放射量分析によるテレインのフラット化を適用 (Apply Radiometric Terrain Flattening) (Image Analyst)

Image Analyst ライセンスで利用できます。

サマリー

入力 SAR (合成開口レーダー) データの地形による放射歪みを補正します。

SAR センサーの側方監視特性により、センサーに面するフィーチャは不自然に明るくなり、センサーから離れて面しているフィーチャは不自然に暗くなります。 放射量分析によるテレインのフラット化は、値の変化がサーフェスの散乱特性によるものになるように後方散乱値を正規化します。

テレイン上の SAR 画像にあるフィーチャのサーフェスの散乱特性に直接関連付けることができる有意の後方散乱を取得するには、放射量分析によるテレインのフラット化が必要です。

使用法

  • 入力 SAR データはベータ ノートにキャリブレーションされる必要があります。

  • SAR データをベータ ノートにキャリブレーションするには、[放射量キャリブレーションの適用 (Apply Radiometric Calibration)] ツールを使用します。

  • このツールは、出力場所としてジオデータベースをサポートしていません。

  • 入力 DEM が SAR データセット全体に及ばない場合、このツールはガンマ ノートとシグマ ノートに対して DEM 範囲外のピクセルに NoData 値を出力します。

  • 入力 DEM は WGS84 (EPSG:4326) の地理座標系である必要があります。

  • 幾何学的歪みマスクは、入力レーダー データ内でテレインによってもたらされるさまざまな幾何学的歪みについての洞察を提供できるオプションの出力です。 表示される出力の歪みは、短縮、延長、レイオーバー、影を示します。

    幾何学的歪み

    上の図では、センサーに面する青色の傾斜とセンサーから離れて面しているマゼンタの傾斜は地表では同じ長さですが、SAR 画像では、青色の短縮領域がマゼンダの延長領域よりも短く見えます。 これは、センサーから離れて面している傾斜に含まれるピクセルの数がセンサーに面している傾斜よりも多いためです。

    レイオーバーは、レーダー信号が基底部に達する前に背の高いフィーチャの最上部に達する場合に発生します。 険しい山の緑色のセクションは、レイオーバーの一例で、地表と同じピクセルで表示されます。 茶色のセクションはレイオーバーと影の組み合わせであり、地表では上部セクションの左側に位置するにもかかわらず、SAR 画像では上部セクションの右側に表示されます、

    影は、オブジェクトがレーダー信号をブロックした場合に発生します。 センサーから離れて面している黄色の傾斜には照射されません。 レーダーの照射は大気中に散乱しないため、SAR 画像では影が黒色で表示されます。

パラメーター

ラベル説明データ タイプ
入力レーダー データ

入力レーダー データ。

放射量分析によるテレインのフラット化が適用されるデータ。 データは、放射量分析によってベータ ノートにキャリブレーションされる必要があります。

Raster Dataset; Raster Layer
出力レーダー データ

放射量分析によってテレインがフラット化されたレーダー データ。

Raster Dataset
DEM ラスター

入力 DEM。

ローカル照射面積とローカル入射角の推定に使用される DEM です。

Mosaic Layer; Raster Layer
ジオイド補正を適用
(オプション)

入力 DEM の鉛直参照系を楕円体の高さに変換するかどうかを指定します。 ほとんどの標高データセットは海面の海抜を基準にしているため、これらの場合に楕円体高に変換するために、補正が必要になります。

  • オン - ジオイド補正を実行して、海抜高度を (EGM96 ジオイドに基づいて) 楕円体高に変換します。 これがデフォルトです。
  • オフ - ジオイド補正は行われません。 このオプションは、DEM が楕円体高で指定されている場合のみ使用します。

Boolean
偏波バンド
(オプション)

放射量分析によりテレインがフラット化される偏波バンド。

デフォルトでは、最初のバンドが選択されています。

String
キャリブレーション タイプ
(オプション)

出力のテレイン フラット化にシグマ ノートを使用するか、ガンマ ノートを使用するかを指定します。

  • ガンマ ノートベータ ノートの後方散乱は、DEM を使用する面積の正確な計算を使用して補正されます。 これがデフォルトです。
  • シグマ ノートベータ ノートの後方散乱は、ローカルで DEM に接する平面の単位面積を使用して補正されます。
String
出力拡散領域
(オプション)

拡散領域のレーダー データセット。

Raster Dataset
出力の幾何学的歪み
(オプション)

4 バンドの幾何学的歪みのレーダー データセット。 1 つ目のバンドはテレインの傾斜、2 つ目のバンドはルック アングル、3 つ目のバンドは短縮率、4 つ目のバンドはローカル入射角です。

Raster Dataset
出力の幾何学的歪みマスク
(オプション)

1 バンドの幾何学的歪みマスクのレーダー データセット。 ピクセルは、次の 6 つの個別値 (歪みタイプごとに 1 つ) を使用して分類されます。

  • 不明 Red, Green, Blue = 160, 177, 186 - 値は 0
  • 短縮 Red, Green, Blue = 0, 154, 222 - 値は 1
  • 延長 Red, Green, Blue = 175, 88, 186 - 値は 2
  • Red, Green, Blue = 255, 198, 30 - 値は 3
  • レイオーバー Red, Green, Blue = 0, 205, 108 - 値は 4
  • レイオーバーと影 Red, Green, Blue = 166, 118, 29 - 値は 5

