流路距離

流路距離ツールは、各セルから流れ込む河川までの下降斜面の水平または鉛直方向の距離を計算します。

出力はホスト イメージ レイヤーです。

使用上の注意

流路距離には、入力レイヤー、解析の設定、結果レイヤーの構成が含まれています。

入力レイヤー

[入力レイヤー] グループには次のパラメーターがあります。

• [入力河川ラスター] は、連続的な河川ネットワークを表すラスター レイヤーです。

  [入力河川ラスター] レイヤーを作成する際は、ツールに入力した [入力サーフェス ラスター] レイヤーと同じものを使用することをおすすめします。

  [入力河川ラスター] レイヤーは、流向、累積流量、Con ツールをそれぞれ使用して [入力サーフェス ラスター] レイヤーから作成できます。

  他のソースからの河川を使用する場合、最善の結果を得るために、はじめに [入力サーフェス ラスター] レイヤーに追加します。 次に、その結果に対して流向ツールを実行します。

• [入力サーフェス ラスター] は、計算に使用する標高ラスターです。

  [入力サーフェス ラスター] レイヤーに窪地が存在しない場合、[入力河川ラスター] 値で表される河川セルまでの距離が計測されます。

  [入力サーフェス ラスター] レイヤーに窪地が存在する場合、流路の一部が河川に到達する前に窪地に流れ込み、止まることがあります。 その場合、これらのセルの流路距離は窪地まで計測されます。

• [オプション レイヤー] グループには、[入力流向ラスター]　パラメーターが含まれています。

  [入力流向ラスター] パラメーターは、各セルからの流向を示すラスターを指定します。 流向ラスターは、流向ツールを使用し、D8、MFD (Multiple Flow Direction)、または DINF (D-Infinity) のいずれかの方法で作成されます。 [流向タイプ] パラメーターを使用すると、流向ラスターが作成されたときに使用された方法を指定できます。

  [入力流向ラスター] レイヤーを作成する際は、このツールに入力した [入力サーフェス ラスター] レイヤーを使用することをおすすめします。

  [入力流向ラスター] パラメーターでは、流路距離を計測する方向が制限されます。

  [入力流向ラスター] レイヤーが指定されていない場合、各セルから、セルが流入する河川のセルまでのすべての下り経路を考慮したうえで、流路距離が評価されます。

流路距離の設定

[流路距離の設定] グループには次のパラメーターが含まれています。

• [距離タイプ] は、流路距離の鉛直または水平成分を計算するかどうかを指定します。
  • [鉛直方向] - 流路距離の計算は、ドメインの各セルから、セルが流入する河川上のセルまでの、流路に沿った流路距離の鉛直成分を表します。 これがデフォルトです。
  • [水平方向] - 流路距離の計算は、ドメインの各セルから、セルが流入する河川上のセルまでの、流路に沿った流路距離の水平成分を表します。
• [流向タイプ] パラメーターは、フロー方向を計算するときに使用するフロー方法のタイプを指定します。 入力流向ラスターで指定されたラスターの作成時に使用した方法 (D8、MFD、DINF) を指定します。
• [統計タイプ] は、複数の流路の流路距離の計算に使用する統計タイプを指定します。 次のようなオプションがあります。
  • [最小] - 複数の流路が存在する場合、最小の流路距離が計算されます。 これがデフォルトです。
  • [加重平均] - 複数の流路が存在する場合、流路距離の加重平均が計算されます。 セルからその下流隣接セルへのフローの割合が、加重平均を計算するための重みとして使用されます。
  • [最大] - 複数の流路が存在する場合、最大の流路距離が計算されます。

結果レイヤー

[結果レイヤー] グループには次のパラメーターがあります。

• [出力名] は、作成および表示されるレイヤーの名前を指定します。 名前は、一意でなければなりません。 組織内に同じ名前のレイヤーがすでに存在する場合、ツールは失敗し、別の名前を指定するよう求められます。
• [出力レイヤー タイプ] は、作成するラスター出力のタイプを指定します。 出力は、タイル イメージ レイヤーまたはダイナミック イメージ レイヤーのいずれかです。
• [フォルダーに保存] は、結果を保存する [マイ コンテンツ] 内のフォルダーの名前を指定します。

環境

解析環境設定は、ツールの結果に影響する追加パラメーターです。 ツールの解析環境設定には、[環境設定] パラメーター グループからアクセスできます。

このツールでは次の解析環境が適用されます。

• 出力座標系
• 地理座標系変換
• 処理範囲

  注意:

  デフォルトの処理範囲は [全範囲] です。 このデフォルトは、デフォルトで [現在のマップ範囲を使用] が有効になっている Map Viewer Classic とは異なります。

• スナップ対象ラスター
• セル サイズ
• マスク

クレジット

このツールはクレジットを消費します。

このツールの実行に必要なクレジット数を計算するには、[クレジットの推定] を使用します。 詳細については、「空間解析のクレジットの概要」をご参照ください。

出力

[出力ラスター名] レイヤーは、各セルから流れ込む河川までの流路距離を格納します。

使用法の要件

このツールには、次のユーザー タイプと構成が必要です。

• Professional または Professional Plus ユーザー タイプ
• 公開者、ファシリテーター、管理者ロール、または画像解析権限を含む同等のカスタム ロール

リソース

詳細については、次のリソースをご参照ください。

• ArcGIS REST API の流路距離
• ArcGIS API for Python の flow_distance
• ArcGIS Pro の Raster Analytics エクステンションでの流路距離
• ArcGIS Pro の Spatial Analyst エクステンションでの流路距離