加重オーバーレイのためのデータの準備

加重オーバーレイ サービスはラスター レイヤーに基づいています。 データを加重オーバーレイ解析向けに準備するには、既存のベクター データをラスター データに変換することが必要な場合があります。 データをサポートされているラスター形式に変換する前に、各データセットのジオメトリを確認し、データを共通の座標系に投影し、データセットを対象地域にクリップします。 加重オーバーレイ サービスのデータを準備するには、以下のツールを使用できます。

  • [ジオメトリのチェック (Check Geometry)] ツールは、フィーチャクラスに存在するジオメトリの問題についてレポートを作成するために実行します。
  • [ジオメトリの修正 (Repair Geometry)] ツールは、[ジオメトリのチェック (Check Geometry)] ツールによって見つかった問題を修正するために使用します。
  • 必要に応じて、[投影変換 (Project)] ツールまたは [ラスターの投影変換 (Project Raster)] を実行して、すべてのデータセットを共通の座標系に投影します。
  • 必要に応じて、[クリップ (Clip)] ツールを実行して、対象地域内のフィーチャを抽出します。 この操作により、ラスターのサイズが縮小されるので、構成および処理時間を短縮できます。
  • 現時点で、ツールボックスは特定のラスター タイプをサポートしています。 サポートされていないレイヤー タイプがある場合は、変換 ツールボックスまたは Spatial Analyst ツールボックスのいずれかのツールを使用して、データをサポートされているラスター ファイル タイプに変換します。
    • CRF (Cloud Raster Format)
    • MRF (Meta Raster Format)
    • クラウド最適化 GeoTIFF 形式
    • TIFF
注意:

ベクター データセットをラスター データセットに変換するツールには、セル サイズが必要です。 すべてのラスターに同じセル サイズを使用すると、オーバーレイ解析の精度が上がる可能性があります。 いずれかのデータセットの範囲に基づいて、セル サイズを計算できます。

次の Python コード サンプルは、最短範囲の寸法を見つけてそれを 250 で割ることで、フィーチャ レイヤーからセル サイズを計算しています。 ArcGIS Pro の Python ウィンドウから実行することができます。

ext=arcpy.Describe("your-layer").extent
if ext.width < ext.height:
     cellsize=ext.width/250
else: 
     cellsize=ext.height/250    
print(cellsize)

サポートされている各ラスター ファイルに対して、ピラミッド構築ツールおよび統計情報の計算ツールを実行します。 これにより、加重オーバーレイ処理のパフォーマンスと精度が向上します。

NoData 値の管理

ラスター データセットには、NoData セルと呼ばれるデータのないエリアを含めることができます。 NoData セルは、その下にあるセルをマスクすることで、オーバーレイを変更できます。 これは、これらのラスター セルを解析から除去する効果があります。 [ラスター演算 (Raster Calculator)] ツールを使用して NoData セルの値を別の値に計算できます。

次のオプションのワークフローは、[ラスター演算 (Raster Calculator)] ツールを使用して NoData 値を入力ラスター データセットの別の値に計算する方法を示しています。

  1. ArcGIS Pro で、ラスター レイヤーをマップに追加します。
  2. ラスター データセット内の NoData セルを表示するには、次の手順を実行します。
    1. [コンテンツ] ウィンドウでラスター レイヤーを右クリックします。
    2. [シンボル] をクリックします。
    3. [マスク] タブをクリックし、[NoData] カラー パレット ドロップダウン矢印をクリックします。
    4. NoData セルを視覚化する色をカラー パレットから選択します。

    マップ表示が更新され、選択した色を使用して NoData セルがシンボル化されます。

  3. Spatial Analyst ツールボックス内の [ラスター演算 (Raster Calculator)] ツールを開きます。
  4. [マップ代数演算式] テキスト ボックスに、式「Con(IsNull("raster-layer-from-step-1"),no-data-replacement-value,"raster-layer-from-step-1")」を入力します。
  5. [出力ラスター] パラメーターで、ラスターを格納するファイルの場所を参照します。
    [ラスター演算 (Raster Calculator)] ツール
  6. [実行] をクリックします。

    [ラスター演算 (Raster Calculator)] ツールが実行され、[出力ラスター] パラメーターに指定された場所に新しいラスター データセットが書き込まれます。

これで、加重オーバーレイ サービスで使用するデータが準備できました。

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このトピックの内容
  1. NoData 値の管理