ArcGIS Earth では、以下に説明する対話型解析ツールを使用します。
標高断面
[標高断面図] ツールを使用すると、断面図グラフを作成し、パスから連続する距離上での標高の変化を視覚化できます。 マップをスケッチしながら、描画ライン、KML ライン、計測対象パスの標高断面図グラフを対話形式で作成できます。
標高断面図の作成
ArcGIS Earth の既存のライン フィーチャの標高断面図を作成するには、以下のいずれかの操作を行います。
- コンテンツ ウィンドウで描画ライン エレメントを右クリックし、[標高断面図] を選択します。
- コンテンツ ウィンドウで KML ラインを右クリックし、[標高断面図] を選択します。
- 計測ツールでラインまたはパスを計測中に、[標高断面図] チェックボックスを選択します。
標高断面図を作成するには次の手順に従います。
- ツールバーで [対話型解析] をクリックし、[標高断面図] を選択します。
- シーンをクリックしてパスをスケッチし、ダブルクリックして完了します。
完了すると、断面図グラフが生成され、[標高断面図] ウィンドウに表示されます。
- グラフの X 軸は連続的な水平距離を、Y 軸は標高を示します。
- [最低標高] は、パス沿いの最低標高値です。
- [平均標高] は、パス沿いの平均標高値です。
- [最高標高] は、パス沿いの最高標高値です。
- [標高: 上昇] は、パス沿いの総上昇値です。
- [標高: 降下] は、パス沿いの総降下値です。
- [最大勾配] は、パス沿いの上昇または下降の勾配の最大割合です。
- [平均勾配] は、パス沿いの上昇または下降の勾配の平均割合です。
- [標高断面図] では以下のいずれかの操作を行います。
- 断面図グラフで任意のポイントにカーソルを合わせてハイライト表示し、対応する標高、距離の値、傾斜率を確認します。
- 断面図グラフをダブルクリックして、シーンのポイントにズームします。
- 特定ポイントのハイライト表示をロックするには、スペースキーを押します。
- 標高断面図の向きを反転するには、[方向の反転] をクリックします。
- 断面図グラフを画像としてエクスポートするには、[画像のエクスポート] をクリックします。
ヒント:
スペースキーを押して標高グラフのポインターをロックします。注意:
- ArcGIS Earth は、標高断面図生成時に測地距離を計算します。
- 標高の計測値が常にゼロの場合、[ベースマップとテレイン] でテレインが有効になっているかどうか確認します。
- アプリケーションの [設定] ツールで、標高と距離の計測単位を変更します。
- 勾配の単位はパーセントで、垂直距離/水平距離 × 100 です。 たとえば、角度が 45 度の場合、垂直距離は水平距離と等しいので、勾配は 100 パーセントになります。
- シーンに適用した標高の強調は、生成した標高断面図に反映することができます。
- ユーザーはモバイルの ArcGIS Earth で GPS の位置情報のトラックを記録して、結果を KMZ ファイルとしてエクスポートできます。 このファイルをデスクトップの ArcGIS Earth にインポートして、[標高断面図] などのより高度な分析を行うことができます。
対話型の見通し線
見通し線解析は、観測点と目標点の間のラインを描画し、所定のポイント間のラインに沿って可視性 (可視または不可視) を示します。 ArcGIS Earth では、3D シーンで現在表示されているコンテンツと対照して計算される、動的な見通し解析の結果を、対話形式で追加、編集、および視覚化できます。
見通し線解析を開始するには、シーン内でクリックして観測点と目標点を指定します。 ポイントの位置を変更するには、ビューで選択されたポイントをドラッグして移動します。 見通しプロパティを更新し、変更をリアルタイムで反映できます。
対話型の見通し線
オプション | パラメーター | 説明 |
---|---|---|
観測点 | 座標 | 見通しの観測点の位置座標。 |
Z | 見通しの観測点の絶対高度。 | |
Z オフセット (モデル) | アニメーション モデルが配置される高度に適用される垂直方向のオフセット距離。 | |
ターゲット | 座標 | 見通しの目標点の位置座標。 |
Z | 見通しの目標点の絶対高度。 | |
配色 | ラインセグメントが可視線か不可視線かを示します。 3 つの配色から選択します。 |
