クラスタリングの構成 (Map Viewer)

多数のポイントを含むレイヤーがマップにある場合は、データから意味のある情報を抽出するようにクラスタリングを使用してデータを集約できます。 クラスタリングを有効にすると、Map Viewer で、マップ上の一定の相互距離内にあるポイント フィーチャが 1 つのシンボルにグループ化されます。 クラスタリングを使用すると、レイヤー内で数百または数千のポイントが重なり合っている場合に視覚化しにくいデータ内のパターンを表示することができます。

レイヤーがカテゴリ別にスタイル設定されている場合、クラスターは各クラスターにおける主要カテゴリを表示します。 また、パイ チャートのクラスターを選択して、各クラスター内のカテゴリの割合を表示することもできます。

ヒント:

クラスタリングを高密度なデータセットに適用する際の推奨事項については、「高密度なデータの視覚化に関するベスト プラクティス」をご参照ください。

クラスターは、各クラスター内のポイント フィーチャの数に基づいて比例を維持したままサイズ設定されたシンボルで表されます。 小さいクラスター シンボルはポイントが少ないことを示し、大きいクラスター シンボルはポイントが多いことを示します。 クラスター シンボルに適用されたサイズ範囲を調整することができます。 クラスタリングの例をご参照ください。

クラスタリングは複数の縮尺で動的に適用されます。つまり、縮小表示するにつれて、グループごとに集約されるポイント数が増えてグループの数が減少し、拡大表示するにつれて、クラスター グループの数が増加します。 画面表示をさらに拡大し、あるポイント フィーチャを中心とする一定距離の範囲 (クラスタリング領域) 内に他のフィーチャが含まれなくなると、そのポイント フィーチャは、クラスタリングされることはなく、レイヤーに適用されたスタイル設定オプションを使用して単一のポイント フィーチャとして表示されます。 クラスターの半径を設定して、クラスター別にグループ化されるポイント フィーチャの数を調整できます。

チャート以外のクラスターは、デフォルト ラベルでマップに表示されます。 すべてのクラスター タイプに、マップ上でクラスターをクリックしたときに表示されるデフォルトのポップアップがあります。 クラスター ポップアップとクラスター ラベルはカスタマイズできます。

クラスタリングの有効化

ポイント レイヤーに対してクラスタリングを有効にすると、デフォルト構成でクラスターが自動的にマップ上に表示されます。 クラスター設定に変更を加えると、その変更内容がすぐにマップ上に表示されます。 これにより、クラスターの半径と他の設定を試しながら、マップの外観とメッセージを希望どおりにすることができます。

ポイント レイヤーでクラスタリングを有効にするには、次の手順を実行します。

  1. サイン インしていることを確認します。変更を保存する場合は、コンテンツを作成する権限を持っていることを確認します。

    注意:
    マップの探索やレイヤーの構成など、さまざまな操作をサイン インせずに行えます。 作業内容を保存するには、マップを作成する前にサイン インします。

  2. Map Viewer で、レイヤーを含むマップを開くか、直接レイヤーを追加します。
  3. [コンテンツ] (暗い背景の) ツールバーの [レイヤー] レイヤー をクリックします。
  4. [レイヤー] ウィンドウで、クラスタリングを有効にするレイヤーを選択します。
  5. [設定] (明るい背景の) ツールバーの [集約] 集約 をクリックします。
  6. [集約] ウィンドウで、[集約の有効化] 切り替えボタンをオンにします。
  7. 次のどちらかを選択します。
    • [クラスタリング] - ポイントをクラスターに集約し、1 つのシンボルとして表示します。
    • [クラスタリング (チャート)] - 分類されたポイントをパイ チャートのクラスター シンボルに集約します。
      注意:

      チャートのクラスタリングは、レイヤーが分類を使用して種類 (個別値シンボル)タイプとサイズ数と量 (色) でスタイル設定されている場合のみ使用できます。

  8. クラスターの表示設定を変更するには、選択したクラスタリング スタイルで、[オプション] をクリックし、次のいずれかを実行します。
    • [クラスタリング] で、必要に応じて [クラスター シンボルをオーバーライド] 切り替えボタンをオンにします。

      クラスターは、レイヤーに構成したスタイル オプションを継承します。 [クラスター シンボルをオーバーライド] 切り替えボタンをオンにすると、クラスターを個別にスタイル設定することができます。 クラスター シンボルをオーバーライドすると、同じレイヤーでクラスタリングされていないフィーチャとクラスターを区別しやすくなります。 シンボル スタイルの変更の詳細については、「スタイル オプションの使用」をご参照ください。

