類似位置の検索

類似位置の検索ツールは、一定の条件に基づいて、候補位置と参照位置の類似性を評価し、候補位置を類似性の高いものから低いものへランク付けします。

このツールには、次のような使用例があります。

  • ある開発会社では、新たに定年退職者のコミュニティを建設するための場所を探しています。 この会社は、レイヤーへの情報付加ツールを使用して、既存の最も成功しているコミュニティの周辺近隣の人口統計データを入手します。 次に、類似位置の検索ツールを使用して、既存の成功しているコミュニティの人口統計の性質との類似性に基づいて、候補となるコミュニティ サイトに順位を付けます。
  • 地方公務員が、事業を自分の都市に誘致したいと考えています。 現在事業が行われている都市と、競合となりうる都市の情報 (犯罪率、成長率、人口統計など) を収集します。 その後、類似位置の検索ツールを適用して、現在事業が行われている都市との類似性に基づいて、自分の都市と競合の都市をランク付けします。

使用上の注意

類似位置の検索ツールには、入力フィーチャ、類似検索の設定、結果レイヤーの構成が含まれています。

入力フィーチャ

[入力フィーチャ] グループには次のパラメーターがあります。

  • [参照位置レイヤー] は、照合する参照位置を含むポイント、ライン、ポリゴン レイヤーです。 レイヤーに複数の位置が含まれる場合、すべての位置は平均化され、1 つの参照位置が作成されます。
  • [検索候補レイヤー] は、検索候補位置を含むポイント、ライン、ポリゴン レイヤーです。 各検索候補位置は、指定した検索基準値によって参照位置と比較され、類似性の高いものから低いものにランク付けされます。

フィーチャの入力では、レイヤー名の下にフィーチャの数が表示されます。 この数には、フィルターを使用して削除されたフィーチャを除く、レイヤー内のすべてのフィーチャが含まれます。 処理範囲などの環境設定は、フィーチャの数に反映されません。

類似検索設定

[類似検索設定] グループには次のパラメーターがあります。

  • [検索基準] は、参照位置と各検索候補位置との類似性を評価するために使用する数値フィールドを指定します。 類似性は、フィールド値に基づいています。 各フィールド セットは、はじめに標準化されます。 次に、候補位置の値がターゲット位置の値から引かれ、2 乗されます。 ある候補位置のすべての 2 乗差の合計が、この候補位置の類似度指標になります。 候補位置は、類似度指標が最も小さい (最も類似する) 候補から、最も大きい (最も類似しない) 候補までランク付けされます。 次のオプションを利用できます。
    • [参照レイヤーからのフィールド] - [候補レイヤーのフィールド] で指定した検索候補レイヤーに対応する参照位置レイヤーのフィールド。 一致するフィールドの値が比較され、参照位置と各検索候補位置の類似性が評価されます。
    • [候補レイヤーからのフィールド] - [参照レイヤーからのフィールド] で指定した参照位置フィールドに対応する検索候補レイヤーのフィールド。 一致するフィールドの値が比較され、参照位置と各検索候補位置の類似性が評価されます。
  • [すべての結果を返す] は、検索候補レイヤーのすべての位置が出力レイヤーに含まれるかどうかを指定します。
  • [返される位置の数] は、出力レイヤーに含まれる検索候補レイヤーのうち、最も類似性が高い位置の数です。

結果レイヤー

[結果レイヤー] グループには次のパラメーターがあります。

  • [出力名] は、作成および表示されるレイヤーの名前を指定します。 名前は、一意でなければなりません。 組織内に同じ名前のレイヤーがすでに存在する場合、ツールは失敗し、別の名前を指定するよう求められます。
  • [フォルダーに保存] は、結果を保存する [マイ コンテンツ] 内のフォルダーの名前を指定します。

制限事項

参照位置レイヤーと検索候補レイヤーは、個別のレイヤーである必要があります。 1 つのレイヤーに、参照位置と検索候補位置の両方が含まれる場合は、レイヤーを複製してフィルターを適用します。 はじめに、フィルターを元のレイヤーに適用し、レイヤーからすべての検索候補位置を削除します。 次に、複製したレイヤーにフィルターを適用し、そのレイヤーからすべての参照位置を削除します。 履歴からツールを再実行した場合、[参照位置レイヤー] または [検索候補レイヤー] が、フィルターを含む正しいレイヤーを参照していない可能性があります。 パラメーターを消去し、フィルターを含む正しいレイヤーに設定する必要があります。 これは既知の問題です。

環境

解析環境設定は、ツールの結果に影響する追加パラメーターです。 ツールの解析環境設定には、[環境設定] パラメーター グループからアクセスできます。

このツールでは次の解析環境が適用されます。

  • 出力座標系
  • 処理範囲
    注意:

    デフォルトの処理範囲は [全範囲] です。 このデフォルトは、デフォルトで [現在のマップ範囲を使用] が有効になっている Map Viewer Classic とは異なります。

クレジット

このツールはクレジットを消費します。

このツールの実行に必要なクレジット数を計算するには、[クレジットの推定] を使用します。 詳細については、「空間解析のクレジットの概要」をご参照ください。

出力

ツールは、指定した数の最も類似性が高い検索候補位置を持つレイヤーを出力します。 レイヤーには、類似度指標と類似ランクを示すフィールドがあります。 類似ランクは、検索候補位置を最も類似性が高いものから最も類似性が低いものまで示します。

解析に関する詳細情報を表示するには、[履歴] ウィンドウを開き、ツールの正常な実行を検索してクリックします。 解析の詳細が [結果] タブに表示されます。 [結果] タブには、解析に関するその他の詳細が含まれます。 その他の詳細は、レイヤーのアイテム ページでも確認できます。 出力レイヤーの横にあるオプション ボタンをクリックし、[詳細の表示] をクリックします。

ライセンス要件

このツールには、次のユーザー タイプと構成が必要です。

  • CreatorProfessionalProfessional Plus ユーザー タイプ
  • 公開者、ファシリテーター、管理者ロール、またはそれと同等のカスタム ロール

リソース

詳細については、次のリソースをご参照ください。