ArcGIS Urban の解析ツールでは、プランナーが提案された開発の空間的影響と規制上の影響を定量化することにより、情報に基づいた、データ ドリブンな、透明性のある意思決定を行えます。 区画の適地の評価、日照の可視化、早期設計段階における緑地の割合の計算などのサイト プランまたは開発シナリオの影響を評価することは、都市計画の重要かつ基本的な部分です。
データ ドリブンな計画と意思決定を支援するために ArcGIS Urban でユーザーが使用できる包括的解析ツールの概要を説明します。
指標
たとえば、指標によって、異なる開発シナリオの住宅密度または緑地の排水容量を比較して、計画の意思決定の影響を評価するためのデータ ドリブンな基盤が確保されます。
注意:
指標の詳細については、「ダッシュボードの構成」をご参照ください。
適地
適地解析により、たとえば老朽化が進んでいる建物の集合がある、洪水帯外のサイトをハイライトして、開発に最適な区画を特定しやすくなります。
適地解析ツールでは、区画もしくはゾーニングの属性、または適地スコア計算用に複数の重みを定義するための外部レイヤーからのデータに基づき、カスタム基準を使用できます。
注意:
適地解析の詳細については、「区画の適合性の評価」をご参照ください。
影
影解析は、たとえば日照に関する規制への準拠を保証したり、公共スペースへの影響を最小限に抑えたりして、提案された建物が日照にどのように影響するかを明らかにすることにより、情報に基づく設計を支援します。
影解析を使用することで、特定日付の特定時間範囲について、マップ内で影の累積を表示できます。 ゾーニングの法則に準拠したり、特定のエリアの影の合計時間を計算したり、提案した建物の不連続な影のパネルを確認したりするには、閾値を超えるエリアを解析します。
注意:
影解析の詳細については、「影」をご参照ください。
可視領域
可視領域解析では、たとえばビューイング コリドーを維持したり、公共スペースからのランドマークの可視性を確保したりして、どのエリアが主要な観測点に視覚的に接続されるかを特定することにより、空間計画を強化できます。
可視領域の解析では、指定した観測位置から見える範囲を特定できます。 この解析では、地表やシーンを遮る障害物などの要因を考慮し、観測ポイントから見える範囲を計算します。
注意:
可視領域解析の詳細については、「可視領域」をご参照ください。
見通し解析
見通し解析では、たとえば提案されたバルコニーからランドマークまで障害物がない眺望が確保されているかを検証したり、建物間でのプライバシーへの影響を評価したりして、特定の地点間の詳細な可視性確認を行えます。
見通し解析を使用して、1 つの観測ポイントから 1 つ以上のターゲット ポイントまでの可視性を解析できます。 視界を妨げるものが存在しなければ、観測ポイントとターゲット ポイント間の線が緑で表示されます。 何らかのオブジェクトが見通しを遮っている場合は、視認できない部分が赤く表示されます。
注意:
見通し解析の詳細については、「見通し線」をご参照ください。
標高断面
標高断面では、たとえばある道路を通過する断面を作成して、傾斜角、縁石の高さ、歩行者または自転車にとってのアクセシビリティーを評価して、ある経路における標高の変化を可視化することにより、テレインを意識した計画を行えます。
ラインを描画して、シーンの標高断面を生成できます。 対話型ダイアグラムを使用して、解析の結果を確認できます。
注意:
標高断面解析の詳細については、「標高断面」をご参照ください。
インジケーター
インジケーターにより、たとえば洪水シミュレーション レイヤーを統合して、気候レジリエンスを評価し、開発を高リスク ゾーンから離れた場所に導くことで、外部解析を計画コンテキストに取り込めます。
たとえば、ArcGIS Pro または Scene Viewer を使用して、計画と意思決定のための追加コンテキストを提供することで、ArcGIS Urban 外で作成された GIS レイヤーとチャートを可視化するためのインジケーターを追加できます。
注意:
インジケーターの詳細については、「インジケーター」をご参照ください。
解析ツールへのアクセス
ArcGIS Urban では、さまざまなワークフローに対応した解析ツールを使用できます。 各種ツールをどこで使用できるかを理解するため、次の表をご参照ください。
解析ツール | 概要 | プラン | プロジェクト |
---|---|---|---|
指標* | ![]() | ![]() | |
適地 | ![]() | ||
影** | ![]() | ![]() | ![]() |
可視領域** | ![]() | ![]() | ![]() |
見通し線** | ![]() | ![]() | ![]() |
標高断面** | ![]() | ![]() | ![]() |
インジケーター | ![]() |
* プロジェクト内の指標は、プラン内の指標とは異なります。 この違いの詳細については、「ダッシュボードの構成」をご参照ください。
** 概要内の解析結果は保持されません。