ArcGIS Earth の対話型見通し線解析には [ポイントから]、[カメラから]、[アニメーション] の 3 つのオプションがあります。
ポイントから見通し線を作成する
このオプションにより、観測点と目標点の位置を指定することで、シーンに 1 つ以上の見通し解析を適用することができます。
- ツールバーで [対話型解析] をクリックします。
- [見通し線] をクリックして、タブで [ポイントから] をクリックします。
- シーンをクリックして観測点を追加します。
- 1 つ以上の目標点を追加し、ダブルクリックして完了します。
ヒント:
一度に 1 つ、または 1 つの観測点と複数の目標点を含む複数の見通し線を追加できます。 - ステップ 2 ~ 4 を繰り返してさらに見通しを追加するか、シーンで解析結果を確認します。
- 観測点と目標点の位置を変更するには、該当する点を選択してドラッグして移動するか、上部のウィンドウで座標を編集します。
- 観測点または目標点を選択して Delete キーを押すと、1 つ以上の見通し線の結果を削除できます。
カメラから見通し線を作成する
このオプションにより、シーン ビューのカメラ位置を見通し線の観測点として定義することで、シーンに 1 つ以上の見通し線解析を適用することができます。
- ツールバーで [対話型解析] をクリックします。
- [見通し線] をクリックして、タブで [カメラから] をクリックします。
- カメラの位置をナビゲートし、調整します。 クリックしてシーンに 1 つ以上の目標点を追加し、ダブルクリックして完了します。
- ステップ 2 ~ 3 を繰り返してさらに見通し線を追加するか、シーンで解析結果を確認します。
ヒント:
一度に 1 つ、または 1 つの観測点と複数の目標点を含む複数の見通し線を追加できます。 - 観測点と目標点の位置を変更するには、該当する点を選択してドラッグして移動するか、上部のウィンドウで座標を編集します。
- 観測点または目標点を選択して Delete キーを押すと、1 つ以上の見通し線の結果を削除できます。
アニメーション化された見通し線の作成
このオプションにより、選択したラインに沿って見通し線解析を適用することができます。 このツールは、パスに沿って移動する観測点を使用することで、見通し線の可視性の決定に役立ちます。たとえば、観測点は移動する自動車や飛行中のドローンと見なすことができます。 見通し線の 1 つ以上の目標点を追加し、異なる位置から解析を実行することができます。
- ツールバーで [対話型解析] をクリックします。
- [見通し線] をクリックして、タブで [アニメーション] をクリックします。
- [ラインの選択] で、観測点が移動する描画ラインを指定します。 解析シナリオに基づいて、車両または航空機モデル、またはカスタム モデルを選択します。
- コンテンツ ウィンドウで、メニューにドレープ高度または絶対高度の描画ラインが一覧表示されます。 相対高度のラインはサポートされていません。 キーワードを入力して特定のラインをすばやく検索するか、[ラインの取得] ボタン をクリックしてマップ上のラインを直接取得します。
- 選択したライン上に見通し線の観測点が配置されます。 デフォルトでは、解析は、垂直方向のオフセットが 2 メートルの移動する観測点の前方下部から実行されます。
- [追加] ボタン をクリックして、カスタム 3D オブジェクトをモデルとしてこのパネルに追加します。 表示されたダイアログ ボックスでモデルのパラメーターを設定し、オフセットを調整して希望の位置に配置します。 [編集] ボタン をクリックして選択したモデルのパラメーターを変更するか、[削除] ボタン をクリックして削除します。 2 つのデフォルト モデルである車両および航空機モデルは、編集または削除できません。
ヒント:
データ パスが変更されたり、データにアクセスできない場合、警告アイコン がオブジェクト アイコン上に表示されます。 編集パネルでデータ ソースのパスをリセットできます。 - モデルをクリックして上部のウィンドウで観測点の垂直方向のオフセットを編集します。
- 絶対モードでは、高度が異なる 3D ラインがサポートされています。 アニメーションを続けると、ライブ高度値が表示されます。 アニメーションが開始すると、ウィンドウの上部にパネルが表示されます。
