モバイル作業者は、Navigator を使用することで、共有したルートにアクセスできます。アクセスすると、ルート情報の計画、共有、および更新を行って、モバイル作業者が使用するルートを制御できます。また、ルートを共有することで、モバイル作業者の効率を向上し、組織の時間と費用を節約できます。ルート レイヤーを作成して、モバイル作業者と共有します。モバイル作業者は、Navigator でルートにアクセスします。
ルートの作成と共有により、ウェイポイント、バリア、および移動モードを用いて、モバイル作業者が Navigator で使用するルートを最適化することができます。ウェイポイントは、ルートを特定のパスを通すことができますが、ルート案内や Navigator インターフェイスには表示されません。バリアは、閉鎖された道路、建設中、その他のイベントに対してルートを調節できます。移動モードは、車両の制限に基づいて、ルートに設定する条件を指定できます。デフォルトの移動モード、または特定の車両用に最適化するために独自に作成した移動モードを選択できます。ArcGIS Online の移動モード、ArcGIS Enterprise の移動モード、または ArcGIS Pro の移動モード の詳細
ルートを作成する方法の選択
ArcGIS の操作経験は、共有ルートを作成する適切な製品を選択するときに役立ちます。初めて GIS を扱う場合や、ArcGIS Online で使用できるネットワーク解析サービス (独自のネットワーク サービスとは異なります) のみを使用することが必要な場合は、ArcGIS Online または ArcGIS Enterprise を使用します。
ArcGIS Pro をすでに使用している場合や、組織に固有のネットワーク データセットを使用することが必要な場合は、ArcGIS Pro を使用します。ArcGIS Pro を使用するには、フィーチャクラスとジオプロセシング ツールの知識が必要です。
メモ:
ArcGIS Enterprise 10.6.1 を使用しているときは、Navigator で使用するルート レイヤーを作成するために、ArcGIS Server 10.6.1 Pre-Planned Routes Patch が必要です。
製品を選択した後で、次からルートの目的を選択します。
1 つの起点から複数の終点
1 つの起点から 1 つまたは複数の終点までの、ターンごとの自動車および歩行者のルート案内を取得します。ルートを作成してから、ルート レイヤーとして保存し、Navigator で使用するために組織でルート レイヤーを共有します。
使用している ArcGIS 製品に応じて、以下のいずれかを実行します。
- ArcGIS Online - Map Viewer の [ルート案内] ウィンドウを使用して、新しいルート レイヤーを作成します。
- ArcGIS Enterprise - Map Viewer の [ルート案内] ウィンドウを使用して、新しいルート レイヤーを作成します。
- ArcGIS Pro - ローカル ネットワーク データセットまたはホスト ネットワーク サービスを使用して、ルートを作成します。
最も近いフィーチャ
起点 (入力フィーチャ) までの最近接フィーチャを検索して、ルート レイヤーを作成します。各入力フィーチャでは、指定した数の近くのフィーチャが、入力フィーチャからの距離を基準に順位が付けられます。たとえば、ある都市でそれぞれの学校に最も近いのはどの消防署かを、運転時間や距離に基づいて決定し、その結果からルート レイヤーを生成します。ルート レイヤーを作成してから保存し、Navigator で使用するために組織でルート レイヤーを共有します。
注意:
解析を実行する前に、ArcGIS Online と ArcGIS Enterprise で [ルート レイヤーを含む] を選択します。そうしないと、Navigator で使用するためのルートを保存して共有することができません。
使用している ArcGIS 製品に応じて、以下のいずれかを実行します。
- ArcGIS Online - Map Viewer 解析ツール の [近接エリアの分析] カテゴリにある [最寄りの検索] ツールを使用します。
- ArcGIS Enterprise - Map Viewer 解析ツール の [近接エリアの分析] カテゴリにある [最寄りの検索] ツールを使用します。
- ArcGIS Pro - [最寄り施設の検出] ツールを使用します。
複数の起点と複数の終点の間
起点と終点の間の時間または距離を計測して、ルート レイヤーを作成します。たとえば、1 回の操作で複数の作業者の家から複数の異なる職場まで移動する作業者用のルート レイヤーを生成できます。ルート レイヤーを作成してから保存し、Navigator で使用するために組織でルート レイヤーを共有します。
注意:
解析を実行する前に、ArcGIS Online と ArcGIS Enterprise で [ルート レイヤーを含む] を選択します。そうしないと、Navigator で使用するためのルートを保存して共有することができません。
使用している ArcGIS 製品に応じて、以下のいずれかを実行します。
- ArcGIS Online - Map Viewer 解析ツール の [近接エリアの分析] カテゴリにある [起点から終点の計測] ツールを使用します。
- ArcGIS Enterprise - Map Viewer 解析ツール の [近接エリアの分析] カテゴリにある [起点から終点の計測] ツールを使用します。
- ArcGIS Pro - ネットワーク解析レイヤーを作成します。複数のポイントのペア (起点と終点) の移動距離を計測するには、ルート解析レイヤーを使用します。
複数の車両のルート作成
複数の車両が最短時間で一連の訪問先を訪れることができる方法を決定して、その結果からルート レイヤーを作成します。ルート レイヤーを作成してから保存し、Navigator で使用するために組織でルート レイヤーを共有します。
注意:
解析を実行する前に、ArcGIS Online と ArcGIS Enterprise で [ルート レイヤーを含む] を選択します。そうしないと、Navigator で使用するためのルートを保存して共有することができません。
使用している ArcGIS 製品に応じて、以下のいずれかを実行します。
- ArcGIS Online - Map Viewer 解析ツール の [近接エリアの分析] カテゴリにある [ルートの計画] ツールを使用します。
- ArcGIS Enterprise - Map Viewer 解析ツール の [近接エリアの分析] カテゴリにある [ルートの計画] ツールを使用します。
- ArcGIS Pro - 2 つの [配車ルート (VRP) の解析 (Solve Vehicle Routing Problem)] ツールのいずれかを使用します。1 つのツールは、ArcGIS Online からのホスト ネットワーク データ を使用し、別のツールは、自身が提供するローカル ネットワーク データセットを使用します。
ルートの共有
ルートを Navigator で使用できるようにするには、ルートを共有する必要があります。ルート レイヤーを作成して保存した後で、ルート レイヤーをモバイル作業者と共有する必要があります。ルート レイヤーは、組織全体または組織内のグループで共有できます。
使用している ArcGIS 製品に応じたルートの共有の詳細は、次のとおりです。
- ArcGIS Online - アイテムを共有します。
- ArcGIS Enterprise - アイテムを共有します。
- ArcGIS Pro - ルート レイヤーを共有します。
ヒント:
モバイル作業者と共有する前に、Navigator でルートをテストすることをお勧めします。
ルート作成の自動化
ルートの作成と共有は、上記のように Python スクリプト言語を使用して自動化できます。記載したツールの多くは、Python スクリプトに組み込んで、大規模な自動化されたワークフローを実現できます。たとえば、毎日の作業指示を入力として受け入れて、出力として共有されるルート レイヤーを生成する Python スクリプトを作成できます。これは、Network Analyst モジュールと [配車ルート (VRP) の解析 (Solve Vehicle Routing Problem)] ツールを含む ArcPy を使用するか、ArcGIS API for Python と [ルートの計画 (Plan Routes)] ツールを使用することで実行できます。