Indoors モバイル アプリ用のマップの準備

ArcGIS Indoors Maps エクステンションで利用できます。

モバイル マップ パッケージは、マップを 1 つのファイル (.mmpk) に集約し、これを ArcGIS Enterprise ポータルまたは ArcGIS Online アカウントで共有できます。 ArcGIS Indoors モバイル アプリ向けに作成されたモバイル マップ パッケージは、さまざまな目標物の探索、特定、検索や、屋内のナビゲーションに使用されます。

モバイル マップ パッケージ内のデータは、オンライン コンテンツを参照することもできます。 このようにして、頻繁に更新するデータを Indoors モバイル アプリですぐに利用できるようになります。 新しいモバイル マップ パッケージを公開し、アプリでマップの更新データをダウンロードして、更新内容を取得する必要はありません。

注意:

データが頻繁に更新されるフィーチャ サービス レイヤーのデータだけを使用します。それ以外の場合は、最適なアプリのパフォーマンスを実現するためにローカル データを使用します。 オンライン コンテンツの参照は、一部の Indoors フィーチャ レイヤーでのみサポートされています。

マップの準備

Indoors モバイル マップ パッケージには、ArcGIS Indoors モバイル アプリで必要なすべてのマップ レイヤーとスタンドアロン テーブルを含める必要があります。

Indoors モバイル アプリで屋内データを視覚化するには、次のレイヤーが必要です。

• Details
• 単位
• Levels
• Facilities

屋内のルート検索とルート案内をサポートするには、Network_ND レイヤーを含めます。

Indoors モバイル アプリの追加機能をサポートするには、次のレイヤーを含めます。

• Events - イベントをリストし、マップ上で特定します。
• Occupants - 入室者を検索し、マップ上で見つけます。
• <Points of interest> レイヤー - 検索および探索します。
• <Barrier> レイヤー - ネットワークに一時的な変更がある場合にルート検索で使用します。
• <Work order> レイヤー - 作業指示を統合します。
• Reservations レイヤー - ワークスペースを予約します。
• TrackingZones - トラッキングが構成されている場合に使用します。
• Sites - 施設フィーチャを整理します。

必要に応じて、ワークスペースの予約をサポートする次のテーブルを追加します。

• Areas - Indoor Space Planner アプリを使用して入室者をスペースに割り当てる場合は必須です。
• Area Roles - 他の人のオフィス ホテリングを予約し、予約を管理する予約担当を構成する場合は必須です。

注意:

ArcGIS Pro 3.2 では、次のフィールド データ タイプが使用できます: date only、time only、timestamp offset、big integer、64-bit object ID。 これらのデータ タイプは、Indoors モバイル アプリでサポートされていません。

Indoors モバイル アプリで機能を有効にするには、モバイル マップに含まれるレイヤー名が、これらのレイヤー名と完全に一致する必要があります。

マップを作成し、モバイル マップ パッケージで使用できるように準備するには、次の手順を実行します。

1. ArcGIS Pro を起動します。
2. 必要に応じて、ArcGIS の組織サイトにサイン インします。
3. プロジェクトを作成して Indoors ジオデータベースへの接続を追加するか、Indoors ジオデータベースを含む既存のプロジェクトを開きます。
4. [挿入] タブをクリックし、必要に応じて [新しいマップ] ボタン をクリックしてマップを作成します。
5. 示されている順序で次のレイヤーを新しいマップに追加し、表示設定を以下の表に示すように設定します。

   レイヤー名	レイヤーの表示設定 (推奨)
   Events	オフ
   Occupants	オン
   <Points of interest> レイヤー	オン
   <Barrier> レイヤー	オフ
   Network_ND	オフ
   Tracking Zones	オフ
   Details	オン
   単位	オン
   Levels	オン
   Facilities	オン
   Sites	オン

   注意:

   • 組織によっては、Places + Things、Safety + Security、Retail + Services など、目標物レイヤーが複数存在する場合もあります。 レイヤーに CATEGORY_TYPE を使用した定義クエリ セットが存在し、レイヤー名が値セットと一致していることを確認します。

