オフィス ホテリングの構成

ArcGIS Indoors Spaces エクステンションで利用できます。

オフィス ホテリングとは、数時間、数日、または数週間の間、予約して一時的に使用できるワークスペースを指します。 このアプローチでは、従来のようにスペースを恒久的に割り当てる方法とは異なり、組織がスペースを効率的に管理し、コストを削減できます。 オフィス ホテリングをワークスペース エリアに割り当てることができます。ワークスペース エリアを作成すると、入室者や、組織で管理する予約可能なスペースを整理できます。

前提条件

ArcGIS Indoors には Indoors Space Planner が付属しており、個別に割り当てられたスペースや予約可能なオフィス ホテリングのある個別のワークスペース エリアを入室者に割り当てるなど、屋内スペースでの入室者のアクティビティを計画できます。 Indoors Viewer または Indoors モバイル アプリを使用してオフィス ホテリングを予約し、ArcGIS Indoors Information Model の Reservations レイヤーまたは Microsoft 365 を使用して予約を管理することができます。

Space Planner で制限付きのワークスペース エリアを作成できます。 制限付きのワークスペース エリアでオフィス ホテリングを予約するには、入室者をそのワークスペース エリアに割り当てる必要があります。 ワークスペース エリアが制限なしとして構成されている場合、入室者の割り当ては不要で、ArcGIS 組織のユーザーなら誰でもそのワークスペース エリアのユニットを予約できます。

注意:

ワークスペース エリアが制限付きとして構成されている場合、Indoors Viewer または Indoors モバイル アプリにサイン インしているポータル ユーザーがそのエリアのオフィス ホテリングを予約するためには、Occupants レイヤーにあるレコードの EMAIL フィールド値に一致するメール アドレスを関連付けておく必要があります。

Reservations レイヤーを使用したオフィス ホテリングの構成

このワークスペースの予約方法を使用するには、Reservations レイヤーを含む屋内マップが必要です。 オフィス ホテリングの予約は、Indoors データ モデルで管理し、ワークスペース エリア ユニットの利用状況をリアルタイムで視覚化したり、スペースの利用状況を分析したりするのに使用できます。

レイヤーの追加

ワークスペース エリアにオフィス ホテリングを構成する前に、Space Planner で使用するために準備して共有した Web マップと、編集可能な Reservations レイヤーが組織に必要です。そうすると、その Web マップに関連付けられたフィーチャ レイヤーを、マップに追加し、最新情報のビジュアライゼーションを有効にできます。

ワークスペース エリアのマップを準備するには、次の手順を実行します。

1. ArcGIS Pro で Indoors プロジェクトを開き、Indoors モバイル アプリ用に準備されたマップをアクティブ化します。
2. Space Planner Web マップに関連付けられた入室者フィーチャ レイヤーからマップに Occupants レイヤーを追加するか、Occupants レイヤーのソースを更新します。
3. 同じ Space Planner Web マップに関連付けられた Units フィーチャ レイヤーから Units レイヤーを追加するか、Units レイヤーのソースを更新します。
4. Reservations レイヤーを追加します。

   この編集可能なレイヤーを使用すると、ワークスペースの予約を管理したり、マップ上で予約を視覚化したりすることができます。

   注意:

   繰り返しの予約を有効にするには、RECURRENCE_ID および RECURRENCE_CONFIG フィールドを Reservations レイヤーに含める必要があります

5. これらのレイヤーがアプリのフロア フィルターに対応できるように、これらのレイヤーのフロア プロパティを構成します。

   このレイヤーの LEVEL_ID フィールドは、[フロア] プロパティに合わせて設定します。 この後、フロア フィルターを使用して、フロア対応マップで施設のフロア当たりの部屋の利用状況をリアルタイムで視覚化することができます。

6. 同じ Space Planner の Web マップに関連付けられたフィーチャ レイヤーから Areas テーブルを追加します。
7. 必要に応じて、同じ Space Planner の Web マップに関連付けられたフィーチャ レイヤーから Areas Roles テーブルを追加して予約担当を有効化します。

   予約担当は、予約担当として構成されているワークスペース エリア内で他の人のオフィス ホテリングを予約し、予約を管理できます。

   予約担当を構成するには、以下が必要です。

   • Space Planner 用のマップを準備するときに Area Roles テーブルを含めます。 Space Planner マップをすでに ArcGIS 組織に共有している場合、マップに Area Roles テーブルを追加し、Occupants レイヤーと Units レイヤーおよび Areas テーブルを含む既存のレイヤーを上書きします。
   • Space Planner でワークスペース エリアに 1 人または複数の予約担当を設定し、プランをマージします。
   • モバイル用のマップを準備するときに Area Roles テーブルを含めます。

