近隣検索ウィジェット

近隣検索ウィジェットを使うことで、指定した場所から所定の距離内にあるフィーチャを検索し、解析できます。 場所には、選択したフィーチャ、描画したグラフィックス、または別の入力方法で定義された場所を指定できます。 また、現在のマップ範囲に基づくフィーチャを検索することもできます。

このウィジェットでは、定義した位置に最も近いフィーチャの検索、指定した位置から所定の距離内にあるすべてのフィーチャの検索、統計関数や SQL 式を使用した近傍フィーチャの数値の集計といった、3 種類の解析を実行できます。

注意:

ArcGIS Web AppBuilder の近隣検索、状況認識、情報サマリー、スクリーニングの各ウィジェットの機能は、近隣検索ウィジェットに置き換えられました。 この機能のほとんどは現在利用できますが、Experience Builder の今後のリリースでさらに追加される予定です。

このウィジェットを使用して、次のようなアプリの設計要件をサポートします。

  • マップ上のポイントをクリックし、最寄りの投票所を特定します。
  • 病院から一定の距離内にある町の総人口を特定します。
  • あるエリア内で、地域のアクセシビリティに関する規制に準拠している建物の数を確認します。

使用上の注意

このウィジェットには、マップ ウィジェットへの接続が必要です。 マップ ウィジェットは、少なくとも 1 つのフィーチャ レイヤーを含むデータ ソースに接続する必要があります。

設定

近隣検索ウィジェットには、以下の設定が含まれます。

  • [マップ ウィジェットの選択] - マップ ウィジェットを選択します。
  • マップまたはシーン設定 - Web マップまたは Web シーンをクリックし、マップ設定パネルを開きます。
    • [検索方法] - ウィジェットがフィーチャを見つける方法を定義します。
      • [現在のマップ エリア] - 現在のマップ範囲内でフィーチャを検索できます。
      • [場所の指定] - 入力場所から所定の距離内のフィーチャを検索できます。 このオプションには、次の追加設定があります。
        • [見出しラベル] - ウィジェットの左上隅に表示される見出しテキストをカスタマイズします。 ラベルのフォント、スタイル、色、サイズをピクセル単位 ([px]) で変更できます。
        • [検索距離] - 検索距離のデフォルト数値を指定します。
        • [距離の単位] - 検索距離のデフォルト単位を指定します。
    • [入力] - ユーザーが入力位置を定義する方法に関連する設定を構成します。
      • [距離の設定] - このチェックボックスをオンにすると、ユーザーが実行時に検索の距離と単位を変更できます。
      • [入力位置ラベル] - このチェックボックスをオンにすると、入力位置がポイントのときに、ウィジェットが実行時に入力位置の住所を表示します。
      • [スケッチ ツール] - 実行時にウィジェット パネルに入力位置の描画ツールを含めるには、これらのスイッチをオンにします。
    • [解析] - ウィジェットがフィーチャを解析する方法を定義します。
      • [解析の追加] - 新しい解析ツールをウィジェットの実行時パネルに追加します。
        • [レイヤーの選択] - 解析されるフィーチャ レイヤーを選択します。
        • [ラベル] - 解析ツールに意味のあるラベルを追加します。
        • [解析タイプ] - 解析タイプを指定します。
          • [最近接フィーチャ] - 所定の距離内で、入力位置に最も近いフィーチャを検索します。
            注意:

            検索エリアが [現在のマップ エリア] に設定されている場合、ここでは [最近接フィーチャ] はオプションとして提供されません。

            • [マップ上の結果をハイライト表示] - この設定がオンの場合、ユーザーが結果リストをクリックして展開すると、マップ上に結果がハイライト表示されます。 ハイライト色を選択できます。
            • [解析結果の展開] - 結果のリストがデフォルトで展開されているか、折りたたまれているかを指定します。
          • [近接] - 入力位置の所定の距離内にあるすべてのフィーチャを検索します。
            • [表示フィールド] - 結果リスト内の個々のフィーチャを識別するために使用されるフィールドを指定します。 デフォルトのフィールドは ObjectID です。
            • [フィーチャの並べ替え] - 入力位置からの距離か、フィールドの昇順または降順のどちらかで結果をリスト表示します。
              注意:

              検索エリアが [現在のマップ エリア] に設定されている場合、結果はデフォルトで ObjectID フィールドによって並べ替えられます。 [フィールド] を選択すると、ObjectID 以外のフィールドで並べ替えることができます。

            • [フィーチャのグループ化] - 必要に応じ、グループ フィーチャをフィールドの昇順か降順で並べ替えられます。 この設定は、カテゴリ データの解析には適していません。
              • [個数でグループを並べ替え] - 必要に応じ、各グループ内のフィーチャ数によってグループを並べ替えます。
            • [マップ上の結果をハイライト表示] - この設定がオンの場合、ユーザーが近接解析をクリックして展開すると、解析によって見つかったすべてのフィーチャがマップ上にハイライト表示されます。 この設定は、検索エリアが [現在のマップエリア] に設定されている場合は利用できません。
            • [解析結果の展開] - 結果のリストがデフォルトで展開されているか、折りたたまれているかを指定します。
              • [フィーチャの詳細の展開] - チェックボックスをオンにすると、デフォルトで結果リストの個々のフィーチャの詳細が展開されます。
                注意:

