アクセシビリティーのベスト プラクティス

ArcGIS Dashboards では、よりアクセスしやすいダッシュボードを作成するためのさまざまなオプションが用意されていますが、これらの機能をダッシュボードに組み込むかどうかは作成者次第です。 ダッシュボードの設計にアクセシビリティー要件を組み込むことで、より多くのユーザーが、表示された情報を効果的にナビゲート、理解、活用できるようになります。

以下のセクションでは、ダッシュボード作成者が構成する必要があるアクセシビリティー機能について説明します。

ダッシュボードのベスト プラクティス

以下のセクションでは、ダッシュボードのアクセシビリティーのベスト プラクティスを示します。

ダッシュボードのヘッダー

ヘッダー パネルに短い説明的なタイトルを付けることで、ダッシュボードのコンテキストが示されます。また、これはスクリーン リーダーによって最初に読み上げられる内容です。 ヘッダー パネルのタイトルは自動的に Heading 1 (<h1>) としてスタイル設定され、ページ上で唯一の H1 見出しになります。   

注意:

見出しの階層はアクセシビリティーにとって重要です。 H1 はダッシュボードのヘッダー、H2 はエレメントのタイトル、H3 はサブタイトル、段落はキャプションやその他のテキストにそれぞれ使用します。 この階層構造に従うことで、適切なナビゲーションが可能になり、アクセシビリティー規格を満たせるようになります。

テーマ

すべてのダッシュボードのテーマは、色のコントラストの最低要件を満たしています。 明色、暗色、コントラストが強化されたテーマを使用することで、色のコントラストが明確になり、低視力のユーザーにもわかりやすくなります。 

色のコントラスト チェッカー

これは、カスタム テーマ パネルで利用でき、テキストと背景色のコントラストが十分であることを確認するための情報を提供します。 カスタム カラーを選択する場合は、色のコントラスト チェッカーに示される色のコントラスト比を使用して、読みやすさを確認する必要があります。

ダッシュボード エレメントのベスト プラクティス

ダッシュボード エレメントのアクセシビリティーのベスト プラクティスを以下に示します。

エレメント タイトル

各エレメントまたはデータの視覚化には、より適切なコンテキストを提供するために、わかりやすく説明的なタイトルを付ける必要があります。 エレメントのタイトルは、自動的に Heading 2 (H2) としてスタイル設定されます。      

アクセシブル名

エレメントのアクセシブル名プロパティを使用すると、データの視覚化に固有の、短い一意の説明を更新できます。 これにより、補助テクノロジーを使用するユーザーがコンテンツを識別し、スクリーン リーダーが読み上げられるようになります。  

詳細情報

このツールは、エレメント (特にチャート) に説明テキスト、コンテキスト、または情報を提供するために使用できます。 リッチ テキストに対応しているため、作成者は明確でアクセシブルなテキストであることを確認する必要があります。

テーブル

ダッシュボードのニーズに応じ、テーブルにいくつかのアクセシビリティー機能を構成できます。 これらの設定は、ユーザーによるデータの解釈しやすさに影響を与える可能性があるため、作成者は十分に注意を払うことが求められます。

  • テーブル サイズ - サイズをデフォルト ([中]) から [大] に拡大します。  
  • ヘッダー行 - 列ヘッダーを含めて更新し、大文字と小文字や間隔を適切に表示します。  
  • サマリー行 - 集約した値またはグループ化した値を明確化するためにサマリー行を含めます。
  • - 一貫性を保つため、デフォルトのテーマ色とテキストの装飾設定はそのまま維持します。  
  • 高度な書式設定 - 色、画像、全体的なスタイル設定を考慮し、控えめに使用します。 たとえば、行を色分けするなど、視覚のみに頼った情報の表示は避けてください。  

