画像管理ツール

画像コレクションを組織のホスト ダイナミック イメージ レイヤーとして公開することができます。 公開後に、画像のフットプリントとオーバービューの構築、統計の計算、NoData ピクセル値の定義を行うツールを使用して、ホスト イメージ レイヤーの視覚化を変更したり、パフォーマンスを最適化したりすることができます。 以下のセクションでは、レイヤーの所有者または管理者が、これらのツールを使用してホスト イメージ レイヤーを変更する方法について説明します。

注意:

これらのツールは、[コレクション] タイプ属性を持つダイナミック イメージ レイヤーでのみ使用できます。 [コレクション] タイプ属性がないダイナミック イメージ レイヤーやタイル イメージ レイヤーでは使用できません。

フットプリントの構築

フットプリントには、画像コレクション内の各ラスターまたは画像のアウトラインが含まれます。 アウトラインは、ラスター データセットの範囲ではなくラスター データセット内の有効なラスター データの範囲を示すものと考えてください。 画像コレクションを使用してホスト イメージ レイヤーのフットプリントを構築するには、次の手順を実行します。

  1. 組織サイトにサイン インし、画像コレクション イメージ レイヤーのアイテム ページを開きます。
  2. [画像管理] タブをクリックして、[フットプリントの構築] ボタンをクリックします。
  3. 必要に応じて、次のいずれか 1 つまたは複数の設定を変更します。

    方法

    フットプリント計算方法:

    • [ラジオメトリー] - 定義された範囲外の値を持つピクセルを除外します。 このオプションは、通常、有効なデータは含まない境界エリアの除外に使用されます。 このオプションを選択した場合は、最小値と最大値も指定できます。 これがデフォルトです。
    • [ジオメトリー] - フットプリントを元のジオメトリーに戻します。

    頂点の概数

    フットプリントの複雑度は頂点の数で定義されます。 有効な値の範囲は 4 ~ 10,000 です。何も指定しない場合は値を -1 に設定します。 頂点の数が多いほど、フットプリントが高精度になり、複雑になる可能性が高くなります。

    縮小距離

    この距離でフットプリントをクリップします。 これは、NoData ピクセルに画像のエッジが重なる原因となる、非可逆圧縮の使用からアーティファクトを除去できます。

    単純化の方法

    パフォーマンスを向上するために、フットプリント内の頂点数を削減します。

    • [なし] - 頂点数を制限しません。 これがデフォルトです。
    • [凸包] - 最小境界四角形ボックスを使用して、フットプリントを単純化します。
    • [エンベロープ] - 各モザイク データセット アイテムのエンベロープを使用して、フットプリントを単純化します。

    オーバービューをスキップ

    オーバービューのフットプリントを調整します。

    • オン - オーバービューのフットプリントを調整しません。 これがデフォルトです。
    • オフ - オーバービューおよび関連するラスター データセットのフットプリントを調整します。

    境界線の更新

    範囲を変更する画像を追加または削除した場合に、モザイク データセットの境界線を更新します。

    • オン - 境界線を更新します。 これがデフォルトです。
    • オフ - 境界線を更新しません。

    シートのエッジを維持

    タイル分割されて隣接する (つまり、重なる部分が小さいか重ならない状態で、継ぎ目に沿って並べられている) ラスター データセットのフットプリントを変更します。

    • オフ - すべてのフットプリントからシートのエッジを削除します。 これがデフォルトです。
    • オン - 元の状態のフットプリントを維持します。
  4. 必要に応じて、[設定の詳細表示] をクリックし、次の 1 つ以上を変更します:

    リクエスト サイズ

    フットプリントを構築するときにラスターをリサンプリングする範囲 (カラムとロウ) を設定します。 画像の解像度が大きくなるほど、ラスター データセットは詳細になりますが、処理時間は長くなります。 値が -1 の場合、フットプリントを元の解像度で計算します。

    最小領域サイズ (ピクセル)

