マップの作成

モバイル作業者が Field Maps モバイル アプリで使用するマップを作成します。 作成するマップのタイプは、以下に示すように、モバイル作業者が現場で行う必要がある作業によって異なり、マップに含まれるレイヤーによって定義されます。

  • 読み取り専用マップ - モバイル作業者は読み取り専用マップを使って現場でデータを表示します。 Web マップとモバイル マップ パッケージ (MMPK) を読み取り専用マップにすることができます。
  • 編集が有効になったマップ - モバイル作業者は編集が有効になったマップを使って現場でデータ収集と調査を実施します。 編集が有効になったマップとは、編集可能なレイヤー、および現場のワークフローを実行する際にモバイル作業者が入力するフォームを含む Web マップのことです。

次の手順を実行することで、編集が有効になったマップ、またはオンライン使用に特化した読み取り専用マップを作成できます。 オフライン使用のために Web マップをカスタマイズする、または MMPK を作成するには、「ダウンロードするマップの準備」をご参照ください。

Web マップの作成

Field Maps で、ブラウザーで操作するのと同じマップを操作できます。 ArcGIS アカウントを使用して、Map Viewer Classic または ArcGIS Pro でマップを作成します。 Web 用のマップをまだ作成したことがない場合は、次のいずれかのリソースをご参照ください。

Web マップを作成したら、読み取り専用マップ、または編集が有効になったマップとして現場で使用することができます。

読み取り専用マップの作成

読み取り専用マップを使うと、モバイル作業者が現場で最新データにアクセスできます。 読み取り専用マップでは、モバイル作業者がデータの表示、マップのマーク アップ、フィーチャの検索、およびアセットまでのルート案内を実行できます。 Web マップと MMPK を読み取り専用マップにすることができます。 作成するタイプは、モバイル作業者のニーズによって異なります。

  • Web マップ - モバイル作業者が、現場であっても、常時インターネット接続を使用できる場合は、Web マップを提供します。 インターネットに接続した状態で Web マップを使用すると、モバイル作業者はオフィスで使用しているデータと同じデータにアクセスできるようになります。 信頼できるインターネット接続が存在しないエリアでモバイル作業者が作業する場合は、Web マップをオフラインで使用するように構成できます。 ArcGIS Online または ArcGIS Enterprise を使用してマップを作成していれば、Field Maps で使用する Web マップの作成方法も知っています。マップは同じ方法で作成されます。
  • MMPK - Web マップでサポートされていない高度なデータやシンボルを含める必要がある場合、またはモバイル デバイスに直接マップをコピーしたい場合は MMPK を作成します。 MMPK はオフラインで使用できるため、信頼できるインターネット接続が存在しないエリアでもモバイル作業者は MMPK を使用できます。 MMPK を作成するには、「ダウンロードするマップの準備」をご参照ください。
注意:

作成できるマップはユーザー タイプによって制限されます。 Creator と GIS Professional ユーザー タイプは Web マップを作成できます。 MMPK を作成するには ArcGIS Pro が必要です。これは、GIS Professional ユーザー タイプに含まれています。

モバイル作業者は読み取り専用マップを編集できません。 現場でデータを編集することでモバイル作業者に情報の取得と調査を実施させたい場合は、「編集が有効になったマップの作成」をご参照ください。

編集不可の参照レイヤーの追加

現場でモバイル作業者にアクセスさせる、編集不可の参照レイヤーをマップに追加します。

ヒント:

マップに追加しようとしているレイヤーのアイテム ページが開いている場合は、[マップ ビューアーで開く] をクリックします。 ステップ 3 (追加するレイヤーがある場合) またはステップ 4 に進み、続行してマップをカスタマイズします。

  1. Web ブラウザーを開いて ArcGIS 組織アカウントにサイン インします。
    • ArcGIS Online を使用している場合、https://www.arcgis.com/home にアクセスします。
    • ArcGIS Enterprise を使用している場合、Enterprise ポータル ホーム ページに移動します。 多くの場合、この URL の形式は https://www.yourportalname.com/arcgis です。
  2. Web サイトの上部にある [マップ] をクリックして、Map Viewer Classic を開きます。
  3. 編集不可の参照レイヤーを次の方法でマップに追加します。

データ要件

マップに独自のデータを挿入するには、そのデータをオンラインで使用可能にする必要があります。 オンラインで利用できるようにするには、データをホスト フィーチャ レイヤーまたは ArcGIS Server サービスとして公開します。 「ArcGIS Online でのホスト フィーチャ レイヤーの公開」、「ArcGIS Enterprise でのホスト フィーチャ レイヤーの公開」、または「ArcGIS Server へのサービスの公開方法」をご参照ください。 レイヤーまたはサービスを含むマップを作成すると、Field Maps で開くことができます。

サポートされている参照データのリストについては、「ベースマップとその他の参照データ」をご参照ください。

次の手順

読み取り専用マップを作成したら、デフォルトのベースマップを選択して現場用にマップをカスタマイズし、モバイル作業者と共有します。

編集が有効になったマップの作成

編集が有効になったマップでは、モバイル作業者が現場でデータを収集して編集することができます。 このタイプのマップには読み取り専用レイヤーを含めることができますが、編集が有効になったレイヤーを少なくとも 1 つ含める必要があります。

