多次元異常の生成ツールは、既存の多次元ラスター内のスライスごとに異常を計算し、新しい多次元イメージ レイヤーを作成します。
出力はホスト イメージ レイヤーです。
例
最大 100 メートルまで 1 メートルごとに収集した月次の海洋温度データがあります。 多次元異常の生成ツールを使用して、年平均からの偏差として温度の異常を計算し、100 深度ごとの異常値を返します。
使用上の注意
多次元異常の生成には、入力レイヤー、異常の設定、結果レイヤーの構成が含まれます。
入力レイヤー
[入力レイヤー] グループには次のパラメーターがあります。
- [多次元イメージ レイヤー] は、観測値が標準、平均、中央値から逸脱しているエリアを特定するために使用する多次元イメージ レイヤーです。
- [変数] は、異常を生成する際に考慮する値を示します。
異常の設定
[異常の設定] グループには次のパラメーターがあります。
- [異常の計算方法] は、異常を計算するために使用する方法を指定します。 次のようなオプションがあります。
[平均からの差異] - 間隔で定義されたすべてのスライスで、ピクセル値とそのピクセルの平均値の差が計算されます。
平均からの差異 = x - µ
- x = スライス内のピクセル値
- µ = 指定した時間間隔内のそのピクセル値の平均
[平均からのパーセント差] - 間隔で定義されたすべてのスライスで、ピクセル値とそのピクセルの平均値のパーセント差が計算されます。
平均からのパーセント差 = |x - µ| / [(x + µ)/2]
- x = スライス内のピクセル値
- µ = 指定した時間間隔内のそのピクセル値の平均
- |x - µ| = 値と平均の差の絶対値
[平均の割合] - 平均の割合が計算されます。
平均の割合 = x / µ
- x = スライス内のピクセル値
- µ = 指定した時間間隔内のそのピクセル値の平均
[Z スコア] - 各ピクセルの Z スコアが計算されます。 0 の Z スコアは、ピクセルの値が平均値と同一であることを示します。 1 の Z スコアは、ピクセルの値の平均値からの標準偏差が 1 であることを示します。 Z スコアが 2 の場合、ピクセルの値の平均値からの標準偏差が 2 であることを示します。その後も同様です。
Z スコア = (x - µ) / S
- x = スライス内のピクセル値
- µ = 指定した時間間隔内のそのピクセル値の平均
- S = 指定した時間間隔内のそのピクセル値の標準偏差
[中央値からの差異] - 間隔で定義されたすべてのスライスで、ピクセル値とそのピクセルの数学的中央値の差が計算されます。
中央値からの差異 = x - ß
- x = スライス内のピクセル値
- ß = 指定した時間間隔内のそのピクセル値の中央値
[中央値からのパーセント差] - 間隔で定義されたすべてのスライスで、ピクセル値とそのピクセルの数学的中央値のパーセント差が計算されます。
中央値からのパーセント差 = |x - ß| / [(x + ß)/2]
- x = スライス内のピクセル値
- ß = 指定した時間間隔内のそのピクセル値の中央値
- |x - ß| = 値と中央値の差の絶対値
[中央値の割合] - 数学的中央値の割合が計算されます。
中央値の割合 = x / ß
- x = スライス内のピクセル値
- ß = 指定した時間間隔内のそのピクセル値の中央値
- [平均の計算間隔] は、平均の算出に使用される時間間隔を指定します。 外部イメージ レイヤーは単一レイヤーか、多次元イメージ レイヤーのいずれかです。 入力が単一イメージ レイヤーである場合、各スライスのピクセル値と、外部イメージ レイヤーの対応するピクセル値を比較することで、平均との差を計算します。 入力が多次元イメージ レイヤーである場合、対応するスライスを比較して平均との差を計算し、変数の数と名前およびディメンションが一致する必要があります。
- [すべて] - ピクセルごとにすべてのスライスで平均を計算します。
- [毎年] - ピクセルごとに毎年の平均を計算します。
- [毎月繰り返し] - ピクセルごとに毎月の平均を計算します。
- [毎週繰り返し] - ピクセルごとに毎週の平均を計算します。
- [毎日繰り返し] - ピクセルごとに毎日の平均を計算します。
- [毎時間] - ピクセルごとに毎時間の平均を計算します。
- [外部ラスター] - ピクセルごとの平均または中央値を含む既存のイメージ レイヤーを参照します。
- [参照ラスター] は、ピクセルごとに計算済みの平均を含むイメージ レイヤーを示します。 異常はこの平均と比較することで計算されます。
- [NoData を無視] は、解析で NoData 値を無視するかどうかを指定します。 オンにすると、解析は特定のディメンションに沿って有効なすべてのピクセルを含め、すべての NoData 値のピクセルを無視します。 これがデフォルトです。 オフにすると、特定のディメンションに沿って NoData 値のピクセルが存在する場合、解析結果が NoData になります。
結果レイヤー
[結果レイヤー] グループには次のパラメーターがあります。
- [出力名] は、作成および表示されるレイヤーの名前を指定します。 名前は、一意でなければなりません。 組織内に同じ名前のレイヤーがすでに存在する場合、ツールは失敗し、別の名前を指定するよう求められます。
- [出力レイヤー タイプ] は、作成するラスター出力のタイプを指定します。 出力は、タイル イメージ レイヤーまたはダイナミック イメージ レイヤーのいずれかです。
- [フォルダーに保存] は、結果を保存する [マイ コンテンツ] 内のフォルダーの名前を指定します。
環境
解析環境設定は、ツールの結果に影響する追加パラメーターです。 ツールの解析環境設定には、[環境設定] パラメーター グループからアクセスできます。
このツールでは次の解析環境が適用されます。
クレジット
このツールはクレジットを消費します。
このツールの実行に必要なクレジット数を計算するには、[クレジットの推定] を使用します。 詳細については、「空間解析のクレジットの概要」をご参照ください。
出力
出力には、指定された計測値と大きく異なるエリアを含む主題イメージ レイヤーが 1 つ含まれます。 入力イメージ レイヤーが多次元である場合、出力レイヤーも多次元になります。
使用の要件
このツールには、次のユーザー タイプと構成が必要です。
- Professional または Professional Plus ユーザー タイプ
- 公開者、ファシリテーター、管理者ロール、または画像解析権限を含む同等のカスタム ロール
リソース
詳細については、次のリソースをご参照ください。
- ArcGIS REST API の多次元異常の生成
- ArcGIS API for Python の generate_multidimensional_anomaly
- ArcGIS Pro の多次元異常の生成