    ピクセル値を使用してマスクを作成するときに、画像の小さなホールを避けます。 たとえば、画像の値の範囲が 0 ~ 255 で、雲をマスクするために 245 ~ 255 の値を除外すると、雲でない他のピクセルもマスクされてしまう可能性があります。 それらのエリアがここで指定したピクセル数より小さい場合、マスクされません。

    最小間引き率

    スリバーの厚さを 0 ~ 1.0 のスケールで定義します。1.0 は円を表し、0.0 は直線に近いポリゴンを表します。

    [最大スリバー サイズ] 値と [最小間引き率] 値をどちらも下回るポリゴンは、フットプリントから削除されます。

    最大スリバー サイズ

    この値の二乗より小さいすべてのポリゴンを特定します。 値はピクセルで指定し、ソース ラスターの空間解像度ではなく、[リクエスト サイズ] 値に基づきます。

    [最大スリバー サイズ] 値と [最小間引き率] 値をどちらも下回るポリゴンは、フットプリントから削除されます。

  5. [実行] をクリックします。

オーバービューの構築

オーバービューは、大縮尺 (縮小) で画像コレクションを表示する場合に、表示速度の向上と CPU 使用率の低減が図れるように作成された低解像度の画像です。 画像コレクションを使用してホスト イメージ レイヤーのオーバービューを構築するには、次の手順を実行します。

  1. 組織サイトにサイン インし、画像コレクション イメージ レイヤーのアイテム ページを開きます。
  2. [画像管理] タブをクリックして、[オーバービューの構築] ボタンをクリックします。
  3. [実行] をクリックします。

シームラインの計算

シームラインは、イメージ レイヤーの入力画像のモザイク境界を制御します。 入力画像が重なっている場合、シームラインを使用して入力画像がどのようにブレンドするかを定義および制御し、モザイク処理された画像の急激な変化を避けることができます。 シームラインを計算するには、次の手順を実行します。

  1. 組織サイトにサイン インし、画像コレクション イメージ レイヤーのアイテム ページを開きます。
  2. [画像管理] タブをクリックし、[シームラインの計算] ボタンをクリックします。
  3. [シームライン計算方法] で、次のいずれかを選択します:

    ラジオメトリー

    画像内のフィーチャのスペクトル パターンに基づく

    Geometry

    フットプリントの交差部分に基づく

    エッジ検出

    エリア内のフィーチャのエッジに基づく

    視差

    ステレオ ペアの視差画像に基づく

    ボロノイ

    エリアのボロノイ図に基づく

  4. [シームライン ブレンド幅] 値を入力し、単位を指定します。
  5. 必要に応じて、[設定の詳細表示] をクリックし、次の 1 つ以上を変更します:

    最小領域サイズ

    この指定した閾値よりも小さいすべてのシームライン ポリゴンが、シームライン結果から削除されます。

    ブレンド タイプ

    シームラインを基準としてブレンドされるピクセル数を定義します。

    リクエスト サイズ

    シームラインの決定に使用される画像をダウンサンプリングするための列数と行数を指定します。

    最小間引き率

    ポリゴンが、スリバーと見なされずに、どこまで薄くなることができるかを定義します。

    最大スリバー サイズ

    ポリゴンをまだスリバーと見なすことができる最大サイズを指定します。

  6. [実行] をクリックします。

カラー補正の計算

入力画像間の色の変化を調整および補正して、視覚的なモザイクを改善するには、次の手順を実行します。

  1. 組織サイトにサイン インし、画像コレクション イメージ レイヤーのアイテム ページを開きます。
  2. [画像管理] タブをクリックし、[カラー補正の計算] ボタンをクリックします。
  3. [カラー調整方式] で、次のいずれかを選択します:

    ドッジング

    ターゲット カラーに合わせて各ピクセルの値を変更します。 このオプションでは、ターゲット色のタイプを選ぶ必要があります。 多くの場合、ドッジングにより適切な結果を得ることができます。