   • Indoors モバイル アプリでは、次のレイヤーでオンライン コンテンツの接続および参照がサポートされています。
     • Occupants
     • Events
     • Reservations
     • <Points of interest> レイヤー
     • <Work order> レイヤー
     • <Office hotel> レイヤー (Units レイヤーおよび Areas テーブル)
     • <Barrier> レイヤー
   • Details、Levels、Facilities などのフロア プラン レイヤーで、オンライン コンテンツを参照しないようにしてください。
   • オンライン コンテンツはフィーチャ サービスベースのレイヤーのみを参照できます。 マップ イメージ レイヤーはサポートされていません。
   • マップ内のレイヤーはすべて一意の名前である必要があります。
6. マップをフロア対応として構成します。
7. 追加のレイヤーをフロア対応として構成します。
8. 予約モデルを使ってオフィスのホテリングと会議室を構成する場合は、Web マップに予約フィーチャクラスを追加します。
9. 必要に応じて、レイヤーの表示縮尺範囲を設定します。
10. 以下に従って、レイヤーのシンボルを設定します。

    Details レイヤーおよび Units レイヤー	USE_TYPE 属性に従って設定します。
    <カテゴリ ソース> レイヤー	フィーチャ タイプを説明するフィールドに従って設定します。
    Occupants レイヤーおよび Events レイヤー	空のポイント シンボル (色やアウトラインがないポイント サイズ 1 のシンボル) を使用します。

    注意:

    • 密集した範囲を含む目標物レイヤーにシンボルを適用する場合は注意が必要です。 たとえば、オフィスはユニット ポリゴンの色でシンボル表示され、個別のポイント シンボルを含めることはできません。
    • 目標物レイヤーでは、単一シンボルと個別値シンボル タイプがサポートされています。 個別値では、1 つのフィールドと 1 つのシンボルのみがサポートされます。
11. Units (NAME 属性)、Occupants (KNOWNAS 属性)、およびラベルを必要とする追加フィーチャのラベリングをオンにします。
12. People を除くすべてのマップ レイヤーのレイヤー プロパティの表示フィールドを [NAME] に設定します。 [People] レイヤーが存在する場合、その表示フィールドを [KNOWNAS] に設定します。
13. Indoors モバイル アプリの情報カードに表示するマップ レイヤーのフィールドを選択してポップアップを構成し、必須フィールドをアクティブにします。

    注意:

    Arcade 式を含むカスタム フィールドはサポートされていません。

14. オフィス ホテリング用にマップを構成する場合は、Areas スタンドアロン テーブルを追加します。
15. マップに [現在の XY] の座標系 (WGS 1984 Web メルカトル (球体補正) など) と、[現在の Z] の座標系 (WGS84 など) が設定されていることを確認します。
16. 必要に応じて、マップの名前を変更して簡単に識別できるようにして、すべてのメタデータ フィールドを入力します。
17. マップの表示範囲を設定し、すべてのマップ データを表示します。

ベースマップの追加

ベースマップは屋内マップにおいて重要なコンポーネントであり、近隣フィーチャの背景情報や視点が詰まっています。 ベースマップを選択する場合は、マップの縮尺を考慮します。 画像タイル ベースマップとは異なり、ベクター タイル ベースマップはサイズが小さく、高い詳細レベルをサポートしています。

Esri がホストするベースマップの使用

ArcGIS Pro で、[マップ] タブの [レイヤー] グループにある [ベースマップ] ギャラリーからベースマップを追加できます。 アクティブなポータルの構成によって、ギャラリーには、デフォルトの Esri ベースマップ、組織のベースマップ ギャラリー グループで共有されたマップ、および ArcGIS Pro のプロジェクトに追加したベースマップを含めることができます。

マップに Esri ベクター ベースマップを追加するには、次の手順を実行します。

1. [マップ] タブの [レイヤー] グループで、[ベースマップ] をクリックして、ベースマップ ギャラリーを開きます。
2. ギャラリーでベースマップをクリックします。

Enterprise ポータルでホストされているカスタム ベースマップの使用

Enterprise ポータルでホストされているカスタム ベースマップを使用するには、次の手順を実行します。

1. カスタム ベースマップを作成します。
2. [ベクター タイル パッケージの作成 (Create Vector Tile Package)] ツールを使用して、ベクター タイル パッケージを作成します。

   [ベクター タイル パッケージの作成 (Create Vector Tile Package)] ツールを実行する際は、以下の調整を行って屋内の詳細レベルをサポートし、タイルを 17 倍に縮小します。

