植生の監視

植生の監視 植生の監視ツールは、マルチバンド画像レイヤーのバンドに対して算術演算を実行し、植被情報を抽出します。

注意:

現在、この機能は Map Viewer Classic でのみサポートされています。 この機能は Map Viewer の今後のリリースで提供される予定です。

このツールが Map Viewer Classic に表示されない場合は、組織の管理者に問い合わせてください。 お使いのアカウントには、Professional または Professional Plus のユーザー タイプと、画像解析の権限が必要です。

ワークフロー図

植生の監視のワークフロー

Sentinel-2 画像をもとに、乾燥地域における健康な森林植生をハイライト表示します。 植生の監視ツールを使用し、植生のマッピング時に土壌の明るさを示す土壌調整植生指数 (SAVI) を計算します。

使用上の注意

このツールでは、マルチバンド画像の植生指数を生成できます。 出力には、画像内の各ピクセルの植生指数値が含まれます。

各バンド指数が出力を生成するには、複数のスペクトル バンドが必要となるため、このツールを使用するにはマルチバンド画像が必要です。 植生を監視する方法を選択すると、各指数に必要なバンドが表示されます。

[現在のマップ範囲を使用] がオンの場合、現在のマップ範囲に表示されるピクセルだけが解析されます。 オフの場合は、入力イメージ レイヤー全体が解析されます。

次の表に、このツールのパラメーターを示します。

パラメーター説明
入力データの選択

マルチバンド イメージ レイヤーを選択します。 イメージ レイヤーには、選択した植生監視方法に適したバンドが必要です。

植生を監視する方法の選択

植生監視レイヤーを作成する方法を選択します。 植生指数方法を使用すると、特定の地物をハイライト表示したり、ノイズを低減したりすることができます。

  • [環境監視指数] - GEMI は、衛星画像から世界規模で環境をモニターリングするための非線形植生指数です。 NDVI と類似していますが、大気の影響をほとんど受けない点が異なります。 露出土壌の影響を受けるため、低密度の植生地域や中密度の植生地域に使用することはお勧めしません。
  • [森林植生指数 - Landsat TM] - GVI は、当初は Landsat MSS 画像用に設計されたものですが、Landsat TM 画像で使用できるよう対応するように改良されました。 Landsat TM タッセルド キャップ森林植生指数とも呼ばれています。
  • [修正土壌調整植生指数] - MSAVI2 は、SAVI 方法による露出土壌の影響を最小限に抑えることを目的とした植生指数です。
  • [正規化植生指標] - NDVI は、植生の有無・活性度を表す標準化された指数 (相対バイオマス) です。 この指数は、赤のバンドにおけるクロロフィル色素の強い吸収と、近赤外 (NIR) バンドにおける植物の細胞構造による高い反射特性を利用しています。 これがデフォルトです。
  • [垂直植生指数] - PVI は、差分植生指数と類似していますが、大気の変動による影響を受けやすい点が異なります。 この方法は、大気補正された画像のみを対象に使用する必要があります。
  • [土壌調整植生指数] - SAVI は、土壌調整係数を使用して、土壌の明るさの影響を最小限にすることを目的とした植生指数です。 この方法は、植生の割合が低い乾燥した地域によく使用されます。
  • [Sultan の公式] - Sultan の公式では、取得した 6 バンドの 8 ビット画像に対して固有のアルゴリズムを適用して 3 バンドの 8 ビット画像を作成します。 得られる画像では、海岸線に沿ったオフィオライトと呼ばれる岩石層が強調されます。 この公式は、Landsat 5 または 7 シーンの TM バンドと ETM バンドに基づいて作成されたものです。
  • [変換土壌調製植生指数] - 変換 SAVI は、ソイル ラインの傾きと切片が任意に指定されることを前提として、土壌の明るさによる影響を最小限にすることを目的とした植生指数です。