    • [クラスタリング (チャート)] で、[形状] スライダーを調整し、チャートの表示設定をパイからドーナツに変更します。
    • [クラスターの半径] スライダーを調整し、クラスター別にグループ化されるフィーチャの数を変更します。 クラスターの半径を短くすると、クラスター別にグループ化されるフィーチャの数が少なくなります。 クラスターの半径を長くすると、クラスター別にグループ化されるフィーチャの数が多くなります。
    • [サイズ範囲] スライダーを調整して、クラスター サイズを最小または最大に設定します。
    • 縮尺の閾値を選択するには、[縮尺の閾値] スライダーを調整するか、スライダーの下のドロップダウン メニューをクリックします。 縮尺の閾値が設定され、その値よりも大きく拡大すると、マップにはクラスター化されていないフィーチャが描画されます。
    • クラスターで使用するフィールドを追加および編集します。
    • クラスター ラベルをカスタマイズします。
    • クラスター ポップアップをカスタマイズします。
  9. 終了したら、[集約] ウィンドウを閉じます。

クラスター フィールドの構成

クラスタリングを有効にすると、1 つ以上のデフォルト フィールドを使用してクラスターが作成されます。 これらのフィールドを編集したり、ラベルおよびポップアップで使用する新しい要約統計フィールドを追加したり、書式設定を変更したりすることができます。 たとえば、数値フィールドに表示される小数点以下の桁数を変更できます。

クラスター フィールドを構成するには、次の手順を実行します。

  1. 上記の「クラスタリングの有効化」セクションに記載された手順を実行します。
  2. [クラスタリング] ウィンドウで、[クラスター フィールド] をクリックします。
  3. 必要に応じて、デフォルト フィールドを展開し、プロパティを指定します。
    • テキスト ボックスにフィールド エイリアスを入力します。
    • デフォルト フィールドが数値の場合、[書式設定] の下にある [桁区切り記号を表示] 切り替えボタンのオン/オフを切り替えます。
  4. 新しいフィールドを追加するには、次の手順を実行します。
    1. [フィールドの追加] をクリックします。

      フィールド構成オプションが表示されます。

    2. ドロップダウン メニューからデータ フィールドを選択します。
    3. ドロップダウン メニューから統計の種類を選択します。
    4. 必要に応じて、テキスト ボックスにフィールド エイリアスを入力します。
    5. [書式設定] の下で、ドロップダウン メニューから小数点以下表示桁数を選択し、[桁区切り記号を表示] 切り替えボタンのオン/オフを切り替えます。
  5. フィールドを削除するには、[オプション] オプション をクリックして [削除] を選択します。

    注意:
    クラスターの作成に使用されたデフォルト フィールド (例: パイ チャート クラスターのカウントと主要値) は削除できません。

構成したフィールドは、ラベルおよびポップアップで使用できます。 書式設定の変更は、現在クラスターに使用されているフィールドに自動的に適用されます。

クラスター ラベルの構成

クラスターにラベルを付ける操作は、レイヤー内の個々のフィーチャにラベルを付ける操作に似ています。 フォント、テキスト サイズ、配置など、ラベルのスタイルを調整します。 各クラスター内のフィーチャの数を表示してラベルを単純なものにしておくか、レイヤーが属性でスタイル設定されている場合は、その属性をクラスター ラベルに使用することができます。 たとえば、レイヤーにパーセルが平方フィート当たりの値で表示されている場合は、各クラスター内のすべてのポイントの平方フィート当たりの平均値を表示するようにクラスター ラベルを構成できます。 Map Viewer では、ラベル フィルターを使用して、フィルター条件を満たしたクラスターにだけラベルを表示することもできます。

ラベル クラスを使用すると、クラスター ラベルをさらにカスタマイズできます。 たとえば、ラベル クラスを使用すると、2 つの属性 (地震の平均マグニチュードと地震の回数など) に基づいて各クラスターにラベルを付けることができます。この場合は、属性ごとに異なるラベル スタイルを使用します。 クラスターのラベル クラスは、フィーチャのラベル クラスと同じ方法で構成します。

注意:

レイヤーのフィーチャ ラベルが有効になっている場合は、クラスタリングされていないポイント フィーチャにフィーチャ ラベルが表示されます。

クラスター ラベルを構成するには、次の手順を実行します。

  1. 上記の「クラスタリングの有効化」セクションに記載された手順を実行します。
  2. [クラスタリング] ウィンドウで、[クラスター ラベル] をクリックします。
  3. [フィーチャのラベル作成] ウィンドウで、[ラベルの有効化] 切り替えボタンをオンにします。
  4. [ラベル クラスの追加] をクリックしてラベル クラスを構成し、クラスごとにオプションを指定します。
    注意:

    ラベル構成の詳細については、「ラベルの構成」をご参照ください。

    • [ラベル フィールド] セレクターをクリックし、ラベルに別のフィールドを選択して [置換] をクリックします。

      デフォルトのラベル フィールドは、クラスター内のフィーチャの数です。 レイヤーが属性でスタイル設定されている場合は、その属性をラベルに使用することができます。 別のサマリー統計をラベルに使用する場合、クラスター フィールドを追加します。

