引数の統計を検索 (Find Argument Statistics) (Image Analyst)

Image Analyst ライセンスで利用できます。

サマリー

多次元ラスターまたはマルチバンド ラスター内のピクセルごとに特定の統計情報が得られるディメンション値またはバンド インデックスを抽出します。

使用法

  • [引数の統計を検索 (Find Argument Statistics)] ツールを使用すると、多次元ラスター データセット内のラスターのスタックで、特定の統計値に達したディメンション値 (たとえば、日付、高さ、深さ) を抽出できます。 また、マルチバンド ラスター内で統計値に達したバンド番号を検索できます。

    たとえば、30 年間のデータ コレクションで各ピクセルが最高海面温度に達した月を検索できます。 あるいは、8 バンドのリモート センシング画像があり、各ピクセルで最小反射率値に達したバンドを知りたいこともあります。

  • サポートされている多次元ラスター データセットには、CRF (Cloud Raster Format)、多次元モザイク データセット、netCDF、GRIB、または HDF 形式ファイルで生成された多次元ラスター レイヤーがあります。

  • このツールは、多次元ラスター データセットを CRF (Cloud Raster Format) で生成します。 現在、他の出力形式はサポートされていません。

  • 入力多次元ラスターに 1 つのディメンションのみが含まれている場合、出力はシングル バンド ラスター データセットになります。 入力多次元ラスターに複数のディメンションが含まれている場合、出力の多次元ラスターには、解析から除外されたそれらのディメンションが含まれます。

パラメーター

ラベル説明データ タイプ
入力多次元/マルチバンド ラスター

解析対象の入力多次元ラスターまたはマルチバンド ラスター。

Raster Dataset; Raster Layer; Mosaic Dataset; Mosaic Layer; Image Service; File
ディメンション
(オプション)

統計の抽出元となるディメンション。 入力ラスターが多次元ラスターでない場合、このパラメーターは必要ありません。

String
ディメンション定義
(オプション)

ディメンションから統計を抽出する方法を指定します。

  • すべて統計は、すべてのディメンションで抽出されます。 これがデフォルトです。
  • 間隔キーワード統計は、間隔キーワードに応じて、時間ディメンションから抽出されます。
String
間隔キーワード
(オプション)

統計を抽出する時間単位。

たとえば、毎日の海面温度データが 5 年分あり、最大温度を観測した年を知りたいとします。 [統計の種類][最大値の引数] に、[ディメンション定義][間隔キーワード] に、[キーワードの間隔][毎年] に設定します。

あるいは、最大温度が一貫して観測される月を知るには、[統計の種類][最大値の引数] に、[ディメンション定義][間隔キーワード] に、[キーワードの間隔][毎月繰り返し] に設定します。 この結果、5 年間の記録の中で統計値に到達した月が各ピクセルに含まれるラスターが生成されます (例: 2018/08/18、2016/08/25、2013/08/07)。

このパラメーターは、[ディメンション] パラメーターが [StdTime] で、[ディメンション定義] パラメーターが [間隔値] に設定されている場合に必須です。

  • 毎日繰り返し統計は日単位で抽出されます。
  • 毎週繰り返し統計は週単位で抽出されます。
  • 毎月繰り返し統計は月単位で抽出されます。
  • 毎四半期繰り返し統計は四半期単位抽出されます。
  • 毎時間統計は、統計値に到達した時間について抽出されます。
  • 毎日統計は、統計値に到達した日について抽出されます。
  • 毎週統計は、統計値に到達した週について抽出されます。
  • 毎月統計は、統計値に到達した月について抽出されます。
  • 毎四半期統計は、統計値に到達した四半期について抽出されます。
  • 毎年統計は、統計値に到達した年について抽出されます。
String
変数 [ディメンション情報] (説明)
(オプション)

解析対象の変数。 入力ラスターが多次元でない場合、マルチバンド ラスターのピクセル値が変数と見なされます。 入力ラスターが多次元で、変数が指定されない場合、選択したディメンションを含む変数がすべて解析されます。

たとえば、温度の値が最高であった年を検索するには、解析対象の変数として温度を指定します。 変数を指定せず、変数として温度と降雨量の両方がある場合、両方の変数が解析され、出力多次元ラスターには両方の変数が含まれます。

String
統計の種類
(オプション)

所定のディメンションに沿って変数から抽出する統計を指定します。

  • 最小値の引数最小変数値に達したディメンション値が抽出されます。 これがデフォルトです。
  • 最大値の引数最大変数値に達したディメンション値が抽出されます。
  • 中央値の引数中央変数値に達したディメンション値が抽出されます。
  • 期間変数値が最小値と最大値の間にある、最長のディメンション期間の値が抽出されます。
  • 値の引数指定した変数値に達したディメンション値が抽出されます。
String
最小値
(オプション)

