データの抽出ツールは、フィーチャ レイヤーおよびテーブルを ArcGIS Pro、Microsoft Excel、その他の製品で使用できるデータセットにパッケージ化します。 データの抽出ツールは、レイヤーのデータが含まれているコンテンツ内にアイテムを作成します。 その後、アイテムからデータをダウンロードできます。
注意:
データの抽出ツールには、定義済みの分析範囲にあるフィーチャをエクスポートするオプションなど、データのエクスポートに使用できるオプションが用意されています。 完全なデータセットについては、アイテム ページからデータセットを直接エクスポートすることもできます。 詳細については、「レイヤーの使用」をご参照ください。
ダウンロード可能な .csv ファイル、ファイル ジオデータベース、.kml ファイル、シェープファイルを含むホスト アイテムが出力されます。
例
小規模な食品配達会社の経営者は、ラッシュアワーの交通渋滞の中でより効率よく移動できる配達ルートと新しいレストランの候補地を見つけることに取り組んでいます。 この経営者は、配達場所と人口統計データで構成されたデータセットを作成した後、データの抽出ツールを使用して、スプレッドシートまたは ArcGIS Pro などの GIS アプリケーションで詳しく分析するためのカンマ区切り値ファイル (.csv) を作成しました。
使用上の注意
データの抽出ツールには、入力レイヤー、範囲の設定、結果レイヤーの構成が含まれます。
入力レイヤー
[入力レイヤー] グループには、抽出されるフィーチャ レイヤーまたはテーブルを指定する [入力レイヤー] パラメーターがあります。 同時に複数のレイヤーとテーブルを選択してエクスポートできます。 ユーザーが所有しているレイヤーか、エクスポート対応のレイヤーのみ選択できます。
フィーチャの入力では、レイヤー名の下にフィーチャの数が表示されます。 この数には、フィルターを使用して削除されたフィーチャを除く、レイヤー内のすべてのフィーチャが含まれます。 処理範囲などの環境設定は、フィーチャの数に反映されません。
範囲設定
[範囲設定] グループには次のパラメーターがあります。
[範囲レイヤー] は、抽出するフィーチャの範囲を定義するポイント、ライン、ポリゴン フィーチャを指定します。[レイヤー] ボタンを使用してレイヤーを選択するか、[入力フィーチャの描画] ボタンを使用して、入力として使用するスケッチ レイヤーを作成することができます。
ポイント レイヤーまたはライン レイヤーを範囲レイヤーとして使用している場合、抽出されたフィーチャの範囲は、個々のフィーチャではなく選択したレイヤーの全範囲によって定義されます。 ポリゴン レイヤーを範囲レイヤーとして使用している場合、範囲レイヤー内のポリゴン フィーチャと交差する入力フィーチャが抽出されます。
注意:
範囲は [処理範囲] 環境設定でも指定できます。 デフォルトの処理範囲は、データセットの全範囲です。
範囲レイヤーを選択する場合、抽出されるフィーチャは、範囲レイヤーと処理範囲の両方の範囲内に存在する必要があります。 範囲レイヤーを選択しなかった場合、範囲は処理範囲にのみ基づきます。
- [範囲と交差するフィーチャのクリップ] は、範囲と交差するフィーチャをクリップするかどうかを指定します。 このパラメーターは、[範囲レイヤー] で入力レイヤーが選択されている場合に使用できます。 パラメーターには次のようなオプションがあります。
- オフ - 範囲と交差するフィーチャは、クリップなしで抽出されます。
- オン - 範囲と交差するフィーチャはクリップされ、範囲内にあるフィーチャの一部のみが抽出されます。
結果レイヤー
[結果レイヤー] グループには次のパラメーターがあります。
- [出力データ形式] は、作成されるアイテムのファイル形式を指定します。 サポートされる形式には、.csv ファイル、ファイル ジオデータベース、シェープファイル、.kml ファイルがあります。
- [出力名] は、コンテンツで作成されたアイテムの名前を指定します。 名前は、一意でなければなりません。 組織内に同じ名前のアイテムがすでに存在する場合、ツールは失敗し、別の名前を指定するよう求められます。
- [フォルダーに保存] は、結果を保存する [マイ コンテンツ] 内のフォルダーの名前を指定します。
制限事項
このツールには次の制限が適用されます。
- スケッチ レイヤーは入力としてサポートされていません。
- 抽出可能なレイヤーは、ユーザーが所有しているレイヤーとエクスポートが有効になっているレイヤーです。
- テーブル レイヤーは、シェープファイルとして抽出できません。
- ラインまたはエリアを .csv ファイルにエクスポートすると、非空間属性だけが抽出されます。
- 添付ファイルが抽出されるのは、出力データ形式がファイル ジオデータベースであり、[範囲と交差するフィーチャのクリップ] がオフである場合に限ります。
- [入力フィーチャの描画] ボタンは、Scene Viewer では使用できません。
環境
解析環境設定は、ツールの結果に影響する追加パラメーターです。 ツールの解析環境設定には、[環境設定] パラメーター グループからアクセスできます。
このツールでは次の解析環境が適用されます。
クレジット
このツールはクレジットを消費します。
このツールの実行に必要なクレジット数を計算するには、[クレジットの推定] を使用します。 詳細については、「空間解析のクレジットの概要」をご参照ください。
出力
ダウンロード可能な .csv ファイル、ファイル ジオデータベース、.kml ファイル、シェープファイルを含むホスト アイテムが出力されます。 複数のレイヤーが .csv ファイルまたは .kml ファイルとして抽出されると、ファイルは単一の圧縮 (.zip) フォルダーに格納されます。
ライセンス要件
このツールには、次のユーザー タイプと構成が必要です。
- Creator、Professional、Professional Plus ユーザー タイプ
- 公開者、ファシリテーター、管理者ロール、またはそれと同等のカスタム ロール
リソース
詳細については、次のリソースをご参照ください。
- データの抽出の仕組み
- ArcGIS REST API のデータの抽出
- ArcGIS API for Python の extract_data
- ArcGIS Pro のデータのエクスポート
- ArcGIS Pro の変換ツールボックス