空間集約

Insights in ArcGIS Online
Insights in ArcGIS Enterprise
Insights desktop

空間集約は、入力レイヤーと境界レイヤーがオーバーラップしているエリア内の統計情報を計算します。

大学コンソーシアムのビジネス アナリストは、価値の高い大学が存在する州内でマーケティング キャンペーンの調査を実施していて、高い ROI (投資対効果) を上げている大学が最も多い州を知りたいと考えています。 空間集約を使用すると、大学を州で集約して、平均以上の ROI を上げている大学の数を検索できます。

空間集約機能の使用

空間集約は、集約に使用される境界 (郡、国勢調査区、警察管轄区など) を含むエリア レイヤーと、集約対象レイヤーの 2 つのレイヤーを含むマップで実行できます。

空間集約解析機能を実行には、次の手順に従います。

  1. 必要に応じて、マップ カードをクリックしてアクティブ化します。 ツールバーと [アクション] ボタン アクション が表示されると、カードがアクティブになります。
  2. [アクション] ボタンをクリックし、[空間集約] を選択します。
  3. [エリア レイヤーの選択] で、境界レイヤーを選択します。 [集計するレイヤーの選択] で、集約するレイヤーを選択します。
  4. [シンボル設定] で、計算および表示するフィールドまたは統計情報を選択します。 必要に応じて、[その他のオプション] を使用して追加のフィールドおよび統計情報を選択します。
  5. [実行] をクリックします。
ヒント:

Drag-N Drop [空間集約] は、既存のマップの [空間集約] ドロップ領域にデータセットをドラッグすることでも実行できます。

使用上の注意

[エリア レイヤーの選択][集計するレイヤーの選択] パラメーターを使用すると、境界レイヤーと集計するレイヤーを選択できます。 [エリア レイヤーの選択] パラメーターには、エリア フィーチャがあるレイヤーのみを使用できます。

[シンボル設定] パラメーターを使用すると、計算している統計情報を変更できます。 デフォルトの統計情報は、集約されるレイヤーのタイプによって異なります。 ドロップダウン メニューを使用して、別のスタイル オプションを選択できます。 次の表は、各レイヤー タイプの [シンボル設定] オプションをまとめたものです。

レイヤー タイプの概要デフォルト スタイル オプションその他のスタイル オプション

ポイント

数値または割合/比率フィールド (合計、最小、最大、平均、またはモード)

文字列フィールド (最頻値)

ライン

数値 (合計) または割合/比率 (平均) フィールド

数値または割合/比率フィールド (合計、最小、最大、平均、または最頻値)

文字列フィールド (最頻値)

長さの合計 (メートル、キロメートル、フィート、またはマイル)

エリア

数値 (合計) または割合/比率 (平均) フィールド

数値または割合/比率フィールド (合計、最小、最大、平均、または最頻値)

文字列フィールド (最頻値)

面積の合計 (平方メートル、平方キロメートル、平方フィート、または平方マイル)

注意:

ラインおよびエリアの統計情報を計算する際は、割合/比率ではなく数値を使用し、比率計算が論理的な意味を持つようにすることをお勧めします。 詳細については、「空間集約の仕組み」をご参照ください。

[その他のオプション] パラメーターを展開すると、その他の統計情報を割り当てることができます。 サマリー統計のリストにフィールドを追加すると、新しいフィールドがリストの下に表示されます。

制限事項

同じデータベース接続から取得されたデータに対して空間集約または空間フィルターを実行するときは、必ずすべてのデータが同じ空間参照系で格納されるようにする必要があります。 また、SQL Server から取得されたデータセットの場合、データのデータ タイプも同じである必要があります (ジオグラフィまたはジオメトリ)。

Google BigQuerySnowflake、および追加設定が必要なデータベース プラットフォームには、次の制限が適用されます。

  • ラインおよびエリア フィーチャを [集計するレイヤーを選択] パラメーターとして使用する空間集約は、読み取り専用接続ではサポートされていません。
  • 両方の入力レイヤーは、同じデータベース接続から取得する必要があります。

Google BigQuery は、最頻値の計算をサポートしていません。

空間集約の仕組み

[平均] 統計情報は、ラインおよびエリア フィーチャの加重平均を使用して計算されます。 加重平均を計算するには、次の方程式を使用します。

加重平均を計算する方程式
N = 観測数 xi = 観測データ Wi = 加重

ポイント

ポイント レイヤーの集計には、入力境界内にあるポイント フィーチャのみを使用します。 このため、計算に加重は使用されません。

仮想的な境界内にあるポイント レイヤーの統計計算を次の図と表に示します。 数値の統計情報 (個数、合計、最小、最大、および平均) の計算には Population フィールド、最頻値には Type フィールドを使用しています。

