モーションの統計情報を計算

ツール アイコン リアルタイムのビッグ データ解析で使用できます。

[モーションの統計情報を計算] ツール [モーションの統計情報を計算] ツール は、[Track ID] キー フィールドおよび [開始時間] キー フィールドに基づいてモーションの統計情報およびイベント フィーチャの測定値を計算します。 計算は、指定された時間値およびポイントベースのイベントのジオメトリに基づく距離、タイムスパン、高さ、速度、加速度、方向、およびアイドリングを含みます。

ある都市が、除雪作業を監視しており、市職員は車両の移動をより良く理解しようとしています。 [モーションの統計情報を計算] ツールを使用して、アイドルの位置およびアイドリングに費やされた時間、平均速度および最大速度、対象となる合計距離などの統計情報を決定できます。

使用上の注意

  • [モーションの統計情報を計算] ツールは、すべての入力の観測データを返します。そのため、モーションの統計情報では、トラッキングごとの最初の観測データは NULL 値を含みます。 履歴の深さを満たすほどの十分な観測データがトラッキングに存在するようになるまで、最初の数個の観測データは、使用可能な観測データを使用してモーションの統計情報を計算します。 履歴の深さを満たすほどの十分なフィーチャが存在するようになると、履歴の深さによって示された数のフィーチャを使用して、モーションの統計情報が計算されます。
  • アイドリングは、観測データの移動が距離許容値より小さいかどうか、および観測データ間の時間がタイムスパン許容値より大きいかどうかに基づいて決定されます。
  • 出力のモーションの統計情報の単位は、[距離許容値] パラメーターおよび [タイムスパン許容値] パラメーターで指定した単位によって決まります。 たとえば、「750 メートル」の [距離許容値] および「10 分」の [タイムスパン許容値] を指定した場合、出力距離フィールドはメートル単位になり、出力タイムスパン フィールドは分単位になり、出力速度フィールドは、メートル/分の単位で値を含みます。
  • [方法] パラメーターは、距離およびその他の空間計算の実行方法を指定します。 次のようなオプションがあります。
    • [平面] - ユークリッド計算が生成されます。 ユークリッド距離は、2 次元のデカルト平面で計測されます。そこでは直線が、平面 (デカルト平面) 上の 2 点間で計算されます。 ユークリッド距離の方が一般的な距離計算であり、投影座標系内の比較的狭い領域 (1 つの UTM ゾーンなど) に集中するフィーチャの周辺の距離を解析する場合に適しています。 ユークリッド距離は、平面距離と呼ばれます。
    • [測地線] - 測地線計算が生成されます。 測地線距離では、地球の実際の形状 (楕円体、すなわち、より正確にはジオイド) が考慮されます。 平面 (デカルト平面) 上の 2 点間ではなく、曲面 (ジオイド) 上の 2 点間の距離が計算されます。 以下の状況の場合、測地線計算の使用を検討してください。
      • 入力フィーチャが分散している場合 (複数の UTM ゾーン、広い領域、または地球全体をカバーしている場合)。
      • 入力フィーチャの空間参照 (地図投影法) によって、面積などの他の特性を保護するために距離が歪んでしまう場合。
      • リアルタイム解析では、このツールはステートフルな形式で動作し、シーケンシャルな観測データを互いに比較してモーション統計情報を計算できます。たとえば、現在の位置、速度、高度などの統計情報が、前回の観測データとどのように異なるかを調べることができます。
      • リアルタイム解析の [結合先のタイム ウィンドウ] パラメーターは、どのトラッキングについても、観測データ間で予測される最も長い間隔と同じくらいの長さでなければなりません。 この期間より古い観測データは、リソースを管理するためにメモリから削除されます。
  • リアルタイム解析では、[モーションの統計情報を計算] ツールは、Track ID ごとの現在の観測データの状態ストアを維持します。 新しい観測データを受信すると、同じ Track ID の現在の観測データと比較され (存在する場合)、モーションの属性が計算されます。 新しい観測データのタイムスタンプが、状態ストア内の現在の観測データよりも新しい場合、現在の観測データは置き換えられます。 同じ Track ID の現在の観測データと同じタイムスタンプが付与されている場合、ツールは 2 つの観測データを区別できません。 これにより、ツールが状態ストア内の現在の観測データが新しい観測データを置き換えず、新しい観測データが状態ストアに追加されないため、この Track ID に対する今後の観測データは、新しいタイムスタンプが付与された新しい観測データを受信するまで、状態ストアに残っている現在の観測データと比較されます。 この事象が発生すると、ツールで警告がログに記録されます。
  • ビッグ データ解析では、[Track ID] フィールドに加えてトラックを識別するために、1 つ以上のフィールドを指定できます。 トラッキングは、1 つ以上のトラッキング フィールドの一意の組み合わせで表されます。

パラメーター

パラメーター説明データ タイプ

入力レイヤー

密度が計算されるポイント フィーチャ。

このデータセットには、Track ID キー フィールドおよび Start Time キー フィールドが定義されている必要があります。

フィーチャ

タイムスパン許容値

アイドリングの決定に使用されるタイムスパン許容値。

アイドリングは、観測データの移動が距離許容値より小さいかどうか、および観測データ間の時間がタイムスパン許容値より大きいかどうかに基づいて決定されます。

文字列

距離許容値

アイドリングの決定に使用される距離許容値。

アイドリングは、観測データの移動が距離許容値より小さいかどうか、および観測データ間の時間がタイムスパン許容値より大きいかどうかに基づいて決定されます。

文字列

履歴の深さ

トラッキングごとに評価するイベント観測データの数 (現在の観測データを含む)。 この情報に基づいて運動計算が実行されます。

たとえば、[履歴の深さ] の値を「3」に設定した場合、レコードが処理されるたびに、現在の観測データおよび以前の 2 つの観測データの速度に基づいて、平均速度などのモーション計算がこの値を計算します。

