ユーティリティ ネットワーク トレース ウィジェットでは、接続性と通過可能性に基づいて、ユーティリティ ネットワークでトレースを実行できます。 始点は、ネットワーク内のトレースの開始位置を定義し、バリア ポイントはトレースの停止位置を定義します。 トレース パラメーターは、各トレース タイプに対して事前設定されます。 ユーザーは 1 つのトレースを実行することも、複数のトレースを同時に実行することもできます。結果は、接続したマップで視覚化したり、選択したフィーチャのアセット グループ別リストやアセット タイプ別リストとして表示できます。
例
このウィジェットを使用して、次のようなアプリの設計要件をサポートします。
- 水の供給を停止するために閉じる必要があるシステム バルブと、結果的に発生する断水の影響を受ける顧客を特定するために、分離性のトレースを実行します。
- 雨水システムの汚染源として考えられる場所を特定するため、上流トレースを実行します。
- 新たに編集されたフィーチャが、予期したとおりに接続されていることを確認するため、分岐バージョンで接続解析トレースを実行します。
- 回路やゾーンなどのサブネットワークが定義されていること、または適切に編集されたことを確認するため、サブネットワーク トレースを実行します。
使用上の注意
このウィジェットには、マップ ウィジェットへの接続が必要です。 トレースを実行するには、マップ ウィジェットはユーティリティ ネットワーク (バージョン 5 以降) と、共有された指定トレース構成 (ArcGIS Enterprise 10.9 以降) を使用して公開された 2D Web マップ データ ソースに接続する必要があります。
- Enterprise デプロイメントを使用してユーティリティ ネットワークを作成し、フィーチャ サービスを公開するには、ユーティリティ ネットワークの作成と構成の手順に従ってください。
- フィーチャ サービスを公開したら、ArcGIS Pro を使用して指定トレース構成を追加し、Web マップを通じて共有できるようになります。
11.1 以前に公開されたユーティリティ ネットワーク サービスでウィジェットを使用するには、ユーザーは ArcGIS Utility Network ユーザー タイプ エクステンションのライセンスが割り当てられた ArcGIS Enterprise アカウントでサイン インする必要があります。
ネットワーク トポロジを有効化する必要があります。また、ダーティ エリアがトレースされた場合は、トレースの結果の正確さは保証されません。 トレース対象エリアのネットワーク トポロジは、ネットワークに加えられた最新の変更または更新を反映するよう、整合チェックを行う必要があります。
トレース結果のタイプは、Web マップを通じて共有された指定トレース構成によって異なります。 ウィジェットでは、トレース結果は、選択かグラフィックス、あるいはその両方として返されます (集約されたジオメトリが結果タイプとして設定されている場合)。
注意:
マップ サービスでのトレースの実行はサポートされていません。
設定
ユーティリティ ネットワーク トレース ウィジェットには、次の設定が含まれます。
- [ソース] - マップ ウィジェットを選択します。 接続された Web マップには、ユーティリティ ネットワーク (バージョン 5 以降) と、共有された指定トレース構成 (ArcGIS Enterprise 10.9 以降) が含まれる必要があります。
- トレース結果 - 各マップの次のトレース結果オプションをカスタマイズします。
- [結果エリア] - [結果エリアの作成] をオンにし、トレース結果エレメントの周りに情報ポップアップを含む結果エリア ポリゴンが生成されます。 ポリゴンは、他のウィジェットでも使用できる出力データ ソースです。 ポリゴンは、次の設定でカスタマイズできます。
- [色] - 結果エリア ポリゴンの色を設定します。
- [トレーニング完了時に表示] - ユーザーがトレースを実行したときに、マップに結果エリア ポリゴンを表示します。
- [形状] - ポリゴンの形状 ([凸包] または [バッファー]) を選択します。 凸包とは、すべての入力フィーチャを囲む最小の凸ポリゴンです。 バッファーとは、各フィーチャの頂点で、オフセットから生成されるポリゴンです。 凸包は、切断されたエリアからのトレース結果を包含する 1 つの大きな結果エリアを作成するのに適しています。一方でバッファーは、各トレース結果に対して別々の結果エリアを作成する場合に適しています。
- [距離] - 距離の値と単位を指定します。 [バッファー] 形状を選択した場合、ここで指定した距離はバッファー オフセットになります。 [凸包] 形状を選択した場合、ここで指定した距離は凸包のバッファーとして適用されます。
- [結果エリア] - [結果エリアの作成] をオンにし、トレース結果エレメントの周りに情報ポップアップを含む結果エリア ポリゴンが生成されます。 ポリゴンは、他のウィジェットでも使用できる出力データ ソースです。 ポリゴンは、次の設定でカスタマイズできます。
操作オプション
ウィジェットの設定で [結果エリアの作成] をオンにすると、ユーティリティ ネットワーク トレース ウィジェットは他のウィジェットでも使用できる出力データ ソースを生成します。 これは、たとえば、トレースを実行したときにチャート ウィジェットの結果エリアに関するデータを表示したい場合に便利です。
このウィジェットは、ウィジェットの設定の [アクション] タブで構成されるメッセージ アクションをサポートしています。 ユーティリティ ネットワーク トレース ウィジェットは、フレームワークと他のウィジェットをターゲットにする、[レコード選択の変更] トリガーのソースとして使用できます。