バンドのインデックスを指定

選択した植生監視方法を計算するために必要なバンドのバンド インデックスを指定します。

各衛星センサーと航空写真カメラでは、異なる波長バンドの情報を捉え、各バンドにはセンサーのバンド リスト内の順序を表す数字があります。 たとえば、オンボードの Landsat-8 の OLI センサーの NIR バンドは、バンド 5 です。

ソイル ラインの傾き

散布図での NIR バンドと Red バンド間の関係を推測する線の傾きの値です。

このオプションは、植生監視方法が [変換土壌調製植生指数] に設定されている場合にのみ使用できます。

インターセプト

Red バンドの反射値が 0 である場合の NIR バンドの値です。

このオプションは、植生監視方法が [変換土壌調製植生指数] に設定されている場合にのみ使用できます。

緑色植生の割合

森林植生の割合を指定します。

  • 森林植生がないエリアの場合は「1」を入力します。
  • 森林植生の割合が中程度のエリアの場合は「0.5」を入力します。
  • 森林植生が大きいエリアの場合は「0」を入力します。

このオプションは、植生監視方法が [土壌調整植生指数] に設定されている場合にのみ使用できます。

調整係数

土壌の影響を最小限に抑えるための調整係数を指定します。 値を小さくすると、土壌の影響が無視されます。 値を大きくすると、土壌の影響が結果に反映されます。 デフォルト値は 0.08 です。

このオプションは、植生監視方法が [変換土壌調製植生指数] に設定されている場合にのみ使用できます。

結果レイヤー名

[マイ コンテンツ] に作成され、マップに追加されるレイヤーの名前。 デフォルトの名前は、ツール名と入力レイヤー名に基づいて設定されます。 レイヤーがすでに存在する場合は、別の名前を指定するよう求められます。

[出力の保存場所] ドロップダウン ボックスを使用して、結果を保存する [マイ コンテンツ] 内のフォルダーの名前を指定できます。 タイル イメージ レイヤーとダイナミック イメージ レイヤーの両方を作成する権限がある場合は、[結果の保存方法] ドロップダウン ボックスを使用して、出力にどちらのレイヤー タイプを使用するかを指定することもできます。

ヒント:

解析を実行して消費されるクレジットの量を確認するには、[クレジットの表示] をクリックします。

環境

解析環境設定は、ツールの結果に影響する追加パラメーターです。 このツールの解析環境設定にアクセスするには、ツール ウィンドウの上部にある設定ボタン 解析環境 をクリックします。

このツールでは次の [解析環境] が適用されます。

  • 出力座標系 - 出力レイヤーの座標系を指定します。
  • 範囲 - 解析に使用するエリアを指定します。
  • スナップ対象ラスター - 指定したスナップ対象ラスター レイヤーのセルの配置に一致するように、出力の範囲を調整します。
  • セル サイズ - 出力レイヤーで使用するセル サイズ。
  • マスク - マスク レイヤーを指定します。このレイヤーでは、マスク エリアの範囲内にあるセルのみが解析に使用されます。
  • リサンプリング方法 - ピクセル値の内挿に使用する方法。
  • 処理ワーカーのリサイクル間隔 - ワーカー プロセスを再開する前に処理するイメージ セクションの数を定義します。
  • 並列処理ファクター - ラスター処理 CPU または GPU インスタンスを制御します。
  • 失敗したときの再試行回数 - ジョブの処理中にランダムな障害が発生した場合に、ワーカー プロセスが再試行される回数を定義します。

類似のツールとラスター関数

植生の監視でマルチバンド画像を使用し、植生指数を生成できます。 その他のツールは、類似した少し異なる問題を解決するのに効果的です。

Map Viewer Classic 解析ツールとラスター関数

バンド演算ラスター関数を使用し、植生指数などの複数のバンド指数と、その他の処理オプションを生成できます。 NDVI ラスター関数と NDVI カラー化ラスター関数でマルチバンド画像を使用し、正規化差植生指数を生成できます。

ArcGIS Pro 解析ツールとラスター関数

植生の監視ツールは、ArcGIS Proバンド演算NDVI、および NDVI カラー化ラスター関数と類似の機能を実行します。