Raster Dataset

ApplyRadiometricTerrainFlattening(in_radar_data, out_radar_data, in_dem_raster, {geoid}, {polarization_bands}, {calibration_type}, {out_scattering_area}, {out_geometric_distortion}, {out_geometric_distortion_mask})
名前説明データ タイプ
in_radar_data

入力レーダー データ。

放射量分析によるテレインのフラット化が適用されるデータ。 データは、放射量分析によってベータ ノートにキャリブレーションされる必要があります。

Raster Dataset; Raster Layer
out_radar_data

放射量分析によってテレインがフラット化されたレーダー データ。

Raster Dataset
in_dem_raster

入力 DEM。

ローカル照射面積とローカル入射角の推定に使用される DEM です。

Mosaic Layer; Raster Layer
geoid
(オプション)

入力 DEM の鉛直参照系を楕円体の高さに変換するかどうかを指定します。 ほとんどの標高データセットは海面の海抜を基準にしているため、これらの場合に楕円体高に変換するために、補正が必要になります。

  • GEOIDジオイド補正を実行して、海抜高度を (EGM96 ジオイドに基づいて) 楕円体高に変換します。 これがデフォルトです。
  • NONEジオイド補正は行われません。 このオプションは、DEM が楕円体高で指定されている場合のみ使用します。
Boolean
polarization_bands
[polarization_bands,...]
(オプション)

放射量分析によりテレインがフラット化される偏波バンド。

デフォルトでは、最初のバンドが選択されています。

String
calibration_type
(オプション)

出力のテレイン フラット化にシグマ ノートを使用するか、ガンマ ノートを使用するかを指定します。

  • GAMMA_NOUGHTベータ ノートの後方散乱は、DEM を使用する面積の正確な計算を使用して補正されます。 これがデフォルトです。
  • SIGMA_NOUGHTベータ ノートの後方散乱は、ローカルで DEM に接する平面の単位面積を使用して補正されます。
String
out_scattering_area
(オプション)

拡散領域のレーダー データセット。

Raster Dataset
out_geometric_distortion
(オプション)

4 バンドの幾何学的歪みのレーダー データセット。 1 つ目のバンドはテレインの傾斜、2 つ目のバンドはルック アングル、3 つ目のバンドは短縮率、4 つ目のバンドはローカル入射角です。

Raster Dataset
out_geometric_distortion_mask
(オプション)

1 バンドの幾何学的歪みマスクのレーダー データセット。 ピクセルは、次の 6 つの個別値 (歪みタイプごとに 1 つ) を使用して分類されます。

  • 不明 Red, Green, Blue = 160, 177, 186 - 値は 0
  • 短縮 Red, Green, Blue = 0, 154, 222 - 値は 1
  • 延長 Red, Green, Blue = 175, 88, 186 - 値は 2
  • Red, Green, Blue = 255, 198, 30 - 値は 3
  • レイオーバー Red, Green, Blue = 0, 205, 108 - 値は 4
  • レイオーバーと影 Red, Green, Blue = 166, 118, 29 - 値は 5

Raster Dataset

コードのサンプル

ApplyRadiometricTerrainFlattening の例 1 (Python ウィンドウ)

この例では、DEM とガンマ ノートのパラメーターを使用してクロス偏波レーダー データセットを補正します。

import arcpy
arcpy.env.workspace = r"C:\Data\SAR"
outRadar = arcpy.ia.ApplyRadiometricTerrainFlattening(
     "IW_manifest_TNR_CalB0_Dspk.crf", r"C:\Data\DEM\dem.tif", "GEOID", 
     "VH;VV", "GAMMA_NOUGHT")
outRadar.save("IW_manifest_TNR_CalB0_Dspk_RTFG0.crf")
ApplyRadiometricTerrainFlattening の例 2 (スタンドアロン スクリプト)

この例では、DEM とガンマ ノートのパラメーターを使用してクロス偏波レーダー データセットを補正します。

# Import system modules and check out ArcGIS Image Analyst extension license
import arcpy
arcpy.CheckOutExtension("ImageAnalyst")
from arcpy.ia import *

# Set local variables
in_radar = r"C:\Data\SAR\IW_manifest_TNR_CalB0_Dspk.crf"
out_radar = r"C:\Data\SAR\IW_manifest_TNR_CalB0_Dspk_RTFG0.crf"
in_dem_raster = r"C:\Data\DEM\dem.tif"
ApplyGeoid = "GEOID" 
polarization = "VH;VV"
calibration_type = "GAMMA_NOUGHT"

# Execute 
outRadar = arcpy.ia.ApplyRadiometricTerrainFlattening(
     in_radar, in_dem_raster, ApplyGeoid, polarization, calibration_type)
outRadar.save(out_radar)

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