ArcGIS Hub Premium を有効化するには、コミュニティ組織を設定する必要があります。 コミュニティ組織とは、現在の ArcGIS Online 組織 (従業員組織) とは別の構成済み ArcGIS Online サブスクリプションです。 関連しつつも独立した 2 つの組織があります。
コミュニティ組織は、コンテンツを共有しながら従業員組織にフル アクセスを付与したくないユーザーのコミュニティ アカウントを管理するための組織です。
注意:
従業員組織として使用できる ArcGIS Online のサブスクリプションがない場合は、コミュニティ組織を設定する前に構成を行っておく必要があります。
コミュニティ組織の有効化
以下の手順は、新しいサブスクリプションを有効化するための ArcGIS Online ドキュメントと同じ内容ですが、こちらには Hub のコミュニティ組織としてサブスクリプションを使用するための設定手順も含まれています。 サブスクリプションは、そのサブスクリプションを管理する担当者が有効化する必要があります。 必要に応じて、メールを適切なユーザーに転送します。
注意:
ArcGIS Hub Premium ライセンスに従業員組織とコミュニティ組織が含まれている場合は、「サブスクリプションの有効化」の手順に従って最初に従業員組織を有効化します。
前提条件
コミュニティ組織、または従業員組織として使用する ArcGIS Online サブスクリプションを有効にする前に次のベスト プラクティスを確認してください。
アカウントの詳細情報の記録
以下のアイテムと詳細をメモしてください。
- コミュニティ組織の ArcGIS Online アクティベーション メールの件名は Time to Activate Your ArcGIS Hub Community Account です。 このメールにはサブスクリプションに関する重要な情報と、Esri テクニカル サポートの問い合わせ先が記載されているため、今後も参照できるように保存しておいてください。
注意:
ArcGIS Hub Premium ライセンスに従業員組織とコミュニティ組織が含まれている場合は、ArcGIS Online サブスクリプションごとに 2 通のアクティベーション メールが送られてきます。 ArcGIS Online 従業員組織がすでに設定されている場合は、(ArcGIS Online コミュニティ組織を有効化するための) 1 通の電子メールのみを受け取ります。
- 組織の ArcGIS Online ホーム ページの Web アドレスを保存します。
- 組織の管理者アカウントの設定に使用したメール アドレス、ユーザー名、パスワードを忘れないようにしてください。 入力したメール アドレスはアカウントの復旧に使用されます。
注意:
コミュニティ組織と従業員組織でそれぞれ別のアカウント認証情報が必要です。 両方のアカウント認証情報を覚えておく必要があります。
名前とショート ネームの選択
新しい組織ごとにショート ネームと名前を指定する必要があります。 これらの名前は、組織の ArcGIS Online ホーム ページの URL (例: https://abc-yourname.maps.arcgis.com) を生成するのに使用されます。
- ショート ネーム - 組織のホーム ページ URL の最初の部分がショート ネーム (https://abc-yourname.maps.arcgis.com の「abc」の部分) になります。
注意:
ショート ネームは、ArcGIS Hub で作成したすべてのアイテム (サイト、データセットなど) に自動的に保存されます。 既存のコンテンツへのリンクが壊れる可能性があるため、一度作成したショート ネームは容易に変更できません。 長期間問題なく使用できるショート ネームと名前を選択してください。 これにより、リンクが壊れることを防ぎ、ArcGIS Hub を使用してコンテンツを表示するユーザーに一貫したエクスペリエンスを提供することができます。 - 名前 - 組織のホーム ページ URL の 2 番目の部分が名前 (https://abc-yourname.maps.arcgis.com の yourname) になります。 たとえば、「(都市名) コミュニティ」または「(大学名) GIS」といった名前をコミュニティの組織に付けることができます。 この名前は、組織の ArcGIS Online ホーム ページのサイン イン プロンプト、プライベートに共有されている Hub のサイトとページにも表示され、パブリックのサイトかページでサインイン オプションを選択した時にも表示されます。
コミュニティ管理者アカウントの作成
コミュニティ組織の管理者権限がある ArcGIS アカウントを作成することで有効化を開始します。 このコミュニティ管理者アカウントを使用することで、新しいコミュニティ メンバーの追加と招待、ロールと権限の割り当て、メンバー コンテンツとアクティビティのモニタリングなど、すべての管理タスクを実行できます。 コミュニティ アカウントの作成を有効または無効にできます。
- 「ArcGIS Online サブスクリプションの有効化」という件名で Esri カスタマー サービスから送られてきたメールを開きます。
- 電子メールのアクティベーション リンクを選択します。
[組織のサブスクリプションのアクティブ化] ページが表示されます。
- [アカウントを新規作成] を選択して [次へ] を選択します。
新しいアカウントにはデフォルトの管理者ロールが割り当てられ、コミュニティ組織の管理権限が付与されます。 詳細については、「コミュニティ管理者」をご参照ください。
