ギャップの検出

ツール アイコン リアルタイムのビッグ データ解析で使用できます。

[ギャップの検出] ツール ギャップの検出ツール は、リアルタイム解析とビッグ データ解析の両方で使用できますが、このツールの機能と動作の詳細は解析タイプによって異なります。 リアルタイム解析では、[ギャップの検出] ツールはすべての受信観測データを監視し、トラッキングが指定したギャップ期間を超過したときに報告します。 ギャップ検出は指定した間隔に設定でき、ギャップ通知が出力イベントとして作成されます。 一方、ビッグデータ解析では、[ギャップの検出] ツールは、ツールに入力されたフィーチャの完全なセットを [トラッキング ID] および [開始時間] オプションで設定されたキー フィールドの値に基づいて処理し、各トラッキングのユーザー定義のパラメーターに従って、開始、終了、または継続中のギャップ フィーチャを識別します。

以下は、[ギャップの検出] ツールの使用例です。

  • リアルタイム解析では、スマート圧力計のネットワークは 10 秒ごとに圧力のレベルを報告します。 ある保守担当者は、圧力計がオフラインで圧力情報の報告ができなくなるタイミングを知る必要があります。 [ギャップの検出] ツールのギャップ期間を「30」秒、ギャップ検出間隔を「5」秒に構成します。 この構成にすると、[ギャップの検出] ツールは 5 秒ごとに既知のすべての圧力計をチェックし、圧力情報を報告しないまま 30 秒以上経過した圧力計がないかどうかを判断します。
  • ビッグ データ解析で、ある車両管理者は、車両センサーとセンサー ベンダーの API の機能が常に動作していることを把握するため、自動車両位置 (AVL) データ レポートの一貫性を数週間にわたって確認しています。 [ギャップの検出] ツールを構成することで、指定したギャップ期間 (15 分など) を超える間、フィーチャが欠落したフィーチャ トラッキングを識別できます。

使用上の注意

[ギャップの検出] ツールを操作する際には、以下の点に注意してください。

  • [ギャップ期間] パラメーター値は、予期される観測データ同士の間隔以上の値に設定することをおすすめします。 ギャップ期間が予期される通常の間隔よりも短く設定されている場合、誤ったギャップが頻繁に検出されます。
  • このツールは、一意のトラッキング ID が付与されたイベントのみを処理します。 このツールを使用するには、入力データセットの [トラッキング ID] オプションでキー フィールドを指定する必要があります。
  • リアル タイム解析の使用に関する注意。
    • [ギャップの検出] ツールは、[ギャップ検出間隔] パラメーターで指定した頻度で実行されます。 このため、ギャップ検出間隔が 20 分に設定されている場合、[ギャップの検出] ツールは既知のすべてのトラッキングを 20 分ごとに確認し、ギャップ期間を超過したトラッキングがないかどうかを判断します。
    • リアルタイム解析で使用する [ギャップの検出] ツールには、ギャップを検出するタイミングを制御する [連続] または [変更時] 通知モードが用意されています。
      • [連続] - 指定したトラッキング ID のギャップが最初に検出されたときにギャップ イベントが作成されます。 継続中のギャップが存在している間は、[ギャップ検出間隔] パラメーターで指定した頻度で追加のギャップ イベントが作成されます。 同じトラッキング ID が再度観測された場合、最後のギャップ イベントが発行されます。
      • [変更時] - 指定したトラッキング ID のギャップが最初に検出されたときにギャップ イベントが作成されます。 同じトラッキング ID が再度観測された場合、2 つ目かつ最後のギャップ イベントが発行されます。
    • ギャップを識別するには、[ギャップ期間][ギャップ検出間隔] を指定する必要があります。 指定したギャップ期間以上の間、欠落しているフィーチャはギャップとして識別されます。 ギャップの検出は、[ギャップ検出間隔] パラメーターで指定した頻度で行われます。
    • リアルタイム解析では、[ギャップの検出] ツールは、トラッキング ID ごとの現在の観測データの状態ストアを維持します。 新しい観測データを受信すると、同じ Track ID の現在の観測データと比較され (存在する場合)、ギャップが発生しているかどうかを判断します。 最も新しい観測データのタイムスタンプが、状態ストア内の現在の観測データよりも新しい場合、現在の観測データは置き換えられます。 同じ Track ID の現在の観測データと同じタイムスタンプが付与されている場合、ツールは 2 つの観測データを区別できません。 これにより、ツールが状態ストア内の現在の観測データが新しい観測データを置き換えず、新しい観測データが状態ストアに追加されないため、このトラッキング ID に対する今後の観測データは、最も新しいタイムスタンプが付与された新しい観測データを受信するまで、状態ストアに残っている現在の観測データと比較されます。 この事象が発生すると、ツールで警告がログに記録されます。
  • ビッグ データ解析の使用に関する注意
    • ビッグ データ解析で使用する [ギャップの検出] ツールのギャップ検出方法には、[個別] または [累積] が用意されています。
      • [個別] - 指定したトラッキング ID の下で 2 つの連続するフィーチャ間の時間差がギャップ期間を超えたときに一意のギャップが識別されます。
      • [累積] - 指定したトラッキング ID の下で 2 つの連続するフィーチャ間の連続的な時間差がギャップ期間を超えている状況が 1 つのギャップとして識別されます。
    • ギャップを識別するには、[ギャップ期間] パラメーターに値を指定する必要があります。 ギャップ期間以上の時間ギャップがあるフィーチャはギャップとして識別されます。
    • すべてのギャップ フィーチャ タイプ (開始、継続、および終了フィーチャ) を出力するか、終了ギャップ (終了フィーチャ) のみを出力するかを選択します。
    • トラッキング ID として指定されたフィールドに加えてトラッキングを識別するために、1 つ以上のフィールドを指定できます。 トラッキングは、1 つ以上のトラッキング フィールドの一意の組み合わせで表されます。

