累積流量ツールは、流向ラスターから各セルへの累積流量のラスターを作成します。
出力はホスト イメージ レイヤーです。
例
このツールの使用シナリオには次のようなものがあります。
- セル位置で累積流量が大きい流路を特定します。
- セル位置で累積流量が 0 の尾根 (局所的な高い地形) を特定します。
使用上の注意
累積流量には、入力レイヤー、累積設定、結果レイヤーの構成が含まれています。
入力レイヤー
[入力レイヤー] グループには次のパラメーターがあります。
[入力流向ラスター] パラメーターは、各セルからの流向を示すラスターを指定します。 流向ラスターは、流向ツールを使用し、D8、MFD (Multiple Flow Direction)、または DINF (D-Infinity) のいずれかの方法で作成されます。 [流向タイプ] パラメーターを使用すると、流向ラスターが作成されたときに使用された方法を指定できます。
[オプションの重みレイヤー] グループには [入力累積加重ラスター] が含まれ、フローのうち各セルの累積流量に関与する割合を定義するラスター レイヤーを示します。
累積加重ラスターがない場合、各セルにデフォルト加重の 1 が適用されます。
累積設定
[累積設定] グループには、次のパラメーターがあります。
- [流向タイプ] パラメーターは、フロー方向を計算するときに使用するフロー方法のタイプを指定します。 入力流向ラスターで指定されたラスターの作成時に使用した方法 (D8、MFD、DINF) を指定します。
[累積流量データ タイプ] は、出力累積流量ラスターのデータ タイプを指定します。 次のようなオプションがあります。
- Float - 出力ラスターは浮動小数点タイプになります。 これがデフォルトです。
- Integer - 出力ラスターは整数タイプになります。
- Double - 出力ラスターは倍精度浮動小数点タイプになります。
結果レイヤー
[結果レイヤー] グループには次のパラメーターがあります。
[出力累積流量ラスター名] は、累積流量の結果を含む出力ラスターの名前です。
名前は、一意でなければなりません。 組織内に同じ名前のレイヤーがすでに存在する場合、ツールは失敗し、別の名前を指定するよう求められます。
- [出力レイヤー タイプ] は、作成するラスター出力のタイプを指定します。 出力は、タイル イメージ レイヤーまたはダイナミック イメージ レイヤーのいずれかです。
- [フォルダーに保存] は、結果を保存する [マイ コンテンツ] 内のフォルダーの名前を指定します。
環境
解析環境設定は、ツールの結果に影響する追加パラメーターです。 ツールの解析環境設定には、[環境設定] パラメーター グループからアクセスできます。
このツールでは次の解析環境が適用されます。
クレジット
このツールはクレジットを消費します。
このツールの実行に必要なクレジット数を計算するには、[クレジットの推定] を使用します。 詳細については、「空間解析のクレジットの概要」をご参照ください。
出力
[出力フロー累積ラスター名] レイヤーは、各セルに流れ込むすべての上流方向セルを累積して判定される累積流量の値を格納します。 ターゲット セルは、累積値に含まれません。 入力加重ラスターが指定されている場合、累積値で各セルの荷重が考慮されます。
フロー方向が定義されていないセルは、フローのみを受け取ります。これらのセルは、下流に寄与しません。
D8 入力流向ラスターの場合、流向ラスターの値が 1、2、4、8、16、32、64、128 以外の場合、そのセルのフロー方向は未定義と見なされます。 DINF (D-Infinity) 入力流向ラスターの場合、流向ラスターの値が -1 であれば、そのセルのフロー方向は未定義と見なされます。
使用法の要件
このツールには、次のユーザー タイプと構成が必要です。
- Professional または Professional Plus ユーザー タイプ
- 公開者、ファシリテーター、管理者ロール、または画像解析権限を含む同等のカスタム ロール
リソース
詳細については、次のリソースをご参照ください。
- 累積流量の仕組み
- ArcGIS REST API の累積流量
- ArcGIS API for Python の flow_accumulation
- ArcGIS Pro の累積流量と Raster Analytics エクステンション
- ArcGIS Pro の累積流量と Spatial Analyst エクステンション