ArcGIS Mission Server は 10.8.1 以降、複数コンピューターのサイトをサポートしています。
レガシー:
10.8 リリースでは、単一コンピューターのサイトだけがサポートされていました。
複数コンピューターの ArcGIS Mission Server サイトでは、さらに多くのアクティブなミッション メンバーをサポートできるようになります。 多数のアクティブ ユーザーがいる場合や、1 台のコンピューターのリソースがユーザーのニーズを満たすには不十分な場合、複数コンピューターのサイトに拡張すると効果的です。
ArcGIS Mission Server サイトのすべてのコンピューターでバージョンとライセンス ファイルが同じである必要があります。 最初に設定するコンピューターで、 ArcGIS Mission Server サイトを作成する必要があります。 その後、追加の ArcGIS Mission Server コンピューターをサイトに加えることができます。
注意:
他の ArcGIS Server ロールとは異なり、 ArcGIS Mission Server は最初のコンピューターからサイトへのコンピューターの追加をサポートしていません。 各コンピューターに順番にアクセスし、 ArcGIS Mission Server 構成ウィザードまたは joinSite ユーティリティを使用して手順どおりにコンピューターをサイトに加える必要があります。
インストールの準備
最初に ArcGIS Mission Server サイトを作成する際に、構成ストアおよびサーバー ディレクトリの場所を指定します。 複数コンピューターのサイトでは、構成ストアとサーバー ディレクトリを共有し、他のコンピューターがそれらにアクセスできるようにしなければなりません。 サイトに参加する各コンピューターに、これらの共有場所に対する読み書き権限を付与する必要があります。
複数コンピューターのサイトのインストールおよび構成
複数コンピューターの ArcGIS Mission Server サイトを設定する場合は、追加の手順を実行する必要があります。
- ArcGIS Mission Server のシステム要件を確認し、各コンピューターが要件を満たしていることを検証します。 各コンピューターのファイアウォールを調整し、ArcGIS Enterprise 配置内の各コンピューターからの通信で使用するポート 20443 を開きます。
必ず両方のコンピューターで同じオペレーティング システム ユーザーを使用してインストールします。 ArcGIS Mission Server のインストールに使用したユーザー アカウントが、ソフトウェアの実行に使用するアカウントになります。 グループ ユーザーとその他すべてのユーザーは、少なくとも ArcGIS Mission Server インストール ディレクトリの実行アクセス権限を持っている必要があります。 root アカウントを使用した ArcGIS Mission Server のインストールはサポートされていません。 たとえば、2 つの異なるコンピューターにインストールするために使用するユーザー アカウントは次のように設定します。
- ArcGIS Mission Server を、ユーザー ID が 58103 のユーザー ags として最初のコンピューターの /data/ags にインストールします。
- ArcGIS Mission Server を、同じユーザー名と ID (ags、ユーザー ID 58103) で 2 番目のコンピューターの /data/ags にインストールします。
- 現時点までのインストール プロセス中に、すでに次の作業が完了しているようにします。
- 各コンピューターで ArcGIS Mission Server をインストールおよび認証します。 ソフトウェアをサイレント インストールすることもできます。
- ネットワーク上で 2 つのディレクトリを作成して共有し、インストール ユーザーを所有者として指定します。 1 つは構成ストア用、もう 1 つはサーバー ディレクトリ用です。 フォルダーに対する 700 以上の権限を付与する必要があります。例:
注意:
非表示になっているか、特殊文字 (たとえば、「$」) を使用している共有ネットワーク ディレクトリは、 ArcGIS Mission Server ではサポートされません。
- 「config-store」という名前のディレクトリを作成します。 ユーザー ID が 58103 のユーザー ags を所有者として指定します。ディレクトリに対する 700 以上の権限を付与します。
- config-store フォルダーを共有して、両方のコンピューターが同じパス (たとえば /net/myserver/config-store) を使用してこのディレクトリにアクセスできるようにします。
- 「arcgismissionserver」という名前のディレクトリを作成します。 ユーザー ID が 58103 のユーザー ags を所有者として指定します。ディレクトリに対する 700 以上の権限を付与します。
- arcgismissionserver フォルダーを共有して、両方のコンピューターが同じパス (たとえば /net/myserver/arcgismissionserver) を使用してこのディレクトリにアクセスできるようにします。
サイトを作成するときに使用するコンピューター上にディレクトリを配置する場合でも、手動でディレクトリを作成して共有し、ネットワーク パスを通じて参照しなければなりません。
- いずれかのコンピューターから、新しい ArcGIS Mission Server サイトを作成します。 以前に設定したサーバー ディレクトリと構成ストアのパスを必ず使用してください。
- 前の手順が完了したら、構成ウィザードを使用して作成したサイトに追加の各コンピューターを加えることができます。 コマンド ラインからサイトに加える場合は、ステップ 6 をご参照ください。
- 最初に追加したコンピューターから、 ArcGIS Mission Server 構成ウィザードを開きます。
- ウィザードの手順を確認して実行し、[続行] をクリックします。
- [既存サイトに参加] をクリックします。
- ステップ 4 で作成したとおりに、 ArcGIS Mission Server サイトの URL と認証情報を入力します。
- サイトに加える各コンピューターに対して、ステップ a から d を繰り返します。
- 構成ウィザードを使用する代わりに、次のようにコマンド ライン ユーティリティを使用してコンピューターをサイトに加えることができます。
- ArcGIS Mission Server アカウントでコンピューターにログインしていることを確認します。
- コマンド プロンプトを開き、<ArcGIS Mission Server install directory>/tools/joinsite/joinsite.sh にあるユーティリティを実行します。 ユーティリティのコマンド ライン パラメーターは次のとおりです。
パラメーター 説明 -u または --username
プライマリ サイト管理者のユーザー名。
ユーザー名に次の文字は使用できません: \/:*?|<>
-p または --password
プライマリ サイト管理者のパスワード。
パスワードに次の文字は使用できません: \/:*?|<>
-f または --file
joinsite ユーティリティの構成ストアの接続ファイル。
-s または --siteUrl
参加する既存の ArcGIS Mission Server サイトの URL (https://missionserver.domain.com:20443/arcgis/admin 形式)。
-h または --help
コマンド ライン ヘルプを表示して、終了します。
ユーティリティのコマンド例:
<ArcGIS Mission Server install directory>/tools/joinsite/joinsite.sh -u missionPSA -p my.Password3 -s https://missionserver.domain.com:20443/arcgis/admin
アカウントの認証情報とサイト URL が正しく入力されると、ユーティリティはコンピューターを ArcGIS Mission Server サイトに加えます。 追加コンピューターごとに、この手順を繰り返します。