適合性モデラー ウィジェット

適合性モデラー ウィジェットを使用すると、ユーザーが複数のファクターを一度に評価できるように、さまざまなレイヤーを組み合わせて重み付けできます。 たとえば、適合性モデルは、「虫害の危険が最も高いのは、どのエリアですか?」や「商業開発に最適な場所は、どのエリアですか?」などの質問に対する答えを導き出すことができます。 このような質問に対する答えは、入力したデータとそのデータから定義した条件によって異なります。

適合性モデラー ウィジェットは、高速な Web ベースの加重ラスター オーバーレイを使用して、サービスからモデルを生成します。 ユーザーは、空の状態の加重ラスター オーバーレイ (WRO) サービスまたは事前に構成された WRO モデルから開始できます。 レイヤーを選択し、ウェイトを割り当て、レイヤーの分類値を調整して、解析を定義したら、モデラーを実行し、結果を視覚化して、必要に応じて結果をアイテムとして組織に保存します。

適合性モデラー ウィジェットは、ArcGIS GeoPlanner のモデラーと同様に、加重オーバーレイ サービスと呼ばれる特殊なタイプのイメージ レイヤーを利用します。 Esri が提供している加重オーバーレイ サービスもいくつかあり、ArcGIS Online でパブリックに利用できます。これには、地球規模の範囲の生態学的データセットと地形学的データセットがあります。 適合性モデラー ウィジェットによって作成された適合性モデルは、加重オーバーレイ モデル サービスと呼ばれるホスト イメージ サービス レイヤーとしてエクスポートできます。

このウィジェットを使用して、次のようなアプリの設計要件をサポートします。

  • ユーザーが、活動に最適な場所を検索できるようにします。
  • ユーザーが、危険性を予測できるようにします。
  • ユーザーが、事象が発生する可能性が高い場所を識別できるようにします。

使用上の注意

このウィジェットには、マップ ウィジェットへの接続が必要です。 複数の適合性モデラー ウィジェットを同じマップ ウィジェットに接続できます。

アプリにこのウィジェットを含めると、次のパネルがユーザーに提供されます。

  • [レイヤーの選択] - 構成された WRO サービス内のレイヤーから選択して、モデリングの出力に含めるレイヤーを指定します。
  • [モデルの設計] - [パーセンテージ (%)] テキスト ボックスで個別の加重を指定して、選択した各レイヤーに解析での相対的な重要性を割り当てます。 加重の合計を 100 にする必要があります。 適合性スコア (0 ~ 9) を選択した各レイヤーの範囲に割り当てます。 必要に応じて、結果のカラー ランプを変更します。 このパネルには、次のボタンがあります。
    • [消去] - 選択されたレイヤー、スコア、ウェイト、結果、チャートなど、ウィジェット内のすべてのパラメーターを消去します。
    • [エクスポート] (オプション) - マップに追加できる、または構成済みモデルの開始状態として使用できる加重オーバーレイ モデル サービスとして、モデルを保存します。 現在、アプリを開いたときに [エクスポート] ボタンが表示されるようにするには、ユーザーは組織にコンテンツを作成する権限を持つ ArcGIS アカウントでサイン インする必要があります。
    • [実行] - モデル内の選択されたレイヤー、ウェイト、スコア、色に基づいて、適合性モデル レイヤーを接続されたマップ ウィジェットに追加します。 変更が加えられたモデルを再実行すると、マップ内のレイヤーが更新されます。
  • [チャートの生成] - 描画したポリゴンまたはマップ内のレイヤーから選択したポリゴン フィーチャのデータに基づくモデルの出力を集計します。 [画面移動] ツールを使用すると、ポリゴンを変更することなくマップを移動できます (ユーザーは [消去] をクリックして、描画または選択したポリゴンを消去できます)。

設定

適合性モデラー ウィジェットには次の設定があります。

  • [マップの選択] - モデルの結果を表示するマップ ウィジェットを選択します。
  • [表示ラベル] - 実行時に、構成されたウィジェットの名前をウィジェット内の見出しとして使用します。
    ヒント:

    デフォルトのウィジェット名をその設定パネルまたは [ページ] パネルの [アウトライン] セクションで変更します。

  • [エクスポートの許可] - ユーザーが加重オーバーレイ サービスとしてモデルを保存するための [エクスポート] ボタンをウィジェットに含めます (エクスポートには、コンテンツを作成する権限を持つ ArcGIS 組織アカウントが必要です)。
    注意:

    現在、[エクスポート] ボタンは、ユーザーがアプリを開いたときにサインインしている場合にのみウィジェットに表示されます。

  • [開始状態] - 構成済みモデルまたは空のモデルで開始して、ウィジェットのデフォルトを定義します。
    • [空のモデル] - ユーザーがウィジェットを開くたびに空の状態から独自のレイヤー条件の組み合わせを構成できるように、WRO サービス URL を直接参照します。 レイヤーの組み合わせを自由に試してみる場合は、空のモデルで開始します。
      ヒント:

      設定パネルに表示されているモデリング サービスの例のいずれかを使用するには、コピーして [イメージ サービスの URL] ボックスに貼り付けます。

    • [事前に構成されたモデル] - WRO サービス、レイヤーの組み合わせ、および重み付けですでに設定されている WRO モデルを検索します (ユーザーはウィジェットでレイヤーの選択とモデル設定を変更できます)。 ユーザーが既存のモデルから新しいモデルを作成することが見込まれる場合に、事前に構成されたモデルを開始します。 たとえば、危険因子に対するさまざまな利害関係者の視点とそれぞれの危険因子の重要性をモデリングする場合があります。
      注意:

      [モデル] ボックスにモデル名を入力すると、使用可能なモデルに基づく候補のリストが表示されます。

加重オーバーレイの理解

加重オーバーレイには、3 つの概念ステップがあります。 まず、ラスター レイヤーごとに解析での重みが (パーセンテージとして) 割り当てられます。 これにより、ユーザーは解析での各レイヤーの相対的な重要性を強調できるようになります。 次に、各ラスター レイヤー内の値が共通の適合性スケールにマッピングされます。 これにより、ユーザーは各ラスター レイヤー内のさまざまな情報を比較できるようになります。 最後に、解析に含まれるすべてのラスター レイヤーが重ね合わせて表示されます。 各ラスター セルの適合性の値にレイヤーの重みを掛けて求められた結果に、重ね合わせて表示される他のラスター セルの値が加算されます。 この結果は、出力ラスター レイヤーでシンボルとして使用される適合性の値です。

再分類されている 2 つの入力ラスター

上の図で、2 つの入力ラスターは、1 ~ 3 の適合性スケールに再分類されています。 各ラスターは、影響度で重み付けされています。 各セル値に重みを掛けて求められた結果が合計されて、出力ラスターを作成します。 たとえば、左上のセルで、入力されている 2 つの値はそれぞれ、(2 x 0.75) = 1.5 および (3 x 0.25) = 0.75 になります。 1.5 と 0.75 を合計すると、2.25 になります。 出力ラスター レイヤーは整数になるため、最終的な値は 2 に丸められます。

加重オーバーレイ モデルは、用地の適合性ファクターを視覚化して解析する効果的な手段です。 モデルの結果を使用して、機会のあるエリアとリスクのあるエリアを特定できます。 モデルは、さらに GeoPlanner のシナリオの計画で利用できます。

加重オーバーレイのデータを公開する方法については、ArcGIS GeoPlanner のマニュアルをご参照ください。