パラメーター

以下は、[ギャップの検出] ツールのパラメーターです。

パラメーター説明データ タイプ

入力レイヤー

データ ストリームのギャップを監視するトラッキング。

フィーチャ

ギャップ期間

トラッキングに対して観測を行う必要があるタイム ウィンドウを指定します。

String

通知モード/方法

ギャップ通知またはギャップ検出方法を指定します。 このパラメーターで使用できるオプションは、リアルタイム解析とビッグ データ解析で異なります。

  • リアル タイム解析:
    • [連続] - トラッキング ID が観測され続けてギャップがこれ以上継続されなくなるまで、[ギャップ検出間隔] パラメーターで指定した頻度でギャップ イベントが発行されます。
    • [変更時] - ギャップが最初に検出されたときに 1 つ目のギャップ イベントが発行され、トラッキング ID が観測され続けてギャップがこれ以上継続されなくなったときに 2 つ目の最終ギャップ イベントが発行されます。
  • ビッグ データ解析:
    • [個別] - 指定したトラッキング ID の下で 2 つの連続するフィーチャ間の時間差がギャップ期間を超えたときに一意のギャップが識別されます。
    • [累積] - 指定したトラッキング ID の下で 2 つの連続するフィーチャ間の連続的な時間差がギャップ期間を超えている状況が 1 つのギャップとして識別されます。

String

ギャップ検出間隔 (リアルタイム解析のみ)

イベントが [ギャップ期間] パラメーターで指定した値を超えているかどうかチェックされる頻度を指定します。 このパラメーターはリアル タイム解析にのみ適用されます。

String

終了ギャップのみ (ビッグ データ解析のみ)

ギャップに属しているすべてのフィーチャ (開始、継続、および終了フィーチャ) を出力するか、ギャップごとに終了フィーチャのみを出力するかを選択します。 このパラメーターはビッグ データ解析にのみ適用されます。

Boolean

トラッキング ID フィールド

処理されるフィーチャを一意に識別するフィールドを選択します。 入力で [トラッキング ID] オプションにキー フィールドが設定されている場合、このパラメーターは自動入力されます。

フィールド

出力レイヤー: リアルタイム解析

リアルタイム解析では、このツールの出力レイヤーに、受信フィーチャのフィールドおよび値、lastReceivedIsGap、および GapDuration を含むさらに 3 つのフィールドが含まれます。

フィールド名説明フィールド タイプ

LastReceived

トラッキングで受信した最新の観測データのタイムスタンプ。

Date

IsGap

現在のギャップ状態。ギャップ条件が存在する場合は [true]、存在しない場合は [false] が返されます。

Boolean

GapDuration

継続中のギャップの合計経過時間。

Integer

出力レイヤー: ビッグ データ解析

ビッグ データ解析では、このツールの出力レイヤーに、受信フィーチャのフィールドおよび値、GapFeatureTypeGapIdGapStartTimeGapEndTimeGapCurrentDuration、および GapOverallDuration を含むさらに 6 つのフィールドが含まれます。

フィールド名説明フィールド タイプ

GapFeatureType

フィーチャが示す識別されたギャップの一部。 値は、[Started][Ongoing][Ended] のいずれかです。

String

GapId

個別の各ギャップを示すために生成された一意の ID。

String

GapStartTime

ギャップ イベントが開始された日付/時間。

Date

GapEndTime

ギャップ イベントが終了した日付/時間。

Date

GapCurrentDuration

ギャップ フィーチャの現在のギャップで継続している経過時間。 ギャップ フィーチャ タイプが [Started] の場合、GapCurrentDuration は常に 0 になります。 ギャップ フィーチャ タイプが [Ended] の場合、GapCurrentDurationGapOverallDuration は同じ値になります。

Float

GapOverallDuration

このフィーチャが含まれているギャップの合計経過時間。

Float

検討事項および制限事項

[ギャップの検出] ツールを使用する際は、以下の点に注意してください。

  • [ギャップ期間] パラメーター (リアルタイム解析のみ) は 24 時間を超えることはできません。 ギャップ期間が長くなることが想定される場合、ビッグ データ解析を使用してフィーチャを監視することを検討してください。
  • [ギャップの検出] ツール (リアルタイム解析のみ) は、ギャップの状態を最大 7 日間維持します。