- [ユーザー名] テキスト ボックスに新しいユーザー名を入力します。
注意:
従業員組織で使用しているものとは別のユーザー名とパスワードを使用してください。 この手順で指定するユーザー名は、コミュニティ組織で一意である必要があります。 - [パスワード] テキスト ボックスにパスワードを入力し、同じパスワードを [パスワードの確認] テキスト ボックスに入力します。
- 該当するテキスト ボックスに姓と名を入力します。
- [電子メール] テキスト ボックスに電子メール アドレスを入力し、[電子メール (再入力)] テキスト ボックスに同じ電子メール アドレスを入力します。
- [セキュリティの質問] ドロップダウン メニューからセキュリティに関する質問を選択し、[答え] テキスト ボックスに回答を入力します。
- 利用規約を読んで、[同意する] を選択し条件に同意します。
- [マイ アカウントの作成] を選択して [組織サイトの設定] ページに進みます。
注意:
コミュニティ管理者アカウントを使用して、同僚のために追加のコミュニティ管理者アカウントを設定できます。 詳細については、「コミュニティ管理者の追加」をご参照ください。
ArcGIS Online 組織ホーム ページの設定
コミュニティ管理者アカウントを作成したら、コミュニティ組織の ArcGIS Online ホーム ページを設定できます。
注意:
ArcGIS Online ホーム ページはコミュニティ管理者がメインでアクセスする場所であり、コミュニティ管理者は [Hub の設定] からアクセスできます。
- 組織の名前を入力します。
- 組織のショート ネームを入力します。
このテキストは組織のサイト URL を作成する際に使用され、入力必須です。 ショート ネームは最大 16 文字で、次の文字を使用できます。
- ラテン文字 (a ~ z) - ウムラウトなどの発音区別符の付いていないラテン文字を使用します。
- 数字 (0 ~ 9)
- ハイフン (-) - ハイフンは、ショート ネームの URL の先頭または末尾には使用できません。
注意:
従業員組織のメンバーが作成またはアップロードしたすべてのアイテム (サイトやページなど) にショート ネームが自動的に保存されます。 リンクが壊れ、ArcGIS Hub コンテンツへのプライベートまたはパブリックのアクセスで一貫性がなくなる可能性があるため、組織の名前やショート ネームは容易に変更できません。 - 組織の言語を選択します。
言語によって、ユーザー インターフェイス (ArcGIS Online ホーム ページとサイン イン プロンプト)、および時刻/日付と数値の表示形式が決まります。 メンバーは自身のプロフィール ページで言語を変更できます。
- 組織の地域を選択します。
地域によって、デフォルトのベースマップ ギャラリー、ベースマップ、ArcGIS Hub のデータセットのコンテンツ ビューのベースマップを含む、新しいマップの範囲が決まります。 マップ構成によって組織のベースマップとマップの範囲を指定することもできます。 必要に応じて、後で組織の地域設定を変更できます。
- [組織に連絡] チェックボックスを選択して、Web サイトの URL または ArcGIS Online ホーム ページのフッターに表示されるカスタムの連絡先リンクを入力します。
組織で匿名アクセスが許可されている場合、すべてのユーザーがこの URL から連絡先の情報を参照できます。 連絡先リンクを非表示にするには、このチェックボックスをオフにします。 [Esri に連絡] リンクはフッターに常に表示されます。このリンクを非表示にすることはできません。
- 必要に応じて、[Esri ユーザー エクスペリエンス改善プログラム] のチェックボックスをオンにして、Esri が組織のメンバーから使用状況情報を収集し、ユーザー エクスペリエンスを改善できるようにします。
Esri では継続的に製品の改善に取り組んでおり、お客様からのフィードバックがこの取り組みにおいて重要となっています。 Esri User Experience Improvement プログラム (EUEI) に参加すると、ArcGIS Online の設計と開発に対するフィードバックを提供できます。 このプログラムは、ハードウェアやブラウザーの機能など ArcGIS Online の使用に関する情報を、作業を中断することなく収集します。 プログラムへの参加は任意かつ匿名です。組織メンバーの特定や連絡に使用できる情報は収集されません。
- [保存して続行] を選択します。
これで、新しいコミュニティ メンバーを追加できます。 有効化中に生成され、すべてのコミュニティ メンバーを整理する Hub コミュニティ グループにすべてのコミュニティ メンバーが自動的に追加されます。 このグループを削除したり、プロパティを変更したりしないでください。
コミュニティ組織のデフォルト設定
ソーシャル アカウントと電子メール アカウントが [Hub の設定] の [サイン イン オプション] で自動的に有効になるため、コミュニティ アカウントはコミュニティ組織のサイン イン プロンプトで自動的に一般ユーザーが使用できるようになります。 これらの設定を変更する方法については、「コミュニティ アカウントの作成の有効化/無効化」をご参照ください。
さらに、新たに有効化されたすべてのコミュニティ組織で次の設定が ArcGIS Online で自動的に構成されます。
- 組織への匿名アクセスを許可します - 誰でもコミュニティ組織の ArcGIS Online ホーム ページを表示できますが、通常このページはコミュニティ管理者専用です。
