ArcGIS for AutoCAD を使用してフィーチャをフィーチャ レイヤーかサブレイヤーのエンティティーとして描画する際は、フィーチャ シンボルが使用されます。 フィーチャ作成機能を使用した際や、Web フィーチャ レイヤーから新しいフィーチャを描画した際、フィーチャ レイヤーに ArcGIS for AutoCAD の再描画オプションが使用された際にこれが発生します。 フィーチャ シンボルは、AutoCAD レイヤー、AutoCAD エンティティー タイプ、記述子値 (AutoCAD ブロック名、COGO ポイント記述、またはポリゴンの場合、ハッチング パターン名) を組み合わせたものです。 シンボルの一部の側面は自動的に動作し、その他はユーザーが設定できます。
エンティティー タイプと記述子の設定によって、フィーチャ レイヤーの定義が変更されることはありません。 エンティティーが 1 つの GIS フィーチャと見なされるかどうかはフィーチャ レイヤーの定義クエリーによって決まります。 たとえば、フィーチャ レイヤーかサブレイヤーのシンボルが特定のブロック名に設定されることがありますが、そのフィーチャ レイヤーの定義クエリーに基づいて対象と見なされる別のブロックやシンプルなポイント エンティティーを使用する場合などでも、そのシンボルは依然としてフィーチャと見なされます。
ROTATION/ANGLE や ELEVATION、該当する他のものなど、リンクされたプロパティ フィールドによってシンボルを変更できます。 これらのリンクされたフィールドはポイント フィーチャの自動的な動作であり、フィーチャ レイヤー シンボルの直接的なコンポーネントではありません。
リンクされたラベル、表示可能なブロック属性、または表示可能なプロパティ フィールドに自動的にリンクされた COGO ポイントを使用することで、一致するフィーチャ レイヤー属性にリンクされているテキスト ラベルをフィーチャに表示できます。 これらのリンクされたフィールドは自動的な動作であり、フィーチャ レイヤー シンボルの直接的なコンポーネントではありません。
シンボル設定
ジオメトリック フィーチャ レイヤー タイプに応じて、シンボル設定も異なります。 シンボルはデフォルト シンボルの割り当てダイアログ ボックスを使用して設定できます。このダイアログ ボックスは、Esri_FeatureLayer コマンドを使用するか、[Esri コンテンツ] ウィンドウのフィーチャ レイヤーのショートカット メニューを使用して開くことができます。 ArcGIS for AutoCAD によって AutoCAD エンティティーとしてフィーチャがどのように描画されるかがこれらのシンボル設定によって決まります。 ジオメトリー タイプによっては、複数のオプションが適用できる場合に、優先順位に従って実装されている自動または指定の動作がこれらの設定に含まれている場合があります。
シンボル定義
ArcGIS for AutoCAD ではフィーチャ シンボルの 3 つのコンポーネントが使用されます。 エンティティーの AutoCAD レイヤー、フィーチャを表すために使用するエンティティーのタイプ、使用するエンティティーを細かく区別するのに役立つ記述子がこれらに含まれます。
- AutoCAD レイヤー - ArcGIS for AutoCAD によって作成されたか、Web フィーチャ レイヤーから描画されたフィーチャの AutoCAD レイヤー。
Web フィーチャ レイヤーの AutoCAD レイヤーの Web フィーチャ レイヤー名には、必ず先頭に esri_ が付きます。 Web フィーチャ レイヤーの定義クエリーではこれが唯一の条件です。 Web フィーチャ レイヤーのサブレイヤーでも、先頭に esri_ が付くサブレイヤー名である定義クエリーの AutoCAD レイヤーが使用されます。
ドキュメント フィーチャ レイヤーは柔軟性の点で AutoCAD レイヤーよりも優れています。 レイヤーがクエリー定義に含まれていない場合は、フィーチャ作成機能で現在の AutoCAD レイヤーが使用されます。 定義クエリーで使用可能な AutoCAD レイヤー名が 1 つ以上使用されている場合、リストされている最初の AutoCAD レイヤーが使用されます。
