組織レベルのオープン エクステンションを構成することができます。 このモジュールの詳細については、Microsoft の「Microsoft Graph PowerShell SDK のインストール」の記事をご参照ください。

  2. システム管理者として次の Windows PowerShell コマンド ラインを実行し、Install-Module コマンドレットを実行します。
    Install-Module -Name Microsoft.Graph
  3. 次のコマンドレットを実行して、ArcGIS.Microsoft365 モジュールをインストールします。
    Install-Module -Name ArcGIS.Microsoft365
  4. 次のコマンドレットを実行し、現在のセッションにモジュールを追加します。
    Import-Module .\ArcGIS.Microsoft365.psm1 -Force
  5. 次のコマンドレットを実行して、リモート署名付きの PowerShell コマンドレットおよび関数を許可します。
    Set-ExecutionPolicy RemoteSigned

ArcGIS 接続の管理

テナント管理者は、組織メンバーが ArcGIS for Microsoft 365 製品にサイン インする際に使用する接続を管理します。

ArcGIS.Microsoft365 PowerShell モジュール関数を使用する前に、次のコマンドレットで PowerShell コマンド ライン セッションから Microsoft Azure にサイン インします。

Connect-MgGraph -Scopes "Organization.ReadWrite.All"

Microsoft Azure にサイン インしたら、テナント管理者は、組織メンバー用に ArcGIS 接続のリストを構成することができます。 このリストは、ユーザーが ArcGIS と統合された Microsoft 365 製品を使用してサイン インする際に、ドロップダウン メニューとして表示されます。

テナント管理者は、PowerShell を使用して、構成済みの ArcGISConnectionInfo 接続を作成、編集、削除、消去、表示、エクスポートすることができます。 次の表に、使用可能な PowerShell 関数を示します。

新しい ArcGIS 接続の設定

関数必須/任意説明

コマンド: New-ArcGISConnection -ArcGISConnectionUrl [ARCGIS_CONNECTION_URL_STRING] -ArcGISConnectionTitle [ARCGIS_CONNECTION_TITLE] [-Default]

-ArcGISConnectionUrl

必須

新しい接続の URL パスを設定します。

-ArcGISConnectionTitle

必須

新しい接続のタイトルを設定します。

-Default

オプション

該当する接続をデフォルトとして設定します (サイン イン時に最初に表示される)。

例:

  • New-ArcGISConnection -ArcGISConnectionUrl "https://xxx.maps.arcgis.com" -ArcGISConnectionTitle "My org 2021" -Default
  • New-ArcGISConnection -ArcGISConnectionUrl "https://xxx.maps.arcgis.com" -ArcGISConnectionTitle "Group account 2021"

ArcGIS Online 接続の権限を設定

関数必須/任意説明

コマンド: Set-ArcGISOnlineConnectionPermission [- allow] [- disallow]

-ArcGISOnlineConnecionPermission

必須

ユーザーが ArcGIS Online に接続できるかどうかを指定します。

-allow または -disallow

いずれかの関数が必要です。

この関数は、テナント管理者によって設定されていない ArcGIS Online 組織にユーザーが接続することを許可するか拒否するかを指定します。

カスタム URL 接続の権限の設定

関数必須/任意説明

コマンド: Set-CustomURLConnectionPermission [- allow] [- disallow]

-CustomURLConnectionPermission

必須

ユーザーがカスタム URL 接続を使用できるかどうかを指定します。

-allow または -disallow

いずれかの関数が必要です。

この関数は、ユーザーがカスタム Enterprise 接続を手動で入力することを許可するか拒否するかを指定します。 拒否した場合、ユーザーはテナント管理者が設定した URL にしかアクセスできません。

接続情報の更新

関数必須/任意説明

コマンド: Update-ArcGISConnection -ArcGISConnectionUrl [ARCGIS_CONNECTION_URL_STRING] -ArcGISConnectionTitle [ARCGIS_CONNECTION_TITLE] [-Default]

-ArcGISConnectionUrl

必須

該当する接続の既存の URL パスを設定します。

注意:

URL が既存の接続と一致する必要があります。一致しないと、このコマンドが正常に実行されません。

-ArcGISConnectionTitle

必須

該当する接続で使用または更新する新しいタイトルを指定します。

-Default

オプション

該当する接続をデフォルトとして設定します (サイン イン時に最初に表示される)。

例: Update-ArcGISConnection -ArcGISConnectionUrl "https://xxx.maps.arcgis.com" -ArcGISConnectionTitle "My org 2022" -Default

既存の接続の表示

コマンド説明

Show-ArcGISConnections

PowerShell で利用可能なすべての接続を表示します。

接続の削除

関数必須/任意説明

コマンド: Remove-ArcGISConnection ArcGISConnectionTitle [ARCGIS_CONNECTION_TITLE]

-ArcGISConnectionTitle

必須

既存の接続から削除する 1 つの接続を指定します。

例: Remove-ArcGISConnection -ArcGISConnectionTitle "My org 2022"

ArcGIS 接続の消去

コマンド説明

Clear-AllTenantArcGISConnections

テナント管理者が設定した、すべての追加済み ArcGIS Online および ArcGIS Enterprise 接続文字列を削除します。

すべての ArcGIS 接続文字列のリセット

コマンド説明

Reset-TenantArcGISSettings

すべての設定をリセットを、接続文字列をデフォルト値に戻します。 以前に ArcGIS Online またはカスタム ArcGIS 接続を許可しなかった場合は、これらの設定は、接続を許可するデフォルト設定に戻されます。

接続のエクスポート

コマンド説明

Export-ArcGISConnections

すべての接続をローカルの .txt ファイルにエクスポートします。