編集が有効になったレイヤーの追加

現場でモバイル作業者にアクセスさせる、編集可能なレイヤーをマップに追加します。 編集可能なレイヤーがない場合は、「編集可能なレイヤーの設計」および「編集可能レイヤーの準備」で作成方法を確認してください。

ヒント:

マップに追加しようとしているレイヤーのアイテム ページが開いている場合は、[マップ ビューアーで開く] をクリックします。 ステップ 3 (追加するレイヤーがある場合) またはステップ 4 に進み、続行してマップをカスタマイズします。

  1. Web ブラウザーを開いて ArcGIS 組織アカウントにサイン インします。
    • ArcGIS Online を使用している場合、https://www.arcgis.com/home にアクセスします。
    • ArcGIS Enterprise を使用している場合、Enterprise ポータル ホーム ページに移動します。 多くの場合、この URL の形式は https://www.yourportalname.com/arcgis です。
  2. Web サイトの上部にある [マップ] をクリックして、Map Viewer Classic を開きます。
  3. 以下に示すように、既存または前のセクションで作成した編集可能なレイヤーを追加します。

フィーチャ テンプレートの構成

対象物や観測データを分類するには、フィーチャ テンプレートを使用します。 各テンプレートに固有のデフォルト値を設定できます。 Field Maps では、テンプレートは作成可能な対象物および観測データのタイプとして表示され、モバイル作業者はフォームに簡単に情報を入力できます。 作成したフィーチャ テンプレートは Field Maps Web アプリを使って構成できます。 詳細については、「マップの構成」をご参照ください。

フィーチャ テンプレートの作成方法については、「ArcGIS Online でのフィーチャ テンプレートの作成」、「ArcGIS Enterprise でのフィーチャ テンプレートの作成」、または「ArcGIS Pro でのフィーチャ テンプレートの作成」をご参照ください。

注意:

新しい Map Viewer Classic では、フィーチャ テンプレートを作成できません。

表示されるデータのフィルタリング

モバイル作業者にレイヤー内のすべてのデータを表示する必要がない場合は、表示されている内容をフィルタリングします。 ホスト フィーチャ レイヤー ビューを作成するか、すでにマップに追加したレイヤーをフィルタリングできます。

  • ホスト フィーチャ レイヤー ビューの作成 - フォーム内の特定のエントリや、データ内の特定のフィーチャへのアクセスを制限します。 ホスト フィーチャ レイヤー ビューを作成する方法については、「モバイル作業者が利用できるデータの制限」をご参照ください。
  • マップでのフィルターの設定 - レイヤーを所有していない場合、マップ内でフィルターを設定できます。 マップに含まれているフィーチャは、要件に基づいて制限されています。 フォームから特定のエントリを削除する場合、フォームを構成する際にフィルターを設定する必要があります。

更新間隔の設定

モバイル作業者が現場に滞在している間に行われたデータの更新内容を、モバイル作業者やオフィスにいるユーザーが確認する必要がある場合、レイヤーの更新間隔を設定してください。 「ArcGIS Online での更新間隔の設定」または「ArcGIS Enterprise での更新間隔の設定」をご参照ください。

特定のレイヤーでの編集の無効化

既存の対象物または観測データを現在のステータスで更新し、履歴レポートが利用できる状態を維持する場合は、モバイル作業者による対象物または観測データの編集を制限し、関連レポートの編集のみを許可できます (例: 履歴レポートが必要な場合)。 レイヤーでの対象物または観測データの編集を無効にし、調査レポートのテーブルのみで編集を有効にします。 「ArcGIS Online での編集の無効化」または「ArcGIS Enterprise での編集の無効化」をご参照ください。

編集不可の参照データの追加

モバイル作業者に編集させる必要はないものの、マップに表示する必要があるデータがあるとします。 たとえば、モバイル作業者が自転車ルートの候補を作成する場合、既存の自転車ルートをマップに含めておくと、ルート候補を配置するのに役立ちます。

サポートされている参照データについては、「ベースマップおよびその他の参照データ」の要件をご参照ください。 データがサポートされていない場合、編集可能なデータへの作業時と同様に ArcGIS Online または ArcGIS Enterprise にインポートします。 公開する際、(編集可能なレイヤーへの作業時と同様に) このデータを編集可能にする必要はありません。 「ArcGIS Online のホスト レイヤー」または「ArcGIS Enterprise のホスト レイヤー」をご参照ください。

次の手順

編集が有効になったマップを作成したら、デフォルトのベースマップを選択して現場用にマップをカスタマイズし、モバイル作業者と共有します。

デフォルト ベースマップの選択

Field Maps では、モバイル作業者がベースマップを変更できます。 マップ作成者は、モバイル作業者が大半の作業に必要とするベースマップを提供する必要があります。 このマップはデフォルトで、マップをオフラインにした際のベースマップになります。オフライン ベースマップは、オフラインで作業するモバイル作業者のみが使用できます。 「ArcGIS Online でのベースマップの選択」または「ArcGIS Enterprise でのベースマップの選択」をご参照ください。

