Arcade アシスタント (ベータ版) の使用

Arcade アシスタント (ベータ版) は、人工知能 (AI) を使用し、自然言語で入力された指示から ArcGIS Arcade 式を生成します。

Arcade を使用すると、カスタムのデータ駆動型コンテンツを、レイヤーのスタイル設定、ポップアップの構成、ラベルの構成などのさまざまなマッピング コンテキストで作成できます。 たとえば、Arcade を使用して、定義したデータ値と閾値に基づいてレイヤー内の既存のフィールドから新しい情報を動的に表示することができます。 その他のコーディング言語と同様に、Arcade 式での書き込みとエラーの診断には時間がかかる場合があります。 Arcade アシスタント (ベータ版) は、ユーザーがコードを記述する必要なく式または式の一部を生成することで、このプロセスの効率化に役立ちます。

注意:

クレジットの消費、セキュリティーとプライバシー、制限事項、バイアスなど、アシスタントの詳細については、「Arcade アシスタント (ベータ版)」をご参照ください。

アシスタントの使用

Arcade アシスタント (ベータ版) は、自然言語を使用して Arcade コードを生成します。 最適な結果を得るには、明確で平易な言語を使用し、受け取った回答を反復処理します。

注意:

アシスタントは ArcGIS Online 組織レベルで管理され、管理者が無効にすることができます。

アシスタントを使用するには、次の手順を実行します。

  1. 組織サイトにサイン インしていることを確認します。
  2. アプリ ランチャー アプリ ランチャー をクリックして Map Viewer を選択します。 開いている新しいマップを使用してマップにレイヤーを追加するか、既存のマップを開きます
  3. [スタイル][ポップアップ]、または [フィーチャのラベル作成] ウィンドウから属性式エディター ウィンドウを開きます。
    注意:

    式を使用したレイヤーのスタイル設定の詳細については、「スタイルの適用」をご参照ください。 式を使用してポップアップを構成するには、「式の使用」をご参照ください。 式を使用してラベルを構成するには、「ラベルの適用」をご参照ください。

  4. [Arcade アシスタント] Arcade アシスタント をクリックします。

    [Arcade アシスタント] ウィンドウが開きます。

  5. アシスタントを使用するには、次のいずれかを実行します。
    • 候補をクリックして変更し、データに合ったプロンプトを構築します。
    • 優先言語で、プロンプトを入力し、Arcade 式を作成します。
  6. [生成] をクリックして、クエリーを実行します。

    Arcade アシスタント (ベータ版) は、[Arcade アシスタント] ウィンドウに式を示します。

    ヒント:

    [プロファイルのコンテキスト] プロファイルのコンテキスト ボタンにポインターを合わせて、レイヤー構成で提案された式が適用される場所を確認します。 [レイヤーのコンテキスト] レイヤーのコンテキスト ボタンにポインターを合わせて、提案された式の生成に使用されるアシスタントに提供されたレイヤーのメタデータを確認します。

  7. 提案を操作するには、次のいずれかを実行します。
    • [エディターに追加] をクリックして、式の設定ウィンドウに式を追加します。
      ヒント:

      式の設定ウィンドウでコンテンツを追加する場所にカーソルを置きます。 たとえば、式の設定ウィンドウで、カーソルを移動して、既存のコード行の前をクリックします。 [Arcade アシスタント] ウィンドウの [エディターに追加] をクリックすると、提案された式は式の設定ウィンドウのカーソル位置に追加されます。

    • [エディターですべてのコードを置換] エディターですべてのコードを置換 をクリックして、式の設定ウィンドウ内の既存のコンテンツを提案された式に置き換えます。
    • [クリップボードにコードをコピー] クリップボードにコードをコピー をクリックして提案された式をクリップボードにコピーします。
    • プロンプトを調整するには、テキスト エリアの前のプロンプトを編集するか、前のプロンプトをコピーして貼り付け、[調整] をクリックして修正したクエリーを送信します。
    • アシスタントのフィードバックを提供するには、[役立つ] 役立つ または [役立たない] 役立たない ボタンをクリックし、調査を完了します。 フィードバックは、さらなる開発の指針として使用されます。

ベスト プラクティスの理解

Arcade アシスタント (ベータ版) を使用した Arcade 式の生成に役立つガイドラインは次のとおりです。

  • 明確で簡潔なリクエストにします。
  • 曖昧で不明瞭な言語の使用を避けます。
  • 正確なフィールド名の使用は必須ではありませんが、十分な詳細情報を提供することをおすすめします。
ヒント:

ラベルを構成する式を作成する際には、以下を参照して、生産的なプロンプトと非生産的なプロンプトの例をご確認ください。

  • 生産的なプロンプト:「それぞれの郡を去年の小麦の総収穫量でラベリングします。 郡で小麦が産出されなかった場合、ラベルを表示してはなりません。」 このプロンプトは、明確で簡潔かつ実行可能であるため、生産的です。
  • 非生産的なプロンプト:「フィーチャのラベルを選択します。」 アシスタントはフィーチャのラベリング方法を選択しないため、このプロンプトは非生産的です。 アシスタントは、作成者の指示に基づいて式を生成します。 マップ作成者はラベリングが必要なフィーチャとラベリング方法を決定してから、目的を達成するための式を生成するようアシスタントに求める必要があります。

コンテキストの制限事項

Arcade アシスタント (ベータ版) の使用中は、次の制限事項に注意してください。

  • アシスタントはチャットボットではありません。 以前のプロンプトで入力された情報を記憶しません。 以前のプロンプトを調整する際は、初めてアシスタントに質問しているかのように、関連するすべての詳細情報を必ず含めてください。
    ヒント:

    以下を参照して、生産的なプロンプトの順序と非生産的なプロンプトの順序の例をご確認ください。

    • 生産的な連続するプロンプト:
      • 「各行が人口フィールドである HTML テーブルを作成します。」アシスタントはテーブルを作成しますが、書式設定しません。
      • 「各行が人口フィールドである HTML テーブルを作成します。 カンマで数値を書式設定します。」HTML テーブルの作成のコンテキストはフィールドの書式設定を求める追加の詳細情報とともに維持されるため、生産的なプロンプトの順序になります。
    • 非生産的な連続するプロンプト:
      • 「各行が人口フィールドである HTML テーブルを作成します。」
      • 「次にカンマで数値を書式設定します。」ここでは、HTML テーブルの作成のコンテキストが欠落しているため、非生産的なプロンプトの順序になります。

  • アシスタントは、以前に生成された Arcade 式または Arcade エディターや Web マップの既存の式を認識しません。
    ヒント:

    以下を参照して、生産的なプロンプトと非生産的なプロンプトの例をご確認ください。

    • 生産的なプロンプト:「この式 <ここに式を挿入> を単純化します。」アシスタントが式を生成するために十分なテキストをユーザーが提供しているため、このプロンプトは生産的です。
    • 非生産的なプロンプト:「エディター内の式を単純化します。」 アシスタントはエディター内の式を認識しないため、このプロンプトは非生産的です。

  • アシスタントはデータを検索しません。 このため、式を生成しているレイヤー内に存在する特定のデータ値を認識しません。 アシスタントがデータ値に基づいて条件付きのロジックを作成するようにするには、プロンプトでデータ値を提供するか、大規模言語モデルが値を想定できるようにする必要があります。
    ヒント:

    以下を参照して、生産的なプロンプトと非生産的なプロンプトの例をご確認ください。

    • 生産的なプロンプト:「スコアが 100 を超える場合、‘good’ を返します。 75 を超える場合、‘moderate’ を返します。 20 ~ 75 の間の場合、‘bad’ を返します。 20 未満の場合、‘horrible’ を返します。」値が明確で、カテゴリーが定義されているため、このプロンプトは生産的です。
    • 非生産的なプロンプト:「自然分類を使用してスコア フィールドを複数のカテゴリー、‘good’、‘moderate’、‘bad’、‘horrible’ に分割します。」アシスタントは分類する値の範囲が不明のため、このプロンプトは非生産的です。

  • アシスタントを使用して、マップ内の他のレイヤーを検索、参照、またはクエリーすることはできません。 アシスタントが保有する唯一のコンテキストは、式を実行しているレイヤーのフィールド名とエイリアスです。 また、アシスタントはレイヤーに関連付けられた添付ファイルと関連テーブルを認識しません。 このため、FeatureSet 関数を使用した式の生成のサポートが制限されています。 他のレイヤーからデータにアクセスする必要がある場合、どの情報を式に含めるかわかるように、アシスタントにレイヤー タイトルまたはアイテム ID を指定します。 この情報を指定しないと、アシスタントは、生成された式を式の設定ウィンドウに追加するときに手動で置き換える必要があるタイトルまたは ID を生成します。
    ヒント:

    以下を参照して、生産的なプロンプトと非生産的なプロンプトの例をご確認ください。

    • 生産的なプロンプト:「ワシントン州の境界内で発生したインシデントの数を返します。 us_states_2000 レイヤー内の NAME フィールドを使用して、この計算を実行します。」 特定の地理的境界および式の生成時に使用するマップ内のレイヤーを定義しているため、このプロンプトは生産的です。
    • 非生産的なプロンプト:「ワシントンで発生したインシデントの数を返します。」ワシントン州とワシントン D.C. のどちらが必要なのか不明のため、このプロンプトは非生産的です。 さらに、クエリーを実行する際に、マップ内のどのレイヤーを使用すべきかがはっきりしません。