- クリックして 1 つ以上の目標点を追加し、ダブルクリックして完了します。
- 目標点の位置を変更するには、該当する点を選択してドラッグして移動するか、上部のウィンドウで座標を編集します。
- [アニメーションの開始] をクリックすると再生が始まり、再度クリックすると再生が停止されます。
- 再生中、配色の変更、アニメーション速度の調整、アニメーション モデルの切り替えができます。
- 再生を停止して、移動する観測点の垂直方向のオフセットの更新、既存の目標点の位置の編集、目標点の追加などを行うことができます。
- 目標点を選択して Delete キーを押すと、1 つ以上の見通しの結果を削除できます。
解析結果
対話型の見通し線に対して表示される解析結果は一時的なもので、ArcGIS Earth のワークスペースには保存されません。 作業を共有するため、現在のビューのスクリーン キャプチャを画像として保存できます。
ヒント:
テレイン サーフェスにドレープされたポイントを追加する場合は、観測点または目標点の追加中に T キーを押してクリックします。注意:
- 見通し線解析で表示できる最大数は 63 です。 これを超えると警告メッセージが表示されます。
- 見通し線解析は標高タイルに基づいて計算されます。 したがって、観測点および目標点が変わらなくても、標高タイルの詳細表示のレベルによって解析結果は変わります。
- 観測点または目標点が画面の外にあり、観測点と目標点の間に障害物がない場合、ラインはグレーになります。 グレーのラインは、現在の可視性が不明で、確実に評価できないことを示します。
- アプリケーションの [設定] ツールから、位置、距離、標高の表示単位を変更します。
対話型の可視領域
可視領域解析は、特定の視点を与えている領域の可視性 (可視または不可視) を示します。 ArcGIS Earth では、3D シーンのコンテンツに対して計算される、動的な可視領域解析の結果を、対話形式で追加、編集、および視覚化できます。
可視領域解析を開始するには、シーン内でクリックして観測点を指定します。 ポイントの位置を変更するには、ビューで該当ポイントをドラッグして移動します。 可視領域プロパティを更新し、変更をリアルタイムで反映できます。
対話型の可視領域
オプション | パラメーター | 説明 |
---|---|---|
観測点 | 座標 | 可視領域の観測点の位置座標。 |
Z | 可視領域の観測点の絶対高度。 | |
Z オフセット (モデル) | アニメーション モデルが配置される高度に適用される垂直方向のオフセット距離。 | |
可視領域のパラメーター | 方向 | 可視領域の方位角。 値の範囲は -180 ~ 180 度です。 |
仰角 | 可視領域の仰角。 値の範囲は -90 ~ 90 度です。 | |
水平角 | 視野角の水平角。 値の範囲は 1 ~ 360 度です。 | |
垂直方向の角度 | 視野角の垂直角。 値の範囲は 1 ~ 360 度です。 | |
範囲 | 観測点からの最大距離と最小距離を指定します。 距離範囲は 0 ~ 5000 メートルです。 | |
配色 | 可視領域か不可視領域かを示します。 3 つの配色から選択します。 |
ArcGIS Earth の対話型可視領域解析には [ポイントから]、[カメラから]、[アニメーション] の 3 つのオプションがあります。
ポイントから可視領域を作成する
このオプションにより、観測点の位置を指定することで、シーンに 1 つ以上の可視領域解析を適用することができます。
- ツールバーで [対話型解析] をクリックします。
- [可視領域] をクリックして、タブで [ポイントから] をクリックします。
- シーンをクリックして観測点を追加したり、スライダーで可視領域パラメーターを更新したりします。
- ステップ 2 ~ 3 を繰り返してさらに可視領域を追加するか、シーンで解析結果を確認します。
- 可視領域の位置を変更するには、該当する点を選択してドラッグして移動するか、上部のウィンドウで座標を編集します。
- 観測点を選択して Delete キーを押すと、可視領域の結果を削除できます。
カメラから可視領域を作成する
このオプションにより、シーン ビューのカメラ位置を可視領域の観測点として定義することで、シーンに 1 つ以上の可視領域解析を適用することができます。
- ツールバーで [対話型解析] をクリックします。