ポイント レイヤーの集約

フィールド統計地区 A の結果地区 B の結果

Population

6

6

合計

280 + 408 + 356 + 361 + 450 + 713 = 2,568
370 + 422 + 495 + 607 + 574 + 932 = 3,400

最小

次のうちの最小:

[280 408 356 361 450 713] = 280

次のうちの最小:

[370 422 495 607 574 932] = 370

最大

次のうちの最大:

[280 408 356 361 450 713] = 713

次のうちの最大:

[370 422 495 607 574 932] = 932

平均

2,568/6 = 428

3,400/6 = 566.67

Type

最頻値

小学校

小学校

この解析の実用例は、それぞれの学区内の学生の合計人数を調べる場合です。 各ポイントは 1 つの学校を表します。 Type フィールドには、学校の種類 (小学校、中学校、または高校) が示され、学生人口のフィールドには、各学校に入学した学生の人数が示されています。 計算および結果は、上のテーブルに表示されます。 この結果から、地区 A には 2,568 人、地区 B には 3,400 人の学生が存在していることがわかります。

ライン

ライン レイヤーの数値の集計には、入力境界内にあるライン フィーチャの比率のみを使用します。 ラインを集計する場合は、数や量 (比率や割合ではなく) を持つフィールドを使用して、比率計算が解析で論理的な意味を持つようにします。 この結果は、等級シンボルで表示されます。

ライン レイヤーの最頻値は、境界と交差するフィーチャ数に基づいています。 ラインは、最頻値でのカウントにおいて、必ずしも境界内に完全に含まれる必要はありません。各ラインは、境界内に含まれる比率に関係なく、1 つのフィーチャとしてカウントされます。 この結果は、個別値シンボルで表示されます。

仮想的な境界内にあるライン レイヤーの統計計算を次の図と表に示します。 レイヤーの統計情報 (合計、最小、最大、および平均) の計算には、ボリュームを使用しています。 境界内にあるラインの比率のみを使用して、統計情報を計算しています。 水域フィーチャのタイプには、最頻値が計算されます。

ライン レイヤーの集計

統計フィールド結果

長さの合計

長さ

2 マイル + 3 マイル + 1.5 マイル = 6.5 マイル
注意:

長さは、フィート、メートル、キロメートル単位で計算することもできます。

合計

ボリューム

400 + 500 + 300 = 1,200

最小

次のうちの最小:

[400 500 300] = 300

最大

次のうちの最大:

[400 500 300] = 500

平均

((2*400)+(3*500) + (1.5*300))/(2+3+1.5) = 423.08

最頻値

タイプ

河川

この解析の実用例は、州立公園の境界内にある河川の合計水量を算出する場合です。 各ラインは、公園内に流域の一部が存在する河川を表しています。 この結果から、公園内の河川の流域は 6.5 マイルであり、合計水量は 1,200 単位であることがわかります。

Areas

エリア レイヤーの集計には、入力境界内にあるエリア フィーチャの比率のみを使用します。 エリアを集計する場合は、数や量 (比率や割合ではなく) を持つフィールドを使用して、比率計算が解析で論理的な意味を持つようにします。 この結果は、等級色で表示されます。

エリア レイヤーの最頻値は、境界と交差するフィーチャ数に基づいています。 エリアは、最頻値でのカウントにおいて、必ずしも境界内に完全に含まれる必要はありません。各エリアは、境界内に含まれる比率に関係なく、1 つのフィーチャとしてカウントされます。 この結果は、個別値シンボルで表示されます。

仮想的な境界内にあるエリア レイヤーの統計計算を次の図と表に示します。 このレイヤーの統計情報 (合計、最小、最大、および平均) の計算には、人口を使用しています。 境界内にあるエリアの比率のみを使用して、統計情報を計算しています。 各エリアのタペストリ セグメントの名称を使用して、最頻値を計算しています。

エリア レイヤーの集計

統計フィールド結果

面積の合計

エリア

4 mi2 + 4 mi2 + 1 mi2 + 6 mi2 + 2 mi2 = 17 mi2
注意:

面積は、平方フィート、平方メートル、平方キロメートル単位で計算することもできます。

合計

人口

2,133 + 3,133 + 400 + 3,375 + 1,800 = 10,841

最小

次のうちの最小:

[2,133 3,133 400 3,375 1,800] = 400

最大

次のうちの最大:

[2,133 3,133 400 3,375 1,800] = 3,375

平均

((4*2,133)+(4*3,133)+(2*1,800)+(6*3,375)+(1*400))/(4+4+2+6+1) = 2,665.53

最頻値

セグメント

セグメント 2

この解析の実用例は、都市近郊の人口を算出する場合です。 青のアウトラインは近郊との境界を表し、小さいエリアは国勢調査区を表しています。 この結果から、近郊に 10,841 人が居住しており、国勢調査区当たりの平均人口は約 2,666 人であることがわかります。