中心と分散の集計ツールは、中心フィーチャ、中心傾向、一連のフィーチャの標準偏差楕円を特定します。
出力は、1 ~ 4 つのフィーチャ レイヤーを含むホスト フィーチャ サービスです。
例
このツールの適用例を次に示します。
- 地方自治体は、サービスが不十分な地域に新たに図書館を開こうとしています。 GIS アナリストは、適切なゾーニングを持つブロック グループを特定し、[中心フィーチャ] オプションを使用して、コミュニティに最適な中心的なブロック グループを選択します。
- GIS アナリストは、[地理的中心] オプションを使用し、緊急時電話 (911) の位置と緊急対応局 (警察、消防、救急) の位置を比較します。
- 犯罪アナリストは、空き巣の地理的中間地点が日中と夜間とで変化するかどうかを評価したいと考えています。 アナリストは [地理的中間地点] オプションを適用し、空き巣の発生を時間帯によってグループ化することで、問題を解決します。
- ある非営利組織の GIS アナリストは、感染症の拡大を分析しています。 アナリストは [楕円] オプションを適用し、フィーチャを週ごとにグループ化することで、疾病がどのように拡大しているか評価します。
使用上の注意
中心と分散の集計ツールには、入力フィーチャ、計算の設定、結果レイヤーの構成が含まれています。
入力フィーチャ
[入力フィーチャ] グループには、中心フィーチャ、中心傾向、または標準偏差楕円を決定するポイント、ライン、ポリゴン レイヤーを指定する [入力レイヤー] パラメーターがあります。
フィーチャの入力では、レイヤー名の下にフィーチャの数が表示されます。 この数には、フィルターを使用して削除されたフィーチャを除く、レイヤー内のすべてのフィーチャが含まれます。 処理範囲などの環境設定は、フィーチャの数に反映されません。
計算設定
[計算設定] グループには次のパラメーターがあります。
- [サマリー タイプ] は、フィーチャの中心と分散を集計する方法を指定します。 複数の方法を選択できます。 次のパラメーター オプションがあります。
- [中心フィーチャ] は、他のすべてのフィーチャまでのユークリッド距離が最小になるフィーチャを見つけることで、最も中心に位置しているフィーチャを特定します。
- [地理的中心] は、すべてのフィーチャの地理的中心を見つけることで、地理的な中心位置を特定します。 地理的中心とは、入力フィーチャの重心の平均的な X 値と Y 値のポイントのことです。
- [地理的中間地点] は、他のすべてのフィーチャまでのユークリッド距離が最小になるポイントを特定することで、地理的中間地点を特定します。 地理的中間地点は、地理的中心ほどデータの外れ値による影響を受けません。
- [楕円] は、フィーチャの平均位置、分散、方向を集計する楕円ポリゴンを作成します。 楕円の中心は地理的中心にあります。 地理的中心からの X 座標と Y 座標の標準偏差は、楕円の軸を決定します。 北と楕円の長軸との間の時計回りの角度が、フィーチャの向きを表します。
- [楕円サイズ] は、楕円ポリゴンのサイズを標準偏差で指定します。 地理的中心とフィーチャ位置までの距離がレイリー分布に従う場合、[1 標準偏差]、[2 標準偏差]、[3 標準偏差] オプションはフィーチャのそれぞれ 68 パーセント、95 パーセント、99 パーセントをカバーする楕円ポリゴンを出力します。 このパラメーターは、[サマリー タイプ] が [楕円] に設定されている場合に必須です。
- [加重フィールド] は、フィーチャの重みを決定するために使用するフィールドを指定します。 加重の高いフィーチャほど、[サマリー タイプ] で選択された方法への影響が大きくなります。
- [フィールドでグループ化] は、フィーチャをグループ化するために使用するフィールドを指定します。 各 [サマリー タイプ] オプションが各グループに対して計算されます。
結果レイヤー
[結果レイヤー] グループには次のパラメーターがあります。
- [出力名] は、作成および表示されるレイヤーの名前を指定します。 名前は、一意でなければなりません。 組織内に同じ名前のレイヤーがすでに存在する場合、ツールは失敗し、別の名前を指定するよう求められます。
- [フォルダーに保存] は、結果を保存する [マイ コンテンツ] 内のフォルダーの名前を指定します。
環境
解析環境設定は、ツールの結果に影響する追加パラメーターです。 ツールの解析環境設定には、[環境設定] パラメーター グループからアクセスできます。
このツールでは次の解析環境が適用されます。
クレジット
このツールはクレジットを消費します。
このツールの実行に必要なクレジット数を計算するには、[クレジットの推定] を使用します。 詳細については、「空間解析のクレジットの概要」をご参照ください。
出力
このツールには、次の出力があります。
- CentralFeatureLayer - 中心フィーチャを含むポイント、ライン、ポリゴン レイヤー。 [フィールドでグループ化] パラメーターが指定されている場合、レイヤーには各グループの中心フィーチャが含まれます。
- MeanCenterLayer - ポイントが、すべてのフィーチャの地理的中心位置を表すポイント レイヤー。 [フィールドでグループ化] パラメーターが指定されている場合、レイヤーには各グループの地理的中心位置のポイントが含まれます。 レイヤーには、地理的中心位置の X 座標と Y 座標を示すフィールドが含まれます。
- MedianCenterLayer - ポイントが、すべてのフィーチャの地理的中間地点を表すポイント レイヤー。 [フィールドでグループ化] パラメーターが指定されている場合、レイヤーには各グループの地理的中間地点のポイントが含まれます。 レイヤーには、地理的中間地点の X 座標と Y 座標を示すフィールドが含まれます。
- EllipseLayer - ポリゴンが、すべてのフィーチャの標準偏差楕円であるポリゴン レイヤー。 楕円サイズは、[楕円サイズ] パラメーターの値によって異なります。 レイヤーには、地理的中心の X 座標と Y 座標、X 標準距離、Y 標準距離、楕円の回転を示すフィールドが含まれます。
ライセンス要件
このツールには、次のライセンスと構成が必要です。
- Creator、Professional、Professional Plus ユーザー タイプ
- 公開者、ファシリテーター、管理者ロール、またはそれと同等のカスタム ロール
リソース
詳細については、次のリソースをご参照ください。
- ArcGIS REST API の中心と分散の集計
- ArcGIS API for Python の summarize_center_and_dispersion
- ArcGIS Pro の地理的中心
- ArcGIS Pro の地理的中間地点
- ArcGIS Pro の中心フィーチャ
- ArcGIS Pro の分布指向性分析 (標準偏差楕円)