シリアル チャートとパイ チャート

シリアル チャートまたはパイ チャートには、以下のアクセシビリティーの考慮事項があります。

  • テキスト サイズ - 軸タイトルとラベルのテキスト サイズを大きくします。   
  • 色 - まずテーマを選択してから、チャートを作成します。 これにより、デフォルトで使用する色が、カテゴリー間で十分なコントラストがあり、テーマを補完してくれるようになります。  
  • ラベル - 凡例の代わりに、シリーズまたはスライス ラベルを使用します。

マップ

マップには、以下のアクセシビリティーの考慮事項があります。

  • ベースマップ - 多くのベースマップでは豊富な色と複雑な詳細が用いられており、データから注意をそらしてしまう可能性があります。 太字のラベルとハイ コントラストのエレメントを用いて、明確さとアクセシビリティーを向上します。 マップ設定のベースマップ スイッチャーを有効にすることで、ユーザーが明色のオプションと暗色のオプションを切り替えられるようにします。 逆に、ライト グレーまたはダーク グレーのキャンバスなどのベースマップを選択すると、マップ レイヤーとのコントラストが向上します。
  • フィーチャのスタイル設定 - 色の選択は、色覚障害のあるユーザーがマップ データをどのように解釈するかに影響します。 情報を伝えるために、色だけに頼らないようにしてください。 さまざまなサイズや形状を持つシンボルを使用してデータを表現し、主なフィーチャを強調します。
  • フィルターとレイヤー効果 - レイヤー効果とフィルターを使用して、視覚的な混乱を軽減し、重要な情報に焦点を当てやすくします。 視覚に障害のあるユーザーのアクセシビリティーを妨げる可能性があるため、動きの速いビジュアルや繰り返しの多いパターン、過度に複雑な効果は避けてください。 明るさやコントラストなどのシンプルな調整の方がより効果的で、アクセシビリティーが高い場合があります。
  • キーボード ショートカット - マップのキーボード ショートカットを使用し、マップ内を移動し、操作します。
  • 低モーション - マップの [ズーム] オプションと [画面移動] オプションの使用を制限します。 適切なポイントのズーム縮尺を設定し、描画時間を制限します。

マップのポップアップ

ダッシュボードのニーズに応じ、ポップアップにいくつかのアクセシビリティー機能を構成できます。 これらの設定は、ユーザーによるデータの解釈しやすさに影響を与える可能性があるため、作成者は十分に注意を払うことが求められます。

長々としたフィールド名と値のリストは見づらく、解釈が困難な場合があります。 ポップアップを書式設定すると、閲覧者はフィーチャに関する最も重要な情報にフォーカスできます。

詳細

詳細エレメントは、ポップアップと同じ書式設定を使用するため、大部分はダッシュボードの外部で構成されます。 色、フォント、画像、メディアを選択する際は、アクセシビリティー規格を考慮することが重要です。 長々としたフィールド名と値のリストは見づらく、解釈が困難な場合があります。 ポップアップを書式設定すると、閲覧者はフィーチャに関する最も重要な情報にフォーカスできます。

埋め込みコンテンツ

調査、記事、外部 Web サイトなどのコンテンツを埋め込む場合、作成者はアクセシビリティー規格を満たしていることを確認する必要があります。 これは作成者が制御できないコンテンツなので、キーボード ナビゲーション、色のコントラスト、セマンティック HTML を確認します。 すべての外部コンテンツがアクセス可能または埋め込みに適しているとは限らないので、使用する前に評価する必要があります。

リッチ テキスト

作成者は、リッチ テキストのコンテンツのアクセシビリティーに対して全面的な責任を負います。 明確な言葉づかい、適切な見出し、読みやすい書式設定、アクセス可能なリンクを使用してください。 このコンテンツは完全にカスタマイズ可能なので、すべてのユーザーに対して包括的になるよう、特に注意を払う必要があります。

データのダウンロード

データを .csv ファイルとしてダウンロードできるよう許可することで、アクセスしやすい方法を提供できます。 これにより、未加工の生データにアクセスすることが可能になります。