ヒント:

オフライン マップではデフォルト ベースマップ以外のベースマップも使用できます。 詳細については、「デバイス上のベースマップの参照」をご参照ください。

モバイル作業者は、組織内のマップでは使用できないベースマップを使用できます。 ArcGIS Online または ArcGIS Enterprise のベースマップではなく、タイル パッケージとして利用可能なベースマップがある場合、モバイル作業者のデバイスにそのベースマップをコピーして使用することができます。

現場用マップのカスタマイズ

現場で作業する際、モバイル作業者はさまざまな条件の下でマップを使用します。 現場用のマップをカスタマイズすることで、現場ワークフローの遂行に必要なデータにモバイル作業者がアクセスしやすくなり、データをより深く理解できるようになります。 ここでは、現場でのパフォーマンスを高めるマップのカスタマイズ方法をいくつか紹介します。

  • シンボルのカスタマイズ - 現場で見やすい、はっきりとしたシンボルを使用してください。 詳細については、「ArcGIS Online でのスタイルの適用」または「ArcGIS Enterprise でのスタイルの変更」をご参照ください。
  • 関連データに基づいたフィーチャのシンボル表示 - [フィーチャの結合] ツールを使用してシンボル表示する関連レコードのフィールドをフィーチャに関連付け、結果を新しいホスト レイヤー ビューとして保存して (元のデータが変更されると更新されます)、マップでこのホスト レイヤー ビューを使用します。 詳細については、「ArcGIS Online でのフィーチャの結合」または「ArcGIS Enterprise でのフィーチャの結合」をご参照ください。 [フィーチャの結合] ツールを使用して作成されたホスト レイヤー ビューは読み取り専用であり、オフラインにすることはできません。
    注意:

    [フィーチャの結合] ツールは新しい Map Viewer Classic で使用できません。

  • 表示範囲の設定 - 縮尺依存性 (レイヤーをさまざまなズーム レベルで表示させる設定) を設定して、マップの散在を防ぎます。 「ArcGIS Online での透過表示と表示範囲の設定」または「ArcGIS Enterprise での表示範囲の設定」をご参照ください。
  • ラベルの構成 - モバイル作業者は、マップ上でのラベルの確認が必要な場合があります。 ラベルを使用可能にするには、フィーチャ レイヤーのラベルを構成します。 詳細については、「ArcGIS Online でのラベルの構成」または「ArcGIS Enterprise でのラベルの作成」をご参照ください。
  • ブックマークの指定 - モバイル作業者がよくアクセスするエリアがある場合、それらの場所にすばやく移動するためにモバイル作業者が使用できるブックマークを作成します。 詳細については、「ArcGIS Online での場所のブックマークの作成」または「ArcGIS Enterprise での場所のブックマークの作成」をご参照ください。
  • フィーチャ検索のサポート - デフォルトで、マップで場所、住所、座標を検索できます。 マップのユーザーは、多くの場合、マップ上に表示された特定のフィーチャを検索する必要があります。 マップを作成するときに、ユーザーがフィーチャを検索できるよう、レイヤーによる場所の検索を有効にします。 ヒント テキストを提供し、検索可能なレイヤーごとに検索を有効にして、検索可能なフィールドを指定します。

    たとえば、ユーザーが ID で消火栓を検索したい場合に消火栓のマップを作成するとき、ID を含む消火栓レイヤーをマップに含めます。 ブラウザーのマップの詳細で、「消火栓 ID」などのヒント テキストを提供し、ID が設定されたフィールドを使用して消火栓レイヤーを検索するよう指定します。 完全一致、または ID にモバイル作業者が入力した検索文字列を含んでいるすべての消火栓との一致が可能です。

    詳細については、「ArcGIS Online でのフィーチャ検索の構成」または「ArcGIS Enterprise でのフィーチャ検索の構成」をご参照ください。

  • 便利なポップアップ - モバイル作業者がマップ上にフィーチャに関する情報を表示すると、そのフィーチャに対して作成されたポップアップが表示されます。 マップを作成するときに、モバイル作業者が必要とする情報でポップアップを構成します。 詳細については、「ArcGIS Online でのポップアップの構成」または「ArcGIS Enterprise でのポップアップの構成」をご参照ください。 ポップアップを編集したら、ポップアップの変更を承認し、マップを保存する必要があります。
    注意:

    フィーチャにポップアップがない場合、モバイル作業者はマップ上でポップアップを利用することはできません。

マップの共有

Web マップの作成後は、プライベートにする、グループまたは組織で共有する、一般に公開する、のいずれかを選択できます。 詳細については、「Field Maps で使用するためのマップの共有」をご参照ください。

次の手順

これで、現場でモバイル作業者が使用するマップの作成は完了です。次に、組織のニーズに基づいてマップを構成する手順に進みます。