   以前のバージョンの ArcGIS Pro を使用して Reservations フィーチャクラスを作成した場合、Indoors ワークスペースで Indoors モデルの更新の有無を確認することをおすすめします。 [Indoors データベースのアップグレード (Upgrade Indoors Database)] ツールを使用すると、Indoors ワークスペースをインストール済みの ArcGIS Pro のバージョンで使用可能な Indoors モデル スキーマの現在のバージョンに更新し、Indoors アプリの追加機能を有効にできます。

   ワークスペース エリア ドメインのみが欠落している場合、ワークスペース エリアを使用するよう Indoors ワークスペースを更新する必要はありません。

8. プロジェクトを保存します。
9. モバイル マップ パッケージを作成および共有します。

注意:

ArcGIS Enterprise ポータルを使用している場合は、レイヤーがデフォルト バージョンをソースにしていることを確認します。 Space Planner でプランに加えられたすべての変更は、そのバージョンにマージされます。

Microsoft 365 を使用したオフィス ホテリングの構成

このワークスペースの予約方法を使用するには、組織が Microsoft 365 でリソース メールボックスを定義する必要があります。 Indoors アプリから、Microsoft Graph API 経由で予約リクエストが送信されます。 次の権限が必要となります。

• [サイン インしてユーザー プロファイルを読み取り] - ユーザーがリソース メールボックスにアクセスできるかどうかを確認します。
• [ユーザー カレンダーの読み取り] - 会議室の利用可能な時間を取得します。
• [ユーザー カレンダーへのフル アクセス] - 新しい予約のイベントを作成します。
• [ユーザー メールボックス設定の読み取り] - タイム ゾーンやロケールなどのメールボックス設定を取得します。

組織が Microsoft Azure でポリシーを設定した方法によっては、組織が Indoors を使用して会議室の予約を開始する前に、リクエストされた権限に対する管理者の同意が必要になることがあります。 Microsoft Intune を使用して、企業が管理しているデバイスへのアクセスを制限している場合は、この機能の利用が制限されることがあります。

組織が MAM (モバイル アプリケーション管理) 向けの Microsoft Intune を使用してアクセスの制限またはアプリの保護を実施している場合、ArcGIS Indoors for Intune アプリ (Apple App Store から入手可能) を使用する必要があります。

レイヤーの追加

ワークスペース エリアのマップを準備するには、次の手順を実行します。

1. ArcGIS Pro で Indoors プロジェクトを開き、Indoors モバイル アプリ用に準備されたマップをアクティブ化します。
2. Space Planner Web マップに関連付けられた入室者フィーチャ レイヤーからマップに Occupants レイヤーを追加するか、Occupants レイヤーのソースを更新します。
3. 同じ Space Planner Web マップに関連付けられた Units フィーチャ レイヤーから Units レイヤーを追加するか、Units レイヤーのソースを更新します。
4. これらのレイヤーがアプリのフロア フィルターに対応できるように、これらのレイヤーのフロア プロパティを構成します。

   このレイヤーの LEVEL_ID フィールドは、[フロア] プロパティに合わせて設定します。 この後、フロア フィルターを使用して、フロア対応マップで施設のフロア当たりの部屋の利用状況をリアルタイムで視覚化することができます。

5. 同じ Space Planner の Web マップに関連付けられたフィーチャ レイヤーから Areas ロールと Areas テーブルを追加します。
6. プロジェクトを保存します。

注意:

ArcGIS Enterprise ポータルを使用している場合は、レイヤーがデフォルト バージョンをソースにしていることを確認します。 Space Planner でプランに加えられたすべての変更は、そのバージョンにマージされます。

電子メール ID の追加

組織では、予約可能なスペースごとに Microsoft 365 でリソース メールボックスを用意し、そのスペースに固有の電子メール アドレスを関連付けておく必要があります。 リソース メールボックスは、会議室メールボックスまたはワークスペースのいずれかです。

注意:

スケジュール設定オプション (特に最大期間) が組織の要件に基づいて設定されていることを確認します。 リソース メールボックスがワークスペースで、収容人数が定義されている場合、その収容人数に達するまでスペースを複数回予約できます。

ユニットを電子メール ID に関連付けるには、次の手順を実行します。

1. Units レイヤーを右クリックし、[属性テーブル] をクリックします。

   ヒント:

   表示フィルター ASSIGNMENT_TYPE = "Hotel" を追加し、ASSIGNMENT_TYPE としてホテリングの値を含む行のみを表示するようにレコードをフィルターできます。

2. SCHEDULE_EMAIL フィールドを各ホテリング ユニットに固有の電子メール ID で更新します。
3. [編集] タブをクリックします。
4. [編集の管理] グループにある [保存] をクリックします。
5. プロジェクトを保存します。
6. モバイル マップ パッケージを作成および共有します。

