注意:
このトピックでは、Workforce for ArcGIS に表示される Classic プロジェクトを作成し、構成する方法を説明します。 オフライン使用が有効になっており、ArcGIS Workforce に表示されるプロジェクトを作成する方法については、「プロジェクトの作成」をご参照ください。
Workforce にようこそ。 この演習では、あなたはサンディエゴ市の GIS 管理者です。 地理データを提供して、消防署のプロジェクトを円滑化し、消防署の作業をサポートする業務があります。次のプロジェクトは消火栓の点検です。 プロジェクトを成功させるために必要な消火栓のデータを持っていますが、まだ現場で実施する作業を管理する Workforce を使用してプロジェクトを作成できていません。 あなたは最初の Workforce プロジェクトを作成し、消防署はそのプロジェクトを使って点検作業を調整します。 プロジェクトで実施される作業のタイプを定義するとともに、ディスパッチャーとモバイル作業者にロールを割り当てます。 各消防署の署長は、その消防署に所属する消防士 (モバイル作業者) を割り当てます。 消防士は消火栓の点検を行い、レポートを作成します。
注意:
この特定の都市、ロール、チーム構造の場合、消防署長をディスパッチャーとして、消防士をモバイル作業者として配置することが合理的です。サンディエゴ市の消火栓の点検では、これらのユーザーがロールを実行します。 別の都市では、当てはまらない場合もあります。 たとえば、他の都市では、消火栓の点検は水道局が管理および実施し、別のユーザーがそのロールを実行しています。 ここで理解しておくべき重要なことは、ディスパッチャーとモバイル作業者との関係です。Workforce プロジェクトにその関係を反映させます。ユーザー独自のプロジェクトを作成する際は、組織にとって合理的になるようにプロジェクトを構成できます。
企業向けに実際のプロジェクトを作成する場合、プロジェクトを定義することから始めてください。 この演習はプロジェクトが管理する作業に関して特定の回答を導き出しますが、ユーザー独自のプロジェクトを定義する方法を理解することが重要です。 「プロジェクトの定義」をご参照ください。
この演習を実施するには、ArcGIS 組織での公開者または管理者ロールが必要です。 ディスパッチャーとモバイル作業者のみに、Workforce を操作するためのフィーチャ サービスを編集する権限が必要になります。
「消火栓の点検の管理」チュートリアルを受講している場合、この演習で説明する資料の大半はすでに学習済みの内容です。 ただし、セクション「プロジェクトのテスト」および「次の手順」は学習していない内容です。
Classic Workforce プロジェクトの作成
Classic プロジェクトを作成するには、ArcGIS API for Python を使用する必要があります。
- ArcGIS API for Python の Workforce モジュールを使用し、「Hydrant Inspections」という名前の Classic プロジェクトを作成します。 Workforce モジュールを使用して Classic プロジェクトを作成する方法については、「ArcGIS API for Python の使用」をご参照ください。
プロジェクトを作成すると、プロジェクトだけでなく、プロジェクトで使用されるマップとレイヤーも作成されます。 さらに、ArcGIS 組織にこのプロジェクト用のフォルダーとグループが作成されます。 プロジェクト所有者もディスパッチャーとしてプロジェクトに追加され、プロジェクトのテストを行うことができます。
次の手順に示すように、ArcGIS API for Python か Workforce Web アプリを使用してプロジェクトを構成します。
作業タイプの設定
[アサインメント タイプ] タブで、プロジェクトで実施する作業を提起します。 このタイプには、ディスパッチャーとモバイル作業者間のコミュニケーションの方法を反映する必要があります。 一般的に、プロジェクトのタイプはそのプロジェクトのすべてまたはほとんどのモバイル作業者に割り当てられるアイテムです。 この演習では、消防署長と消防士の双方の作業を消火栓の点検と呼んでいるため、この用語を唯一のアサインメント タイプとして使用します。
- ArcGIS Workforce Web アプリを開き、ArcGIS 組織アカウントにサイン インします。
ArcGIS Online の使用
https://workforce.arcgis.com にアクセスします。
ArcGIS Enterprise の使用
https://host.domain.com/webadaptor/apps/workforce/ にアクセスします (ここで、host、domain、および webadaptor は、実際のポータルに関する情報で置き換えられます)。
[プロジェクト] ページに、作成したプロジェクトや、ディスパッチャーまたはモバイル作業者として参加しているプロジェクトがすべて表示されます。
