次の方法で、モバイル ユーザーおよびディスパッチャーが ArcGIS Workforce を使用できるようになります。
- アプリのインストール、ポータル URL の設定、マップのダウンロード、アサインメントの表示、アサインメントのステータスの設定に使用できるリンクをモバイル ユーザーに提供する。
- アサインメントの作成の効率化に使用できるリンクをディスパッチャーに提供する。
- MDM (モバイル デバイス管理) ソフトウェアを使用して、モバイル アプリをデプロイおよび構成します。これには、ポータル URL も含まれます。
リンクから Workforce を開く。
モバイル ユーザーが Workforce でポータル URL を指定するか、正しいポータル URL を示す URL をモバイル ユーザーに直接提供することができます。 電子メール、テキスト メッセージ、Web ページ、QR コード、または別のアプリを介してリンクを共有することで、モバイル ユーザーは正しいポータルにアクセスできるようになります。 Workforce をタップすると、モバイル作業者が使用するポータル URL が開きます。
リンク構造
Workforce モバイル アプリへのリンクの形式は https://workforce.arcgis.app?parameter=value です。 パラメーターと値のペアを、アプリのデプロイに使用する値に置き換えます。 たとえば、https://workforce.arcgis.app?portalURL=https://myportal.mycompany.com/arcgis リンクでは、portalURL パラメーターが使用されており、モバイル ユーザーは組織サイトのサイン イン画面に直接移動し、サイン インするよう求められます。
パラメーター
Workforce リンクでは、次のパラメーターがサポートされています。 パラメーターが渡されない場合、リンクをタップすると、Workforce が開きます (または、アプリのダウンロードが求められます)。
パラメーター | 値 | 備考 |
---|---|---|
portalURL | 組織のポータル URL |
|
mapID | Workforce でダウンロードして開くためのマップのアイテム ID |
|
assignmentID | Workforce で開くアサインメントの GlobalID 値 |
|
assignmentStatus | アサインメントを Workforce で開いたときに与えられるステータス |
|
Workforce リンクで特定の動作を実現する場合のこれらのパラメーターの使用例を次に示します。
特定のポータルへの接続
モバイル作業者が接続する必要があるポータルの URL を指定します。
例を以下に示します。
https://workforce.arcgis.app?portalURL=https://myportal.mycompany.com/arcgis
マップをダウンロードして開く
mapID パラメーターを使用して、マップをダウンロードして開きます。 モバイル作業者がすでにデバイスにマップをダウンロードしている場合は、ダウンロードが始まらず、指定したマップが Workforce で開きます。
以下に例を示します。
- 現在サイン インしているモバイル作業者としてマップを開きます。サイン インしていない場合には、モバイル作業者にサイン インの機会を提供する:
https://workforce.arcgis.app?mapID=3ac4145c1ac44aea86e9ed42e00fbb0d
- 特定のポータルに接続して、マップを開きます:
https://workforce.arcgis.app?portalURL=https://myportal.mycompany.com/arcgis&mapID=3ac4145c1ac44aea86e9ed42e00fbb0d
アサインメントを開く
assignmentID パラメーターを使用して、アサインメントをマップで開きます。
例を以下に示します。https://workforce.arcgis.app?mapID=3ac4145c1ac44aea86e9ed42e00fbb0d&assignmentID=948b2bf3-f866-4516-97e7-00418d3b567d
アサインメントのステータスの設定
assignmentStatus パラメーターを使用し、アサインメントのステータスを設定します。
例を以下に示します。https://workforce.arcgis.app?mapID=3ac4145c1ac44aea86e9ed42e00fbb0d&assignmentID=948b2bf3-f866-4516-97e7-00418d3b567d&assignmentStatus=2
注意:
このパラメーターを使用すると、モバイル アプリでは行えない方法でアサインメントのステータスを設定することはできますが、推奨はされません。 たとえば、アサインメントのステータスが [割り当て済み] である場合、Workforce のリンクを使用して [一時中断] に設定し、モバイル作業者が設定する [進行中] ステータスをスキップすることができます。 モバイル アプリではステータスはスキップできません。
リンクから Workforce Web アプリを開く
電子メール、テキスト メッセージ、Web ページ、QR コード、または別のアプリを介してリンクを共有することで、Workforce Web アプリのデプロイメントを効率化できます。リンクの URL パラメーターをカスタマイズして、既存のアサインメントや、アサインメント情報が設定済みの新しいアサインメントが開くようにすることができます。
ディスパッチャーにリンクを提供することで、重要な情報がすでに入力されているアサインメントを作成できます。 たとえば、サードパーティ アプリからアサインメントを作成する場合は、新しいアサインメントの位置、説明、期日を自動入力するリンクを含めることができます。
リンク構造
Workforce Web アプリへのリンクは、必ず http://<portal-url>/apps/workforce/projects/<project-id> 形式で始まります。
特定のアサインメントを開くには、http://<portal-url>/apps/workforce/projects/<project-id>/dispatch/assignments/<assignment-id> リンクに /dispatch/assignments/<assignment-id> を付加します。
