マップを準備してフォームを構成したら、テストの準備は完了です。現場でマップを自身でテストすることもできますが、マップを幅広いユーザーに共有する前に、モバイル作業者からフィードバックを集めることをお勧めします。マップを使用する予定のユーザーがマップを使用できることを確認します。
テストの内容
現場での使用に備えてマップを配布する前に、マップが想定どおりに動作することを確認します。モバイル デバイスの画面で動作する機能は映り込みや照明の影響を受けるため、オフィスだけでなく屋外でもテストするようにします。以下に注意してください。
- シンボル - 見やすくはっきりとしたシンボルにする必要があります。
- ラベル - 有用な情報が含まれ、必要な箇所に配置されている必要があります。
- 縮尺依存性 - 閾値が適切で、関連情報も同時に表示される必要があります。シンボルとラベルの両方をテストします。
- 整然としたマップ - マップに含まれる対象物および観測データが操作しにくくなるため、煩雑なマップを作成しないようにします。
- 新しい対象物および観測データのテンプレート - 対象物および観測データを追加できる場合、追加できるデータの種類について、モバイル作業者が理解しやすくする必要があります。適切なデフォルト値を設定する必要があります。このマップを操作する際にモバイル作業者が使用しないテンプレートは、すべて削除する必要があります。
- ドメインおよび値 - 想定されるオプションが表示されます。
- 添付ファイル - 想定される場所でサポートされています。構成した写真サイズは、プロジェクトに十分な品質の写真を提供します。
- オフライン - マップを作成してオフライン使用するには、マップをオフラインにして、データの収集および同期を行うようにします。
- 高精度のデータ収集 - マップを作成して高精度の GPS で使用するには、(必要に応じて) GPS メタデータが記録されていること、GPS が提供する位置が正確であること、アプリで必要な精度を設定していることを確認してください。
- フォーム - フィールドの順序、エイリアスの使用、使用されている Arcade 条件式など、フォームで構成した内容をテストします。
- 検索 - 対象物または観測データを作成して検索できる場合に、一部のデータを検索します。検索のヒント テキストに注意し、適切であることを確認します。
テスト ユーザーとのマップの共有
組織内の他のユーザー、特にマップを使用する予定のモバイル作業者からもフィードバックを集めることをお勧めします。Collector で利用できるマップは、ユーザーが保有しているか、自分がメンバーとして所属しているグループ内で共有されている編集可能なデータを含んでいます。テスト ユーザーを含むグループとマップを共有し、Collector でマップにアクセスできるようにします。「ArcGIS Online でのマップのグループとの共有」、または「 ArcGIS Enterprise でのマップのグループとの共有」をご参照ください。
得られたフィードバックに基づいて、テストが反復的なプロセスになる可能性もあります。受信したフィードバックを評価し、必要に応じて更新して、マップを再度テストします。
トラブルシューティング
レイヤーとマップをテストする際、一般的な問題が発生する可能性があります。以下のセクションで修正する方法を説明します。
Collector でマップが使用できない
Collector では、編集可能なレイヤーを含み、自分が所有しているか、自分がメンバーになっているグループに共有されているマップを表示します。Collector でマップが表示されていない場合は、これらの条件が両方とも満たされていることを確認します。グループでなく組織と共有することでユーザーと共有されているマップは表示されません。Collector から除外されたマップも表示されません。
編集可能なデータ
- マップに編集可能なレイヤーが含まれていることを確認します。Map Viewer で開いて編集できることを確認してください。
- マップの作成後にレイヤーが編集可能になった場合は、マップをもう一度保存します。
マップへのアクセス
- マップを作成した場合は、同じ ArcGIS アカウントで Collector にサインインしていることを確認します。
- マップがユーザーと共有されている場合は、ArcGIS 組織サイトと共有されているだけでなく、自分がメンバーになっているグループと共有されていることを確認します。
- ArcGIS Workforce でマップを作成した場合、Collector では利用できません。
Collector で使用可能
マップがデータとアクセスの要件を満たしていて、Collector では表示されないが Web ブラウザーでコンテンツを表示する際には表示される場合は、Collector で使用できるようにしてください。「使用可能なマップ」をご参照ください。
対象物または観測データを追加および更新できない
モバイル作業者による対象物や観測データの追加を妨げる可能性がある問題がいくつかあります。特定のモバイル作業者の権限によるものか、レイヤーまたはマップの設定に関する問題か、Collector の設定によるものである可能性があります。
特定のモバイル作業者のみが対象物を追加または更新できない場合は、ArcGIS 組織サイトのアカウントに [編集] または [フルコントロールによる編集] フィーチャ権限があることを確認します。これらのモバイル作業者がマップを表示する際には [追加] が表示されず、既存の対象物または観測データの詳細を表示する際にも [編集] 、[コピー] 、[削除] 、[ここで収集] は表示されません。
この問題がすべてのモバイル作業者に共通して発生する場合は、レイヤーまたはマップの編集が制限されている可能性があります。ホスト フィーチャ レイヤーの場合、「ArcGIS Online での編集設定の管理」または「ArcGIS Enterprise での編集設定の管理」をご参照ください。ArcGIS Server でホストされているフィーチャ サービスを使用している場合は、「フィーチャ サービスの編集者の権限」をご参照ください。
モバイル作業者が関連レコードを追加できない場合は、レイヤーが属性の更新のみに制限されていないことを確認します。関連テーブルはレイヤーと同じ権限を共有しているため、モバイル作業者が新しい対象物や観測データを追加できないようにすると、新しいレコードも追加できなくなります。モバイル作業者による新しい対象物や観測データの追加、既存の対象物や観測データの変更を防ぎつつ、関連レコードを追加できるようにするには、対象物と観測データのレイヤーで編集を無効にします (テーブル上は有効なままにします)。この作業は「マップの作成」で説明しています。
データ内に関連フィーチャがあり、関連先のフィーチャを示さなければ、モバイル作業者が関連する対象物および観測点を直接キャプチャできない場合には、Collector の [関連するタイプの表示] をオンにします。
添付ファイルを追加できない
モバイル作業者が添付ファイルを追加できない場合は、レイヤーが添付ファイルをサポートするように構成します。レイヤーに対する構成方法は、そのタイミングによって異なります。
- ArcGIS Pro でフィーチャクラスを作成している場合、フィーチャクラスに対して [添付ファイルの有効化 (Enable Attachments)] ツールを実行します。
- レイヤーが ArcGIS Online でホストされている場合、「ArcGIS Online でのホスト フィーチャ レイヤーの添付ファイルの許可」をご参照ください。
- レイヤーが ArcGIS Enterprise でホストされている場合、「ArcGIS Enterprise でのホスト フィーチャ レイヤーの添付ファイルの許可」をご参照ください。
関連レコードにアクセスできない
データに関連レコードが含まれているものの、Collector でアクセスすることができません。関連テーブルでポップアップが有効化されていることを確認します。「ArcGIS Online でのポップアップの有効化と削除」または「ArcGIS Enterprise でのポップアップの有効化と削除」をご参照ください。