基本的なトラブルシューティング

レポートを PDF または Excel 形式で表示する際、マップ画像が EM4C サーバーにアップロードされます。画像ファイルは、<em4c_location>/webapps/em4c/WEB-INF/web.xml の IMAGE_TEMP_FOLDER プロパティで指定されたディスク上の場所に一時的に書き込まれます。デフォルトでは、一時的な画像フォルダーの場所は <em4c_location>/webapps/em4c/temp/images になります。

PDF または Excel 形式でのマップ表示に関する問題のトラブルシューティングを行う場合は、まずマップ画像が EM4C サーバー上の一時的な画像フォルダーにアップロードされているかどうかを確認する必要があります。画像がアップロードされていない場合は、EM4C サーバーが実行されていること、および一時的な画像フォルダーが書き込み可能であることを確認します。

マップ画像が EM4C サーバーに正常にアップロードされているが、マップが PDF または Excel レポートに表示されない場合は、IBM Cognos または Esri Maps for IBM Cognos に構成の問題がある可能性があります。問題の原因が IBM Cognos の構成であるか Esri Maps for IBM Cognos の構成であるかを判断するには、1 つの静的画像だけを含むレポートを作成してテストします。この画像は IBM Cognos ゲートウェイ上に存在する必要があり (たとえば、<cognos_gateway_machine>/ibmcognos/em4c/images/move_down.gif)、相対 URL (たとえば、../em4c/images/move_down.gif) を使用して参照される必要があります。レポートを PDF および Excel 形式で表示したときにこの画像が表示されない場合は、IBM Cognos の構成に問題があります。

テスト レポートに画像が表示される場合は、Esri Maps for IBM Cognos の構成に問題がある可能性があります。トラブルシューティングを開始するにあたって、次の要件が満たされていることを確認します。

• EM4C ゲートウェイの URI (サーバー名、ポート、IBM Cognos 仮想ディレクトリ) と IBM Cognos ゲートウェイの URI が同じである必要があります。
• SSL (Secure Sockets Layer) セキュリティ プロトコルを含む構成では、IBM Cognos ディスパッチャーが IBM Cognos ゲートウェイを介してマップ画像をダウンロードします。つまり、次の条件が満たされている必要があります。
  • ディスパッチャー プロセスが /<ibmcognos>/em4c/cgi-bin/em4c.cgi に対して HTTP または HTTPS で通信を行うことを、Web サーバーが許可する必要があります。
  • IBM Cognos ディスパッチャーが SSL 証明書を信頼できる必要があります。この構成問題の詳細については、IBM Cognos のドキュメントおよび「レポートを PDF として実行したときに画像が表示されない」をご参照ください。詳細については、ESRI ジャパン サポート サイトの FAQ、または技術情報記事 44377 をご参照ください。
  • IBM Cognos ゲートウェイと IBM Cognos ディスパッチャーの間にファイアウォールがある場合は、ディスパッチャーが /<ibmcognos>/em4c/cgi-bin/em4c.cgi にアクセスすることを許可するファイアウォールの規則を作成する必要があります。

フォントが正しく表示されません

Internet Explorer からマップを表示または印刷するときに、マップ上に表示される文字をサポートしている TrueType フォントが EM4C サーバーにインストールされていない場合、マップ画像で一部の文字が表示されない場合があります。このような場合は、必要な文字をサポートする TrueType フォントを特定し、それをシステム フォントとしてインストールするか、そのフォントのコピーを EM4C サーバー上の /fonts/fallback フォルダーに配置します。新しいフォントをインストールまたは配置したら、変更を反映させるために EM4C サービスを再起動する必要があります。

複数のページとマップを含むレポートにマップが 1 つしか表示されません

PDF または Excel 形式でマップをレンダリングすると、Esri Maps for IBM Cognos は、HTML 表示と同じ見た目のマップ画像を生成します。Esri Maps for IBM Cognos でマップの画像を生成するには、PDF または Excel 形式が選択されている時にマップをレンダリングする必要があります。

このような理由で、レポートの複数ページにマップが含まれている場合、現在表示されている HTML ページのマップのみが PDF または Excel 出力ドキュメントでレンダリングされます。複数ページにおけるレポート内のすべてのマップを印刷する場合、各マップの画像のスナップショットを適正に印刷出力に表示するには、各ページを個別に印刷する必要があります。 マップが含まれるページごとに、印刷する HTML ページを参照して、目的の出力形式を選択し、出力ドキュメントでページを確認して印刷します。

マップの代わりに白いボックスが表示されます

PDF または Excel 2007 形式で表示したレポートで、マップの代わりに白いボックスが表示される場合は、次のいずれかが原因である可能性があります。

• EM4C ゲートウェイの URI (サーバー名やポートなど) が IBM Cognos ゲートウェイの URI と一致していない場合、または EM4C ゲートウェイの構成時に他のエラーが発生した場合は、マップが表示されません。EM4C ゲートウェイと IBM Cognos ゲートウェイの両方で URI のホスト名部分が localhost から IP アドレスまたはネットワーク ホスト名に変更されていることを確認します。詳細については、「EM4C ゲートウェイの構成」をご参照ください。
• マップ連動レポートが PDF および Excel 2007 形式で表示する際、マップの画像が生成されて、EM4C サーバーに保存されます。マップ画像の保存場所は、相対 URL を使用して指定されます。これにより、別の IBM Cognos 仮想ディレクトリで構成された環境にレポートが移動されても、コンテンツを保存したり、コンテンツにアクセスしたりできます。 一部のバージョンの IBM Cognos には、相対 URL を使った HTTP リクエストによる画像の読み込みができないという既知の不具合があります。この問題を解決するには、この不具合の修正を含むバージョンの IBM Cognos にアップグレードするか、問題のあるレポートを手動で編集して、マップ画像の URL の絶対パスを使用するようにします。詳細については、技術情報記事 43450 をご参照ください。
• SSL (Secure Sockets Layer) セキュリティ プロトコルを含む構成では、IBM Cognos キーストア内の SSL の信頼チェーンが不完全であるか、欠落していることが、この問題の原因となっている可能性があります。このような状況では、Web サーバーと IBM Cognos アプリケーション層コンポーネントの間で SSL の信頼チェーンが確立されていないため、マップ連動レポートを PDF または Excel 2007 形式で表示するときに、IBM Cognos ゲートウェイが Web サーバー上のマップ画像にアクセスできません。

  Web サーバーと IBM Cognos の間で信頼を確立するには、IBM Cognos の管理者が IBM Cognos の CA キーストアに SSL 証明書の信頼チェーンをインポートする必要があります。詳細については、技術情報記事 44377 をご参照ください。

レポート形式の選択後にレポートが生成されません

マップ連動レポートを HTML で表示している間にレポート形式を選択すると、レポート生成の待機中、マップ上に回転するカーソルが表示されることがあります。この問題は、EM4C ゲートウェイの Web サーバーとして IIS (インターネット インフォメーション サービス) が使用されるシステム環境で、Mozilla Firefox または Google Chrome を使用している場合に発生する可能性があります。この問題を解決するための詳細および手順については、技術情報記事 43279 をご参照ください。