- エンティティー タイプ - ジオメトリー フィーチャ レイヤーごとに、そのジオメトリーに適したデフォルトのエンティティー タイプが使用されます。 フィーチャ レイヤーではさまざまなエンティティー タイプが使用できる場合があります。 エンティティー タイプのどの設定も、そのフィーチャ レイヤーまたはサブレイヤーの定義クエリーを変更することはありません。 エンティティーが ArcGIS for AutoCAD によって描画された場合には特定のエンティティー タイプ設定が使用されます。ただし、フィーチャのフィーチャ レイヤーまたはサブレイヤーの定義クエリーに従って、フィーチャ レイヤーの有効なフィーチャであるエンティティーの他のエンティティー タイプは除外されません。
- 記述子 -追加の説明情報や名前付きプロパティ (ブロック参照のブロック名や Civil 3D COGO ポイントの記述、またはポリゴンの場合、ハッチング パターン名など) を含むエンティティー タイプにフィーチャ シンボルの記述子は関連付けられます。 エンティティーが ArcGIS for AutoCAD によって描画された場合には特定の記述子設定が使用されます。ただし、フィーチャ レイヤーまたはサブレイヤーのフィーチャ定義クエリーに従って、依然としてフィーチャ レイヤーの有効なフィーチャであるエンティティーの他の記述子が使用できなくなることはありません。
ポイントおよびマルチポイント フィーチャ シンボル
ポイントまたはマルチポイント フィーチャでは、フィーチャ レイヤーまたはサブレイヤーで次のシンボル設定がサポートされています:
- Automatic - ArcGIS for AutoCAD によってエンティティーとしてフィーチャが描画される場合にシンボルを割り当てる、事前定義済み優先順位がデフォルトの Automatic 設定によって表示されます。
Web フィーチャ レイヤーの AutoCAD レイヤー名と同じ名前の既存の AutoCAD ブロック定義がドローイングにある場合、名前の先頭に esri_ が付いているものも含めて、そのブロックがシンボルとして使用されます。
フィーチャ レイヤーかサブレイヤーと同じ名前の既存の AutoCAD ブロック定義がドローイングにある場合、そのブロックがシンボルとして使用されます。
サブレイヤーが検出され、一致するブロック名が検出されずに親レイヤーに一致するブロック名が見つかった場合は、親レイヤーのブロック名が使用されます。
Civil 3D の場合、COGO ポイントが使用され、記述値がないフィーチャに COGO ポイント記述としてフィーチャ レイヤー名が設定されます。
標準 AutoCAD の場合、POINT エンティティー タイプが使用されます。
- Block Reference - シンボル設定が Block Reference に設定されている場合は、ドローイングで定義されている有効な既存のブロック参照名を指定する必要があります。 このブロック名記述子は、一致するブロック名を使用するという Automatic のデフォルトの動作をオーバーライドします。 指定されたブロック名記述子がドローイングに見つからない場合は、Automatic 設定の優先順位が使用されます。
サブレイヤーが検出され、一致するブロック名が検出されずに親レイヤーに一致するブロック名が見つかった場合は、親レイヤーのブロック名が使用されます。
- COGO Point (Civil 3D のみ) - COGO Point 設定を選択すると、COGO ポイント説明値としてフィーチャ レイヤー名を使用するというデフォルトの動作をオーバーライドする COGO ポイントの説明として使用する記述子を指定できます。 Civil 3D で ArcGIS for AutoCAD ポイント フィーチャを分類および使用するには、記述子に基づいて Civil 3D ポイント グループを作成することをおすすめします。
- Point - Point 設定を選択すると、レイヤーかサブレイヤーのポイント フィーチャが標準 AutoCAD ポイント エンティティーとして描画されます。サイズとシンボルはそれぞれ、AutoCAD の PDSIZE システム変数と PDMODE システム変数によって制御されます。