    ヒストグラム

    参照画像のヒストグラムとの関係に従って、各ピクセルの値を変更します。

    標準偏差

    標準偏差内のターゲット ラスターのヒストグラムとの関係に従って各ピクセルの値を変更します。

  4. 前の手順で [ドッジング] を選択した場合、[カラー調整 (ドッジング) サーフェス タイプ] の値を指定します。 次のどちらかを選択します。

    単一色

    少数の画像と数種類の地表フィーチャだけが存在する場合に使用します。

    カラー グリッド

    多数の画像が存在するか、異なる多数の地上物体が画像に含まれている場合に使用します。

    1 次

    よりスムーズな色変化のために使用されます。 このオプションでは、すべてのピクセルは 2 次元多項式によるパラボリック表面から取得されたターゲット カラーに合わせて変更されるため、処理に多くの時間がかかります。

    2 次

    よりスムーズな色変化のために使用されます。 このオプションでは、すべてのピクセルは 2 次元多項式によるパラボリック表面から取得された一連のターゲット カラーに合わせて変更されるため、処理に多くの時間がかかります。

    3 次

    よりスムーズな色変化のために使用されます。 このオプションでは、すべてのピクセルは立方体面から取得された複数のターゲット カラーに合わせて変更されるため、処理に多くの時間がかかります。

  5. 必要に応じて、[設定の詳細表示] をクリックし、[統計の再計算] をオンにして、カラー補正された画像の統計を再計算します。

    [スキップするロウ数][スキップするカラム数] を設定することで、画像で統計の計算に使用される部分を制御できます。

  6. [実行] をクリックします。

統計の計算

コントラスト ストレッチの適用やデータの分類など、画像で特定のタスクを実行するには、統計情報が必要です。 統計情報の計算により表示が向上します。 画像コレクションとして公開された画像の統計情報を計算するには、次の手順を実行します。

  1. 組織サイトにサイン インし、画像コレクション イメージ レイヤーのアイテム ページを開きます。
  2. [画像管理] タブをクリックして、[統計情報の計算] ボタンをクリックします。
  3. 必要に応じて、次の 1 つ以上を変更します:

    スキップするロウ数

    ピクセル サンプル間の鉛直方向のピクセル数。 統計情報の計算に使用される各画像の部分は、この値によって制御されます。 値が 1 のときは列ごとの各ピクセルを使用し、値が 10 のときはピクセルを 10 個おきに使用します。

    スキップするカラム数

    ピクセル サンプル間の水平方向のピクセル数。 統計情報の計算に使用される各画像の部分は、この値によって制御されます。 値が 1 のときは行ごとの各ピクセルを使用し、値が 10 のときはピクセルを 10 個おきに使用します。

    除外値

    統計情報の計算に含まれないピクセル値。

  4. [実行] をクリックします。

NoData ピクセル値の定義

画像コレクションで NoData として表現される 1 つまたは複数の値を指定できます。 NoData は、画像の周囲にあるピクセル値の定義または透過表示の設定に使用できます。 画像コレクションとして公開された画像の NoData 値を設定するには、次の手順を実行します。

  1. 組織サイトにサイン インし、画像コレクション イメージ レイヤーのアイテム ページを開きます。
  2. [画像管理] タブをクリックして、[NoData ピクセル値の定義] ボタンをクリックします。
  3. [NoData ピクセル値] パラメーターに整数のピクセル値を入力します。

    または、[有効なピクセル値の範囲を定義] チェックボックスをオンにして、有効な最小ピクセル値と最大ピクセル値を指定します。 有効範囲外のピクセル値は NoData として設定されます。

  4. マルチバンド画像を操作している場合は、必要に応じて、[ピクセルは、すべてのバンドの NoData 条件が満たされている場合にのみ穴埋めを表します] をオンにします。
    • オン (デフォルト) - あるピクセルがすべてのバンドで NoData として分類されている場合に、マルチバンド イメージ レイヤーでそのピクセルを NoData として分類します。
    • オフ - あるピクセルがいずれかのバンドで NoData として分類されている場合に、マルチバンド イメージ レイヤーでそのピクセルを NoData として分類します。
  5. [実行] をクリックします。