ArcGIS Velocity に関するよくある質問を、以下に示します。 Velocity を操作しているときに問題が発生した場合は、推奨される解決策を「トラブルシューティング」でご参照ください。
ArcGIS Velocity は ArcGIS Online のリアルタイム データやビッグ データを処理して解析するための機能です。 この機能を使用することで、Internet of Things (IoT) センサーからデータを取り込んで、視覚化、解析、保存、操作できます。 高速なイベント データをフィルタリングし、処理してから複数の出力先に送信できるため、実質的にいかなるタイプのストリーミング データに接続することも可能になり、特定の状況が発生した場合に、自動的にユーザーに通知することができます。 大量の履歴データ処理し、パターン、傾向、および異常についての洞察を得るように、解析モデルを設計することもできます。
Velocity は、ユーザーが以下を作成できるようにするアプリケーションを含んでいます。
- フィード - リアル タイムのデータ取り込みと視覚化
- リアル タイム解析 - 対象の活動を識別し、適切なアクションを実行するためのリアルタイム処理。
- ビッグ データ解析 - データのパターンおよび傾向を識別するために ArcGIS GeoEvent Server およびその他のビッグ データ ツールをサポートするビッグ データ処理。
- フィーチャおよびマップ レイヤー - リアルタイムの集約を介した大量のデータの視覚化。
- ストリーム レイヤー - 高速でライブのデータの視覚化
Velocity は、IoT デバイスおよびセンサーから受信された観測データ、およびその他のリアルタイムやビッグ データに関連するワークフローに役立ちます。 リアルタイムの情報を取り込んで直ちに視覚化したり、時間をかけて観測データを格納したりすることができます。 Velocity では、ワークフローを自動化して質問に回答する解析プロセスを構築することもできます。
使用事例を次に示します。
- IoT システムに接続してセンサーの観測データを視覚化する。
- 対象地域をジオフェンスとして利用し、イベントの空間的な近接性を検出する。
- 高速な大量のデータを処理する。
- 観測データに情報を付加したり、フィルター処理したりして、最も関心のあるイベントに焦点を当てる。
- データがリアルタイムに増加している場合に、データをサービスとして管理する。
- 重要なインシデントおよび傾向を識別する。
- 大きいデータセットと共に空間統計解析ツールおよび機械学習ツールを使用する。
- リアルタイムのビッグ データのワークフローの場合は、自分でホストしている複数コンピューターの配置管理ではなく、クラウド ソリューションを選択する。
Velocity の使用を開始するために必要な設定はありません。 Velocity を購入する場合、実行して 30 ~ 60 分後にアプリケーションへのアクセスを受信することができるクラウド リージョンを選択します。
組織サイト管理者は、アプリケーションへのアクセスを受信した後に、「ロールの作成とユーザーの割り当て」を参照し、必要な権限を持つユーザーがリアルタイムのタスクまたはビッグ データのタスクを作成できるようにする方法について学習してください。
Velocity 用の評価オプションは現在開発中です。 製品およびリリース計画に関する最新情報を入手するには、Esri.com にサイン アップしてください。
ArcGIS Velocity は、製品の機能やビジネス モデルなどの多くの点で、ArcGIS GeoEvent Server と異なっています。 高いレベルでは、GeoEvent Server は自分でホストしているソフトウェアですが、Velocity は SaaS (Software-as-a-Service) です。 ArcGIS Velocity は、以下の点でも異なります。
- 高可用性および障害復旧が組み込まれています。
- 自動的に配置され、アクセスを取得するのに 30 ~ 60 分しかかかりません。
- Velocity によって格納されたデータは、クラウドに格納されます。
- SaaS としての性質のため、直接拡張できません。
- GIS 管理者とは対照的に、操作および地理空間アナリストを対象としています。
- ソフトウェア ライセンスとは対照的に、サブスクリプションを介して提供されます。
ArcGIS Velocity を使用して、解析または視覚化のために、さまざまなシステムからのストリーミングまたは収集されたデータ ソースに接続できます。 ArcGIS Field Maps は、モバイル ユーザーの位置情報を取得し、ユーザーの現在地をモニターしたり、ユーザーが訪れた場所の履歴を解析できるモバイル ソリューションです。 Velocity を使用して、作業のアサインメントを使用した従業員の位置のジオフェンシング、従業員のトラックの再構築、作業エリアの適用範囲の評価などのリアルタイム解析またはバッチ解析を、このデータに対して実行できます。 Field Maps からデータを操作するには、組織のトラック ビューのいずれかから読み取るようにフィードまたはデータ ソースを構成します。
ArcGIS Online の ArcGIS Data Pipelines と ArcGIS Velocity には、いくつかの共通点があります。 どちらのアプリケーションでも、外部のデータ ソースに接続し、データを ArcGIS Online にインポートして、ArcGIS Location Platform 全体で使用することができます。 ただし、各アプリケーションの目的は異なります。 Velocity はリアルタイム処理およびビッグ データ処理専用に設計され、センサーや同様のソースからの高速データ ストリームを効率的に処理します。 また、ジオフェンシング、インシデント検出、パターン解析などの解析を行うこともできます。ArcGIS Data Pipelines は主にデータ統合アプリケーションであり、特にセンサーベースでないデータ ストリームに対するデータ エンジニアリングのタスクに特化しています。 Velocity がリアルタイム データの処理に優れているのに対し、ArcGIS Data Pipelines は更新頻度の低いデータを管理および最適化します。