位置のトラッキングは、組織全体で利用できる機能であり、ユーザーの現在地と過去の位置を記録できます。 位置のトラッキングを有効にすると、組織内のライセンスが付与されたユーザーは、Tracker モバイル アプリまたは Field Maps モバイル アプリを使用して、位置を位置のトラッキング レイヤーにアップロードすることができます。 ユーザーには自身のトラッキングのみが表示され、他のユーザーのトラッキングを表示するには追加の権限が必要となります。
位置のトラッキングを有効にした場合、管理者は Track Viewer Web アプリでトラック ビューを作成して、組織内の他のユーザーと最新位置を共有し、データをトラッキングすることができます。 トラック ビューは、ビューにトラックを含めるユーザーとそのトラックを表示できるユーザーを定義します。 Tracker モバイル アプリと Field Maps モバイル アプリはバックグラウンドでの位置の追跡用に最適化されているため、デバイスのバッテリーへの影響を最小限に留めることができます。 モバイル アプリでは、データ接続の有無にかかわらずトラックが記録され、モバイル ユーザーはトラッキングされるタイミングとされないタイミングをコントロールできます。
ArcGIS 組織の管理者またはユーティリティ サービス設定を管理するための権限を持つメンバーは、次の手順を実行してメンバーの位置のトラッキングを有効にすることができます。
- デフォルトの管理者またはユーティリティ サービス設定を管理するための管理権限を持つカスタム ロールとして組織サイトにサイン インしていることを確認します。 必要な管理権限の詳細については、「位置のトラッキングの有効化と管理」をご参照ください。
- サイトの上部にある [組織] をクリックして、[設定] タブをクリックします。
- ページの側面にある [組織エクステンション] をクリックします。
- [位置のトラッキングの有効化] をクリックします。
ArcGIS Enterprise を使用している場合は、組織でビッグ データ ストア (ArcGIS Data Store を介して使用できるデータ ストアの種類の 1 つ) を構成する必要があります。
- ArcGIS Enterprise を使用している場合は、トラックを保持する期間を構成します。
デフォルトでは、トラックは 30 日間保持されます。
ArcGIS Online を使用している場合は、トラッキングは 30 日間保持され、その保持期間を構成することはできません。
- 10.8 より前のバージョンの ArcGIS Enterprise を使用している場合は、Track Viewer for ArcGIS をダウンロードしてインストールします。
これにより Track Viewer Web アプリがインストールされ、管理者は組織の他のメンバーと位置のトラックを共有できます。 ArcGIS Online では、これはすでに利用可能です。 詳細については「トラックの表示」をご参照ください。
注意:
Track Viewer は、ArcGIS Enterprise 10.8 以降では、デフォルトでインストールされます。
さまざまな配置パターンと推奨される仕様の詳細については、『ArcGIS Tracker Deployment Guide for ArcGIS Enterprise』をご参照ください。
位置のトラッキング レイヤーが作成されます。 管理者はトラッキングを有効化すると、位置のトラッキング レイヤーの所有者になります。 Location Tracking フォルダーが作成され、位置のトラッキングに必要なすべてのアイテム (レイヤー、ビューなど) が格納されます。このフォルダーは管理者のコンテンツに含まれ、管理者が所有します。 その他の管理者と同様、Track Viewer Web アプリを使用してトラック ビューを作成したり、他のユーザーによる位置のトラックの表示を許可したりできますが、すべてのビューは管理者が所有します。 すべての管理者が位置のトラッキングを一時停止することができますが、トラッキングを有効化した管理者のみが位置のトラッキングを無効化できます。
位置のトラッキングの管理
位置のトラッキングが有効化されると、管理者は以下の手順で管理できます。
- トラックを保持する期間を構成します。
構成された期間以前に記録された位置は、位置のトラッキング レイヤーから削除されます。
注意:
トラックを保持する期間の構成は、ArcGIS Enterprise でのみサポートされています。 ArcGIS Online を使用している場合は、位置のトラックは組織内に 30 日間保存されます。
- 位置のトラッキングを一時停止します。
位置のトラッキングが一時停止している間、トラックは保持されますが、読み取り専用になります。 新しいトラックは収集されず、モバイル ユーザーはトラックを位置のトラッキング レイヤーにアップロードできません。
- 位置のトラッキングを無効化します。
位置のトラッキングを無効化すると、位置のトラッキングに関連付けられているすべてのアイテム (レイヤー、ビュー、グループなど) が削除されます。 位置のトラックを表示する権限は、割り当て済みのロールによって関連付けられます。 位置のトラッキングを有効化した管理者のみが、位置のトラッキングを無効化できます。
注意:
ArcGIS Online を使用している場合は、トラックの保存は、クレジットを消費しません。
位置のトラックのセキュリティ
位置のトラックは組織内に保存されています。 位置のトラッキング レイヤーで所有権ベースのアクセス制御が有効になっている場合、ユーザーは自身のトラックのみ表示できます。 その他のトラックを表示する必要があるユーザーには、位置のトラックを表示する権限があり、アクセスする必要があるトラック ビューを含むグループに割り当てられている必要があります。 管理者 (位置のトラッキング レイヤーを作成した管理者を含む) は、レイヤー内のすべてのトラックにアクセスできます。
トラックは Tracker モバイル アプリまたは Field Maps モバイル アプリを使用して収集され、モバイル デバイスの SQLite データベースに保存されます。 記録された各位置は、アプリにサイン インしているユーザーによって作成され、編集情報の記録では、この情報が記録した位置とともに保存されます。 ユーザーが Tracker または Field Maps からサイン アウトすると、SQLite データベースは削除されます。 デバイス上でアプリを使用している他のユーザーは、以前のユーザーのトラックにアクセスすることができません。
注意:
位置のトラッキング サービスに対して GDPR などのプライバシー規則に準拠しながらクラウドおよびエンタープライズ GIS を配置する方法の詳細については、「ArcGIS Location Tracking Privacy Best Practices」をご参照ください。