適合性解析の操作

適合性解析を使用し、さらに開発を行うのに適した区画を特定し、選択できます。 たとえば、住宅、学校、広場に適した場所を見つけることができます。 各区画の適合性は、その区画の特性、つまり条件に基づいて評価されます。 条件となり得るのは、基本的なゾーニング タイプ、建物の最大高さ、その区画の既存の建物の築年数などの特性です。 設定済みの区画およびゾーニング プロパティを使用したり、条件として外部レイヤーをカスタマイズしたりできます。 各条件の元の値を共通の評価値に再分類し、各条件に重み付けすることにより、加重合計を使用して適合性スコアが算出されます。 計算後、マップ上で適切な区画を特定して選択します。

区画の適合性を評価する場合の 5 つの主な手順は次のとおりです。

  1. 適合性解析を作成します。
  2. 条件データを追加します。
  3. 各条件の元の値を、0 ~ 10 の共通の適合性スケール (0 は不適切、10 は最適) に再分類します。
  4. 条件を相互に相対的に重み付けし、それらの条件を組み合わせて、分析範囲内にある各区画の適合性スコアを計算します。
  5. 適切な区画を選択します。

注意:
  • 適合性解析は、プランでのみ使用できます。
  • Urban の 2025 年 11 月リリース以前で作成された適合性モデルは、解析モードを初めて開いたときに自動的に移行されます。

プランの適合性解析の操作

プランでは、適合性解析は解析モードで使用でき、その場合、結果が保持されます。 解析モードへのアクセス方法の詳細については、「プランの解析」をご参照ください。

適合性解析を構成するには、次の手順に従います:

  1. 解析モードを開きます。
  2. 構成したい適合性解析を解析のリストから選択するか、適合性解析を作成します。

    解析の構成パネルが表示されます。

  3. 解析の名前と説明を入力します。
  4. 適合性条件を構成します。 次のオプションから選択します。
  5. 適合性条件を重み付けします。 詳細については、後述の「条件の加重」セクションをご参照ください。
  6. 適合性解析を実行します。 詳細については、後述の「解析の実行」セクションをご参照ください。
  7. 適切な区画を選択します。 詳細については、後述の「結果の調査と適切な区画の選択」セクションをご参照ください。

条件の追加

ソースに応じて 3 種類の条件があります。

  • 区画 - 区画の面積など、設定済みの区画プロパティを含む
  • ゾーニング - ゾーニング タイプや許可される建物の高さなど、設定済みのゾーニング プロパティを含む
  • 外部レイヤー - ソースとして、外部フィーチャ レイヤーを選択する

区画またはゾーニング プロパティからの条件追加

区画またはゾーニング プロパティから条件を追加するには、次の手順を実行します。

  1. 解析モードを開きます。
  2. 構成したい適合性解析を解析のリストから選択するか、適合性解析を作成します。
  3. サイド パネルの [条件の追加] ボタンをクリックします。

    [条件] パネルが表示されます。

  4. 条件の名前を指定します。
  5. ソースとして [区画] または [ゾーニング] を選択します。

    ドロップダウン リストを含む [フィールド] セクションが表示されます。

  6. ドロップダウン リストから、使用するフィールドを選択します。
  7. 条件を再分類します。 詳細については、後述の「条件の再分類」をご参照ください。

外部レイヤーからの条件追加

外部レイヤーのプロパティから条件を追加するには、次の手順を実行します。

  1. 解析モードを開きます。
  2. 構成したい適合性解析を解析のリストから選択するか、適合性解析を作成します。
  3. サイド パネルの [条件の追加] ボタンをクリックします。

    [条件] パネルが表示されます。

  4. 条件の名前を指定します。
  5. ソースとして [外部レイヤー] を選択します。

    [外部レイヤー] セクションが表示されます。

  6. [アイテムの選択] ボタン 編集ボタン をクリックして、[外部レイヤーの選択] ダイアログ ボックスを開きます。
  7. 使用するレイヤーを選択して [選択] をクリックします。
  8. [サブレイヤー] ステップで、サブレイヤーを選択し、[選択] をクリックして続行します。

    ポリゴン、ポリライン、ポイント フィーチャ サブレイヤーを選択することができます。

    追加のオプションが有効になり、ポータル アイテム ピッカーの下に表示されます。

  9. [フィールド] ドロップダウン リストから、使用するフィールドを選択します。
  10. 外部フィーチャを区画に空間的に結合するために使用する方法を [交差] オプションから選択します:
    • [区画] - 外部フィーチャが土地区画ジオメトリーと交差する場合、それらのフィーチャが結合されます。
    • [区画の重心] - 外部フィーチャが区画の重心と交差する場合、それらのフィーチャが結合されます。