                レイヤー内に多数のフィーチャが含まれている場合、すべての詳細を展開し、結果をハイライト表示することで、パフォーマンスの問題が発生する可能性があります。

          • [サマリー] - 統計関数と SQL 式を使用し、フィーチャの数値を集計します。
            • [サマリーの追加] - 新しいデータ サマリーを追加します。 データは、次の方法で集計できます。
              • [統計情報] - 選択したフィールドの統計関数の結果 (MAX、MIN、AVERAGE、SUM) またはデータ数 (COUNT) を取得します。
              • [式] - 5 つの関数演算子 (AVERAGE、COUNT、SUM、MAX、MIN) およびデータ フィールドを使用してより複雑な式を作成します。
            • [交差する長さの合計] または [交差するエリアの合計] - チェックボックスをオンにし、検索距離バッファー内でフィーチャの交差する長さの合計 (ライン フィーチャの場合) または交差するエリアの合計 (ポリゴン フィーチャの場合) を表示します。 この設定は、接続したレイヤーがライン フィーチャ レイヤーかポリゴン フィーチャ レイヤーである場合に表示されます。 編集ボタンをクリックし、ラベルを追加し数字を書式設定します。
            • [カラー モード] - 背景色 (単色かカテゴリ別か) の表示方法を指定します。 その後、色を選択します。 この設定は、サマリーを追加すると表示されます。
            • [マップ上の結果をハイライト表示] - この設定がオンの場合、ユーザーが集計ツールをクリックして展開すると、ツールによって集計されたすべてのフィーチャがハイライト表示されます。
              注意:

              レイヤーに多数のフィーチャが含まれている場合、結果をハイライト表示すると、パフォーマンスの問題が発生する可能性があります。

            • [解析結果の展開] - この設定をオンにすると、サマリー テーブルをデフォルトで展開できます。
      • [フィーチャ数の表示] - 必要に応じ、各解析ツールのフィーチャ数を表示します。
      • [解析アイコンの表示] - 必要に応じ、解析ツール アイコンを表示します。
        ヒント:

        複数の解析で、同じレイヤーが複数回使用される場合、アイコンがあると便利です。

    • [結果] - 実行時に解析結果を表示する方法に関連する設定を構成します。
      • [フィーチャ数] - 結果にフィーチャ数を含めます。
      • [解析アイコン] - 結果の各解析ツールの名前の横にアイコンを表示します。
      • [マップ シンボル] - 解析条件を満たすフィーチャのシンボルを表すマップ シンボルを表示します。
        注意:

        マップ レイヤーが属性フィールドによってシンボル表示されており、フィーチャのグループ化をオンにしている場合、ウィジェットはそのフィールドをデフォルトのグループ フィールドとして使用します。

      • [概算距離] - 見つかったフィーチャの入力位置からの概算距離の値を表示します。 表示される単位は、[距離単位] で設定した単位、またはユーザーが実行時に選択した単位です。
      • [結果のみを表示するようにレイヤーをフィルタリング] - レイヤーをフィルター処理し、解析条件を満たすフィーチャのみを表示します。
  • [一般設定] - 次の一般設定を構成します。
    • [スケッチ用カラー] - ウィジェットのスケッチ ツールで描画するポイント、ライン、ポリゴンの色を定義します。
    • [結果が見つからない場合のメッセージ] - フィーチャが見つからない場合にウィジェットに表示されるテキストをカスタマイズします。 テキストのフォント、ストローク、色、サイズをピクセル単位 ([px]) で変更できます。
    • [カスタムのようこそメッセージ] - ウィジェットが最初の読み込まれたときに表示されるテキストをカスタマイズします。 このテキストを使用し、手順を表示できます。 ユーザーが解析を実行後、テキストは非表示になります。

エクスポートの許可

近隣検索ウィジェットは、.csv ファイルに結果をエクスポートできます。 ユーザーが結果をエクスポートできるようにするには、接続したフィーチャ レイヤーの [データ] パネルで [エクスポートの許可] がオンであることを確認します。 実行時にウィジェットの結果パネルに [エクスポート] ボタンを含めるには、近隣ウィジェットの設定の [アクション] タブで [データ アクションを有効化] をオンにします。

操作オプション

近隣検索ウィジェットでは、現在のマップ範囲内か、描画したポイント、ライン、ポリゴンに近いフィーチャを検索できます。 また、メッセージおよびデータ アクションを使用して、検索ウィジェット、テーブル ウィジェット、データ追加ウィジェット、その他のウィジェットから、入力した位置を取得できます。

近隣検索ウィジェットは、[レコード選択の変更] トリガーのターゲットになることがあります。 トリガーとメッセージ アクションを使用し、Experience Builder ウィジェット間の自動的な対話機能を作成できます。 たとえば、ユーザーが検索ウィジェットを使用してレコードを検索したときに、近傍フィーチャを自動的に検索するよう近隣検索ウィジェットを構成できます。 同様に、ユーザーがテーブル ウィジェットでフィーチャを選択したときに、近傍フィーチャを自動的に検索するよう近隣検索ウィジェットを構成できます。 [レコード選択の変更] メッセージ アクションは、検索、テーブル、その他のウィジェットの設定の [アクション] タブで使用できます。

[レコード選択の変更] トリガーをサポートするウィジェットのリストを表示します。

また、このウィジェットは [場所の設定] データ アクションのターゲットにもできます。これは、他のウィジェットの設定でオンにできます。 このデータ アクションを使用し、フィーチャ情報などのウィジェットに [場所の設定] ボタンを追加できます。

[場所の設定] データ アクションをサポートするウィジェットのリストを表示します。

近隣検索ウィジェットの [アクション] 設定では [エクスポートの許可] データ アクションがサポートされています。 このデータ アクションをオンにした場合、ユーザーは実行時に解析データを CSV 形式でエクスポートできます。

参考資料

Experience BuilderArcGIS Web AppBuilder ワークフローを再作成するためのリソースを以下に示します。