期間の抽出に使用する最小変数値。

このパラメーターは、[統計の種類] パラメーターが [期間] に設定されている場合に必須です。

Double
最大値
(オプション)

期間の抽出に使用する最大変数値。

このパラメーターは、[統計の種類] パラメーターが [期間] に設定されている場合に必須です。

Double
最大出現値
(オプション)

入力ラスター データセット内で所定の引数の統計値に複数回達したことを示すために使用するピクセル値。 指定しない場合、このピクセル値は、[出現時] パラメーター (最初の出現時または最後の出現時) の指定に従ったディメンションの値になります。

Long
NoData を無視
(オプション)

解析で NoData 値を無視するかどうかを指定します。

  • オン - 解析は、特定のディメンションに沿って有効なすべてのピクセルを含め、NoData 値のピクセルを無視します。 これがデフォルトです。
  • オフ - 特定のディメンションに沿って NoData 値のピクセルが存在する場合、解析結果が NoData になります。
Boolean
引数値
(オプション)

ディメンション値を抽出するために比較される値です。

このパラメーターは、[統計の種類] パラメーターが [値の引数] に設定されている場合に必須です。

ディメンション値を抽出するために比較される値です。

このパラメーターは、statistics_type パラメーターが ARGUMENT_VALUE に設定されている場合に必須です。

Long
比較
(オプション)

ディメンション値を抽出するために使用される比較のタイプを指定します。

  • 等しい抽出されたディメンションは指定した値と等しくなります。 これがデフォルトです。
  • より大きい抽出されたディメンションは指定した値より大きくなります。
  • より小さい抽出されたディメンションは指定した値より小さくなります。
String
出現時
(オプション)

ディメンションの値が返されるのが、引数の統計値に最初に達したときか、最後に達したときかを指定します。

  • 最初の出現時引数の統計値に最初に達したときに、ディメンションの値が返されます。 これがデフォルトです。
  • 最後の出現時引数の統計値に最後に達したときに、ディメンションの値が返されます。
String

戻り値

ラベル説明データ タイプ
出力ラスター

出力ラスター データセット。

Raster

FindArgumentStatistics(in_raster, {dimension}, {dimension_def}, {interval_keyword}, {variables}, {statistics_type}, {min}, {max}, {multiple_occurrence}, {ignore_nodata}, {value}, {comparison}, {occurrence})
名前説明データ タイプ
in_raster

解析対象の入力多次元ラスターまたはマルチバンド ラスター。

Raster Dataset; Raster Layer; Mosaic Dataset; Mosaic Layer; Image Service; File
dimension
(オプション)

統計の抽出元となるディメンション。 入力ラスターが多次元ラスターでない場合、このパラメーターは必要ありません。

String
dimension_def
(オプション)

ディメンションから統計を抽出する方法を指定します。

  • ALL統計は、すべてのディメンションで抽出されます。 これがデフォルトです。
  • INTERVAL_KEYWORD統計は、間隔キーワードに応じて、時間ディメンションから抽出されます。
String
interval_keyword
(オプション)

統計を抽出する時間単位。

たとえば、毎日の海面温度データが 5 年分あり、最大温度を観測した年を知りたいとします。 [統計の種類][最大値の引数] に、[ディメンション定義][間隔キーワード] に、[キーワードの間隔][毎年] に設定します。

あるいは、最大温度が一貫して観測される月を知るには、[統計の種類][最大値の引数] に、[ディメンション定義][間隔キーワード] に、[キーワードの間隔][毎月繰り返し] に設定します。 この結果、5 年間の記録の中で統計値に到達した月が各ピクセルに含まれるラスターが生成されます (例: 2018/08/18、2016/08/25、2013/08/07)。

このパラメーターは、dimension パラメーターが StdTime に設定されていて、dimension_def パラメーターが INTERVAL_KEYWORD に設定されている場合に必須です。

  • RECURRING_DAILY統計は日単位で抽出されます。
  • RECURRING_WEEKLY統計は週単位で抽出されます。
  • RECURRING_MONTHLY統計は月単位で抽出されます。
  • RECURRING_QUARTERLY統計は四半期単位抽出されます。
  • HOURLY統計は、統計値に到達した時間について抽出されます。
  • DAILY統計は、統計値に到達した日について抽出されます。
  • WEEKLY統計は、統計値に到達した週について抽出されます。
  • MONTHLY統計は、統計値に到達した月について抽出されます。
  • QUARTERLY統計は、統計値に到達した四半期について抽出されます。
  • YEARLY統計は、統計値に到達した年について抽出されます。
String
variables
[variables,...]
(オプション)

解析対象の変数。 入力ラスターが多次元でない場合、マルチバンド ラスターのピクセル値が変数と見なされます。 入力ラスターが多次元で、変数が指定されない場合、選択したディメンションを含む変数がすべて解析されます。