- クレジット使用制限ツールの有効化 - 各コミュニティ アカウントに 500 クレジットが自動的に割り当てられます (ArcGIS Hub Premium ライセンスに含まれるクレジットの量が異なる場合は除く)。 詳細については、「クレジットの表示と管理」をご参照ください。
- 新しいメンバーのデフォルト設定 - 新しいメンバーが作成したすべてのコミュニティ アカウントに Creator ユーザー タイプと公開者ロールが割り当てられます。これらは ArcGIS Hub に参加する際に推奨されるアカウント構成です。
コミュニティ組織は ArcGIS Online のサブスクリプションであるため、追加情報は ArcGIS Online ドキュメントにあります。
組織権限の比較
従業員組織とコミュニティ組織はそれぞれ独立して管理されますが、イニシアティブ グループを通じてスタッフとコミュニティ メンバー間でコラボレーションを行うことができます。 以下の表は、2 つの組織間でアカウント、コンテンツ、グループがどのように機能するかをまとめたものです。
注意:
スタッフ アカウントと公式コンテンツのセキュリティとプライバシーを保護するため、コミュニティ メンバーはコミュニティ アカウントの認証情報で従業員組織にサイン インすることはできません。 コミュニティ メンバーはイニシアティブのサイトとページへのサイン イン、イニシアティブのフォロー、サイン アップによるイベントへの参加を行うことができますが、コミュニティ メンバーの ArcGIS アカウントではコミュニティ組織にしかアクセスできないため、従業員組織にアクセスする手段がありません。 コミュニティ メンバーが表示または編集できるのは、イニシアティブ ビューか編集グループを通じて共有されている公式イニシアティブ コンテンツだけです。
アイテム | 従業員組織 | コミュニティ組織 |
---|---|---|
アカウント | 組織にスタッフや契約業者を追加または招待した Hub 管理者によって ArcGIS アカウントが提供されます。 | 組織にユーザーを追加または招待したコミュニティ管理者によって、従業員または契約業者以外に ArcGIS アカウント (コミュニティ アカウント) が提供されます。 これにはボランティアやパートナー、学生などのコラボレーターが含まれます。 注意:イニシアティブのサイトかページの [サイン アップ] ボタンを使って、コミュニティ アカウントをパブリックに提供することもできます。 この設定はコミュニティ管理者が構成でき、必要に応じて削除できます。 |
管理者 | 管理者とは、ArcGIS アカウントにデフォルトの ArcGIS Online 管理者ロールが割り当てられたスタッフのことです。 通常は Hub 管理者と呼ばれるこのアカウントでは、管理者が新しいスタッフ メンバーの追加と招待、従業員組織で作成されたすべてのコンテンツとグループのモデレーションを行うことができます。 | 管理者とは、スタッフ アカウントに加えてコミュニティ管理者アカウントを持つ、従業員組織のメンバーのことです。 コミュニティ メンバーのアカウントをこのロールに昇格することもできます。 コミュニティ管理者アカウントとは、コミュニティ組織のみを管理するためのデフォルトの ArcGIS Online 管理者ロールが割り当てられた ArcGIS アカウントです。 |
コンテンツ | コンテンツとは、ArcGIS Hub イニシアティブ アイテムなど、スタッフが作成、アップロード、メンテナンスするすべての公式 ArcGIS アイテムのことです。 | コンテンツとは、イニシアティブ グループに共有され、コミュニティ メンバーが所有するストーリーやマップ、ページなど、コミュニティ メンバーが作成するすべてのアイテムのことです。 |
アクセスの編集と表示 | メンバーは以下を実行できます。
| コミュニティ メンバーは以下を実行できます。
|
グループ | 組織スタッフが適切な権限でイニシアティブを作成すると、イニシアティブのコンテンツ、コラボレーター、フォロワーの管理に役立つ 3 つのデフォルト グループが作成されます。 適切な権限があるイベントの参加者グループやサポート チーム グループなど、顧客はこれらのグループのメンバーになることができます。 | すべての新規コミュニティ メンバーは「ハブ コミュニティ メンバー」というビュー グループに自動的に追加されます。 詳細については、「コミュニティ組織のデフォルト」をご参照ください。 注意:コミュニティ メンバーは通常、コミュニティ組織に属するグループを作成したり加入したりする必要はありません。 |
サイン イン | メンバーは hub.arcgis.com の従業員組織の ArcGIS Online ホーム ページ、またはアクセス権があるサイトかページにサイン インできます。 | メンバーは、パブリックのサイトかページ、またはイニシアティブ グループを通じて共有されているプライベートのサイトかページに用意されたサイン イン オプションを使用する必要があります。 |
ユーザー タイプ、ロール、権限 | Creator ユーザー タイプ、および Hub 管理者、イニシアティブ マネージャー、またはチーム メンバーとして ArcGIS Hub を使用する際に推奨されるカスタム ロールが使用されます。 | Creator ユーザー タイプとデフォルトの公開者ロールが使用されます。 |
次の手順
開始するには、ArcGIS Hub にサイン インして、新しいサイトまたはイニシアティブを開始します。 ArcGIS Hub Premium では、テンプレート ギャラリーを参照して、イニシアティブ テンプレートの使用を開始することもできます。