- [Hydrant Inspections] とタイトルが付けられた Classic プロジェクトの上にカーソルを置き、[構成] をクリックして [アサインメント] タブをクリックします。
- [割り当てタイプの追加] ボックスに「消火栓の点検」と入力し、[+ タイプ] をクリックします。
ヒント:
プロジェクトにはアサインメント タイプが少なくとも 1 つ必要です。 割り当てタイプはプロジェクトを構成した後に追加でき、使用しなくなった場合には削除できます。
タイプはプロジェクトに追加され、アサインメント タイプ リストの下部のタブに表示されます。 複数のタイプを追加した場合、タブに戻ったときや、ディスパッチャーが表示したときにはアルファベット順に並べ替えられます。
ロールの設定
このプロジェクトに参加するユーザーを追加します。 ロールは、プロジェクトをどこで使用できるかを定義します。ディスパッチャーは Web アプリを使用し、モバイル作業者はモバイル アプリを使用します。 この演習では、消防署長がディスパッチャーで、消防士がモバイル作業者とします。
- [プロジェクトの設定] タスク リストの 3 つ目の手順である [モバイル作業者の追加] をクリックします。
[ユーザー] タブが表示されます。 プロジェクト所有者はすでにディスパッチャーとして、プロジェクトに追加されています。 これにより、プロジェクト所有者はプロジェクトをテストすることができます。 Workforce モバイル アプリを使用するには、プロジェクトでモバイル作業者になる必要があります。
- [組織ユーザー] に名前を入力していくと、組織内のフィルタリングされたユーザーのリストが表示されます。
ユーザー リストには、組織でパブリック プロファイルを持つすべてのメンバーが含まれています。 組織の管理者には、プライベート プロファイルを持つユーザーも表示されます。
- ユーザーの名前をクリックします。
ディスパッチャーとして再度追加することはできないため、[プロジェクト ロール] は自動的に [モバイル作業者] に設定されます。
- [+ ユーザー] をクリックします。
プロジェクトのユーザー リストに別のエントリが表示されます。 この項目には、あなたがモバイル作業者として表示されます。
[プロジェクトの設定] タスク リストの 3 つ目の手順が完了し、4 つ目の手順である [モバイル ディスパッチャーの追加] が選択されます。 プロジェクトには少なくとも 1 人のディスパッチャー (デフォルト ロールとしてのディスパッチャーも含む) と 1 人のモバイル作業者が必要です。 各ロールを 1 つずつすでに持っているため、[このステップをスキップ] をクリックして、プロジェクトの設定を完了できます。 ここから、さらにプロジェクトを構成します。
- [ユーザー] リストで、ディスパッチャー ロールのあなたの名前をポイントし、[詳細の追加] をクリックします。
- 連絡先番号を入力して [保存] をクリックします。
- モバイル作業者ロールのあなたに、以下の情報を追加します。
- 連絡先番号
- ジョブ タイトル: 消防士
新しい情報がユーザー リストに表示されます。
- 詳細を更新する必要がある場合、追加した詳細の上にマウス ポインターを合わせ、[編集] をクリックします。 情報を更新して、[保存] をクリックします。
- 他のユーザーにプロジェクトを試してもらう場合、対象のユーザーをディスパッチャーおよびモバイル作業者としてプロジェクトに追加します。
ヒント:
編集権限のある組織のメンバーを追加してもかまいません。 他の組織からユーザーを追加するには、「他の組織からのユーザーの追加」をご参照ください。
マップのカスタマイズ
プロジェクトは使用できるようになりましたが、マップをカスタマイズしてプロジェクトの構成を継続します。 Workforce の実行時に、消防署長と消防士は点検が必要な消火栓を表示および検索したいと考えています。 消火栓をマップに追加するには、作業者とディスパッチャーのマップを更新して、別のレイヤーを含める必要があります。
ヒント:
この演習では同じレイヤーを双方のマップに追加しますが、ディスパッチャーとモバイル作業者のニーズに基づいて、異なる情報を 2 つのマップに追加することもできます。
- プロジェクトの [概要] タブをクリックします。
- [マップ] リストで、[ディスパッチャー マップ] をクリックし構成します。
マップが開き、組織の他のマップと同様に修正できます。 初めてディスパッチャー マップを編集する場合は、変更内容がディスパッチャーに表示され、[アサインメント] および [作業者] レイヤーを削除しないよう推奨する通知が行われます。
- 通知の [OK] をクリックして、マップの編集を続行します。
- [追加] をクリックして [レイヤーの検索] をクリックします。
- [検索] ボックスに、「hydrants owner:esri_workforce」と入力します。
- 次の手順により、ArcGIS Online で検索します。
ArcGIS Online または ArcGIS Enterprise 10.6.1 以降を使用している場合、[マイ コンテンツ] をクリックしてから [ArcGIS Online] を選択して、検索先を [マイ コンテンツ] から [ArcGIS Online] に変更します。
