ダッシュボードのデータの表示

ArcGIS GeoPlanner ダッシュボードには、シナリオ インジケーター、ベースライン インジケーター、チャート インジケーターの情報がゲージ、数値、およびチャートで表示されます。これにより、デザインの決定による影響をリアルタイムにすばやく視覚化して理解することができます。 ダッシュボードには、デザイン レイヤーまたはデータ レイヤーのポイント、ライン、ポリゴン フィーチャに関する定性的および定量的な情報が表示されます。 デザイン レイヤーのフィーチャを追加、更新、削除すると、ダッシュボードでインジケーターが自動的に更新され、デザインの決定による影響に対して即座にフィードバックがもたらされます。 データ レイヤーに接続されているベースライン インジケーターは、その影響がダッシュボードで評価される前に手動で再計算する必要があります。

GeoPlanner ダッシュボードでは、複数のインジケーターにまたがる影響を追跡できるので、デザイン結果に関する複数の競合する優先度のバランスを取りながら、メリットとデメリットを簡単に評価できます。 これらのインジケーターはダッシュボード内で、チャート、数値、またはゲージとして表すことができます。 チャートは計画のパフォーマンスに関する定性的なインジケーターを示します。 数値とゲージは計画のパフォーマンスに関する定量的なインジケーターを示します。 計画中のプロジェクトのデザインのパフォーマンスを測定するためにチャート、数値、およびゲージのコレクションを定義した後は、チーム全体の代替策を評価するために使用するパラメーターを標準化する方法として、その構成を他のプロジェクト チーム メンバーと共有できます。

1 つのダッシュボード内で複数のチャート、数値、およびゲージを構成して、複数の異なるインジケーターを監視することができます。 また、ベースライン修飾子を使用してデータ レイヤー フィーチャによるインジケーターを変更することもできます。 ダッシュボードをプロジェクト チーム メンバーと共有したり、プロジェクトの作成に使用されたテンプレートを共有できます。 特定のテンプレートから作成したプロジェクトや、プロジェクトで使用したインジケーターを共有することで、インジケーターを標準化し、構成を軽減することで時間を短縮できます。

ダッシュボードを開くには、マップの [ダッシュボード] ボタン をクリックします。

ダッシュボードのアイテムには、チャート、数値、ゲージの 3 つのタイプがあります。

チャート

チャートは、データセット内のフィーチャ タイプの分散を理解するのに役立ちます。また、計画の適合性の定性的な指標を示すように構成することもできます。 GeoPlanner の各ダッシュボードのチャートには、プライマリ チャートとセカンダリ チャートという 2 つのグラフィックスが表示されます。 プライマリ チャートは、選択したレイヤーの一意のフィーチャ タイプの分散を表示します。 セカンダリ チャートは、プライマリ チャートでハイライト表示されているフィーチャに関連する評価レイヤーまたは評価モデル内のフィーチャのサマリーを表示します。

次の画像は、デザイン レイヤーの土地利用ポリゴン フィーチャのプライマリ チャートと、近郊住宅の値の評価レイヤーのセカンダリ チャートを含むダッシュボード チャートを表しています。 黄色のパイ区分はこの計画の住宅地フィーチャを表しています。 セカンダリ チャートは、これらの住宅地フィーチャ内の近郊住宅の値フィーチャを集計しています。

チャートは、土地利用ポリゴンと、そこに含まれる近郊住宅の値フィーチャを表示します。

プライマリ チャートは、次のような質問に答える場合に役立ちます。

• 自分のデザインにおける住宅地の面積は？
• 自分の交通計画における高速道路の長さ合計は？
• 対象地域内に存在する井戸の数は？

セカンダリ チャートは、デザイン レイヤーを評価レイヤーまたは評価モデル レイヤーによってオーバーレイする方法を示します。 これは、次のような質問に答える場合に役立ちます。

• 提案する住宅地のうち、公園まで徒歩 5 分以内の部分はどれだけあるか？
• 提案する高速道路延伸のうち、低人口密度地域内にある部分はどれだけか？
• 井戸のうち、河川の 100 年以内の氾濫原にあるのは何個か？

チャートは動的です。 デザイン レイヤー内でフィーチャを追加、変更、または削除するたびに更新されます。

評価レイヤーと評価モデル

評価レイヤーまたは評価モデル レイヤーは、エリアの開発アクティビティの適合性を理解するのに役立ちます。 これらのレイヤーにより、空間認識が高まるので、特定の地理情報に応じて計画やデザインをより効果的に進めることができます。 これらはセカンダリ チャート内で、プライマリ チャート内のフィーチャとの関係性を表示するために使用します。

評価レイヤーは、次のいずれかの方法で作成します。

• [検索] タブの [解析] ドロップダウン メニューから解析ツールを実行し、分類関数を使用して結果のレイヤーを再分類します。
• 分類機能を使用して、任意のフィーチャ レイヤーを再分類します。

評価モデルは加重ラスター オーバーレイからの出力です。

数値

数値を使用すると、フィーチャを定量的に解析できます。 ダッシュボード上の数値は、シナリオ インジケーターとベースライン インジケーターの値に基づきます。 これらの値を使用して、データの生の数、平均、標準偏差などを表すことができます。

数値は、次のような質問に答える場合に役立ちます。

• デザイン エリアの境界内の人口は何人か？
• シナリオに含まれるすべての土地利用レイヤーの平均面積はどのくらいか？
• 自分のデータ セットに存在する希少蝶類の総個体数で正規化した、生息地の希少蝶類の個体数密度はどのくらいか？