アサインメントの作成を開始するには、リンクに /dispatch/assignments/new? を追加し、アンパサンド (&) で区切られた 1 つまたは複数のパラメーターを含めます。
http://<your portal url>/apps/workforce/projects/<project-id>/dispatch/assignments/new?assignmentType=repair&lat=34.057170&lon=-117.194150&location=Esri
注意:
project-id 値は、Workforce プロジェクトが開いた時点で URL に含まれます。 たとえば、URL が http://arcgis.com/apps/workforce/projects/a0f297f949f549f0ade07eee562d9934 の場合、project-id 値は a0f297f949f549f0ade07eee562d9934 になります。
パラメーターのエンコード
Workforce Web アプリへのリンクに含まれるすべてのパラメーターをエンコードする必要があります。 エンコーディングでは、無効な文字が、パーセント記号 (%) およびそれらの文字の 16 進数表記に置き換えられます。
たとえば、次のリンクにはエンコードされていないパラメーターが含まれています。http://<portal-url>/apps/workforce/projects/<project-id>/dispatch/assignments/new?assignmentType=repair hydrant&lat=34.057170&lon=-117.194150&location=Esri Campus
次のリンクは、同じリンクにエンコードされたパラメーターが付加されたものです。http://<portal-url>/apps/workforce/<project-id>new?assignmentType=repair%20hydrant&lat=34.057170&lon=-117.194150&location=Esri%20Campus
エンコードされた URL を生成するための無料の Web サイトおよびツールが多数存在します。 たとえば、Albion Research Ltd. は「URLEncode and URLDecode Page」を設けています。
アサインメントの作成
新しいアサインメントにアサインメント情報がすでに設定されている Workforce Web アプリを起動するリンクを作成します。 たとえば、樹木の調査を作成するためのカスタム アプリを用意している場合は、新しい樹木調査アサインメントのアサインメント タイプと位置情報が入力されている Workforce を開くリンクを作成できます。
パラメーター
Workforce リンクでアサインメントを作成する際、以下のパラメーターがサポートされています。
パラメーター | 値 | 備考 |
---|---|---|
assignmentType | アサインメントに付与されたアサインメント タイプ |
|
lat | WGS84 (WKID: 4326) で表されるアサインメントの Y 座標 |
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lon | WGS84 (WKID: 4326) で表されるアサインメントの X 座標 |
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location | アサインメントに使用される位置のテキスト |
|
priority | アサインメントに付与された優先度 |
|
dueDateTime | アサインメントに付与された期日および時刻の締め切り |
|
workOrderId | 外部またはサードパーティ システムの作業指示を参照するキー |
|
description | アサインメントに関する情報 |
|
assignee | アサインメントに割り当てられたユーザー |
|
注意:
すべてのパラメーターはオプションですが、assignmentType、lat、lon、location パラメーターには、新しいアサインメントを作成する前に値を入力しておく必要があります。
ArcGIS Enterprise を使用している場合、リンクからアサインメントを作成する際にサポートされているパラメーターは lat および lon のみです。 ArcGIS Enterprise の Workforce Web アプリでは、location パラメーターへの値の入力にリバース ジオコーディングが使用されます。
例
Workforce アサインメントを作成する際に、アプリ リンク内でパラメーターを使用して情報を入力する方法の例を次に示します。
- 座標を使用したアサインメントの作成:
http://<portal-url>/apps/workforce/projects/<project-id>/dispatch/assignments/new?lat=34.057170&lon=-117.194150
- 中程度の優先度レベルが付与された樹木の調査アサインメントの作成、およびモバイル作業者への割り当て:
http://<portal-url>/apps/workforce/projects/<project-id>/dispatch/assignments/new?assignmentType=inspect%20tree&lat=34.057170&lon=-117.194150&location=esri&priority=2&assignee=mobile_worker
- 5 月 23 日午後 3 時が期限のパイプ修理アサインメントの作成:
http://<portal-url>/apps/workforce/projects/<project-id>/dispatch/assignments/new?assignmentType=pipe%20repair&lat=34.057170&lon=-117.194150&location=esri&dueDateTime=1621782000000
- 問題の説明を含む修理アサインメントの作成:
http://<portal-url>/apps/workforce/projects/<project-id>/dispatch/assignments/new?assignmentType=repair&&lat=34.057170&lon=-117.194150&location=esri&description=Repair%20the%20valve.