- ArcGIS Enterprise 10.6 以前を使用している場合、[検索先] を [ArcGIS Online] に変更して、[マップ エリア内] をオフにします。
- [Fire_Hydrants] レイヤーの横にある [追加] をクリックします。
マップ範囲が変化し、追加したレイヤーが表示されます。 そのレイヤーではラベルが有効化されているため、マップ上の消火栓にラベルが付きます。 詳細については、「ヒント:ラベルの追加」をご参照ください。
- マップのコンテンツに戻ります。
ArcGIS Online または ArcGIS Enterprise 10.6.1 以降の使用
戻る矢印をクリックします。
ArcGIS Enterprise 10.5.1 または 10.6 の使用
[レイヤーの追加を完了] をクリックします。
[消火栓] レイヤーが、マップの [コンテンツ] ウィンドウの最上位に追加されます。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[Fire Hydrants] レイヤーをポイントし、オプション ボタンをクリックして、そのレイヤーを [Assignments] レイヤーの下にドラッグして、レイヤーの順序を変更します。
作業者とアサインメントをマップ内の 1 番目と 2 番目のレイヤーに配置し、対象物をその下に配置することで、見栄えのよい使いやすいマップが作成されます。 作業者がマップの他のレイヤーの上に表示され、アサインメントは対象物の上に表示されます。
- [コンテンツ] ウィンドウで [Fire Hydrants] レイヤーをクリックしてツールバーを表示し、[その他のオプション] をクリックして、[ポップアップの構成] をクリックします。
対象物からアサインメントを作成した場合、Workforce はポップアップ タイトルを対象物の説明および場所として使用します。 場所がモバイル作業者にとって役立つよう、ポップアップ タイトルを入力します。
- [ポップアップ タイトル] のテキストを削除し、[フィールド名の追加] [+] をクリックして、[HYD_ID {HYD_ID}] を選択します。
特定の消火栓に対して作成したアサインメントでは、場所として消火栓 ID を表示します。
- [OK] をクリックしてポップアップへの変更を保存します。
- ツールバーにある [保存] をクリックし、[保存] をクリックしてマップへの変更を保存します。
ディスパッチャーに更新した内容が表示されるようになりました。
- [コンテンツ] ウィンドウの [情報] をクリックし、[詳細] をクリックして、マップのアイテム ページを開きます。
- [設定] タブをクリックし、[Web マップ設定] セクションまでスクロールします。 [位置の検索] にある [レイヤー] チェックボックスをオンにします。
ディスパッチャーが消火栓の名前を検索することで、マップ上の消火栓を見つけられるようにします。 消火栓の名前は、[Fire Hydrants] レイヤーの HYD_ID フィールドに格納されています。
- [レイヤーの追加] をクリックします。
- 3 つのリストで、以下のレイヤー検索設定を選択します。
- [Fire_Hydrants] (検索対象レイヤー)
- [HYD_ID] (検索対象フィールド)
- [含む] (検索条件)
検索条件に [含む] を使用することで、ディスパッチャーは消火栓の名前を部分一致で検索できます。
- [保存] をクリックします。
- Workforce のマップのアイテム詳細を閉じ、マップを閉じます。
- 作業者マップも同様に変更し、モバイル作業者が消火栓を表示および検索できるようにします。
注意:
[レイヤー] を有効化する必要はありません。 Workforce プロジェクトの作成時に作業者の名前別の検索が設定されているため、すでに有効化されています。
追加の設定の構成
次に、プロジェクトのサムネイルを設定し、ディスパッチャーとモバイル作業者が簡単にプロジェクトを特定できるようにします。 モバイル作業者の場所を 1 分ごとに更新したい場合、位置のトラッキングも構成します。 モバイル作業者は点検する消火栓にたどり着くために ArcGIS Navigator を使用します。 ArcGIS Navigator との統合はデフォルトで有効化されているため、有効化されていることを確認するだけで済みます。
- [概要] タブで、[このプロジェクトについて] の横にあるプレースホルダー サムネイルをクリックします。
- 使用するサムネイルを参照して選択し、[開く] をクリックします。
選択したサムネイルは、プロジェクトのアサインメントに基づいて、ディスパッチャーとモバイル作業者の双方にわかりやすい必要があります。 このサムネイルは、プロジェクトを参照して開く際にディスパッチャーとモバイル作業者の双方に表示されます。 モバイル作業者には、プロジェクトを開いている間にも表示されます。
- プロジェクトの [高度な設定] タブをクリックします。
- [アプリと連携] の横にある [展開] をクリックして、モバイル作業者が Workforce と組み合わせて使用できるアプリを表示します。
