最適内挿法 (Optimal Interpolation) の仕組み

Image Analyst ライセンスで利用できます。

最適内挿法は一般的に使用されるデータ同化法です。 この手法では理論 (背景データ) と観測値が使用されます。 この手法を使用して、さまざまなデータ ソースから、標高や降水量など、同じ変数の計測値をマージおよび内挿することができます。 たとえば、モデル出力から取得されたグローバルな平均海面高度データセットを、不連続な場所における一定期間の時間的にさらに正確な海面高度計測値と組み合わせて使用することができます。 その結果、これらの期間におけるグローバルな海面高度の精度が向上します。 カバレッジは良好だが精度が低い背景データを、カバレッジは疎らだが精度が高い観測データと組み合わせて、解析に最適なデータセットが生成されます。

使用法

このツールは、背景データセットと観測データセットを入力としてとります。 背景データセットは通常はグリッド ラスターであり、観測データセットは通常はポイントの形式で設定されているフィーチャまたは軌道データです。 データ セットを組み合わせるため、このツールは背景データ セットと観測データ セットにそれぞれの相対精度に基づいた加重を割り当てて解析誤差分散を最小化します。 相対精度は、背景データと観測データの誤差分散および背景データと観測データの誤差相関によって決まり、これらはすべて必須の入力です。

背景データと観測データの誤差分散を指定しますが、これらは通常、背景データと観測データから推定されるグローバル定数です。 観測データの誤差相関はグローバル定数であり、通常は 0 と見なされます。 背景データの誤差相関は出力セルと観測ポイントの間の距離および必須の相関長 (以下の式では C) から計算されます。 相関長は入力背景データの空間参照の単位で表され、出力に対する観測ポイントの影響を指定します。 C の値が大きいほど、出力セルから離れた位置にあるポイントへの影響が大きくなります。

技術情報

背景画像を N ピクセル、観測データを M ポイントとします。各ピクセルの平均ポイントの値 (および可能な場合は平均ポイントの誤差) を計算することで観測ポイントが画像ピクセルにマッピングされます。 観測データの加重は次のように計算されます。

W = (Pb)(R + Pb)-1

ここで

W はアルファ加重の n*n 列です。

Pb は背景データの相関 r(k,j) 値 (近傍へのピクセルの影響) の n*n マトリックスです。 このため、高速マトリックス反転のために n は値 7 に制限されています。

R は観測誤差値の n*n 対角マトリックスです (各観測誤差は互いに独立しているものとします)。

背景データの相関 r(k,j) 値は次のように計算されます。

r(k,j) = e -(d(k,j)2/C)

ここで、d(k,j)2 はピクセル間の距離、C は入力 [背景誤差相関の長さ] 値です。

出力は次のように計算されます。

Xa = Xb + W(Xo - Xb)

ここで

XaXbXo は、それぞれ解析、背景、観測値の n*1 列ベクトルです。

W はアルファ加重の n*n 列です。


このトピックの内容
  1. 使用法
  2. 技術情報