IBM Cognos のデータはマップに追加できます。
IBM Cognos からデータを追加するとき、データを最も適切に表現する ArcGIS の位置情報の種類を選択します。IBM Cognos の位置情報は、ビジネス データと指定した位置情報との関係を作成するために使用されます。
デフォルトの位置情報の種類
組織で ArcGIS Online を使用している場合、次のデフォルトの位置情報を使用できます。 組織で Portal for ArcGIS を使用している場合、リストの最初にある 2 つの位置情報 ([住所] と [緯度、経度]) のみがサポートされています。
- [住所] - 組織の地域に応じて、住所データは住所、地区、都市、小区域、地域、州 (state)、州 (province)、郵便番号、米国の ZIP コード、国などから構成されます。データに含まれている住所項目が多いほど、結果の精度が高くなります。住所の項目は、別々のフィールドにしたり、1 つのフィールド (1 行形式の住所) に含めたりできます。どちらの方式でも住所を検索できますが、すべての住所エレメントを利用し、それらを別々のフィールドに格納した方が、最も正確な結果が得られます。
注意:
[住所] 位置情報は、管理者が組織のジオコーダーを指定している場合のみ使用できます。複数のジオコーダーを指定できますが、バッチ処理をサポートするジオコーダーにのみ対応しています。World Geocode Service を使用している場合、ジオコードの有効範囲については「ジオコードのカバレッジ」をご参照ください。
組織向けに指定されているジオコーダーは、次のようにリストされます。
- ArcGIS Online - デフォルトの Esri World Geocoding Service が指定されている場合は、[住所] としてリストに表示されます。カスタム ジオコーダーは、名前でリストされます。
- Portal for ArcGIS - 指定のジオコーダーは、名前でリストされます。
Portal for ArcGIS の配置環境で [住所] 位置情報を使用するには、ポータルにホスティング サーバーが構成済みであり、バッチ処理をサポートする有効なジオコーダーがある必要があります。詳細については、「住所をジオコーディングするためのポータルの構成」および「ホスティング サーバーの構成」をご参照ください。
- [緯度、経度] - 緯度と経度の値は、マップ上の X,Y 座標を表します。任意の地理または投影座標系の X,Y 座標データをマッピングできます。World Geodetic Survery 1984 (WGS84) または Web メルカトルを選択できます。また、他の座標系の WKID (既知の ID) も指定できます。WGS84 または Web メルカトルを使用する場合は、次のガイドラインに従います。緯度 (Y) の値が -90 ~ 90 で、経度 (X) の値が -180 ~ 180 の場合、WGS84 を使用します。緯度と経度の値がメートル単位で小数点以上 (左側) が 6、7、8 桁の場合、Web メルカトルを使用します。
- [標準行政区域] (ArcGIS Online のみ) - 標準行政区域には、都市、州 (state)、州 (province)、ZIP コード (米国の郵便番号)、郵便番号、および国などが含まれます。使用できる行政区域は、設定している地域によって決定されます。都市はポイントとしてマップに追加されます。州 (state)、州 (province)、郵便番号、ZIP コード (米国の郵便番号)、および国は、マップに形状と場所の位置を表すポリゴンとして追加されます。
注意:
製品の言語が英語以外に設定されている場合、使用可能な行政区域の位置情報は国のみです。
カスタム位置情報
デフォルトの位置情報ではデータを表現できない場合、ArcGIS のダイナミック マップ サービスまたはフィーチャ サービスを指定して、位置情報として使用することができます。たとえば、組織に固有の境界線 (水道局、販売地域、区域境界など) がある場合、ビジネス データ内の行と、位置情報として使用されるサービス内のシェープ (詳細については、「位置情報の選択」をご参照ください) の間に 1 対 1 の関係がある限り、デフォルトの位置情報の代わりにそれらの位置情報を使用して、データをマッピングすることができます。Esri Maps for IBM Cognos は、フィーチャ サービスとマップ サービスをサポートしています。ダイナミック マップ サービスまたはフィーチャ サービスに基づく位置情報の追加の詳細については、「位置情報の追加」をご参照ください。