- [位置のトラッキング] の横にある [展開] をクリックします。
モバイル作業者の場所を毎分更新して表示したいと考えています。
- [有効化] をクリックし、モバイル作業者を追跡します。
注意:
位置のトラッキングと現在の場所 (マップでのモバイル作業者の場所の表示) は異なります。位置のトラッキングでは、モバイル作業者の過去の位置をログに記録しています。 位置のトラッキングを無効化していても、モバイル作業者の現在の場所をマップに表示できます。
- スライダーを使用して、位置のトラッキング間隔をデフォルトの 30 秒から 1 分に変更します。
作業中のモバイル作業者の位置が、1 分ごとに記録されます。
- [更新] をクリックして新しい間隔を保存します。
プロジェクトを使用する準備が整いました。
- ディスパッチを行うためにプロジェクトを開くには、[概要] タブをクリックし、[プロジェクトを開く] をクリックします。
別のプロジェクトを作成または使用するには、Workforce ロゴをクリックして [プロジェクト] リストに戻ります。
プロジェクトのテスト
これで、プロジェクトにアサインメント、ディスパッチャーとモバイル作業者、アプリと、作業者を支援する他のデータが構成されました。 この演習では、Workforce の使用方法を確認し、プロジェクトの設定方法について説明しました。 組織向けにプロジェクトを定義したら、次のステップではプロジェクトをテストし、ディスパッチャーとモバイル作業者が効果的に活用できることを確認します。 プロジェクトをテストする際に確認すべきことを以下に示します。
- サンプル アサインメントを作成します。 プロジェクトを使用する際、作成したアサインメント数が、アクティブだと想定されるアサインメント数を適切に表現していることを確認します。
- 一部のディスパッチャーとモバイル作業者でプロセスを一通り実行します。 プロジェクトを使用する際に作業を行う予定のすべての参加者で完全なテストを実施します。 これにより、プロジェクトが適切に構成されていることを確認でき、アサインメントのタイプがディスパッチャーとモバイル作業者の双方が納得できるものになっているかどうか、 モバイル作業者とディスパッチャーが適切に定義されているか、といった問いに答えることができます。
- プロジェクトに複数のモバイル作業者でしかできない作業タイプまたは 1 人のモバイル作業者のみでできる作業タイプが存在する場合、これらの作業タイプがワークフロー内で適切に設定されていることを確認します。 プロジェクトにこれらの作業タイプが存在することが適切な場合もあれば、混乱を招く場合もあるでしょう。
- アプリ統合が想定どおりに動作していることを確認します。
ヒント:
問題が見つかった場合は、プロジェクトを編集して再テストします。 プロジェクトを編集するには、[マイ プロジェクト] に移動し、プロジェクトの上にマウス ポインターを合わせ、[構成] をクリックします。 ユーザーが所有するプロジェクトを構成および削除するオプションのみが表示されます。
Workforce では、ディスパッチャーおよびモバイル作業者がバック オフィスと現場で共通のビューを使用するため、現場で常に整理された状態を保ち、進捗をレポートしやすくなります。 多くのプロジェクトを Workforce に移行することで、オーバーヘッドを減らし、生産性を高めることができます。
次の手順
最初の Workforce プロジェクトの作成が完了しました。これで、あなたのプロジェクトと Workforce を組織に組み込む方法を検討する準備ができました。 今後、この演習と同様に、各アサインメントが 1 つのフィーチャにマッピングされる作業を管理していきます。 一方、モバイル作業者が各樹木に関するデータを収集する必要のある各公園にアサインメントを配置する場合など、作業が必要な各エリアにアサインメントを作成することもあります。この場合、複数のフィーチャが作業の対象になります。 また、フィーチャには関連しないアサインメントを管理する必要がある場合もあります。 管理する作業の種類にかかわらず、以下に Workforce を組織に導入するヒントを示します。
- 小規模な導入から始めます。アサインメント タイプの数が管理しやすく、期間も限定され、ミッション クリティカルでないプロジェクトを選択します。
- 作業者を賢明に選択します。他のメンバーよりも、変化を厭わないメンバーがいます。 Workforce をテスト実行する場合、新しいプロセスやテクノロジに積極的な作業者を選択することで、テスト実行の体験を踏まえて、Workforce の採用に賛同してもらえる可能性があります。
- 段階的に実行します。最初のプロジェクトの場合、既存のワークフローでアプリを実行します。 このようにすることで、必要に応じて Workforce の使用を中止し、既存のワークフローに切り戻すことができます。
まだ独自のプロジェクトを開始する準備ができていない場合、「最初のアサインメントの作成」に進んで、ディスパッチャーが Workforce を使用してアサインメントを作成する方法を確認できます。