ポイントまたはマルチポイント フィーチャ レイヤーに ANGLE または ROTATION という名前の数値 (double) フィールドが含まれる場合、そのフィールド値はドキュメント フィーチャ レイヤーおよび Web ポイント フィーチャ レイヤーのブロック エンティティーまたは COGO ポイントの回転値に自動的にリンクされます。 ブロック挿入シンボルは、その基準点を中心に回転されます。
ArcGIS では、Web ポイント フィーチャ レイヤーの角度の測定方法を地理学または数学に設定できます。 フィーチャ レイヤーの Web サービスが地理学に設定されている場合、フィーチャ属性フィールドに保存されている数値フィールド値は地理学に自動的に変換されます。 Web フィーチャ レイヤーの角度の測定方法がデフォルトの数学オプションに設定されている場合、変換は適用されません。
ポリライン フィーチャ シンボル
ポリライン フィーチャ レイヤーのシンボルは、エンティティーと AutoCAD レイヤーのグラフィック プロパティにより制御されます。 特定の Web またはドキュメント フィーチャ レイヤーのドローイングで使用するレイヤーの名前を予測することにより、テンプレート ドローイング (.dwt) で定義されているレイヤーなどの他の AutoCAD レイヤー同様、シンボルを事前に定義できます。
ポリゴン フィーチャ シンボル
ポリゴン フィーチャ レイヤーのシンボルは、エンティティーと AutoCAD レイヤーのグラフィック プロパティにより制御されます。 特定の Web またはドキュメント フィーチャ レイヤーのドローイングで使用するレイヤーの名前を予測することにより、テンプレート ドローイング (.dwt) で定義されているレイヤーなどの他の AutoCAD レイヤー同様に、シンボルを事前に定義できます。
ポリゴン フィーチャでは、フィーチャ レイヤーまたはサブレイヤーで次のシンボル設定がサポートされています:
- Automatic - ArcGIS for AutoCAD によってエンティティーとしてフィーチャが描画される場合にシンボルを割り当てる、事前定義済み優先順位がデフォルトの Automatic 設定によって表示されます。
閉じているライトウェイト ポリラインは、AutoCAD レイヤー上で、そのレイヤー シンボルのライン タイプと色のデフォルト値、およびライン ウェイトのシステム プロパティに従ってフィーチャを描画するために使用されます。 ポリゴンのアウトラインのみが描画され、ハッチングは省略されます。
- Hatch - シンボル設定が Hatch に設定されている場合は、ドローイングで定義されている有効な既存のハッチング パターン名を指定する必要があります。 このハッチング パターン記述子はデフォルトの Automatic 動作をオーバーライドし、ポリゴン境界線のないハッチング エンティティーがフィーチャの描画に使用されます。
アノテーション フィーチャ シンボル
アノテーション フィーチャ レイヤーのシンボルは、テキスト エンティティーと AutoCAD レイヤーのグラフィック プロパティとテキスト スタイルにより制御されます。
マルチパッチ フィーチャ シンボル
マルチパッチ フィーチャ レイヤーのシンボルは、エンティティーと AutoCAD レイヤーのグラフィック プロパティにより制御されます。 特定の Web またはドキュメント フィーチャ レイヤーのドローイングで使用するレイヤーの名前を予測することにより、テンプレート ドローイング (.dwt) で定義されているレイヤーなどの他の AutoCAD レイヤー同様に、シンボルを事前に定義できます。
次もご参照ください。
[デフォルト シンボルの割り当て] ダイアログ ボックス - フィーチャ レイヤーが使用するデフォルト シンボルの割り当てや、選択したフィーチャ セットへの新規シンボルの適用を行うことができます。
Esri_PointToBlock コマンド - 選択したポイント エンティティーのセットを指定したブロック名に変換します。