注意:

オフィス ホテリングの予約には、モバイル アプリ版 ArcGIS Indoors で Microsoft アカウントにサイン インする必要があります。

オフィス ホテリングの予約

オフィス ホテリングの予約に対してワークスペース予約が構成されているマップでは、クイック アクセス メニューにホテリング オプションが表示されます。 ホテリング オプションにカスタム名が構成された場合、その名前が代わりに表示されます。 パネルには、場所と期間に基づいて利用可能なオフィス ホテリングのリストが表示されます。 ワークスペース エリア、場所、サイト、建物、フロア、期間を基準にリストをフィルターして、毎日または毎週の繰り返しのオフィス ホテリングの予約を選択できます。 設備フィルターが構成されている場合は、リストされているオフィス ホテリングを利用可能な設備でフィルターできます。 ニーズに応じて、空いている部屋を予約できます。

マップ上で予約可能なオフィス ホテリングが選択されている場合は、情報カードに [予約] オプションが表示されます。 その部屋の既存の予約のスケジュールを表示するには [予約] オプションをクリックします。 オフィス ホテリングを予約するには、利用可能な時間枠をクリックして開始時間と終了時間を入力するか、時間フィールドを使用して希望の時間を設定するか、[繰り返しの予約] 切り替えボタンを使用して繰り返しの予約を作成します。

注意:

Indoors モバイル アプリは、ユーザーがオフィス ホテリングの予約を試みると、Space Planner で構成されたスケジュール制限を適用します。

Reservations レイヤーを使用してオフィス ホテリングが構成されている場合、ArcGIS Online または ArcGIS Enterprise の ArcGIS 組織で Indoors User ユーザー タイプ以上が割り当てられているユーザーが予約を作成できます。

Microsoft 365 を使用してオフィス ホテリングを予約するようにマップが構成されていた場合は、ユーザーが Indoors にサイン インした際に使用した Microsoft アカウントを使用して、Indoors アプリからリクエストが送信されます。 ユーザーは、そのリクエストが承認されたか拒否されたかを示す自動送信メールを受け取り、イベントがカレンダーに追加されます。 これは、Microsoft Outlook や Microsoft Teams などの Microsoft アプリを使用して会議室を予約する場合の処理によく似ています。 [予約済み] タブでオフィス ホテリングの予約の承認ステータスを表示、編集、キャンセルすることもできます。

他の人のためにオフィス ホテリングを予約 (Reservations レイヤー)

Space Planner では、Reservations レイヤーを使用する場合に、他の入室者のためにオフィス ホテリングの予約を作成および管理できる予約担当を構成できます (繰り返しの予約を含む)。 ユーザーがワークスペース エリアの予約担当として構成されている場合、[ホテリング] パネルに [他の人のために予約] 切り替えボタンが表示され、Indoors モバイル アプリで他のユーザーのためにオフィス ボテリング ユニットを予約できるようになります。ワークスペース エリアが制限付きとして構成されている場合、予約担当が予約できるのは、そのワークスペース エリアに割り当てられている人のユニットのみです。

Reservations レイヤーのフィーチャの編集が [編集者は、各自が所有するフィーチャのみを編集できる] に設定されており、予約担当が予約を行った場合、予約のチェック イン、チェック アウト、キャンセルのオプションは、その予約担当のみが使用できます。

オフィス ホテリングの予約の表示

[ホテリング] パネルの [予約済み] タブで、予約済みの会議室を表示できます。 実行できる操作には、予約の編集またはキャンセルのほか、オフィス ホテリングの予約が Reservations レイヤーを使用して構成されている場合、優先カレンダー アプリにリマインダーを追加することもできます。 繰り返しの一部となるすべての予約には、インジケーターが表示されます。

入室者を検索すると、入室者に割り当てられたオフィス、自宅オフィスの割り当て、現在または今後のオフィス ホテリング予約がアプリに表示されます。 予約されているユニットの詳細の確認、ルート案内の取得、ルート検索を行うことができます。 情報パネルの [場所] オプションを使用して、入室者の他の割り当てにアクセスすることもできます。

Microsoft 365 を使用してオフィス ホテリングを予約するようにマップが構成されていた場合は、ユーザーが Indoors にサイン インした際に使用した Microsoft アカウントを使用して、Indoors アプリからリクエストが送信されます。 ユーザーは、そのリクエストが承認されたか拒否されたかを示す自動送信メールを受け取り、イベントがカレンダーに追加されます。 これは、Microsoft Outlook や Microsoft Teams などの Microsoft アプリを使用して会議室を予約する場合の処理によく似ています。 [予約済み] タブでオフィス ホテリングの予約の承認ステータスを表示、編集、キャンセルすることもできます。