    ポリライン レイヤー タイプおよびポイント レイヤー タイプの [区画] のみを選択できます。

  11. 複数のフィーチャが区画と交差している場合は、複数のレコードを結合するために使用する方法を選択します。
    • [すべて] - 任意のフィーチャが選択されます。
    • [平均] - 値が平均化されます。
    • [最大] - 最大値が選択されます。
    • [最小] - 最小値が選択されます。
    • [合計] - 値が集計されます。

    ソース フィールドにテキストが含まれている場合は、[すべて] のみを選択できます。

  12. 条件を再分類します。 詳細については、後述の「条件の再分類」をご参照ください。
注意:

次の点に注意してください。

  • プランが他のユーザーと共有されている場合は、適合性解析で使用されているレイヤーを共有していることを確認してください。 ArcGIS Online でこれを行うことができます。 ラベルでアクセスできないレイヤー (共有されていないか削除された) を含む条件がハイライト表示され、分析から除外されます。
  • ArcGIS Online 上のフィーチャ レイヤーへのリンクをクリックしたり、[条件] パネルの他のソース設定を表示したりすることができます。

条件の再分類

元の条件値を、0 ~ 10 の共通の適合性スケールに再分類する必要があります。 再分類は、ソース値のタイプによって異なります。

  • 数値 - 値は、数値間隔に基づいて再分類されます。
  • 不連続値 - 値は個別に再分類されます。

元の条件値は、適合性ツールの [条件の編集] セクションで再分類できます。 または、再分類することなく外部レイヤーの数値を使用することもできます。 この場合、値はスコアとして直接使用されます。

数値条件の再分類

数値は、間隔に基づいて再分類されます。 間隔内のすべてのソース値が再分類されます。 範囲の開始値は含まれますが、範囲の終了値は含まれません (開始値 ≤ ソース値 < 終了値)。 たとえば、0 から始まって 100 で終わる範囲の場合、0 は再分類されますが、100 は再分類されません。

数値条件を再分類するには、次の手順を実行します。

  1. 解析モードを開きます。
  2. 構成したい適合性解析を解析のリストから選択するか、適合性解析を作成します。

    条件リストが表示されます。 リストが空の場合は、条件の追加方法について、上記の「条件の追加」セクションをご参照ください。

  3. 数値のソース値を含む条件の名前をクリックします。

    [条件] パネルが表示されます。 または、条件の追加後は、[条件] パネルが自動的に表示されます。

  4. 外部レイヤーを使用している場合は、[再分類] オプションを有効にします。
  5. [間隔] セクションで [間隔の追加] ボタンをクリックし、間隔を追加します。
  6. 間隔の開始値と終了値を指定します。

    間隔の開始値を設定すると、先行する間隔の終了値に同じ値が自動的に設定されます。

  7. 間隔内に含まれるソース値を再分類するには、次のいずれかを実行します。
    • 間隔内に含まれるすべてのソース値を割り当てる (最も一般的) - 0 から 10 までの間のスコアを入力し、間隔チェックボックスをオンにします。 このスコアは、複数の条件を結合する際の加重合計で使用されます。
    • 間隔内に含まれるソース値を持つ区画を常に不適切と判定する - 間隔チェックボックスをオフにします。 一致する値を持つ区画は、加重合計の他の条件を無視し、常に最終スコアとして 0 が割り当てられます。 この場合、[スコア] の値は無視されます。 この設定を使用して、制限されたエリアを解析対象から除外できます。
  8. 必要に応じて、次のいずれかを実行して、さらに間隔を追加します。
    • 最後尾に間隔を追加する - 間隔リストの最後にある [間隔の追加] ボタンをクリックします。
    • 既存の間隔の上に間隔を追加する - 間隔の右側の [オプション] ボタン 間隔の編集 をクリックし、[上に追加] をクリックします。
    • 既存の間隔の下に間隔を追加する - 間隔の右側の [オプション] ボタン 間隔の編集 をクリックし、[下に追加] をクリックします。
  9. 必要に応じて、[値または交差なし] 行で、ソース値が NULL の区画や、交差するソース フィーチャがない区画を再分類します。
注意:

次の点に注意してください。

  • 間隔を削除するには、該当する間隔の右側の [オプション] ボタン 間隔の編集 をクリックし、[削除] をクリックします。
  • 開始と終了の値が同じ間隔を使用することはできません。 終了値は、開始値より高い必要があります。
  • 間隔外の値を持つ区画には、他の条件に関係なく、適合性スコアが割り当てられません。 これを回避するには、間隔にすべてのソース値が含まれるようにします。
  • 交点を含まない区画、またはソース値が NULL の区画には適合性スコアが割り当てられません。 これを回避するには、ソースとして [値または交差なし] を追加し、スコアを割り当てます (上記参照)。