ゲージ

ゲージは、特定の計算されたパフォーマンス メトリックを基準にしてデザインの効果や成果を理解するために役立ちます。 ゲージを使用すると、自分の計画の評価対象とする特定のインジケーターに適した範囲やターゲットを定義できます。 インジケーターの場合、ゲージに表示される値は、フィーチャ タイプ フィルター、フィーチャ属性値、定数、およびインジケーターに固有で定義された数学演算子で構成される方程式を使用して、リアルタイムに計算されます。 ベースライン インジケーターによって作成されるゲージは、手動で再計算してから結果を表示する必要があります。

ゲージは、次のような質問に答える場合に役立ちます。

• 住宅地開発の予測人口はどのくらいか？
• 対象地域内の予測収穫高はどのくらいか？
• 新しい商業地開発からどのくらいの数の仕事が生み出されるか？

分析範囲

分析範囲は、計画のサブエリアを表します。 分析範囲を使用すると、近郊や集水域などの特定の場所にフォーカスできます。 分析範囲を有効にすると、ダッシュボードでは、その分析範囲内にあるまたは分析範囲と交差するシナリオ フィーチャのメトリクスが算出されます。

非デザイン レイヤー

ダッシュボードのプライマリ チャートでは非デザイン レイヤーを設定できます。 これらのレイヤーは、個別値レンダリングによるポリゴン フィーチャ レイヤーにする必要があります。 プライマリ チャートの非デザイン レイヤーで構成されたダッシュボード チャートでは、表示フィーチャに対してのみレポートされます。

ダッシュボード アイテムの再編成

ダッシュボード アイテムを再編成するにはアイテムをクリックしてドラッグします。 タイプに関係なく、すべてのダッシュボード アイテムをこの方法で再配置できます。

ダッシュボードの最大化

GeoPlanner の [ダッシュボード] では、一度に 1 つのチャートまたはゲージ アイテムを表示できます。または、ダッシュボード全体を同時に表示することもできます。

• [最大化] ボタン - ダッシュボードのサイズが画面解像度で許容される最大限まで大きくなり、ダッシュボード アイテムの多数またはすべての値を一度に表示できます。
• [元に戻す] ボタン - ダッシュボードがデフォルトのサイズに戻り、1 つのダッシュボード アイテムが表示されます。

GeoPlanner ダッシュボードが最大化モードで表示されます。

注意:

ダッシュボードを最大化すると、妨げるものなくすべてのチャートとゲージを明確に表示できるように、他のインターフェイス エレメントを非表示にすることができます。

選択フィーチャの指標の表示

シナリオ レイヤーから複数のフィーチャを選択している場合、ダッシュボードを表示した際に、フィーチャのサブセットの指標を確認するには、次の手順を実行します。

1. GeoPlanner プロジェクトでダッシュボードを開くには、マップの [ダッシュボード] ボタン をクリックします。
2. [デザイン] タブをクリックし、[複数選択] ツールを選択します。

   

   [複数選択] ウィンドウが表示されます。

3. [レイヤー] ドロップダウン矢印をクリックし、フィーチャを選択するシナリオ デザイン レイヤーを選択します。
4. [選択ツール] ドロップダウン オプションをクリックし、[新しいセット] を選択します。
5. [四角形] ツールを選択します。

   

6. マップ上に、選択するフィーチャを囲む四角形を描画します。

   ダッシュボードの指標は、選択したフィーチャを反映するように変更されます。

ダッシュボードの設定の指定

[ダッシュボードの設定] ウィンドウで、ダッシュボード アイテムにフィーチャを含める方法を指定するには、次の手順を実行します。

1. ダッシュボードで、[ダッシュボード オプション] ボタン をクリックします。
2. [ダッシュボードの設定] をクリックします。

   [ダッシュボードの設定] ウィンドウが表示されます。

3. [ゲージ] セクションで次のいずれかのオプションを選択して、ダッシュボードのゲージによるデータの表示方法を選択します。
   • [表示フィーチャ] - ダッシュボードのゲージは、ゲージによって表すフィーチャがマップ上に表示されている場合のみ読み込まれます。 このオプションを選択すると、プロジェクトのパフォーマンスを向上させることができます。
   • [すべてのフィーチャ] - シナリオに含まれるすべてのフィーチャについて、ダッシュボードのゲージが読み込まれます。
4. [チャート] セクションで次のいずれかのオプションを選択して、ダッシュボードのチャートによるデータの表示方法を選択します。
   • [表示フィーチャ] - ダッシュボードのチャートは、チャートによって表すフィーチャがマップ上に表示されている場合のみ読み込まれます。 このオプションを選択すると、プロジェクトのパフォーマンスを向上させることができます。
   • [すべてのフィーチャ] - シナリオに含まれるすべてのフィーチャについて、ダッシュボードのチャートが読み込まれます。
5. [次のパフォーマンスを最適化] セクションで、[速度] 値と [精度] 値の間にあるスライダーを調整して、プロジェクトのパフォーマンスを変更します。

   

   注意:

   このスライダーは、ArcGIS 組織サイトから取得するときにフィーチャを単純化し、ダッシュボードの計算に含める方法を制御します。 単純化とは、縮尺または解像度の変更のためにフィーチャを簡素化するプロセスです。 このスライダーはオフセットの最大許容値を表しています。 マップに表示されるフィーチャに元のフィーチャの頂点のサブセットが含まれるように、この許容値内の頂点は非表示になります。

   スライダーを [精度] に設定した場合、単純化は行われません。 チャートとゲージにおける面積、周長、長さの計算は正確です。 スライダーを [速度] に近づけるほど、フィーチャはより単純化されます。 これにより、チャートとゲージにおける面積、周長、長さの計算精度は落ちます。

   地域的な規模、全国的な規模、またはグローバルな規模で作業を行う場合には、[パフォーマンスの最適化] スライダーを移動させて単純化許容度を大きくすることを検討してみてください。