たとえば、温度の値が最高であった年を検索するには、解析対象の変数として温度を指定します。 変数を指定せず、変数として温度と降雨量の両方がある場合、両方の変数が解析され、出力多次元ラスターには両方の変数が含まれます。

String
statistics_type
(オプション)

所定のディメンションに沿って変数から抽出する統計を指定します。

  • ARGUMENT_MIN最小変数値に達したディメンション値が抽出されます。 これがデフォルトです。
  • ARGUMENT_MAX最大変数値に達したディメンション値が抽出されます。
  • ARGUMENT_MEDIAN中央変数値に達したディメンション値が抽出されます。
  • DURATION変数値が最小値と最大値の間にある、最長のディメンション期間の値が抽出されます。
  • ARGUMENT_VALUE指定した変数値に達したディメンション値が抽出されます。
String
min
(オプション)

期間の抽出に使用する最小変数値。

このパラメーターは、statistics_type パラメーターが DURATION に設定されている場合に必須です。

Double
max
(オプション)

期間の抽出に使用する最大変数値。

このパラメーターは、statistics_type パラメーターが DURATION に設定されている場合に必須です。

Double
multiple_occurrence
(オプション)

入力ラスター データセット内で所定の引数の統計値に複数回達したことを示すために使用するピクセル値。 指定しない場合、このピクセル値は、occurrence パラメーター (最初の出現時または最後の出現時) の指定に従ったディメンションの値になります。

Long
ignore_nodata
(オプション)

解析で NoData 値を無視するかどうかを指定します。

  • DATA解析は、特定のディメンションに沿って有効なすべてのピクセルを含め、NoData 値のピクセルを無視します。 これがデフォルトです。
  • NODATA特定のディメンションに沿って NoData 値のピクセルが存在する場合、解析結果が NoData になります。
Boolean
value
(オプション)

ディメンション値を抽出するために比較される値です。

このパラメーターは、[統計の種類] パラメーターが [値の引数] に設定されている場合に必須です。

Long
comparison
(オプション)

ディメンション値を抽出するために使用される比較のタイプを指定します。

  • EQUAL_TO抽出されたディメンションは指定した値と等しくなります。 これがデフォルトです。
  • GREATER_THAN抽出されたディメンションは指定した値より大きくなります。
  • SMALLER_THAN抽出されたディメンションは指定した値より小さくなります。
String
occurrence
(オプション)

ディメンションの値が返されるのが、引数の統計値に最初に達したときか、最後に達したときかを指定します。

  • FIRST_OCCURRENCE引数の統計値に最初に達したときに、ディメンションの値が返されます。 これがデフォルトです。
  • LAST_OCCURRENCE引数の統計値に最後に達したときに、ディメンションの値が返されます。
String

戻り値

名前説明データ タイプ
out_raster

出力ラスター データセット。

Raster

コードのサンプル

FindArgumentStatistics の例 1 (Python ウィンドウ)

この例では、時系列多次元ラスターで最小の月間降雨量値と温度値を検索します。 同じ最小値が複数回見つかった場合、ピクセル値は 99999 になります。

# Import system modules
import arcpy
from arcpy.ia import *

# Check out the ArcGIS Image Analyst extension license
arcpy.CheckOutExtension("ImageAnalyst")

# get the date when the minimal precipitation was observed in each year
# as well as the date when the minimal temperature was observed in each year
argStatOutput = FindArgumentStatistics("prcp_temp_time_series.crf", "StdTime", "INTERVAL_KEYWORD", "YEARLY",
	"prcp;temp", "ARGUMENT_MIN", None, None, 0, "DATA")
	
# Save output
argStatOutput.save("C:/data/yearly_min_temp_precip.crf")
FindArgumentStatistics の例 2 (スタンドアロン スクリプト)

この例では、多次元ラスター内で塩分濃度が 10 ~ 15 計測単位であった最長の期間を検索します。

# Import system modules
import arcpy
from arcpy.ia import *

# Check out the ArcGIS Image Analyst extension license
arcpy.CheckOutExtension("ImageAnalyst")

# Define input parameters
inFile = "C:/data/salinity.crf"
dimensionName = "Time"
dimensiondef = "ALL"
intervalkeyword = ''
variables = "temp"
arg_statistics_type = "DURATION"
min_value = 20
max_value = 25
multiple_occurrances_value = None
ignore_nodata = "NODATA"

# Execute 
# get the number of continous slices that have temperature value between 20 and 25
argStatOutput = FindArgumentStatistics(inFile, dimensionName, dimensiondef, intervalkeyword,
	variables, arg_statistics_type, min_value, max_value, multiple_occurrances_value, ignore_nodata)
	
# Save output
argStatOutput.save("C:/data/arg_statistics_output2.crf")

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