連続しない条件の再分類

不連続の値を持つ条件の場合、値は個別に再分類されます。 このプロセスでは、1 つのソース値が 1 つのスコアに割り当てられます。

不連続の条件値を再分類するには、次の手順を実行します。

  1. 解析モードを開きます。
  2. 構成したい適合性解析を解析のリストから選択するか、適合性解析を作成します。

    条件リストが表示されます。 リストが空の場合は、条件の追加方法について、上記の「条件の追加」セクションをご参照ください。

  3. 不連続のソース値を含む条件の名前をクリックします。

    [条件] パネルが表示されます。 条件を追加した直後であれば、[条件] パネルが自動的に表示されます。

  4. [値] セクションで、[値の追加] ボタンをクリックし、値を追加します。

    すべてのソース値を含むドロップダウン リストが表示されます。

  5. ドロップダウン リストから、使用する値を選択します。
  6. 次のいずれかを実行して、ソース値を再分類します。
    • ソース値にスコアを割り当てる (最も一般的) - 0 から 10 までの間のスコアを入力し、値チェックボックスをオンにします。 このスコアは、複数の条件を結合する際の加重合計で使用されます。
    • 一致する値を持つ区画を常に不適切と判定する - 値チェックボックスをオフにします。 一致する値を持つ区画は、加重合計の他の条件を無視し、常に最終スコアとして 0 が割り当てられます。 この場合、[スコア] の値は無視されます。 この設定を使用して、制限されたエリアを解析対象から除外できます。
  7. 必要に応じて、次のいずれかの手順を実行してさらに間隔を追加します。
    • 最後尾に値を追加する - 値のリストの最後にある [値の追加] ボタンをクリックします。
    • 既存の値の上に値を追加する - 値の右側の [オプション] ボタン 間隔の編集 をクリックし、[上に追加] をクリックします。
    • 既存の値の下に値を追加する - 値の右側の [オプション] ボタン 間隔の編集 をクリックし、[下に追加] をクリックします。
  8. 必要に応じて、ソース値が NULL の区画や、交差するソース フィーチャがない区画を再分類します。 値を追加し、ドロップダウン リストから [値または交差なし] を選択して、スコアを割り当てます。
注意:

  • 値を削除するには、値の右側の [オプション] ボタン 間隔の編集 をクリックして [削除] をクリックします。
  • 再分類されていない値を持つ区画には、他の条件に関係なく、適合性スコアが割り当てられません。 これを回避するには、すべてのソース値が再分類リストに追加されるようにします。
  • 交点を含まない区画、またはソース値が NULL の区画には適合性スコアが割り当てられません。 これを回避するには、ソースとして [値または交差なし] を追加し、スコアを割り当てます (上記参照)。

再分類せずに外部レイヤーを使用

再分類することなく外部レイヤーの条件値を使用できます。 これは、適合性スコアを別のアプリケーションで計算した場合に便利です。 手順は次のとおりです。

注意:

次の点に注意してください。

  • このスコアは数値フィールドに格納する必要があります。
  • フィールド値は 0 ~ 10 の間でクリップされます。 値がこの範囲内に収まっているか、-1 (以下を参照) に設定されていることを確認してください。
  • 値が -1 の場合、その区画が分析から除外されます。

  1. 解析モードを開きます。
  2. 構成したい適合性解析を解析のリストから選択するか、適合性解析を作成します。

    条件リストが表示されます。 リストが空の場合は、条件の追加方法について、上記の「条件の追加」セクションをご参照ください。

  3. 数値のソース値を含む条件の名前をクリックします。

    [条件] パネルが表示されます。 条件を追加した直後であれば、[条件] パネルが自動的に表示されます。

  4. [再分類] オプションを無効にします。

条件の削除

条件を削除するには、次の手順を実行します。

  1. 解析モードを開きます。
  2. 解析リストから構成する適合性解析を選択します。

    条件リストが表示されます。

  3. 削除する条件の名前をクリックします。

    [条件] パネルが表示されます。

  4. [削除] ボタン 削除 をクリックします。

    条件が削除されます。

条件の加重

加重合計により、複数の条件が結合されます。 条件を相互に相対的に重み付けし、重要度の違いを反映することができます。 重みには、0 以上の値を使用できます。 重みは計算プロセス中に正規化されます。 正規化された重みは、条件リストのパーセンテージ値に反映され、合計は常に 100 パーセントになります。 各区画の累積適合性スコアは 0 ~ 10 の間です。