位置情報の選択
Esri Maps for IBM Cognos を使用してビジネス データをマップ上にプロットする場合、正しい位置情報を選択することが重要です。入力データの行を描画する前に、シェープがポイント、ライン、ポリゴンのどれであるかを特定および識別する必要があります。この処理は、選択した位置情報にしたがって、効率的に実行されます。
住所および緯度、経度
[住所] 位置情報を選択した場合、組織の管理者が ArcGIS Online または Portal for ArcGIS で構成したジオコーダーの 1 つを使用して、ポイントが生成されます。
[緯度、経度] 位置情報の場合、識別された X,Y 位置情報の列のデータを使用して、ポイントが生成されます。
標準行政区域およびカスタム位置情報
標準行政区域またはカスタム位置情報を選択した場合、選択した位置情報の指定した列を使用して、適切なシェープが特定および取得されます。これは、共通の列をキーとして、データの行を位置情報と紐づけます。
データ内の列名は、位置情報の列名と一致する必要はありません。ただし、一致させるために列内の情報は同じである必要があります。データの行が特定されなかった場合、つまり、位置情報から形状を取得できない場合、その行には NULL が割り当てられ、マップ上には描画されません。次の表に、それぞれの位置情報でサポートされているキーを示します。
位置情報 | シェープ タイプ | サポートされるキー |
---|---|---|
米国の州 | ポリゴン | 以下が必要です。
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米国の都市 | ポイント | 以下が必要です。
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郵便番号 (米国) | ポリゴン | 次のいずれかが必要です。
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都市 (世界) | ポイント | 以下が必要です。
必要に応じて、以下を指定できます。
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国 | ポリゴン | 以下が必要です。
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カスタム | ポイント、ライン、またはポリゴン (選択したマップまたはフィーチャ サービス レイヤーによって決定されます) | 位置情報の追加のワークフロー中に指定されます。 |
注意:
英語の場所名のみがサポートされています。
標準行政区域またはカスタムの位置情報を使用してデータを特定する場合、入力データの行と、選択した位置情報のシェープの間に 1 対 1 の関係があることが重要です。1 対 1 の関係では、入力データの各行がマップ上の 1 つのシェープと対応します。次の例では、入力データ (州別の利益) の各行が 1 つの米国の州と対応しています。[州] の列は一意のキーを表しています。そのため、入力データの各行のシェープを判定して、マップ上に描画することができます。次の例では、州別の利益という入力データの各行 (Arizona など) に対応して、1 つのポリゴンの形状が描画されます。
適切な位置情報を選択しないと、予期しない結果になる可能性があります。これは、入力データと選択した位置情報のシェープが多対 1 または 1 対多の関係になっている場合に、間違った位置情報が選択されるためです。前述したように、1 対 1 の関係を確立することが重要です。
次の例では、入力データは郵便番号別の利益を示しています。また、このデータには米国の州の情報も含まれています。ここでは、郵便番号が入力データの一意のキーを表しています。所定の米国の州には、多くの郵便番号があります。[米国の州] 位置情報を選択した場合、つまり、[州] を一意のキーとして扱う場合、各入力行は関連付けられている州で特定され、入力データの行と、位置情報のシェープとの間に多対 1 の関係が作成されます。これは、多くの入力行に対応するポリゴン シェープが、マップ上に直接、重ねて描画されることを意味します。この例では、Arizona が 4 回描画されます。この場合は、[米国の州] 位置情報ではなく、[米国の郵便番号] 位置情報が適切な選択となります。
多対 1 の関係と同様に、1 対多の関係も避ける必要があります。1 対多の関係の場合、最初に一致したシェープが取得され、マップ上に描画されます。この場合、マップ上にデータが適切に表現されません。