   1. [ArcGIS Online | Bing Maps | Google マップ] チェックボックスをオフにします。
   2. [タイル スキーマ] パラメーターには、Indoors シンボル リソースに含まれている VectorBasemapTilingScheme.xml ファイルを選択します。
3. Enterprise ポータルにベクター タイル パッケージを共有します。
4. ブラウザーで Enterprise ポータルにサイン インし、ホスト レイヤーとしてベクター タイル パッケージを公開します。
5. Enterprise ポータルのアイテムを ArcGIS Pro のマップに追加します。

   ヒント:

   あるいは、ホスト タイル フィーチャがある場合は、[レイヤー] グループの [データの追加] ドロップダウン矢印をクリックして [パスからのデータ] をクリックし、ホスト タイル レイヤーの URL を指定します。

非接続環境用のカスタム ベースマップの使用

非接続環境で ArcGIS Indoors を使用するには、次の手順を実行します。

注意:

モバイル デバイスで最適なパフォーマンスを得るには、ベクター タイル パッケージの範囲に、サイトの対象地域のみを含める必要があります。

1. カスタム ベースマップを作成します。
2. [ベクター タイル パッケージの作成 (Create Vector Tile Package)] ツールを使用して、ベクター タイル パッケージを作成します。

   [ベクター タイル パッケージの作成 (Create Vector Tile Package)] ツールを実行する際は、以下の調整を行って屋内の詳細レベルをサポートし、タイルを 17 倍に縮小します。

   1. [ArcGIS Online | Bing Maps | Google マップ] チェックボックスをオフにします。
   2. [タイル スキーマ] パラメーターには、Indoors シンボル リソースに含まれている VectorBasemapTilingScheme.xml ファイルを選択します。
3. モバイル マップ パッケージ用に作成したマップを選択します。
4. ベクター パッケージを、マップの Facilities レイヤーと Sites レイヤー (存在する場合) の下に追加します。

Indoors のカテゴリの構成

ArcGIS Indoors を使用すると、ArcGIS Pro でマップ上のルート検索可能な位置として操作する目標物を構成することができます。 入室者、特定の位置、イベント、オブジェクトなどの目標物は、マップ上で個別のポイントとして表示され、アイコンを使用してシンボル表示されます。 モバイル アプリ版 Indoors で探索および検索機能を使用できるよう、これらの場所を構成することができます。 また、それらを入力として使用し、ルート検索に対応したネットワークを生成することもできます。 目標物および対象地域は、Indoor Viewer およびモバイル アプリ版 Indoors での探索操作を簡素化するため、論理グループおよびカテゴリ グループに分けられます。

作業指示の構成

Indoors モバイル アプリでは、別々のシステムに保存されている作業指示データを統合することによって、建設や現場の作業に携わる作業者向けにユニークな機能を提供します。 モバイル アプリ版 Indoors に作業指示を含めることで、問題を記録し、空間的かつリアルタイムにアサインメントの割り当てやトラッキングを行うことができます。 ArcGIS Pro の [Indoors のカテゴリの構成] ウィンドウで、カテゴリ作成時にフィールドを Indoors Model にマッピングすることで、作業指示を構成できます。

アプリ起動アクションの構成

Indoors は、Indoors モバイル アプリの情報カードからサードパーティ アプリを直接起動するアクションに対応しています。 これらの起動アクションを実行すると、組織は Indoors アイテムに関連する情報や、Indoors マップに含まれている他の作業指示、アセット、その他の対象ポイント レイヤーで使用可能なアイテムを統合できるようになります。

起動アクションは、Web ページかネイティブ モバイル アプリを開くよう構成できます。これにより、選択したアイテムに関するインシデントやリクエストを提出できます。 起動アクションを作成して、アイテムの情報をフォーム フィールドに自動入力したり、アイテムに関連する情報を Web ページやモバイル アプリで直接開いたりできるようになります。 ArcGIS Pro の [Indoors の起動アクションの構成] ウィンドウで、起動アクションを作成できます。

ワークスペース予約の構成

オフィスのホテリングと会議室を構成し、Indoors アプリを使用してこれらを予約することをユーザーに許可できます。 ユーザーはマップで利用できるワークスペースをインタラクティブに見つけたり、時間、期間、場所に基づいて検索したりできます。 Microsoft 365 または Indoors の Reservations レイヤーを使用してワークスペース予約を構成できます。