条件に重み付けするには、次の手順を実行します。

  1. 解析モードを開きます。
  2. 解析リストから構成する適合性解析を選択します。

    条件リストが表示されます。

  3. [重み付け] フィールドの値を変更します。 変更に応じて、相対加重 ([%]) が自動的に変更されます。

    ある条件の重みを変更すると、他のすべての条件に対して相対的に重要度が調整されます。 変更は、他のすべての条件のパーセンテージ値の変更に反映されます。

  4. 必要に応じて、条件名の横のチェックボックスをオフにして、計算から条件を除外します。

    チェックボックスがオフの条件は、計算に使用されません。 このオプションは、最終的な結果に対する特定条件の影響をすばやくテストするのに便利です。

分析の実行

適合性解析は、解析のリストから直接実行することも、解析の構成パネルで実行することもできます。 これにより、分析範囲内の各区画の適合性スコアが計算されます。 解析の実行中もプランの編集を継続でき、複数の適合性解析を同時に行えます。

解析のリストで、各適合性解析のステータスを確認できます:

  • [実行中] - 解析が実行中です。 解析をクリックすると、進行状況を確認できます。
  • [保留中] - 解析は保留中です。 前の解析が終了したら実行されます。
  • [完了] - 解析は完了しています。 解析をクリックすると、その結果を調査し、実行にかかった時間を確認できます。
  • [最新でない] - 解析は完了していますが最新ではありません。 これは、たとえば、区画が編集した場合に可能になります。 解析をもう一度実行し、正確な結果を表示します。
  • [失敗] - 解析が失敗しました。 理由を確認するには、解析をクリックします。

注意:
シナリオ スイッチャーを使用して、さまざまなシナリオの適合性結果を比較できます。 各シナリオの解析を個別に実行する必要があります。

解析のリストから解析を実行

解析のリストから解析を実行するには、次の手順を実行します:

  1. 解析モードを開きます。
  2. シナリオ スイッチャーを使用して、スコアを計算するシナリオを選択します。
  3. 適合性スコアを計算する適合性解析の解析のリストで、[実行] をクリックします。

    解析がすでに実行中であるかどうかに応じて、解析のステータスが [実行中] または [保留中] に代わります。

  4. 解析が終了したら、解析をクリックして結果を調査できます。 詳細については、後述の「結果の調査と適切な区画の選択」セクションをご参照ください。
注意:

解析のリストの [キャンセル] をクリックすると、実行中の解析をキャンセルできます。

解析の構成パネルでの解析の実行

解析の構成パネルから解析を実行するには、次の手順を実行します:

  1. 解析モードを開きます。
  2. 解析リストから、スコアを計算する適合性解析を選択します。
  3. シナリオ スイッチャーを使用して、スコアを計算するシナリオを選択します。
  4. 条件のリストの下にある [実行] をクリックします。

    解析の進行状況は、サイド パネルに表示されます。 完了すると、結果がマップに表示されます。 サイド パネルの上部で、解析の実行にかかった時間を確認できます。

  5. 解析が完了したら、その結果を調査できます。 詳細については、後述の「結果の調査と適切な区画の選択」セクションをご参照ください。
注意:

条件のリストの下にある [キャンセル] をクリックすると、実行中の解析をキャンセルできます。

結果の調査と適切な区画の選択

適合性解析が完了すると、その結果を調査し、適合性スコアに基づいて区画を選択できます。 これを行うには、次の手順に従います。

  1. 解析モードを開きます。
  2. 解析リストから、結果を調査する適合性解析を選択します。
    解析のステータスが [完了] であることを確認します。それ以外のステータスの場合は、解析を実行します。 詳細については、上記の「解析の実行」セクションをご参照ください。
  3. マップの区画をクリックし、各区画の適合性スコアを調査します。
    適切な区画が緑色で表示され、不適切な区画が赤色で表示されます。 分析から除外されている区画はグレーで表示されます。 区画をクリックすると、累積スコアと、各条件のスコアと値の詳細な情報を示すポップアップが表示されます。
  4. マップ ビューの青いヘッダーの以下のいずれかのオプションを使用し、適切な区画を選択します:
    • 青色のスライダーを調整します。
    • スライダーの横にある入力フィールドにスコアを設定します。

    定義された閾値と等しいかそれ以上のスコアを持つすべての区画が選択されます。

  5. ヘッダーにある [開発] 開発 をクリックします。

    適合性解析が終了します。 区画は選択されたままの状態です。

注意:

  • 再分類されていない値を持つ区画には、適合性スコアが割り当てられず、色が付けられなせん。 すべての値を再分類して、これを回避してください。 再分類が不完全な条件を区画のポップアップで識別できます。
  • マップ ビューに青いヘッダーが表示されない場合は、適切性スコアは見つからなかったことを意味します。 最初に解析を実行する必要があります。
  • 適合性スコアは、Web シーンにエクスポートすることができます。 詳細については、「シナリオの Web シーンの作成」をご参照ください。