モバイル デバイス管理
モバイル デバイス管理は、組織内でのモバイル デバイスの管理に使用するソフトウェアを意味します。 MDM は、モバイル デバイスのポリシーの設定と強化や、データとネットワークのセキュリティの強化に使用されます。 さらに、MDM を使用することで、アプリの更新方法および更新時期の制御を含めて、アプリのデプロイメントとモバイル デバイスの管理の能力が向上します。 MDM に対する Esri の取り組みの詳細については、ArcGIS Trust Center の「ArcGIS セキュア モバイルの実装パターン」をご参照ください。
MDM を介して組織のモバイル デバイスへの Workforce のデプロイを準備する際に構成できるアプリケーション設定とプロファイル設定がいくつかあります。 これには、ポータル URL、per-app VPN 設定などが含まれます。
注意:
Android デバイスを使用している場合、ポータルのサインイン画面を表示するには、Chrome または別のブラウザーをインストールして有効にしておく必要があります。
Workforce アプリの構成
アプリの構成 (AppConfig とも呼ばれます) は、ポータル URL などのアプリケーションの設定を提供する形式を意味します。 モバイル アプリをインストールする際に毎回これらの設定を手動で構成する代わりに、MDM を使用し、自動的にアプリ構成を指定して適用することができます。 これらの設定は、.xml ファイル内のキー値のペアの辞書として定義されます。 辞書の作成方法は、使用する MDM に応じて異なります。 アプリ構成の詳細については、AppConfig Community Web ページご参照ください。
Workforce の設定は次のとおりです。これらの設定は MDM のアプリ構成で実装できます。
キー | 値 | 備考 |
---|---|---|
portalURL | 組織のポータル URL |
|
per-app 仮想プライベート ネットワーク
MDM に per-app 仮想プライベート ネットワーク (per-app VPN) を構成することで、特定の管理対象アプリの内部リソースへのアクセスを制限できます。 Workforce はこの構成を使ってデプロイできます。 per-app VPN を Workforce で使用する場合の設定については、使用する MDM のソフトウェアのドキュメントをご参照ください。
注意:
iOS を使用している場合は、Safari を使用して Workforce のポータルのサイン イン画面が表示されます。 これが per-app VPN を有効にして正しく動作するには、使用している per-app VPN の [Safari ドメイン] の設定でポータル ドメイン (mycompany.com など) を指定する必要があります。 [Safari ドメイン] が正しく設定されていない場合は、割り当てられたモバイル デバイスが Workforce のポータルのサイン イン画面にアクセスできません。
上記のとおりに per-app VPN プロファイルで [Safari ドメイン] の値を設定した場合は、Safari ブラウザーから、[Safari ドメイン] で指定したポータル ドメインにアクセスすることもできます。 このアクセスをブロックするには、該当するデバイスで [Safari ブラウザー アプリをブロック] を使用するように [iOS 制限] (MDM で利用可能な場合) を構成します。
MDM で Workforce の per-app VPN 設定を構成すると、管理対象のモバイル デバイスでアプリを開いた時点で、指定した per-app VPN に自動的に接続されます。 Workforce がバックグラウンドで実行されている場合、per-app VPN は Workforce にしか接続されません。 Workforce を終了すると、モバイル デバイスは自動的に per-app VPN を切断します。