      ヒント:

      属性フィールドの代わりに、Arcade で記述したカスタム属性式を使用できます。 [式の使用] 式の使用 をクリックし、エディター ウィンドウを使用して式を作成します。

      また、既存の式を使用して新しい式を作成することもできますが、一部の変数がすべてのプロファイルで有効ではない場合があります。たとえば、ポップアップ用に作成された式はスタイルに使用できないことがあります。 既存の式を使用するには、エディター ウィンドウの [既存の式][候補] 候補 タブから式を選択します。

    • [ラベル フィルターの編集] をクリックし、[式の追加] をクリックして、クラスターのサブセットにのみラベルを表示するようフィルターを設定します。 詳細については、「フィルターの適用」をご参照ください。
    • [ラベル スタイルの編集] をクリックします。 [ラベル スタイル] ウィンドウで、フォント、テキストのサイズと色、配置、オフセット、ハロー効果など、ラベル スタイル オプションを変更します。
    • [表示可能な範囲] スライダーを調整して、クラスター ラベルの表示範囲を変更します。

クラスター ポップアップの構成

マップ上のクラスターをクリックすると、クラスター ポップアップが表示されます。 クラスター ポップアップに表示される情報は、レイヤーに適用されているスタイルによって異なります。 たとえば、[主要カテゴリ] スタイルが適用されている場合、デフォルトのクラスター ポップアップには各クラスターの主要属性の値が含まれます。 ユーザーのニーズに合わせてクラスター ポップアップをカスタマイズできます。

注意:

レイヤーのフィーチャ ポップアップが有効になっている場合は、クラスタリングされていないポイント フィーチャをクリックすると、フィーチャ ポップアップが表示されます。

クラスター ポップアップを構成するには、次の手順を実行します。

  1. 上記の「クラスタリングの有効化」セクションに記載された手順を実行します。
  2. [クラスタリング] ウィンドウで、[クラスター ポップアップ] をクリックします。
  3. [ポップアップ] ウィンドウで、次のいずれかを実行して、クラスター ポップアップをカスタマイズします。
    注意:

    ポップアップ構成の詳細については、「ポップアップの構成」をご参照ください。

    • 必要に応じて、[属性式] をクリックして、クラスターのポップアップで使用する Arcadeを作成および変更します。
    • [タイトル] セクションを展開して、ポップアップのタイトルを入力します。 静的テキストを入力し、[フィールド選択] フィールドの追加 をクリックして、データから属性フィールドを選択することができます。
    • [テキスト] コンテンツ ブロックをクリックしてから、該当するクラスター ポップアップ テキストをクリックします。 デフォルト コンテンツを変更して、[OK] をクリックします。
    • [コンテンツの追加] をクリックしてから、該当するコンテンツ タイプをクリックし、画像や属性フィールドなど、コンテンツとメディアをクラスター ポップアップに追加します。
    • コンテンツ ブロックをポップアップ内の新しい位置にドラッグして、順序を変更します。
  4. マップ上のクラスターをクリックして、ポップアップを表示します。

    クラスター内の個別のフィーチャについて詳細情報を確認するには、ポップアップの [フィーチャの参照] をクリックし、左右の矢印をクリックして、各フィーチャの情報間をスクロールします。 クラスターのサマリー情報に戻るには、矢印の間のレコード数をクリックします。

    ヒント:

    ポップアップの [ドッキング] ドッキング をクリックすると、ポップアップの表示をマップ上部に固定できます。 [ドッキング解除] ドッキング解除 をクリックすると、ポップアップは関連するクラスターのそばに表示されます。

検討事項

次の点に注意してください。

  • クラスタリングは、ホスト ポイント フィーチャ レイヤー、改ページに対応している ArcGIS Server 10.3.1 以降のポイント フィーチャ レイヤー、CSV レイヤー、およびフィーチャ コレクションでサポートされています。
  • クラスタリングは、マルチポイント フィーチャ レイヤーではサポートされていません。
  • クラスタリングが有効化されているレイヤーでは、[ヒート マップ] スタイルはサポートされません。
  • ホスト フィーチャ レイヤーからのホスト タイル レイヤーの公開は、クラスタリングが有効なレイヤーではサポートされていません。
  • 編集セッション中およびフィーチャ効果の使用時は、クラスタリングを使用できません。
  • [クラスター シンボルをオーバーライド] は、[クラスタリング (チャート)] スタイルでは使用できません。 クラスタリングされていないフィーチャはチャートとしてシンボル表示されます。
  • [クラスタリング (チャート)] は、1 チャートあたり最大 10 スライスをサポートします。 クラスター内に 10 個以上のカテゴリが存在する場合、上位 9 個のカテゴリがチャートに表示され、その他すべての値は [その他] にグループ化されます。