注意:

モーションの統計情報では、トラッキングごとの最初の観測データは NULL 値を含みます。 まだ履歴の深さを満たさない次の観測データは、履歴の深さを満たさない既存のフィーチャに基づいて計算されたモーションの統計情報を含みます。 たとえば、[履歴の深さ] の値を「3」に設定した場合、Track ID ごとの最初のフィーチャは NULL のモーションの統計情報を含みます。 Track ID ごとの 2 つ目および 3 つ目のフィーチャでは、使用可能なフィーチャから、モーションの統計情報が計算されます。

Integer

方法

距離計算方法を [測地線] または [平面] (ユークリッド) のどちらにするかを指定します。

注意:

[平面] を選択した場合、入力ポイントを投影変換する必要があります。 距離を計算する前に、[投影変換] ツールを使用して入力フィーチャを投影変換できます。

文字列、許容値: 平面 | 測地線

結合先のタイム ウィンドウ

各トラックの観測データ間の予想される最長期間。 これはリアル タイム解析にのみ適用されます。

文字列

トラック ID フィールド (ビッグ データ解析のみ)

処理されるフィーチャを一意に識別するフィールド。 [入力レイヤー] 値に [Track ID] キー フィールドが設定されている場合、このパラメーターは自動入力されます。

フィールド

出力レイヤー

出力レイヤーには、フィーチャごとに元の属性に追加して以下に示す属性を含みます。 すべての統計属性 (最小、最大など) は、指定した [履歴の深さ] の値に基づいて計算されます。 ほとんどのモーションの統計情報の場合、履歴の深さを満たすほど十分な観測データがトラッキングに存在するようになるまで、トラッキングごとの最初の数個の観測データは NULL 値を含みます。 たとえば、[履歴の深さ] の値を「3」に設定した場合、Track ID ごとの最初の 3 つのフィーチャは NULL のモーションの統計情報を含みます。

注意:

出力のモーションの統計情報の単位は、[距離許容値] パラメーターおよび [タイムスパン許容値] パラメーターで指定した単位によって決まります。 たとえば、「750 メートル」の [距離許容値] および「10 分」の [タイムスパン許容値] を指定した場合、出力距離フィールドはメートル単位になり、出力タイムスパン フィールドは分単位になり、出力速度フィールドは、メートル/分の単位で値を含みます。

フィールド名説明フィールド タイプ

距離

前の観測データからの移動距離

Float64

TotalDistance

合計移動距離

Float64

MinDistance

最小移動距離

Float64

MaxDistance

最大移動距離

Float64

AvgDistance

観測データ間の平均移動距離

Float64

速度

前の観測データから現在までの速度

Float64

CumSpeed

累積速度

Float64

MinSpeed

最低速度

Float64

MaxSpeed

最高速度

Float64

AvgSpeed

平均速度

Float64

TimeSpan

前の観測データからの経過時間

Float64

TotalTimeSpan

合計経過時間

Float64

MinTimeSpan

最小経過時間

Float64

MaxTimeSpan

最大経過時間

Float64

AvgTimeSpan

平均期間

Float64

CurrentHeight

観測データの現在の高さ

Float64

ChangeHeight

前の観測データからの高さの変化

Float64

TotalChangeHeight

履歴の深さの最初の観測データから現在の観測データまでの高さの変化の合計

注意:

この値は負になることがあります。

Float64

MinHeight

観測された最小の高さ

Float64

MaxHeight

観測された最大の高さ

Float64

AvgHeight

観測された平均の高さ

Float64

傾斜角

前の観測データから現在までの移動の傾斜

MinSlope

最小傾斜角

Float64

MaxSlope

最大傾斜角

Float64

AvgSlope

平均傾斜角

注意:

平均傾斜角は、履歴の深さの先頭以降に観測された傾斜角に基づいて計算されます。 履歴の深さが 3 である場合、平均傾斜角は、観測データ 1 から観測データ 2 までの傾斜角および観測データ 2 から観測データ 3 までの傾斜角の平均になります。

Float64

加速度

前の観測データからの加速度

Float64

TotalAcceleration

合計加速度

Float64

MinAcceleration

最小加速度

Float64

MaxAcceleration

最大加速度

Float64

AvgAcceleration

平均加速度

注意:

平均加速度は、履歴の深さの先頭以降に観測された加速度に基づいて計算されます。 履歴の深さが 3 である場合、平均加速度は、観測データ 1 から観測データ 2 までの加速度および観測データ 2 から観測データ 3 までの加速度の平均になります。

Float64

アイドリング

前の観測データからの距離および時間の閾値に基づいて、トラックがアイドルかどうかを指定します

Boolean

TotalIdleTime

アイドリングが検出された時間の累積

Float64

PercentageIdleTime

アイドリングが検出された時間のパーセンテージ

Float64

方向

移動方向の平均 (北から時計回りに計測された角度である測地方位)

Float64