- [可視領域] をクリックして、タブで [カメラから] をクリックします。
- カメラの位置をナビゲートし、調整します。 [カメラの適用] をクリックして、シーンの可視領域を作成します。 スライダーで可視領域のパラメーターを更新します。
- ステップ 2 ~ 3 を繰り返してさらに可視領域を追加するか、シーンで解析結果を確認します。
- 観測点の位置を変更するには、該当する点を選択してドラッグして移動するか、上部のウィンドウで座標を編集します。
- 観測点を選択して Delete キーを押すと、可視領域の結果を削除できます。
アニメーション化された可視領域の作成
このオプションにより、選択したラインに沿って可視領域解析を適用することができます。 このツールは、パスに沿って移動する観測点を使用することで、可視領域の可視性の決定に役立ちます。また、移動する観測点を追跡しながら結果を視覚化できます。
- ツールバーで [対話型解析] をクリックします。
- [可視領域] をクリックして、タブで [アニメーション] をクリックします。
- [ラインの選択] で、観測点が移動する描画ラインを指定します。 解析シナリオに基づいて、車両または航空機モデル、またはカスタム モデルを選択します。
- コンテンツ ウィンドウで、メニューにドレープ高度または絶対高度の描画ラインが一覧表示されます。 相対高度のラインはサポートされていません。 キーワードを入力して特定のラインをすばやく検索するか、[ラインの取得] ボタン をクリックしてマップ上のラインを直接取得します。
- 選択したライン上に見通し線の観測点が配置されます。 デフォルトでは、解析は、垂直方向のオフセットが 2 メートルの移動する観測点の前方下部から実行されます。
- [追加] ボタン をクリックして、カスタム 3D オブジェクトをモデルとしてこのパネルに追加します。 表示されたダイアログでモデルのパラメーターを設定し、オフセットを調整して希望の位置に配置します。 [編集] ボタン をクリックして選択したモデルのパラメーターを変更するか、[削除] ボタン をクリックして削除します。 2 つのデフォルト モデルである車両および航空機モデルは、編集または削除できません。
ヒント:
データ パスが変更されたり、データにアクセスできない場合、警告アイコン がオブジェクト アイコン上に表示されます。 編集パネルでデータ ソースのパスをリセットできます。 - 選択したライン上に可視領域の観測点が配置されます。 デフォルトでは、解析は、垂直方向のオフセットが 2 メートルの移動する観測点の中央から実行されます。
- モデルをクリックして上部のウィンドウで観測点の垂直方向のオフセットを編集します。
- 絶対モードでは、高度が異なる 3D ラインがサポートされています。 アニメーションを続けると、ライブ高度値が表示されます。 アニメーションが開始すると、ウィンドウの上部にパネルが表示されます。
- [アニメーションの開始] をクリックすると再生が始まり、再度クリックすると再生が停止されます。
- デフォルトにより、可視領域の方向は、移動中の観測点を追跡している間、選択したラインと整合性があります。 シーン内をクリックしてカメラ位置を調整することにより、追跡を停止し、方向パラメーターを編集できます。
- カラー スキーマおよび可視領域パラメーターを変更したり、アニメーション スピードを調整したり、再生中にアニメーション モデルを切り替えたりできます。
- 再生を停止して、移動する観測点の垂直方向のオフセットを更新できます。
解析結果
対話形式の可視領域の解析結果が表示され、切り替えたときまたはツールを終了したとき、自動的にクリアされます。 解析結果は一時的なもので、ArcGIS Earth のワークスペースには保存されません。 作業を共有するため、現在のビューのスクリーン キャプチャを画像として保存できます。
ヒント:
観測点を追加しながら [T] を押し、ドレープ ポイントをテレイン サーフェスに追加したい場合はクリックします。注意:
- 可視領域解析の最大表示数は 16 です。 これを超えると警告メッセージが表示されます。
- 可視領域の解析は、標高タイルに基づいて計算されます。 したがって、観測点が変更していなくても、標高タイルの解析結果は表示された詳細レベルで変更します。
- アプリケーションの [設定] ツールから、位置、距離、標高の表示単位を変更します。