多次元異常の生成ツールは、既存の多次元ラスター内のスライスごとに異常を計算し、新しい多次元ラスターを生成します。 異常は、その標準値または平均値からの観測の偏差です。
注意:
Map Viewer でこのツールを、ArcGIS Online で最新のマップ作成ツールを、それぞれ使用できるようになりました。 詳細については、「多次元異常の生成 (Map Viewer)」をご参照ください。
このツールが Map Viewer Classic に表示されない場合は、組織の管理者に問い合わせてください。 お使いのアカウントには、Professional または Professional Plus のユーザー タイプと、画像解析の権限が必要です。
ワークフロー図
例
- 最大 100m まで 1m 間隔で収集された月次海洋温度データをもとに、それぞれの深さにおける年間平均からの偏差として温度の異常を計算します。
- 50 年以上にわたって収集された年間降水量データをもとに、経時的な平均値と比べて降水量が最低の年を確認します。
使用上の注意
このツールは、多次元ラスター内の 1 つ以上の変数で経時的な異常を計算します。 異常は、その標準値、平均値、または中央値からの観測の偏差です。
多次元画像レイヤーを公開する方法については、「多次元画像レイヤーの公開」をご参照ください。
入力多次元画像レイヤーは、時間ディメンションを持つ必要があります。 時間ディメンションに加えて非時間ディメンションがある場合、追加のディメンションにおける各ステップで異常が計算されます。
平均の定義として平均値または中央値のいずれかを使用して異常を計算できます。 データ分布が偏っている場合、平均値は外れ値に大きく影響される可能性があるため、このタイプのデータには、中央値または Z スコアの手法が適している場合があります。 異常値を計算する数学的手法は、以下のとおりです。
- 平均からの差異 = x - µ
- x = スライス内のピクセル値
- µ = 指定した時間間隔内のそのピクセル値の平均
- 平均からのパーセント差 = |x - µ| / [(x + µ)/2]
- x = スライス内のピクセル値
- µ = 指定した時間間隔内のそのピクセル値の平均
- |x - µ| = 値と平均の差の絶対値
- 平均の割合 = x - µ
- x = スライス内のピクセル値
- µ = 指定した時間間隔内のそのピクセル値の平均
- 中央値からの差異 = x - ß
- x = スライス内のピクセル値
- ß = 指定した時間間隔内のそのピクセル値の中央値
- 中央値からのパーセント差 = |x - ß| / [(x + ß)/2]
- x = スライス内のピクセル値
- ß = 指定した時間間隔内のそのピクセル値の中央値
- |x - ß| = 値と中央値の差の絶対値
- 中央値の割合 = x / ß
- x = スライス内のピクセル値
- ß = 指定した時間間隔内のそのピクセル値の中央値
- Z スコア = (x - µ) / S
- x = スライス内のピクセル値
- µ = 指定した時間間隔内のそのピクセル値の平均
- S = 指定した時間間隔内のそのピクセル値の標準偏差
[現在のマップ範囲を使用] がオンの場合、現在のマップ範囲に表示されるレイヤーの変数が解析されます。 オフの場合、レイヤー全体の変数が、現在のマップ範囲内になくても解析されます。
次の表に、このツールのパラメーターを示します。
パラメーター | 説明 |
---|---|
異常を生成する多次元画像レイヤーの選択 | 解析する入力多次元画像レイヤー。 |
異常を生成する変数を選択 | 異常を計算する変数。 変数が指定されない場合、時間ディメンションを含む変数がすべて解析されます。 |
異常を生成する方法を選択 | 異常の計算に使用する方法を指定します。
|
平均を計算する時間間隔の選択 | 平均の計算に使用する時間間隔を指定します。
|
平均の画像レイヤーを参照として選択 | 以前に計算したピクセルごとの平均を含む参照ラスター データセットを指定します。 異常はこの平均と比較することで計算されます。 |
計算時に欠損値を無視 | 解析で欠損値を無視するかどうかを指定します。
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結果レイヤー名 | [マイ コンテンツ] に作成され、マップに追加されるレイヤーの名前。 デフォルトの名前は、ツール名と入力レイヤー名に基づいて設定されます。 レイヤーがすでに存在する場合は、別の名前を指定するよう求められます。 [出力の保存場所] ドロップダウン ボックスを使用して、結果を保存する [マイ コンテンツ] 内のフォルダーの名前を指定できます。 タイル イメージ レイヤーとダイナミック イメージ レイヤーの両方を作成する権限がある場合は、[結果の保存方法] ドロップダウン ボックスを使用して、出力にどちらのレイヤー タイプを使用するかを指定することもできます。 |
ヒント:
解析を実行して消費されるクレジットの量を確認するには、[クレジットの表示] をクリックします。
環境
解析環境設定は、ツールの結果に影響する追加パラメーターです。 このツールの解析環境設定にアクセスするには、ツール ウィンドウの上部にある設定ボタン をクリックします。
このツールでは次の [解析環境] が適用されます。
- 出力座標系 - 出力レイヤーの座標系を指定します。
- 範囲 - 解析に使用するエリアを指定します。
- スナップ対象ラスター - 指定したスナップ対象ラスター レイヤーのセルの配置に一致するように、出力の範囲を調整します。
- セル サイズ - 出力レイヤーで使用するセル サイズ。
- リサンプリング方法 - ピクセル値の内挿に使用する方法。
類似のツールとラスター関数
多次元異常の生成を使用し、経時的な変数の異常値を計算します。 その他のツールは、類似した問題を解決するのに効果的です。
Map Viewer Classic 解析ツールとラスター関数
外れ値の検索ツールは、フィーチャ サービスのフィーチャの空間パターンに外れ値が存在するかどうかを判定します。
ArcGIS Pro 解析ツールとラスター関数
[多次元異常の生成 (Generate Multidimensional Anomaly)] ジオプロセシング ツールは Image Analyst ツールボックスと Spatial Analyst ツールボックスで使用できます。
ArcGIS Enterprise 開発者向けリソース
ArcGIS REST API で作業を行っている場合は、Generate Multidimensional Anomaly タスクを使用します。
ArcGIS API for Python で作業を行っている場合は、arcgis.raster.analytics モジュールの generate_multidimensional_anomaly を使用します。